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「日中韓150年戦争史」 (74)ロシア紙の報道ー(三国干渉3ヶ月前)「朝鮮におけるわが国(ロシア)の利害」

      2015/01/01

  

『「申報」や外紙からみた「日中韓150年戦争史」

日中韓のパーセプションギャップの研究』74

 

1895(明治28)年29露暦117日)『ノーヴォエ・ヴレーミャ』

 

(三国干渉3ヶ月前)「朝鮮におけるわが国(ロシア)の利害」

この記事を読むと、日清戦争は東アジアにおける「英露代理戦争」だったことがわかる。

ロシアは不凍港を求めて中国、朝鮮を植民地化しようとし、それに危機感を持った山県の軍備強化
の戦略は正しかったいえる。

また、この記事は「三国干渉」の行動を明言している。

もう1つ、朝鮮側から考えると、もし日本が日清、日露戦争に敗北していれば

ロシアに組み込まれて、東欧のような衛星国になっていたことは間違いないであろう。

ロシアの衛星国が現在も政治体制、経済体制で開発途上国に位置している中で、

韓国、台湾は日本統治下での教育、インフラ整備の上に今日の経済発展の土台が
築かれたことも反日意識ばかりでなく、客観的に判断する必要があるだろう。

 

    甲申事変(1884124)の処理をめぐり、日本政府は伊藤博文全権を北京に派遣、天津で、北洋通商大臣の李鴻章と交渉した。交渉は難航したが結局、「日清両軍は4カ月以内に朝鮮から撤退する」「将来、朝鮮に出兵する場合は相互に連絡し、派兵後は速やかに撤退し、駐留しない」との天津条約を翌年4月にやっと結んだ。

 ところが、日本は正直に朝鮮から撤兵したのに、清国は条約を履行せず逆に兵を増加した。清国から兵を逐次ソウルに送りこむ一方、蓑世凱が「通商事務全権」名目で大公館を構え、朝鮮政治を支配した。

➁一方、ロシアも1885年に朝鮮との間で朝露密約を結んで、軍事基地を設けた。危機感をもったイギリス海軍は対抗して同年4月、朝鮮海峡の巨文鳥を占領するなど、清露英の侵攻で、朝鮮での日本の勢力は駆逐されてしまった。

➂危機感を覚えた陸軍の父・山県有朋は明治21年(1888)、『軍事意見書』を政府へ提出。「シベリア鉄道竣工の日はロシアが朝鮮に侵略を始める日」と述べ、軍備増強を訴えた。

 

翌年、首相になった山県は「日本の主権を守るため朝鮮に利益線を確保すべき」との『外交政略』をまとめた。もともと【ウラジオストック】はロシア語で「アジアを制圧せよ」という意味で、モスクワからシベリア鉄道で陸軍部隊を運び、「海軍強国イギリスに対して、陸軍強国ロシアは中国、朝鮮、日本を攻めるいう戦略であり、これを公言した憚らなかった。

 


露朝密約事件http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%B2%E6%9C%9D%E5%AF%86%E7%B4%84%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

巨文島事件

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A8%E6%96%87%E5%B3%B6

 

 

 三国干渉

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%B9%B2%E6%B8%89

 

(三国干渉3ヶ月前)「朝鮮におけるわが国(ロシア)の利害」

 

 

 

イギリスの各紙は.ロシアとの同盟と友好に関する,同じ1つの新しい歌を(それは魅力的な歌ではあるが)歌い続けている。

デイリー・ニュース紙によれば.ロシアは大英帝国との友好関係を尊重する理由がある。なぜならロシアにとって英露間の協定の成立はすなわち,黒海の領有化を意味するからだと言う。

 

私が思うに,これは行き過ぎであり.イギリスの政治評論家たちはいささか誇張し過ぎている。われわれロシアは,黒海における自らの課題を独力で正確に,断固として自覚し決定することのみが必要であり,その課題を遂行するにあた

ってだれの助けを借りずともやっていける。

 

もちろん,どんな外国からのものであれ,誠意ある友情はロシアにとって有益であり.イギリスの友情ならおそらく倍も有益で,祖先の代から取り組んできた歴史的問題の決着を早めてくれるかもしれない。

 

しかし,その基盤はすでに準備されており,ヨーロッパ東部の主人であり決定者はロシアであって他のだれでもないということを認めないわけにはいかない。

 

 それが偶然.思いがけず起こったことでないことは全く疑いない。それは中央アジアにおけるわれわれの多年の努力と,遠征や鉄道の敷設に払った計り知れない物質的犠牲の結果なのだ。

それは.われわれの偉大な祖国に献身的に身をゆだね,ロシアをイギリスに迫る位置に立たせた勇敢な祖国の息子たちの血と骨の上に育った果実なのだ。

 

今やイギリスとの間のあらゆる誤解.論争,敵意は.インドの地で決着がつけられるだろう。大陸国家が古くからなじんでいる土地の上で海洋国家と出会った。まさにここにこそ,イギリスの友好や,黒海問題をわれわれの思いつくままに決定することを助けたり,あるいはじゃま立てしないというイギリスの心積りの最大の理由がある。

 

極東の太平洋沿岸におけるロシアの利益,中国と日本の戦争によって損なわれるかもしれないその利益の非常な重要性を念頭に置くと,これは大きな教訓であり.すでにまざぎれもない指針である。

 

 日本が,強力で,精力的かつ有能な,新しいイギリスだということは今やほとんど疑い得ない。この日出ずる帝国が島国であることのために.いまだ沿海州南部に必要に見合った真の国境を獲得していないわれわれロシア人にとって,日本は特に重要なものとなる。

 

45か月間も凍結するウラジオストク港を,あらゆる国家の新たな政治的・経済的闘争の舞台となりつつある太平洋への唯一の出口と考えるわけにはいか

ない。

 

われわれは,現在の国境がまだ国境と呼べるものではなく,大シベリア鉄道建

設の完了まで維持しなければならない単なる境界線に過ぎないと白状しなければならない。われわれは,何世紀もの間黒海の領有化を必要としてきたように,今やポート・ラザレフ【永興湾】でも他の港でも,ロシア領アジア大陸と結ばれている港を必要としている。

 

しかしながら,もしもこの実現にヨーロッパ諸国が,とりわけ,わが国のあらゆる戦争においてトルコに味方してきたイギリスがじゃま立てするならば,トルコと同じような.新しい独立国朝鮮の建設をわれわれは許すことができるだろうか?

 

この場合.朝鮮は中国や.主として日本の保護下に置かれ,またひょっとすると,過去も未来もロシアに対して常に敵対的なヨーロッパの保護統治下に置かれるかもしれないのだ。

 

もちろん,そんなことを許すわけにはいかない。それを許せば.もちろん,われわれは大きな過ちを犯すことになるだろう。それは,過去の歴史を処理できないうちに,灰をかぶっているだけでいっでも戦争の炎を噴き上げ得るかまどをわざわざ自分で作るようなものだ。

 

どんな条約も所詮単なる紙きれであり,外交官たちのさまざまな解釈や奸計やかけひきを許している文言であって,将来を規定する力はない。結局ロシアも.ロシア以外のすべての国々に開かれた太平洋の岸辺にぼんやりと座ってもいられない。

 

今すぐ,われわれが努力と犠牲の後にようやくイギリスを追い込んだのと同じ状況に日本を追い込んだ方が良くはないだろうか。 その方が良い。その方が1000倍も良い。 

 

 

日本に中国全土を占領させ,江戸からその新しい占領地まで海路によって輸送・連絡しなければならないようにすれば良いのだ。そうすればわれわれは安心してウラジオストクまで鉄道を敷き.さらに鉄道をポート・ラザレフまで延長するための新しいレールと枕木を準備することができる。

 

 

そうなると当然戦いが起こるだろう。歴史上,国民が犠牲と戦いなしに強く豊かになった例はない。だが,為政者の任務は.戦いの不可避性を予見し,子孫たちがその戦いから脱け出るのを容易にしてやることだ。朝鮮をライバル国の監督下にある新しい独立国として認めること.わが国の最も近い隣国である朝鮮を強化したり,そこに干渉したりする権利と可能性をライノ1ル国に与えること-これは.将来自らを萬難な立場に追い込み.新たな東方問題を生み出すことにはかならないのだ。

 

 

 

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