『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』⑭「中日両国が一致協力してアジア情勢を安定させるべきを諭す」
2015/01/01
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』
日中韓のパーセプションギャップの研究』⑭
日中150年戦争のルーツは中国が冊封体制によって属国としていた
『琉球王朝』(日中両方に朝貢していた)を明治維新
後に一方的に「琉球処分」して、日本が沖縄県に編入したことが
対立の発火点なのである。これが「壬午事変」(明治15年)「甲申事変」
(明治17年)とエスカレートして、「日清戦争」(明治27年)へと爆発する。
1884(明治17) 年12月20日、光緒10年、甲申11月4日「申報」
「甲申事変」を乗り越えて中日両国が一致協力して
アジア情勢を安定させるべきを諭す
朝鮮で起きた反乱(甲申事変)は,
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E7%94%B3%E6%94%BF%E5%A4%89
<壬午事変>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%AC%E5%8D%88%E4%BA%8B%E5%A4%89
西洋各国が本来アジァに野望を抱きながら,現在に至るまであえてほしいままにその覇を唱えることができないのは,中日両
国が挟撃態勢を固め,相互扶助の密接な関係で結ばれ.固く団結して離間させることができないために.容易に介入できないからだ。
もし中日両国の間に憎悪・紛争が生じるならば.あたかも一方(漢字不明)の争い【シギとドブガイが争ってともに漁夫に捕らえられる】のように,いたずらに西洋各国に漁夫の利を得させることになるのだ。
先般本紙は「客談」という1編の文章を掲載し.すでにこの間題について詳細に論じたが,昨日友人が私にこう尋ねた。「朝鮮の情勢はいったいどうなっているのでしょうか。
動乱の起こった発端については,もともとその詳細な状況を知りませんが,各種電報や外国の新聞の報道と朝鮮からの手紙を読んで.そのおおよその経緯についてはすでに知ることができました。
朝鮮ではもともと守旧派の反徒たちが行動を起こす機会をうかがっていましたが,今回突如としてクーデターを起こしたのでしょう。これに対し,日本公使は直ちにこの機に乗じ.国王保護を口実として王宮に進入し,朝鮮政府の大臣たちを更迭しましたが.そこには国王を威嚇し強制する意図が明らかに含まれていました。
だがその後,中国の軍隊と朝鮮の軍隊が連合して日本軍を掃討し,国王を助け出して王宮の秩序を原状に回復し,軍隊でその周辺を警備しましたが,今回の行動の理非曲直はすでに明々白々です。そもそも西洋の慣例によれば,いかなる国家を問わず,たまたま内乱が発生すれば,その国に駐在する各国の官民・商人・軍隊などがそれに介入することは許されないのです。
この慣例に従えば,朝鮮の今回の動乱は反徒たちが起こした事件なので,日本がたとえ王宮を警護しようとしたとしても,それはやはり他国の内乱に干渉することになり,西洋の慣例に違反する.ということになります。ましてや日本のいわゆる保護の内容とは.大臣を更迭し,官職の名称を変更し.国王を王宮に幽閉することによって,内外の連絡を遮断することです。
このような日本の行動は.唐代の宦官王守澄や仇士良の輩の行為となんら異なるところはなく.実際は王宮保護を名目に国王を脅迫するに過ぎないのです。どうして朝鮮の大局を考慮してのことだ.と言えるでしょうか。
今回の事件を推測するに,日本政府はおそらく当初なにひとっ聞いてなかったに違いなく,朝鮮駐在の日本公使が勲功に目がくらんで功をあせった結果.このような事件を引き起したのかもしれません。
今後日本政府が今回の事件の真相をつかむことによって,その非に気づいて大いに反省し,このような失態を演じた外交官を召喚してその責任を追及し,朝鮮に謝罪して中国と不和を生じなければ.容易に一件落着となるでしょう。
だが.あたかもリグィエールの進言によってフランス政府が容易にヴェトナムを獲得できると軽信したように,もし朝鮮駐在の日本公使が甘言を弄して日本政府の意向を動揺させ,日本政府がたまたまこれを見抜けずに惑わされて中国に恨みを抱くようになり,さらに軍艦を遺し軍隊を輸送するなど朝鮮に出兵し,中国との間に戦端を開くような事態になれば.フランスはこれ幸いと喜ぶでしょう。
思うに,中日両国が戦火を交えることは,フランスの利益となるからです。当時フランスは台湾を攻撃していましたが.戦況は不利で.トンキンもまた日々危機的状況にさらされ.まさに進退きわまって窮地に陥っていたので,このとき日本が朝鮮を攻撃すれば,中国の兵力を分散させることができてフランスのために協力したことになるので,当然フランスの歓迎するところとなるのです。
したがって,今回の日本人の行動はフランスに使嚇されたものだ,と言う者がいるかもしれません。フランスは数か月にわたって台北を攻撃しているが,全く成果をあげることができないので,日本と協議し,朝鮮の事件にかこつけて中日両国の関係を悪化させることによって,中日両国を離間させ,フランスと日本の勢力を結びっけ,日本がフランスと速合して台湾を攻撃すれば,日本の艦船はかつて台湾に出兵したことがあり,もともと精通している地方なので.フランスを援助することができるからです。フランス船が往来して石炭を積み食糧を購入することは.すべて日本を頼ることができ.絶対に局外の例として制約されることはないのです。
このような状況のもとでは,必ず中国は両面作戦をとることはできず,自分の意をまげて他国の意見に従うよりしかたがなくなるでしょう。
ところが.意外にも中国は必ずしも朝鮮問題のために兵力を分散されないばかりではなく,日本の行為は道理に反して釈明の余地がないので,世界各国の前で面目を失うことになるでしょう。
なぜならば,理非曲直はだれの目にも明らかであり,日本政府の意図に迎合することはできないからです。今回の朝鮮の動乱は.中日両国が本来介入すべきことではないが,ただ中国は昨年朝鮮のために動乱を平定して以来,朝鮮を保護するために現在に至るまでなお3個大隊の兵力を駐留させているので,朝鮮に内乱が発生すれば.駐留している中国の軍隊は当然その鎮圧に当たるべきです。
これに対し.朝鮮に駐留する日本の軍隊は朝鮮駐留の日本公使館を保護するためにはかならず.その軍艦も本国の商人を保護するために過ぎないにもかかわらず,どうして朝鮮の動乱に介入しなければならないのでしょうか。
ましてや今回の動乱を口実に,官職の名称を変更して大臣を更迭し,回王を幽閉して中国の軍隊の介入を拒否するに至っては,日本の罪状はもとより明らかであり,どうして世界各国を前にしてその罪を免れることができるでしょうか」。
この意見に対し,私はこう答えた。
「あなたのご意見は全く正しい。しかしながら,今回の朝鮮の事件については.今各方面から伝えられる情報が錯綜しています。咋日本紙は朝鮮を訪問した友人からの手紙を受け取ったが.いまだに今回の動乱の原因をつかめないのに,どうしてそのように明快な結論を下すことができるでしょうか。
したがって.今中日両国の問題についてはその是非を論評し,その曲直を判定するには及ばず,ただその利害を判断すればよいでしょう。日本は朝鮮の利益を追求することに
汲々としていますが,さらにロシアが朝鮮の利益を追求しようとしていることに気づいていないのです。ロシアは三大州にまたがり.遠大な野望を抱いているが.朝鮮との境界は中国と同様に陸続きで,犬の歯のように複雑に交錯し,日本のように朝鮮に行くのに必ずしも海を渡ってくる必要はないのです。
だが.ロシアがあえて朝鮮に対する野望をほしいままにとげようとしないのは.実は中日両国が相互に結びっいてその存立を相互に維持し合い,これによって朝鮮は庇護されているので,ロシアは一時的に朝鮮進出を控えているのです。
しかしながら,ロシアは虎視眈々として機をうかがい,一刻たりとも朝鮮侵略の野望を忘れたことはありません。もし中日両国の関係が悪化し,腕を撫して双方対噂したまま互いに譲らなければ.いわゆる両虎相争うことになって,必ず一方が傷っき.ロシアはこの機に乗じて「大荘子が虎を刺す故事【史記】「七十陳軫伝]のように,漁夫の利を得ることになるでしょう。もしロシアが朝鮮でその野望をとげれば,中国の領土を侵犯して占拠することができ,他方日本を併呑することができるでしょう。
ロシアは動静を見て機に乗じほしいままに行動するので.そのときになって日本が自図を防衛しようとしても及ばず,またフランスに救援を求めようとしても.まさかフランスが日本を支援するようなことがあり得るでしょうか。
そもそも琉球は中国の朝貢国だったのに.日本に征服されて今日まで日本の郡県としてその統治下におかれているが.
日本は中国政府がなんらかの報復措置を講じることをひたすら恐れ憂えています。だが,中国政府は絶対にそのような行動に出ることはありません。これから見て明らかなように.日本が中国に対して挑発しない限り,中国は絶対に日本に向かって軍事行動に出ることはないのです。
なぜならば,中国は本来日中両国が唇歯のように利害関係が密接で.相互依存・相互扶助の関係にあるという道理を知っているからです。現在呉清帥が命を奉じて朝鮮に赴き,機を見て朝鮮を援助し日本を討伐するなどと取りざたされていますが,中国は日本よりも朝鮮に対して大局的に考えているわけではなく,もし機会があれば必ず日本の立場も考慮して寛大に扱うでしょう。
関連記事
-
-
『Z世代のための<ガラパゴス日本病>の研究講座①』★『150年経っても変わらない、かえられない日本の政治、教育、思想の根本的欠陥をズバリと指摘したフランスの新聞』
2011/12/25   …
-
-
『各国新聞からみた日中韓150年対立史②』日韓第一次戦争(1882年の京城事変、壬午軍乱)の『朝日」などの報道
『各国新聞からみた東アジア日中韓150年対立史②』 ● …
-
-
世界/日本リーダーパワー史(901)米朝会談への参考記事再掲ー『1993、94年にかけての北朝鮮の寧辺核施設疑惑でIAEAの「特別査察」を拒否した北朝鮮がNPT(核拡散防止条約)を脱退したのがすべての始まり』★『米軍はF-117戦闘機で寧辺の「核施設」をピンポイント爆撃し、精密誘導爆弾で原子炉を破壊する作戦を立案した』
2009/02/10掲載 有事法制とジャーナリズム-1993年の北朝鮮核疑惑から …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(121)日清戦争1ヵ月前の新聞報道を読む④「清国流の詐術にひっかかるな」と国民新聞は主張
終戦70年・日本敗戦史(121) <世田谷市 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(242)/★『日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(28) 『川上操六の日清戦争インテリジェンス①「英国の文明評論家H・G・ウェルズは「明治日本は世界史の奇跡であり、「日本国民はおどろくべき精力と叡智をもって、その文明と制度をヨーロッパ諸国の水準に高めようとした。人類の歴史において、明治の日本がなしとげたほどの超速の進歩をした国民はどこにもいない」と評価』。
2016/01/07日本リーダーパワー史(635)記事再録 &nbs …
-
-
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(226)/日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳(上)」『 松山で下級武士の子として生まれるが、一家離散に』★『海軍軍人になり、日本海海戦で活躍』★『「此一戦」の執筆を空前のベストセラーとなる』★『 日米戦争仮想記「次の一戦」で、匿名がバレて左遷』★『第一次大戦中の欧米へ視察旅行へ、』★『再び大戦終了後の欧州視察へ、思想的大転換、軍備撤廃主義へ』
日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳② &nb …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(275)★『日露インテリジェンス戦争を制した天才参謀・明石元二郎大佐』 ロシア革命での情報活動①
2015/02/23   …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(163)記事再録/『明治国家の影の大参謀・杉山茂丸は近世最大の怪物、怪人だよ!』☆『 茂丸の長男・夢野久作(作家)は『近代快人伝』の中で「茂丸はいつも右のポケットには二、三人の百万長者をしのばせ、左のポケットには伊藤、山県、児玉、後藤ら政界の大立者四、五人をしのばせて『政治は道楽だ』といいながら、自在自在にあやつった」』
2009/09/27 日本リーダーパワー史 ⑲ …
-
-
『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑯ 』★『児玉源太郎と川上操六の国難突破力を比較する』★『日清戦争開始直前(明治27年7月)のロシア恫喝・砲艦外交に伊藤博文首相、陸奥宗光外相と川上操六参謀本部次長はどう対応したか』★『名将・川上操六はロシアの干渉にビクつく参謀本部の幕僚たちを「ロシアの干渉などにビクビクするな!従来きめた方針で断固やるのだ]と一喝!した。まさに鶴の一声だった』
2013/04/16 日本リーダーパワー史(375)空前絶 …
-
-
★『アジア近現代史復習問題』・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む(2)ー「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」★『脱亜論によりアジア差別主義者の汚名をきた福沢の時事新報での「清国・朝鮮論」の社説を読み直す』★『金玉均暗殺につき清韓政府の処置』 「時事新報」明治27/4/13〕』
『アジア近現代史復習問題』 ・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む(2)ー 「北 …
