前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(496)<オバマのアジア歴訪、日米首脳会議の結果はー明治国家の参謀・杉山茂丸の外交力の教訓

   

     日本リーダーパワー史(496
 
<オバマのアジア歴訪、日米首脳会議の結果は
どうなるかー>―外交音痴を露呈
 
 
●「法螺(ほら)丸」「もぐら」と自称していた明治国家の参謀・杉山茂丸は外交力について、100年前に
こう書いている(明治42年1月、「週刊サンデー」)
中国・三国志の英雄・諸葛孔明は『手のつけやうのない大法螺吹き(大戦略)』であった。軍事、外交戦は、嘘(うそ)と法螺(ほら)との吐き競べで、吐き負けた方が大損をする。つまり、国家の命運はかかって嘘と法螺にあるといってよい。
そして、外交交渉は捨身でかかれば案外、安々と運ぶものだ。無を有にし、有を無にするという禅味三分と、世界識見(いまでいうグローバル・インテリジェンス)五分とを混ぜて足の親指と下っ腹に渾身の力をこめて大法螺をふくのじゃ」

と明治の元老・伊藤博文、山県有朋、児玉源太郎らを陰で操ったといわれる。

 
明治の大発展の外交力の参謀こそ、杉山茂丸であったのだが、歴史教科書にも学者の明治史の1冊にもほとんど載っていない。そのくらいの、国家あげての外交音痴、外交の何たるかも知らないノー天気な政治家の天国なのである。
その結果、明治以来150年、日本の外交力はほぼ連戦連敗状態で、、いまも外交敗戦(対中韓外交など)が続いているのだ。
今回の日米会談も外交音痴のオウンゴールが続出した。
① すし外交、接待外交で、お友達仲良し外交ののりで『安倍首相グチった…オバマ大統領は「仕事の話ばかり」という。
これには驚いた。大統領、首相、政治家の外交はなかよく寿司で接待し、酒をくみかわすことですか!。外交交渉をまとめることが、仕事でしょう。すしをいくつ食べたとか。「生涯で最もうまいすしだった」というリップサービスなどはどうでもよろしい。

安倍首相は国内農業既得権益頑固派を抑えてTPPをまとめ上げ、日中韓の停滞外交を復活させ、アジアの地域安定と世界平和に貢献すること最大の任務なのだ。オバマにおしゃくする写真など発表すべきではない。

② 麻生副総理兼財務相TPP交渉について、「どのみち11月の(米国の)中間選挙まで答えは出ない。国内でオバマが
全部まとめきれるほどの力はないだろう」と外交上の礼儀を欠いたと取られかねない内容の失言をまたまた繰り返した。
 
③ そうかと思えば,甘利大臣は最後にもう一度この担当大臣をやりたいかと言われたら、やりたくないです」とテレビカメラの前で、みっともない本音を呟いた。外交担当者がこんな弱音を吐いては、杉山『ほら丸』が聞いたら、怒ったであろう。
 
                           前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
◎『日本と近隣諸国:東京に春到来か』
(英エコノミスト誌 2014年4月26日号)
 

◎『オバマ氏発言で「誤訳」が独り歩き 日本のメディア」
 

◎『安倍首相グチった…オバマ大統領は「仕事の話ばかり」
 
 
◎「麻生太郎財務相のオバマ大統領めぐる発言、菅官房長官が火消しhttp://www.huffingtonpost.jp/2014/04/25/taro-asou-obama_n_5216078.html
 

◎「民主化への道のりで躓き続ける韓国」
(2014年4月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 

◎『オバマ来日、最大の敗者は韓国大統領だった
メディアが書かない重要な教訓~中国株式会社の研究(245)
 
 
【社説】対中国政策問われるオバマ大統領のアジア歴訪
 

日米首脳会談での“国際公約”に注意!

 - 人物研究 , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

ヨーロッパ・パリ美術館ぶらり散歩』★『ピカソ美術館編➄」★『ピカソが愛した女たちー画家の精力絶倫振りは、超弩級、地球人とも思えません』

  「ラ・セレスティーナ」、1904年 ピカソ23才の作、下町のやりて …

no image
百歳学入門(155)『画狂老人・葛飾北斎(90)の不老長寿物語』②『画家は長命、作家は短命』★『創造/熱狂人間は年など忘れて不老長寿になる』●『毎日、一心不乱に画業に励み、夜食にソバ二杯を 食べて寝るだけの生活を生涯続けた 』

  百歳学入門(155) 『画狂老人・葛飾北斎(90)の不老長寿物語』   ★『 …

『オンライン講座/今、日本に必要なのは有能な外交官、タフネゴシエーター』★『日本最強の外交官・金子堅太郎のインテジェンス➅』★『シベリア鉄道のおどろくべき秘密』●『ドイツ皇帝からの親書を金子が読む、大統領は親友だから見せないが、話すよ』●『日本海海戦勝利にル大統領 は大喜びして、熊皮を明治天皇に プレゼントした』

       2017/06/25&nb …

『日本の運命を分けた<三国干渉>にどう対応したか、戦略的外交の研究講座⑥』日本リーダーパワー史(757 )―『トランプの政策顧問で対中強硬派のピーター・ナヴァロ氏「米中もし戦わば」(戦争の地政学、文芸春秋社刊)を読む」●「米中対話は不可能である」の結論は「日中韓朝対話も不可能であった」に通じる。」★「明治以降の日中韓朝150年戦争史は『エスノセントイズム」「パーセプション」「コミュニケーション」『歴史認識」のギャップから生まれ、『話せばわかるが、話してもわからないことが わかった!」、台湾有事はどうなるのか?」

逗子なぎさ橋珈琲テラス通信(2025/11/08am10) 2017/02/07 …

『F国際ビジネスマンの『世界漫遊・ヨーロッパ・カメラ・ウオッチ(17)』★『オーストリア・ウイーンぶらり散歩⑦』(2016/5)★『世界遺産/シェーンブルン宮殿』その広大な庭園に驚く(下)」』

    2016/05/31  『F国際ビジネスマ …

『クイズ?Z世代のための日本最強のリーダパワーを発揮した宰相は一体誰か?②』★『原敬首相の「観光立国論」』★『周囲の猛反対を押し切って皇太子(昭和天皇)をヨーロッパ観光に旅立たせた国際的決断力』★『日本帝王学の要諦は ①可愛い子には旅をさせよ ②獅子はわが子を千尋の谷に突き落とす ③昔の武士の子は元服(14、15歳)で武者修行に出した』

「逗子なぎさ橋通信、24/06/16/am720] 2017/09/23 &nb …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(8)記事再録/日本国難史にみる『戦略思考の欠落』⑨『日中韓の誤解、対立はなぜ戦争までエスカレートしたか」ー中国・李鴻章の対日強硬戦略が日清戦争の原因に。簡単に勝てると思っていた日清戦争で完敗し、負けると「侵略」されたと歴史を偽造

    2015/11/28 &nbsp …

no image
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』ー『2018年、米朝戦争はあるのか』⑦『「北朝鮮を容赦しない」と一般教書演説で見せたトランプ大統領の「本気度」』★『ヘーゲル元米国防長官「北朝鮮への先制攻撃は無謀。日本も大惨事を免れない」』★『米海兵隊トップ、北朝鮮との地上戦に言及「厳しい」戦闘に備え』★『中国が密かに難民キャンプ建設──北朝鮮の体制崩壊に備え』

 『2018年、米朝戦争はあるのか』⑦ トランプ米大統領は1月30日、就任後初と …

no image
知的巨人たちの百歳学(179)記事再録/「女性芸術家たちの長寿・晩晴学④」―石井桃子、武原はん、宇野千代、住井すゑ

    2013/01/02 &nbsp …

no image
日露300年戦争(4)『露寇(ろこう)事件とは何か』★『ロシア皇帝・アレクサンドル一世の国書を持って、通商を求めてきた第2次遣日使節・ラスクマンに対しての幕府の冷淡な拒絶が報復攻撃に発展した』

   1783年(天明3)、日本の船頭・大黒屋光太夫https://ja.wik