前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『Z世代のための百歳学入門』★『第253世天台座主・山田恵諦(98歳)の座右銘「勤めは堅く、気は長く、大欲にして心安かれ」★『そのためには、毎日続けてもあきない趣味が人生を楽しくさせる』

      2024/10/09

  2017/09/29  百歳学入門(182)

山田恵諦(98歳)明治28年(1985)12月1日―平成6年(1994)2月22日。15歳で延暦寺に入り、学問所長、滋賀院門跡を経て法階位天台宗探題、昭和四49年から第253世天台座主。天台座主を20年務め、昭和62年(1987)8月3日、比叡山開創1200年を記念して比叡山宗教サミットを開催。カトリックの枢機卿のフランシス・アリンゼら世界の七大宗教の指導者24人が比叡山に集い、世界の平和を祈願した。また「一隅を照らす運動」を推進し、「空飛ぶお座主」といわれた行動的な名僧。

  • 84歳の時、山田 恵諦・比叡山延暦寺天台座主は次のように語っている。

「もったいない話だが、私はこれほど長生きするとは思わなかったし、小さい時の私を知る人は、徴兵検査までもつまいと言っていたようだで、15歳の時、寺にきた。十七歳の時に 兄弟子がチフスのため二週間で死んだ。看病しながら、人間は死ぬんだ、とその時に思った。昨日まで元気で、人一倍勉強していた兄弟子は今日は姿がない。人間は賢くなる前に死なない工夫をすることだと思った。

師匠に「勉強をやめて体を鍛え、体力をつけたい」と話し、許しが出た。テニスをやったが、それから身長も伸び、体力もついて、徴兵検査では甲種合格になった。

健康について意識的にどうしようということはないが、仏様からいただいた寿命だと思い、人間に生まれたありがたさを残しておかなければならない。人様のために、細く長くやって行く[第一に無理は絶対にしないことだ。食事は、おいしぃ時にはいただくが、おいしくない時には食べない。使秘性があるので、朝起きたら真水をコップ一杯のみ、顔を洗う前に「今日もよろしく」と言って胃腸薬をのむ。これが、胃のためにも精神にもプラスになっているのではないかと思う。

お酒は毎晩一合一本とグイノミに一杯ほど加える。ご飯が一番おいしい時に酒をやめなさいと言われているが、お酒のあとはご飯か うどんを食べないといけない。ご飯を食べると、ぉ酒が「ご先祖がきた」と喜ぶ。

朝は、決めていないが、差し出されたものをいただく。梅千は欠かさない。健康に一番いいようだ。昼はできる限り野菜物を中心にいただくが、あまりしつこいものには箸をつけないようにしている。夜も献立を選り好みしない。夜八時か九時に寝て朝五時には起きる。五時半から六時に仏間に入り、 一時間半あまりお経を読む.夜遅くまで起きていると健康のためによくない.朝散歩したいが、そうすると仏間に入って落ち着かない。けじめはお勤めなのだから。声を出してお経を読む

のは内臓の運動にいいと思っている。今まで重い病気をしたこともないぃ十年ほど前にギックリ腰になったことはぁるが、血圧も140―80で、全体の調子からみると十二、三歳は若い体だと言われる。旅行も苦にしない。ただ、夜遅くまでの宴会はこたえるので、適当な時に引かせてもらう。法要で二、三時間、あるいは山で一週間もこもってきた時など、風呂に入って体重の上がり下がりをみて健康を考えるのも楽しみだ。

私は大体がのんき性だ。心配ごとは仏様におまかせしている。とにかく、与えられた寿命を粗末にしてはいけないし、無理しないことが長生きの前提だと思っている。

  • 心の老化を知るー、8問チェック、あなたもどうぞ!

人間の老化はまず心から始まります。自分の心の老化を知る方法をいくつか並べてみましょう。

1 子供や若い者と話をしているか。

2 ひとの意見を聞いたり、質問をすることがあるか。研究的な読書をしているか。

3 新聞やテレビでニュースを見ているか。娯楽物ばかり見ているか。

4 ひととの話は、むかし話ばかりしてはいなか。

5 物忘れが多くなってはいないか。

6 がんこになり、ぐちが多くなっていないか。

7 きれいな異性を見ても、きれいだと思わなくなったのではないか。

8 怒りっぼく、涙もろくなってはいないか。

<以上、参考文献「著名人の私の健康法(社会保険新報社刊、1981+年刊)より>

  • 死と向き合って生きる覚悟があるか,長生きの秘訣はない 

人間誰しも長生きしたいと思う。しかし、天海僧正(107歳)の言われたように長生きをしようと思っても,長生きできるものではないし、長生きした人が若い頃から特別のことをしてきたわけではない。

寿命というのは天からの授かりもの、長くしようと思ってできることではない。これは長命の水だ、若返りの食べもの、元気になるクスリ、サプリメントなどをせっせと飲んでみても同じこと。風呂場で足をすべらして死ぬかもしれぬ、道を歩いていて車にはねられるかもしれない。

なぜ長生きをしたいのか。そこのところが肝心です。何もすることがないのに、ただ長生きしたいとは思わないはずです。
では、何がしたいのか。生きる目標というものがはっきりしたら、余分なことは考えなくなる。人間に達しさが出てくるのです。毎日の生活が楽しくなる。朝日が覚めると、「有難い」という気持ちになれる。

今日一日にできることは、だいたい決まっている。その日のうちにできること、なすべきことを、きっちりとやればいい。昼休みをとったらいい。どうしても今日一日では無理ならば、明日に延ばして、区切りのいいところで、かたをつけておけばいい。
人生だって同じです。自分で立てた計画を自分で守ってやっていくしかない。
やがて日は暮れるし、努力して最大限に自分の能力を発揮したとしても、与えられた範囲、情況というものは、ある程度定まっている。

そのためには、

  • 毎日続けてもあきない趣味が人生を楽しくさせる 

たとえば、六畳一間を与えられているとすると、その場をいかに活用し、住みやすくするかが大切なのです。よそさまが十二畳に住んでいるからといって、あんなとこに住みたい、となりの芝生をうらやんでみたとて仕方がない。自分の六畳、4畳半のアパートであっても、余分なものは置かず、きっちりと整えてあれば、快適な生活ができる。
心の支えになるような趣味を持つことが長生きの秘訣です。

 

 

 

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
速報(298)『大飯原発再稼動、検証委もグラツク?(池田龍夫)』『5月10日チェルノブイリ周辺の永久立ち入り制限 小出裕章』

速報(298)『日本のメルトダウン』   ●『大飯原発再稼動、検証委も …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(52)●『京都・滋賀県知事が原発再稼動を危惧する提言』『石原都知事が「尖閣諸島を買う」と公言』

池田龍夫のマスコミ時評(52)   ●『京都・滋賀県知事が原発再稼動を …

no image
『オンライン/国難突破力講座』★『山本五十六のリーダーシップー日独伊三国同盟(今から80年前の1940年の大外交失敗)とどう戦ったか』★『ヒトラーはバカにした日本人をうまく利用するためだけの三国同盟だったが、陸軍は見事にだまされ、国内は軍国主義を背景にしたナチドイツブーム、ヒトラー賛美の空気が満ち溢れていた』

 2012/07/29 記事再録・日本リーダーパワー史(288) <山 …

no image
日本メルトダウン( 991)ー「福島原発処理費、20兆円超」●「日本の希望的楽観論に過ぎない「最低でも2島返還」 北方領土を返還する気などさらさらないプーチン」●「大前研一「入試なし。猫も杓子も大学、の逆を行くドイツ式教育」」●「欧州の脅威となるロシアのガスパイプライン」●「ドイツの政治家とメディアがトランプ批判をやめられない「お家事情」ー岐路に立つEUとメルケル首相」

日本メルトダウン( 991)–   福島原発処理費、20兆 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(128)』『東芝問題に見る、会社の危機は個人の危機?』●「 東芝「出直し新体制」を操る「最高実力者」の危険な影響力」

 『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(128)』 『東芝問題に見 …

『Z世代のための日中関係/復習講座』★『日中関係が緊張している今だからこそ、もう1度 振り返りたい』★『中國革命/孫文を熱血支援した 日本人革命家たち①(1回→15回連載)犬養毅、宮崎滔天、平山周、頭山満、梅屋庄吉、秋山定輔ら』

  2022/08/22『オンライン・日中国交正常化50周年 …

no image
★『2018年(明治維新から150年)「日本の死」を避ける道はあるのか④ 『2050年には日本は衰退国ワーストワンなのか!

★『2018年「日本の死」を避ける道はあるのか ー―日本興亡150年史』④― < …

「トランプ関税国難来る!ー石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ②』『日露戦争開戦『御前会議」の夜、伊藤博文は 腹心の金子堅太郎(農商相)を呼び、すぐ渡米させた」★「当時、米国はロシアを第一友好国としており、金子は渡米に反対した』★『ル大統領と親友の金子は和平講和条約の仲介役を同大統領に引き受けさせる広報外交を展開した』

2021/09/01 『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑮ 』 以下は前坂俊之 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(38)記事再録/『東西冷戦の産物として生れた現行憲法➂』★『 2月 13日、日本側にGHQ案を提出、驚愕する日本政府 』★『予期していなかった憲法草案の突然の提示に日本側は驚愕した。松本蒸治国務相、吉田茂外相らは恐る恐る頁をめくると、天皇はシンボルだとか、戦争放棄とか、一院制などの条項にダブルショックを受けた。』

日本リーダーパワー史(356)                &nbs …

『Z世代のための日本近現代興亡史講座(下)』★『「日露戦争の日本海海戦で英海軍ネルソン提督を上回る完全勝利に導いた天才参謀・秋山真之のインテリジェンス②』★『ジョミニ(フランスの少将)、クラウゼヴィッツ、マハン、山本権兵衛の戦略論』

  ロシア海軍を視察、極秘中の極秘の「一等戦艦の図面」を1分間ほど見せてくれたが …