前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(107)◎『「特定秘密保護法」への警戒感、一層強まる、弁護士が提訴(2・21)

      2015/01/01

 


 
池田龍夫のマスコミ時評(107)

 

◎『「特定秘密保護法」への警戒感、一層強まる(221

 

    池田龍夫(ジャーナリスト)

 

       「憲法の基本原理に反する」と、弁護士が提訴

 

自公政権は昨年126日、参院本会議で特定秘密保護法案を強行可決、同法は成立した。これに対し、静岡県弁護士会所属の藤森克美弁護士は213日、「憲法違反だ」として、国を相手に違憲・無効確認と施行の差し止めを求める訴えを静岡地裁に起こした。

 同法は防衛や外交など4分野で行政機関の長が「特定秘密」を指定し、漏えいした公務員らに最高10年の懲役を科すほか、特定秘密に触れる民間人も処罰対象になる。昨年1213日の公布から1年以内に施行される。

 訴状では、秘密事項が拡大する恐れが大きく、情報機関の権限が拡大し思想・信条の自由などの憲法の基本原理に違反するなどとして無効を主張。また、同法に基づき起訴された人の刑事裁判では証拠の収集活動が同法違反に問われる恐れもあり、弁護権を侵害されるとして差し止めを求めた。

 同法をめぐる訴訟は全国初で。提訴後記者会見した藤森弁護士は「国民主権でなく官僚主権の国家になってしまうことを心配している」と強調した。

 

「知る権利、報道の自由を侵害」……日弁連が抗議

 

日本弁護士連合会は126日、直ちに山岸憲司会長名で秘密保護法反対を表明した。「参議院では、衆議院で検討が不足していた論点について、十分に検討すべきだった。参考人や公述人の多くが反対意見や問題点を指摘したにもかかわらず、これらの意見を十分に検討しないまま、短時間の審議で採決を強行した。

同法の内容面・手続面いずれにおいても国民主権・民主主義の理念を踏みにじるもので、到底容認できない。当連合会では、民主主義社会の根幹である国民の知る権利や報道の自由の侵害、重罰化、適性評価によるプライバシー侵害の恐れをはじめとした様々な問題点が残されている同法について、引き続きこれらの問題点克服のための活動を行っていく。

あわせて、国民主権確立のために不可欠な情報公開制度・公文書管理制度の改正、特定秘密保護法の有無にかかわりなく整備されるべき秘密指定の適正化のための制度策定に向け全力を尽くし続けることを誓う」(要旨)と、強行可決に対し理路整然と反駁していた。

 

学界有志、各新聞・民放局…映画関係者の批判相次ぐ

 

日弁連のほか憲法学界、歴史学界などの研究者からそれぞれ100人を超す「秘密法批判」が続出。ニュアンスに差があるにしても、全国紙・地方紙の大多数(全部か)が「知る権利抑圧の恐れ」を指摘していた。民放局も問題点を挙げて批判。さらにジャーナリスト・文筆業集団、芸術家・映画関係者らが相次いで政府の暴挙を批判した。

 

世論調査でも、「修正すべき」が71

毎日新聞217日付朝刊(世論調査)は、「秘密保護法につき、第三者が秘密指定をチェックする仕組みの強化するなど修正の有無を質したところ『必要だ』と答えた人が71%、『必要ない』の19%を大きく上回った。政府が恣意的に秘密を指定するのではないかとの問題点を挙げ、国民にも強い懸念があることが分かる」と調査結果を報告している。

 

国民監視の目を誤魔化せない

安部政権がゴリ押しした秘密法の無謀さが天下に広がってしまった。

岸信介首相時代の「日米安保改定騒動」以来の国民の反撃を招いた事態を、政府はどう打開するつもりだろうか。誰が見てもおかしな秘密法を廃案にして再検討するのが筋だろうが、自公与党政権が応じるとは思えない。

政府は今後の国会審議を通じて「修正すべきことは修正し、削除すべき文言は削除する」との姿勢を示すだろうが、小手先の駆け引きには国民の監視の目は厳しい。「奢れるもの久しからず」の轍を踏む恐れなしとしない重大局面である。

 

(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。

 

 

 - IT・マスコミ論 , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『世界一人気の世界文化遺産「マチュピチュ」旅行記』(2015 /10/10-18>「朝霧の中から神秘に包まれた『マチュピチュ』がこつ然と現れてきた」水野国男(カメラマン)⓶

    2 2015/11/02★&lt …

no image
世界最先端イベント『見える化』/チャンネル世界最大級の観光の祭典『ツーリズムEXPOジャパン-『 『日本財団』日本パラリンピックサポートセンター』●『 東京都の『多摩、島しょと東京の特産品」』★『山口のパビリオン』★『鹿児島のパビリオン』

世界最先端イベント『見える化』チャンネル 世界最大級の観光の祭典『ツーリズムEX …

no image
『オンライン/160年前の『ニューヨーク・タイムズ』で読む日本近現代史講座』★『日本についての最初の総括的なレポート<「日本および日本人ー国土、習慣について>(1860(万延元)年6月16日付)

     2012/09/10 の記事再 …

『ある国際ビジネスマンのイスラエル旅行記②』★『懐かしのエルサレムを訪問、旧市街のキリスト教徒垂涎の巡礼地、聖墳墓教会にお参りす』★『キリスト絶命のゴルゴダの丘跡地に設けられた教会内部と褥』

  『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(231)』(2 …

世界が尊敬した日本人ー『エ・コールド・パリ』・パリ画壇の寵児となった『世界のフジタ』藤田嗣治 

世界が尊敬した日本人 前坂 俊之静岡県立大学名誉教授   明治以降の日 …

no image
世界/日本同時メルトダウンへ(909)『若い女性は風俗嬢、老人は姨捨て山…一億総貧困時代が来た』●『英国民投票日は金融関係者は徹夜覚悟、「ポンド危機」は確実』●『「幕藩体制」に追放された舛添知事 東京の本当の問題は「無駄遣い」ではない(池田信夫)』

世界/日本同時メルトダウンへ(909) 若い女性は風俗嬢、老人は姨捨て山…一億総 …

『Z世代のための<日本政治がなぜダメになったのか、真の民主主義国家になれないのか>の講義⑦★『自民党裏金事件の処分を見れば、これが真の政治家のやることか』★『政治家の本来の仕事とはー政治家(ステイッマン)は高い志を持ち、国益や国民益を考えて行動する人。逆に「政治屋(政治稼業)ーポリティシャン」は「自分の選挙や当選することを主目的に、国民益よりも収入の自益、地盤益、党益、派閥益を優先する人』★『岸田首相は3代にわたる政治屋家業』

    2023/02/10 &nbsp …

『オンライン講座/新聞記者の冤罪と誤判・死刑追及の旅➂』『山口県内で起きた『無実を訴えて62年』―加藤新一事件の再審で無罪判決が下る』

2010/03/16   無実を訴えて62年―加藤新一事件の …

『日中台・Z世代のための日中近代史100年講座④』★『宮崎滔天の息子・宮崎龍介(東大新人会)は吉野作造とともに「大正デモクラシー」を牽引し「柳原白蓮事件」で「大正ロマンの恋の華」となった」★『炭鉱王に離別状を朝日新聞に大々的に発表、男尊女卑の封建日本を告発した<新しい女の第一号>で宮崎龍介と再婚した』

  2014/07/23    …

世界/日本の最先端技術『見える化』動画チャンネル ★「10分で早わかり、 チャツトで仕事はどうかわる」『NEO JAPAN のChat Luckのプレゼン「電話・メール・チャットのメリット、デメリット比較」はよくわかる

             世界、日本の最先端技術『見える化』動画チャンネルー J …