前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(95)「原発ゼロへ」自民党が変わるきっかけ」◎「小泉元首相が「原発ゼロの方針を打ち出せ」

      2015/01/01

 池田龍夫のマスコミ時評(96)

 

●「原発ゼロへ」自民党が変わるきっかけ

131011

小泉元首相が「原発ゼロの方針を打ち出せ」

と強調(13107

 

 

●「原発ゼロへ」自民党が変わるきっかけ
131011

 

 

 自民党青年局長から復興庁政務官に抜擢された小泉進次郎氏(32歳)は107日、名古屋市で講演。1日には父の純一郎元首相が同地で講演しており、父子〝揃い踏み〟が話題を呼んでいる。

 純一郎元首相の「原発ゼロ」発言について質問された進次郎氏は、「国民の間で釈然としない気持ち、なし崩しに(原発依存に)行っていいのかという声が脈々としてある」と語り、理解を示した。

 朝日新聞108日付朝刊によると、「先週は名古屋で父が〝原発ゼロ〟を話した。東日本大震災で日本が変わる時が来たかなと誰もが思った。自民党は原発推進政党ではない。参院選公約では再生可能エネルギーの導入促進に向け全力を尽くすと書いた。

 

自民党が変わるきっかけなんです」と強調したという。東北復興のためしばしば現地を訪れている進次郎氏の行動力は凄い。人材難の自民党にとって若手のホープと期待されている。

  

小泉元首相が「原発ゼロの方針を打ち出せ」と
強調(13107

  

 朝日新聞デジタルなどの報道によると、小泉純一郎元首相は101日、名古屋市内で講演し「核のゴミ処分場のあてもないのに原発を推進する方が無責任だ。今こそ原発をゼロにする方針を政府・自民党が打ち出せば、世界に例のない循環型社会を約束できる」などと述べ、脱原発への政策転換を訴えた。

 

フィンランドの核廃棄物処理場などを視察

 

 小泉氏は講演の中で「原発はクリーンでコストも一番安いという専門家の意見を信じてきたが、東日本大震災が起きて、原子力を人類が制御できるか大きな疑問を抱いた。再生可能エネルギーを普及を進めるドイツやフィンランドにある核廃棄物処分場などを今年8月に視察したことが、循環型社会を目指す考えに変わった。

 

フィンランドの設備が10万年持つか、これから厳しい審査がある。それでも同国にある原発4基のうち2基分の廃棄物しか処理できない。現地の人は、10万年後の人類に(廃棄物を)取り出してはいけないと言って分かってもらえるかまで心配している。原発から出るエネルギーは本当に安いのか、事故が起きれば人体や農作物、地域へのリスクは計り知れず、原発ほどコストのかかるものはないと多くの国民は理解している」とも述べている。

 

       安倍首相は「日本の原発技術は安全」繰り返す

 

 これとは対照的に、安倍晋三首相は9月ニューヨーク証券取引所でのスピーチで次のように述べていたが、一人よがりの言動にびっくりした。

「日本の原発技術は安全で、これからも世界に貢献していきます。放棄することはありません。福島の事故を乗り越えて、世界最高水準の安全性に貢献していく義務があると考えます。一方、福島沖で高さ200㍍の巨大風車で発電するプロジェクトにも挑みます」と語っていたが、汚染水海洋流出が拡大している現状からみて、まことに能天気な話ではないだろうか。

 

        「改めるに憚ることなかれ」

 

 政策のミスや失敗があれば、「改めるに憚ることなかれ」である。この点で新旧両首相の姿勢を比較すると、小泉元首相の「脱原発発言」は潔く、好感が持てた。毎日新聞826日付朝刊3面コラム「風知草」で山田孝男記者と小泉氏とのやり取りが興味深かったので、その一部を紹介しておきたい。

 

 「脱原発、行って納得、見て確信―。8月中旬、経団連首脳らが同行した小泉元首相のドイツ、フィンランド視察の感想はそれに尽きる。いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら納得できると思った。ますますその自信が深まったよ」と率直に語る。

 

フィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学とドイツ視察の旅。「オンカロは世界で唯一、着工された核廃棄物最終処分場だ2020年から一部で利用が始まるというが、核燃料廃棄は10万年単位の難作業を自分の目で確かめて反省しきりだった。

 

(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長、紙面審査委員長など。

 

 - IT・マスコミ論 , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

百歳学入門(152)元祖ス-ローライフの達人/「超俗の画家」熊谷守一(97歳)② ひどい窮乏生活の中で、3人のわが子を次々に失う。 しかし、病児を医者にかけるために絵を描き、 絵を売ることはできなかったのです。

  百歳学入門(152)   元祖ス-ローライフの達人・「超俗の画家」 …

CEATEC JAPAN 2017(10/5)-『Panasonicのプレゼン「Smart Aging Care System」★『omronのブース『ピンポンロボット(フォルフェウス)の第4世代機を発表』

 日本の最先端技術「見える化』チャンネル 「CEATEC JAPAN 2017」 …

『50、60,70歳のための加齢創造学入門』★『国産ロケットの父・糸川英夫(86)の『加齢創造学』ー人間の能力は6,70歳がピークだよ』★『「なにも知らない人間だから、新しいことを勉強しなければならない」と挑戦意欲をもつ』

逗子なぎさ橋珈琲テラス通信(2025/10/26 /am1100) 2012/0 …

no image
日本リーダーパワー史(836)(人気記事再録)『明治維新150年』★『日露戦争勝利の秘密、ルーズベルト米大統領をいかに説得したかー 金子堅太郎の最強のインテジェンス(intelligence )⑧』★『ル大統領、講和に乗りだすーサハリン(樺太)を取れ』●『外交の極致―ル大統領の私邸に招かれ、親友づきあい ーオイスターベイの私宅は草ぼうぼうの山』 ★『大統領にトイレを案内してもらった初の日本人!』

<日本最強の外交官・金子堅太郎⑧>  ―「坂の上の雲の真実」ー 『外交の極致―ル …

no image
わが「古本狂」の愛読 『一読両断』書評ー『刑事裁判を問う』下村幸雄著◎『殺さなかった』五十嵐二葉著

     わが「古本狂」の愛読、乱読、速読、つん読 …

『Z世代のための<憲政の神様・尾崎咢堂の語る<日本史上最大の英雄・西郷隆盛を理解する方法論>の講義⑯』★日本リーダーパワー史(84)尾崎行雄の傑作人物評―『西郷隆盛はどこが偉かったのか』★『リーダーシップは力より徳にある>』

    2010/08/09  日本リー …

no image
世界/日本リーダーパワー史(915)-『米朝首脳会談(6月12日)で「不可逆的な非核化」 は実現するのか(下)

世界/日本リーダーパワー史(915) 一方、日本の対応と、日中のパワーバランスの …

「Z世代のためのウクライナ戦争講座」★「ウクライナ戦争は120年前の日露戦争と全く同じというニュース]⑥」『開戦37日前の『米ニューヨーク・タイムズ』の報道』-『「賢明で慎重な恐怖」が「安全の母」であり,それこそが実は日本の指導者を支配している動機なのだ。彼らは自分の国が独立国として地図から抹殺されるのを見ようなどとは夢にも思っておらず,中国が外部から助力を得られるにもかかわらず,抹殺の道を進んでいるのとは異なっている』

『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争カウントダウン』㉚   …

『Z世代のための日本最初の民主主義者・中江兆民講座③』★『中江兆民(53)の死に方の美学』★『医者から悪性の食道ガンと宣告され「余命一年半・・」と告げられた』★『兆民いわく、一年半、諸君は短促なりといわん。余は極めて悠久なりという。 もし短といわんと欲せば、十年も短なり、五十年も短なり。百年も短なり。 それ生時限りありて、死後限り無し」(『1年半有』)』

 2023/11/22  『Z世代のための死生学入門』記事再 …

no image
★5世界が認めた日本人アスリートの活躍(2016/4月間賞)前田健太、岡崎慎司、香川信司、イチロー

世界が認めた日本人アスリートの活躍(2016/4月間賞) 前田健太、岡崎慎司、香 …