『日本占領・戦後70年』昭和天皇の『人間宣言』はなぜ出 されたのか②『ニューヨーク・タイムズ』などの『占領政策と天皇制』の論評
2015/12/25
・ 『日本占領・戦後70年』
「1946年(昭和21)元旦の天皇の『人間宣言』はなぜ出
されたのか、『地方巡幸』はその結果始まった。
「昭和天皇と地方巡幸」(2)
『ニューヨーク・タイムズ』『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』
はマッカーサーの占領政策と天皇制について、どう論評したか
『占領政策と天皇制』『ニューヨーク・タイムズ』(1945年9月11日付)
「……マッカーサー元帥は、日本軍閥の権力の根源に打撃を与える二つの布告を最近発した・…。」「これら二つの措置をとることにより、マッカーサー元帥は、ポツダム最後通告の二つの主要条項および元帥自らの政策声明、すなわち、日本軍国主義の廃絶と日本国民の間における民主主義的傾向の助長を実行するといぅ点において喜ばしい進捗を遂げた。
しかし、元帥はまた、政策声明のなかで、命令を確実に遵守させるため、主に『天皇の陰のカ』としての役割を占領軍に担わせたうえで、もっぱら日本国天皇および日本政府を介して事を進めるよう提議していることも明らかにしている。
日本経済は、連合国の目的達成にとって必要であるかぎりにおいてのみ管理されるであろうが、それは、日本の全体的経済構造の弱体化もしくは改変をともなわない産業上の武装解除をたぶん意味するものであり、日本国民は、これまでどおり天皇政府に従わなければならないであろう。
要するに、天皇崇拝と日本による世界征服の『聖なる使命』の教義を極点とし、さかんに誇示されてきた日本の『比類なき国体』は、マッカーサー元帥の権限のもとに置かれるものの、戦勝連合国が関与する範囲に限れば、おそらく手を加えられないままに終わるであろう。
そして、民主主義の方向への現存秩序の改変は、…明らかに日本の天皇政府のおばしめしと、全体主義的戦争体制に耐えてきた日本の自由主義着の熱意に委ねられるであろう。」
「軍事上の一時的便法ないし恒久的な便宜策としていかに前述の政策を弁護しょうとも、明らかにそれは、ヨーロッパで適用された政策とはまったく異なるものである。それは、ドイツに加えられた苛酷さに遠く及ばないだけではない。東ヨーロッパにソ連が樹立した諸政権に適用された政策はもちろんのこと、イタリアに適用された政策にもましてはるかに寛容なものである。
少なくともこれまでのところでは、軍政もしかれず、日本国民の再教育の試みも、ナチズムやファシズムに相当する日本の思想を根絶する努力も見られない。全体主義的目的に奉仕する団体、たとえば在郷軍人会や政治警察、憲兵隊、そしてまた、支配勢力が日本国民を管理するための手段とした『隣組』といったような団体の解散も行なわれていない。
日本の全体主義的戦争体制に実質的に加担した人々もしくは連合国の目的に敵意をもっている人々を、公職ないし準公職および重要私企業の責任ある地位から追放する努力もなされていない。
指導的産業家の逮捕も、大独占企業またはいかなる私有・公有財産に対する干渉も行なわれていない。それどころか、現政策は、旧秩序を維持するだけでなく、それに抗して立ちあがる日本国民のいかなる反対をも未然に抑圧することに役立つのみであろう。
そしてそれは、宜言された戦争目的から明らかにいちじるしくはずれており、したがって、大統領、議会および、きようロンドンで行なわれる外相会議によって再検討される必要があることも等しく明らかである。ヨーロッパと日本において、それぞれ異なる政策をとるならば、必ずや一方の政策を基準にして他方を告発せざるをえず、すでに誤解と不信の満ち溢れた世界において、下心をわれわれがもっているのではないかという誤解と不信を招くことになる。」
『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』(1941年9月11日付)
「……『天皇を介して事を進める』という政策が(日本国民の生命だけでなく)、おそらく何万何十万の連合国国民の生命をも救ったことは即座に認めてもよかろう。
その政策は、降伏の時点においてはやむをえないものでありたし、当分の間はそのままとり続けざるをえない。しかし、その結果はどうなるのか。」
「まず第一に、明らかにそれは、天皇制とそのいっさいの根拠のない神話を強化することにつながる。もうその結果はすでに明白である。一方でマッカーサーと天の御子が協同して日本を統治し、……他方、占領軍は、……何ら明確な役割も与えられず、兵営から隔離され、あげくの果ての罰として人目から遠ざけられ、忘れられるにちがいない。占領軍は、たちまち退屈し、帰国を要求するであろう。万事は、一、二年のうちに仕上げられるであろう。
日本には『欧米式の』議会政治、と言っても、依然、封建的門閥が天皇崇拝という、より強力な仕掛けの助けを借りて換る政治が生まれるであろう。占領軍は撤退するであろう。
農民大衆は、これまでどおり無知、無力で、貧困に苦しむであろう。縞ズボンをはいた少数の連合国外交官と軍事管理委員が残留するものの、彼らは『真珠湾』以前の時期のわが国の外交官と同様にすっかりだまされ、そして、ワァイマール共和国時代のドイツにおける連盟国の管理委員会と同様、軍国主義の新たな復活を阻止するには無力であろう。」
「……連合国自体が日本の革命を煽動できないのは明らかであるが、しかし、今日、革命を起こさせないようにしている障害を除去することはできる。連合国は、其の言論の自由を実施することができる……。天皇制が受けるに値する尊敬はほとんど取るに足りないものだが、天皇制にそれ以上の敬意は払わないようにすることもできる。
連合国は、現存の統治機関が小規模封建階級にとっての権力の砦として存続するがままに放置することなく、それらの機関をみずからの目的のために利用できるし、また、占領軍をたんに威圧カとしてだけでなく、日本の政治的再生のための積極的な力としても利用できるのである。」
「……このすこぶる原始的な国民を現代社会の営みに適応させるものは徹底した社会革命以外にはなかろうということは、かなり明らかなように思える。……」
「われわれは、これら七〇〇〇万余の国民に責任を負うではいるものの、彼らや彼らの歴史、彼らの心理についてはほとんど何も知らない。彼らが提起する問題に対処するのには、軍人は力不足の人たちである。不幸にして、国務省も五十歩百歩であり、他方、大統領と議会は、これまで多分にその課題をなおざりにしてきた。しかし、彼らも、そして彼らの背後の国民も、今や決めなければならない。・…」
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(445)「安倍首相の靖国参拝外交は75年前の近衛内閣の日中戦争泥沼化の近衛声明外交失敗の轍を踏む①
日本リーダーパワー史(445) 「安倍外交を検証する①」   …
-
-
『Z世代のための<ガラパゴス日本病>の研究講座①』★『150年経っても変わらない、かえられない日本の政治、教育、思想の根本的欠陥をズバリと指摘したフランスの新聞』
2011/12/25   …
-
-
日中北朝鮮150年戦争史(17)『日清、日露戦争勝利の方程式を解いた男』川上操六陸軍参謀総長ー日清戦争前に『朝鮮半島に付け火せよ。そして火の手をあげよ。火の手があがれば我はこれを消してみせる』
日中北朝鮮150年戦争史(17) 日清戦争の発端ー川上操六のイ …
-
-
『「申報」からみた「日中韓150年戦争史」(65)『(日清戦争開戦2ヵ月後―「憤言」ちっぽけな倭奴をなぜ撃滅できないのか』
『「申報」からみた「日中韓150年戦争史」 日中韓のパーセプション …
-
-
日本リーダーパワー必読史(742)『歴史復習応用編』ー近代日本興亡史は『外交連続失敗の歴史』でもある。明治維新の国難で幕府側の外務大臣(実質首相兼任)役の勝海舟の外交突破力こそ見習え➊『各国の貧富強弱により判断せず、公平無私の眼でみよ』●『三国干渉くらい朝飯前だよ』』●『政治には学問や知識は二の次、八方美人主義はだめだよ』●『国難突破力NO1―勝海舟(75)の健康・長寿・ 修行・鍛錬10ヵ条」』
2016年10月28日/ 日本リーダーパワー必読史(742) 明治維新 …
-
-
日本リーダーパワー史(351)12/16総選挙ー大正デモクラシー、大正政治のリーダーシップから学ぶ。日本の政治は百年前から進歩したか』
日本リーダーパワー史(351) <12/16総選挙で選びたいリーダ …
-
-
日本リーダーパワー史(343) 『最強のリーダーシップー西郷隆盛の国難突破力』 『情においては女みたいな人』(大久保利通の西郷評)
日本リーダーパワー史(343) ● 『最強のリーダーシップ …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑫』ポルトガル・リスボン旅行日記①』★『リスボンの繁華街も閑古鳥が泣いている』★『ポルトガルの民謡、FADOに聞き惚れる。しかし、我が一行の他、2組だけでガラガラ(12/14)』
2012/12/21 『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑫』記 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(64)記事再録/『天才老人NO1<エジソン(84)の秘密>➁落第生 アインシュタイン、エジソン、福沢諭吉からの警告』★『天才、リーダーは学校教育では作れない』★『秀才、優等生よりは、落ちこぼれ、落第生の方が天才になれるのよ』
2014/07/17   …
-
-
日本リーダーパワー史(300)<今は戦時下の認識を持て>原発報道と対中韓歴史認識ネジレと『国際連盟脱退』を比較検討する⑦
日本リーダーパワー史(300) –3.1 …
