『Z世代のための<日本安全保障史>講座⑥」★「ウクライナ戦争は120年前の日露戦争と全く同じ➂」★『日露戦争開戦2週間前の『ノース・チャイナ・ヘラルド』(1904年1月8日付) 』★『ロシアは極東全体の侵略を狙っており、日本はロシアの熊をアムール川の向こうの自分のすみかに送り返して,極東の平和と安全を,中国、朝鮮,日本人のために望んでいるだけだ』』
「Z世代のためのウクライナ戦争講座」
『ノース・チャイナ・ヘラルド』(1904年1月8日付)
『日露情勢』両国間に共通の基盤が存在しない理由は,ロシアが極東全体を独占したいと思っているのに対し,日本は,ロシアの熊をアムール川の向こうの自分のすみかに送り返して,極東における平和と安全を,中国における中国人のために,朝鮮における朝鮮人のために,日本における日本人のために望んでいるからだ。
ドイツの新聞のこの危機に対する見解は,もちろんペテルプルグの指示に従っているが,ロシアのゴリアテは日本のタヴィデにおもちゃの軍艦と小さな木剣を片づけて南朝鮮で遊び回っていなさい.そうすればだれにもじゃまされないだろう.と哀れみ深くさとしてきたというものだ。
これに加えて,ベルリンからの昨日付のドイツ電は,次のように言う。「日本が南朝鮮を最終的に占領することは,日本にとって大成功だと,当地では考えられている。そして,このことは,あらかじめ示されたように,ドイツの全新聞によって歓迎されるものだ」。
このようなばかげた電報は,もしそれが,ロシアが過去数か月間とり続けてきた.威嚇・挑発方針の一部でないとすれば,何を意味するだろう。
ロシアのこの方針は,われわれが以前に述べたように,ロシアは日本に挑戦されれば受けて立たざるを得ない一が,ロシア皇帝には宣戦する意志がないという理由によるのだ。
現在の難局の解決策として.ロシアが朝鮮の北半分を取り,日本が南半分を取るなどという提案は全くお話にならない。
ロシアは巨文島協定で朝鮮の領土を一切取れないことになっているし,日本もまた.いかなる場合も朝鮮の独立と領土保全を擁護するため最善を尽くす約束をわれわれと結んでいる。
こうしたヨーロッパ大陸から絶えず流れてくる平和的解決の保証はど無益なものはないだろう。今や露日両国とも完全に武装し艦船や石炭や軍需品の買占めに狂奔し,中立国政府はその提督たちに,戦争が勃発した際にとるべき方針を,大急ぎで訓令しているのだから。
本紙東京通信員は,昨日の電報で情勢を次のように要約している。日本とロシアが交渉を続行し得る共通の基盤は存在せず,したがって日本は,ロシアが準備を完成するためにこれまで常に引き延ばしてきた交渉期間も終りを迎えたという感触を持った。
両国間に共通の基盤が存在しない理由は,ロシアが極東全体を独占したいと思っているのに対し,日本は,ロシアの熊をアムール川の向こうの自分のすみかに送り返して,極東における平和と安全を,中国における中国人のために,朝鮮における朝鮮人のために,そして日本における日本人のために望んでいるからだ。
われわれは今や戦争が不可避だとあえて断言するつもりはない。最後の瞬間に,ロシアが自分の立場の難しさに気がついて,満州に関するそのいくつかの約束を守るという保証を与えるかもしれないからだ。
ロシアにとって日本との戦争は,歴史の中の1つの挿話に過ぎないが,日本はその存続のために戦うことになるだろう。
そしてもしロシアが中日戦争以来とってきた侵略の姿勢をやめない限り.日本は戦わざるを得ない。もしヨーロッパ列強と合衆国に先見の明があったならば,最初から日本を後援して,彼らが反対を唱えることに甘んじている戦争を防止できただろう。
西太平洋がロシアの湖になってしまうのは,世界全体にとって,フランスとドイツにとってすら好ましいことだろうか?
モスクワから大連まで豪華列車で旅行できる便利さが,西洋の商人や生産業者たちにとって,極東の門戸が次々に閉ざされていく埋合せになるのだろうか。
中国は何をなすべきか?中国も日本と同じくらい脅威を受けている。実際に中国は.満州を取り戻すために口出しすれば、蒙古と新彊を失うことになると警告されてきたのだ。
中国は軍隊の再編成に全力を尽くしており,かつて何人かの自国の政治家の裏切り行為によって失ったものを取り返すのに懸命になっている。現時点で,中国の強さは,じっとしていること,そしていかなる国に対しても全力で自分の権利を守ることにあるようだ。
その場合,少なくとも英語を話す諸国民は中国の独立と保全を確保するためにできる限りの援助を与えてくれる友人だと理解していい。また,もし要請されたときには,満州領を回復するために,日本を援助することだ。もし中国が,不安定ではあるがこれまで通りの帝国を維持したいと願うなら,今や率直で公明正大な外交政策をとらなければならない。秘密協定や,ある外国を別の国と戦わせることを好む性癖を.できれば改めなければならない。弱さの故にこうしたことに逃げ込むのだが,結局は失敗するのだ。
1904年1月8日付『ノース・チャイナ・ヘラルド』『われわれは朝鮮をどうすべきか?日本人からの寄稿』
天はわれわれに深刻な問題を突きつけ,解決を迫っている。すなわち,「朝鮮をどうすべきか?」ということだ。
これまでわれわれの合言葉は「朝鮮の独立を援助しよう」だった。これは大変すぐれたモットーだが,過去10年間の経緯が,これを無意味なものにしてしまった。今われわれの問題は,朝鮮の独立をいかに援助するかではなく,朝鮮をどうすべきかなのだ。この問題に対する回答は2つしかない。
朝鮮を放棄するか,または併合するかだ。われわれはこの2つのうちどちらかを選ばなければならない。
この問題を解決するにあたって,われわれがまず第1に考慮しなければならない
のは,朝鮮の貴族や役人の利害ではなく,全人類の平和と幸福である。
孟子は言った,「民は最も尊く,王はこれに次ぐ」と。もしわれわれが朝鮮を放棄することで,朝鮮国民にも全人類にも利益をもたらすことができないならば.朝鮮を併合しようではないか。ハワイの独立も,フィリピンや琉球の独立も達成されなかった。とすれば,なぜわれわれは,朝鮮の独立が不可能なことをすでに発見しながら,朝鮮においてのみ独立を達成する援助をしなければならないのか?
われわれは,無思慮にわが国の領土的栄光を喜ぶ連中を嫌悪するが,今こそ人々の利益と文明の進歩のために,最終的な1歩を踏み出さねばならない。しかもこれは流血を伴わずに達成できるので,なおさらのことだ。
関連記事
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(261)/ 『2011/ 3/11から2週間後に書いた記事- いまリーダーは何をすべきかー「海軍の父」山本権兵衛 から学ぶ』★『山本権兵衛は歴代日本宰相のーのベスト3に入るリーダーパワーを発揮した『坂の上の雲』の真の主人公>
2012/05/27 日本リーダー …
-
-
『 オンライン講座/東京五輪開幕』★『連日、新競技のスケーボー女子で西矢椛(13歳)が日本最年少での金メダル、スケボー男子では堀米雄斗(22歳)も金メダル、柔道の阿部兄妹の金メダルというメダルラッシュに沸いた。』★『2019年の課題」-『平成30年は終わり、老兵は去るのみ、日本の未来は「Z世代」にたくそう、若手スポーツマンの活躍を見ればわかる』
東京五輪が7月23日に開幕した。 いざフタを開けると開会式が56. …
-
-
◎現代史の復習問題『日韓150年紛争の歴史はなぜ繰り返され続けるのか、そのルーツを検証するー「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が報道した「日韓併合への道』の連載②(11回→20回まで)』
記事再録/日本リーダーパワー史(872) 「英タイムズ」「ニューヨ …
-
-
日本リーダーパワー史(515)-日清戦争120年②開戦のきっかけとなった高陞号事件での東郷平八郎の国際性
日本リーダーパワー史(515) 日中韓150年パーセプシ …
-
-
「第45回 東京モーターショー2017」―『トヨタの展示ブースの「TOYOTA CONCEPT-愛i』★「TOYOTA CONCEPT-愛i RIDE」
日本最先端技術『見える化』チャンネル 「第45回 東京モーターショー2017」 …
-
-
『リモート/京都の祇園ぶらり散歩>動画』★『祇園も春爛漫ー多くの外国人観光客がぶらり散歩、建仁寺を参観へ』★『 cherry tree is in full bloom. Kyoto 京都で最高の桜スポットー祇園白川の大和橋付近』』
京都祇園も春爛漫ー多くの外国人観光客がぶらり散歩を楽し …
-
-
『オンライン講座/日本興亡史の研究⑨』★『児玉源太郎の電光石火の解決力➄』★『児玉参謀次長でさえ、元老会議や閣議から除外されることが多かったので、軍部は国策決定の成否を知り得なかった。』★『児玉参謀次長に日露外交交渉の詳細が知らされなかった日本外交の拙劣ぶり』』
2017/05/29 日本リーダーパワー史(817)記事 …
-
-
★<人気リクエスト記事再録 2009/02/10>昭和戦後最大の冤罪事件の真犯人が語る『全告白・八海事件-これが真相だ(中)』(サンデー毎日1977年9月11日掲載>
2009/02/10 <サンデー毎日1977年9月11日掲載> 八海事件の真 …
-
-
日本リーダーパワー史(546)安倍地球儀外交(積極的平和主義)をオウンゴール外交 にしてはならない②
カメラと写真映像のワールドプレミアショ「CP+(シーピープラス)- …
-
-
『日本死刑白書』(1982年版)内容ー「忘れられている死刑囚」★「死刑執行まで」★「誰が死刑囚になるのか」★『誤って殺される人たち』★『閉ざされる道」★「死刑廃止は是か、非か」★『人の生命は全地球よりも重し」★『世界の死刑白書』
『日本死刑白書』 前坂 俊之 19820430 三一書房,239p.   …
- PREV
- 『Z世代のための<日本安全保障史>講座⑤」『日露戦争は民族戦争・宗教戦争ではなく防衛戦争』★『ドイツ・ロシアの陰謀の<黄禍論>に対して国際正義で反論した明治トップリーダーのインテリジェンス戦略に学ぶ』★『英国タイムズ紙、1904(明治37)年6月6日付記事を読めばよく分かる』
- NEXT
- 『Z世代のための<日本安全保障史>講座⑦」★『ウクライナ戦争と日露戦争➅』★『英国の歴史家H・G・ウェルズは「明治の日本がなしとげたほどの超速の進歩をした国民はどこにもいないと賞賛した』★『日本の奇跡」の日露戦争完全勝利』は川上操六プロデューサー、児玉源太郎監督、主演は情報参謀の福島安正、柴五郎、明石元二郎、海軍は山本権兵衛、東郷平八郎、秋山真之らオールキャスト』