日本リーダーパワー史(734) 『 落花狼籍(らつかろうぜき)のマントヒヒ侯・伊藤博文』『鳴呼売淫国』の「伊藤公の蔭には必ず女があった』(三宅雪嶺)
2016/09/04
日本リーダーパワー史(734)
『落花狼籍(らつかろうぜき)のマントヒヒ侯・伊藤博文』
『鳴呼売淫国』の「伊藤公の蔭には必ず女があった』(三宅雪嶺)
正岡芸陽(まさおかげいよう)
https://kotobank.jp/word/%E6%AD%A3%E5%B2%A1%E8%8A%B8%E9%99%BD-1109517
のかいた『鳴呼売淫国』なる書物の巻頭に伊藤博文の写真がかかげられている。
芸陽は、この本をよむものは、必ずこの写真につばをはきかけてからよめといい、その解説として
① を新橋の醜業婦・梅香と云ひ、①を男地獄・市村家橘と云ひ、①を大好色漢伊藤博文と云ふ。これ汝の祖国を侮辱したる日本の悪魔也。日本の三大醜也。売淫の権化也。梅毒の化身也という。
この中でブロマイドとして一番高くうれるのは、梅香で三銭、家橘が二銭五厘で、博文が一番やすくて二銭であり、「大勲位侯爵も、一醜業婦にブロマイドの価格では及ばない。それどころか世評もまた博文は梅香や家橘におよぶべくもない」 といっている。
正岡芸陽がこのように博文らを痛烈にあざけったのは、日本の上下にわたって売淫国ムードがあったからである。とくに芸陽は、「牡丹侯を戴ける社会」なる一章をわざわざ設けて、伊藤侯の存在は、婦人に万斛(ばんこく)の悲涙をのませる象徴的存在だといっているのは、売淫国が文明国らしくないと考えたからである。
伊藤侯は、私生活においては、待合升田屋の浜子をはじめ、武田屋のお虎、向島の百合、岐阜の金華、神戸常盤屋のお園、赤坂林屋の浜子という具合に、港々ならぬ町々に女ありであった。
したがって、三宅雪嶺をして「伊藤公の蔭には必ず女があった。伊藤公の女に対する、必ずしも多淫多情の結果ではないただ、煙草一服」という程度のものだといっている。
公人としての伊藤侯には伊東巳代治とか、金子堅太郎、末松謙澄のようなイソギンチャクならぬオカマ、幇間持ち(たいこもち)がいた。
このように、正岡芸陽のために「売淫国の棟梁元勲」とされた人がいた日本は、それにふさわしいものを明治以後ももち続けた。添田唖蝉坊https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%BB%E7%94%B0%E5%94%96%E8%9D%89%E5%9D%8A
『あきれそうろう ロに忠義のこうしゃくしても、酔うて美人の膝枕、不潔な娯楽に日をおくる、チョイト不忠なひひ老爺』
『聞くもうるさや慾と私情の政党さわざ、腐敗・変節・被買収、国家国家と奴鳴れども、チョイトその実金のため』
と歌っている。
そうろうは大磯の滄浪閣(そうろうかく)にかけ、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BB%84%E6%B5%AA%E9%96%A3
こうしゃくは公爵にかけている。
明治時代には田舎から東京見物に出てきた田吾作爺さんが、二重橋の前で土下座して、皇居をおがんでいる姿がよくみられたといわれる。
ところがこの爺さんが、その足で東京へいって書原見物をしなければ、土産話に困るといって吉原に登楼し、二円均一の女たちと遊んで一夜をすごすものが跡をたたなかったという。
これなど、明治時代らしい風俗である。このような風俗の底には「公娼制度は、独身青年の性が、良家の子女に及ぶのを防止するため」 とか「宮殿に下水があるように必要だとか」「共同便所をつくって、伝染病から隔離するとか」というまことしやかな議論がよこたわっていた。しかし、この議論は好奇心をあおり田舎の青年を吉原に近づけることに役立った。
その犠牲となった吉原の女たちの生活はどうだったろうか。
彼女らの生活は不自由で、かりに十七歳で身売りされたとすると、借金がぬけるのは途中で身請人でももたない限り、平均三十五年もかかったという。二十八歳であけた江戸時代の吉原の方がよほどよいということになる。
その間、彼女らは、ひどい収奪のもとに苦しめられた。だいたい吉原では、楼主7割5分、娼妓2割5分で、その中から前借金がひかれるから実収入は少なかった。病気治療費・髪結、化粧品・衣類は自分持ちであったから自力更生は容易なことではなかった。
こういう例もあった。ある女が悪性の病気にかかって、歯ぐきまでおかされてしまった。彼女が楼主に訴えると榛主は「医者になぞかかっては駄目だ。それより不動様を一生懸命に念願すると、病気なぞは癒ってしまう」という。
しかしわるくなる一方で少しもよくならない。それでも女は店を休むわけにはいかない。そこでなじみ客が女の病気に同情して薬を買ってくれたが、売薬くらいではなおらない。
そこでたえられなくなって脱走すると、楼主は遊郭の地廻りのやくざ四、五名とともに女が身をよせている男の住居のまわりに見張所をつくり、女が夕方風呂へ行こうとするところをつか害え、人力車にむりやりにおしこめ連れ戻してしまった。
連れ戻された女は、楼主の居間から見えるように三方、硝子(ガラス)の一室に監禁され、便所にいくにも、風呂に入るにも、監視付。おまけに、楼主は、客をとれと強いる。「お客を取らなければ、飯を食べさせるわけにはいかない」とおどかし3度の食事もろくにあたえなかった。
これでは、江戸時代の吉原の姿とかあらない。脱出が成功するには、よほど娼妓そのものが利巧であるか、チャンスをうまくいかす勇気がなければ不可能だったのである。
しかし、伊藤博文のように女ずきな好色漢がいた国だから簡単に「籠の鳥」が解放されるはずがない。芸陽があのような本を書いたのは、廃娼運動をおしすすめるためではなかったろうか。
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尊重されぬ人権、女権
「売淫国」といわれた原因は、人身売買が行なわれ、前借金のかたに女がうられるためである。その供給地は、東北や北陸の単作地帯の幾村や西南日本や天草である。中でも天草は「阿魔艸女」(あまくさおんな)といわれて、海外へ売られていった。
これらの多くは生活難からであった。大都会のスラム街にも淫売婦が多かった。
彼女らは亭主もちで、亭主は立番、自分の妻が淫売するのを横で見ている。ここには全く道徳心の一片もない。その結果は、「霜月三月は、おまえさんの女房、花の三月、けつくらえ」という歌になる。これも「土方殺すに刀はいらぬ」とか「紡績女工が人間ならば、蝶も空飛ぶ鳥のうち」という具合に、働く人間を尊重しない世の中だったためである。
<以上は『日本人物語②犠牲の人々』毎日新聞社 1962年、137-141P>
日本のリーダー・初代の総理大臣・伊藤博文は『好色ナンバーワン』
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/3798.html
日本リーダーパワー史③・女に殺された初代総理大臣伊藤博文
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/3698.html
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