前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『新型コロナウイルス/オミクロン株のスピード動向①』★『オミクロン株が世界的に猛威を振るう』★『オミクロン株は2ゕ月遅れで日本に襲来』★『ブースター接種率は米EUは3,40%なのに、日本は先進国ダントツの最低0,5%にとどまる大失敗』★『再び、後手後手の対応のスローモー岸田政権』

   

オミクロン株が世界的に猛威

前坂 俊之(ジャーナリスト)

世界中で再び新型コロナウイルスの「オミクロン株」が猛威を振るってきた。米国の新規陽性者数は10日に140万人、入院患者は14万5982人で、過去最高を記録した。米疾病対策予防センター(CDC)はオミクロン株の感染力は「デノミ株の2-3倍だが、入院率、死亡率は低く、軽症者が多い」と発表。それを受けて昨年12月27日、バイデン大統領は「備えはできている。学校と経済は動かし続ける」と宣言、ゼロコロナよりも経済を優先する「コロナ共生社会」を宣言したのです。

 

(英国でも昨年12月18日、1日の新規感染者が2日連続で9万人に増え、オミクロン株感染者は1万人超えたね。1月5日には約19万人余と高い水準が続いたが、英国保健 安全庁は「オミクロン株で入院するリスクは、他の変異株に比べて50~70%低い」と発表。ジョンソン首相は、「学校と企業活動を継続させ、コロナ共生方法を見いだす」と表明。「ウオール・ストリート・ジャーナル」(1月14日付)は「オミクロンは意外に早く収束? 英国で見えてきた希望の光」と題して「感染が2倍に拡大するまでの間隔が短ければ短いほど、流行の波は短くなり、短期に終結する」とも書いている。フランス(33万人超え)、イタリア(約19万人)、オランダやスウェーデンでも、重症者が少ないことから、経済活動の維持を優先し、水際対策、規制強化は行わない方針を示した。

結局ね、コロナを科学的に克服するしか経済再生の道はないとリスク管理して、米欧各国は次なる変異株に備えて早期発見、早期治療、ワクチン接種体制を強化しスピーディーに取り組んできた。米EUのコロナ周期は夏に減少、冬(11月から翌2月)に増加するので、夏前から、ブースター接種(新型コロナワクチン3回目接種)を続けており、OCED加盟(38カ国)の追加接種の進行状況(対象100人中)は英国51%、ドイツ41%、フランス36%、米国22%と軒並み30%以上になっている。

これがオミクロン株の歯止めになっているにもかかわらず、なぜ、感染爆発しているかというと、EUが域内での各国民の移動は原則自由であり、アフリカ、中近東からの入国制限をせず、二重国籍を認めている国が多いためです。

それにはキス、ハグ文化、マスク拒否文化の接触文化が背景にあるわけです。

  • オミクロン株2ゕ月遅れで日本に襲来

  • ところが、日本ではどうか。感染者は減る一方だった昨年11月16日、松野博一官房長官は、「日本のワクチン2回接種率が75.5%に達し、先進7か国(G7)でトップになった。高い接種率が感染拡大や重症化を防いだ格好だ」と胸を張った。ところが日本のコロナ周期は夏、冬で米欧か約2ゕ月遅れになることは周知の事実だったのに油断してしまい、ブースターの早期接種を怠った。そのため、ブースター接種率は日本は先進国ダントツの最低の0,5%にとどまっていた。

  • の「オミクロン株」が約2ヵ月遅れで日本にも上陸してきた。1月8日、全国の感染者数は8311人(重症者は89人(0.01%)で、死亡者は2人。13日18859人(125人、4人)に激増した。政府も官庁も自治体も慌てふためいた。

東京都の小池知事は「都内はオミクロン株が9割を超えた。新年に入って、10日余りで新規感染者は約28倍まで急拡大し医療提供体制をひっ迫させ、社会活動の基盤を揺るがしかねない」と国に実効性ある強力な対策を求めた。「第6波が来ると分かっていながら、3回目ワクチンも無症状者への検査拡大も、何もかもが遅れている」との政府批判が殺到したのです。

案の定、爆発的に感染者は増え、1月24日は全国で5倍の4万4810人、死亡者は17人となった。

  • 再び、後手後手の対応の岸田政権

一体、昨年の東京五輪閉幕後の半年間に自民党政権は何をやってきたのかね、総裁選や国内政局に明けくれ「国難有事のコロナ・デジタル戦争」の長期戦略体制を作らずリスク管理を怠った。尻に火がついてきたので、慌ててまたまた後手後手の戦力の遂次投入の愚を繰り返している。「『スピード感もって』、『最悪を想定して』『丁寧に説明する』を繰り返す」『慎重居士』の岸田首相は1月11日、

  • ワクチンの3回目接種は自衛隊による大規模接種会場の再設置などを通じて自治体の取り組みを後押しする。

  • 施設に入所していない65歳以上の一般高齢者の接種間隔を3月以降、7カ月に6カ月に縮める。

64歳以下の一般人は8ヵ月から7カ月に短縮する。

  • エッセンシャルワーカーらの待機期間も14日から10日にするーなどなど。全く遅すぎるね、3月に始まる頃には台風並みのスピードのオミクロン株は日本列島を通過してどこにいっているよ。

「AFP(1月15日)によると、米国のニューヨークなど主要都市での「オミクロン株」による感染の波が収束し始めている。オミクロン株の感染者が爆発的に増加した後に急減するという傾向は、英国や南アフリカでもみられていた。と報道している。

また、時事通信(1月24日)によると、WHOのクルーゲ事務局長は「ヨーロッパで3月までに60%がオミクロン株に感染す集団免疫ができる。デルタ株と比べて深刻でないので季節性インフルエンザに変わるという希望が芽生え始めた。欧州コロナ終わり近い」 と述べている。

 - 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

片野勧の衝撃レポート(70)★『原発と国家』―封印された核の真実⑧(1960~1969)『アカシアの雨がやむとき』(上)

片野勧の衝撃レポート(70) ★『原発と国家』―封印された核の真実⑧(1960~ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(193)記事再録/<クイズ>-今から160年前の1860年(万延元年)2月、日米通商条約を米ホワイトハウスで批准するため咸臨丸とともに米軍艦の蒸気船『ボーハタン号』で太平洋を渡たり、全米の女性から最もモテたイケメン・ファースト・サムライはだれでしょうか?!

    全米女性からラブレターが殺到したファースト・サムライ …

「今、日本が最も必要とする人物史研究①」★『日本の007は一体だれか』★『日露戦争での戦略情報の開祖」福島安正中佐①100年前の「シベリア単騎横断」や地球を1周した情報諜報活動こそ日露戦争必勝のグローバル・インテリジェンス』

    2015/03/09 &nbsp …

no image
速報(244)★『フェースブックがあなたの人生をぶち壊す』●『日本エレクトロニクス総崩れの真因』など7本

 速報(244)『日本のメルトダウン』  ★『フェースブック …

「トランプ関税国難来る!ー石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ②』『日露戦争開戦『御前会議」の夜、伊藤博文は 腹心の金子堅太郎(農商相)を呼び、すぐ渡米させた」★「当時、米国はロシアを第一友好国としており、金子は渡米に反対した』★『ル大統領と親友の金子は和平講和条約の仲介役を同大統領に引き受けさせる広報外交を展開した』

2021/09/01 『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑮ 』 以下は前坂俊之 …

『F国際ビジネスマンの『世界漫遊・ヨーロッパ・カメラ・ウオッチ(17)』★『オーストリア・ウイーンぶらり散歩⑦』(2016/5)★『世界遺産/シェーンブルン宮殿』その広大な庭園に驚く(下)」』

    2016/05/31  『F国際ビジネスマ …

★『オンライン講座・吉田茂の国難突破力④』★『東西冷戦の産物 として生まれた現行憲法』★『GHQ(連合軍総司令部)がわずか1週間で憲法草案をつくった』★『2月13日、日本側にGHQ案を提出、驚愕する日本政府』★

★『GHQ草案を受入れるかどうか「48時間以内に回答がなければ総司令部案を発表す …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(303)★『凡人超人奇人たちの往生術②-中江兆民「(ガンを宣告されて)余は高々5,6ヵ月と思いしに、1年とは寿命の豊年なり。極めて悠久なり。一年半、諸君は短命といわん。短といわば十年も短なり、百年も短なり」

  2010/01/21/百歳学入門②記事再録   …

no image
『リーダーシップの日本近現代史]』(31)記事再録/帝国ホテル・犬丸徹三が関東大震災で示した決断と行動力に見習え』★『いかに対処すべきかーいまのわれわれに大変役立つ『犬丸徹三のリーダーシップから学ぶ』』

        2011/04 …

no image
日本の「戦略思想不在の歴史」⑹『日本最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ勝てたのか⑹』★『14万の元モンゴル軍の海上襲来を海戦などで撃退、再び台風襲来で「弘安の役』に勝利した』

 『弘安の役』について詳述する。 弘安4年初頭での元軍の日本再征軍の編成は次のよ …