『オンライン/渋沢栄一講座』★経済最高リーダー・渋沢栄一の『道徳経済合一主義の経営哲学に学べ』<晩年は社会慈善公益事業に財産を還元せよ>
2022/01/23
日本リーダーパワー史(88回)
記事再録
今、日本は21世紀の世界のグロバリゼーションの大波にほんろうされ沈没寸前ですが、もう一度スタート地点にもどってどこまで流されたのか、振り返るべきですね。「右にソロバン左に論語」「道徳経済合一主義」
この言葉は有名で、明治、大正を通じて一つの格言になったほどだ。渋沢は孔子の「論語」の熱心な信奉者であり、また実践家として彼の右に出るものはなかった。
渋沢はフロックコートのポケットに、いつも小さな「論語」の本を入れており、ちょっとした時間があれば、そのポロポロになった「論語」を読み返していた。
「論語とソロバンは一つである。道徳と経済は一体である。義の中に利を求め、利の中に義を行う、これこそ其の実業である。正しい事業を行い、適当の手段によって得た個人の利益は、公益と同じである」
事業の成立には、①国家社会に有益なこと、②担当者に人を得ること、③それ自体で儲かること~の三点をあげ、渋沢は「こんなに儲かります」という事業には決まって「国家社会に役立つか」と質し、「こんなに有意義です」という会社には「それだけではいけない。どれだけ儲かるか」と必ず念を押し、「論語」と「ソロバン」を一致させた。
大正5年、渋沢は『論語と算盤』を著し、その中で「道徳経済合一説」という理念を打ち出した「論語」の思想から倫理と利益の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に渋沢自身もそれを実践した。『論語と算盤』にはその理念が端的に次のように述べられている。「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」「道徳と離れた欺瞞、不道徳な商才は、真の商才ではない」
人間の本当の評価は晩年で決まる 渋沢は還暦60歳から古希70歳を過ぎて数百にのぼる企業、団体での活動を打ち切って、社会事業、慈善事業、社会貢献事業、民間外交にも努力し、日米親善のため、三度もアメリカを訪ねた。晩年の活動を「ソロバンから論語」に移したのである。日本の企業家で渋沢ほど独自の経済哲学をもって、倫理的な経済実践をおこなった経済リーダーはいない。今の日本は超高齢化社会となり、晩年を如何に生きるべきかを考えている人が多いで渋沢は絶好のお手本である。
ているヒューマニズムの精神や現実的な合理的思想は、意外にも幼い頃に学んだ論語や中国古典からの影響が大きい。母親のえいは並はずれて優しい親切な人であったといわれ、慈悲深い逸話が多く残されている。その時、彼は好きな中国の詩人陶淵明の「帰去来辞」 の一節、一節を口ずさみながら、周囲の人たちに暗諭して聞かせたという。そして、渋沢は十一月十一日午前一時五十分に永眠した。享年九十一歳であった。看病していた者はみんな号泣したという。
関連記事
-
-
知的巨人の百歳学(155)/記事再録/百歳学入門(46)原安三郎(98歳)「いつでも平常心を持って急迫の事態にも冷静に対応し、判断せよ」長寿10ヵ条とは
2012/08/11 百歳学入門( …
-
-
日本メルトダウン脱出法(682)「私が決して日中友好パーティーに出席しない理由」●世界経済の減速の兆し:円安のインパクト」(英エコノミスト誌)の7本
日本メルトダウン脱出法(682) 私が決して日中友好パーティーに出席し …
-
-
「Z世代のための台湾有事の歴史研究」★『2023年台湾有事はあるのか、台湾海峡をめぐる中国対米日の緊張はますます高まってきた』★『過去千年にのぼる中国・台湾・日本・琉球の戦争と歴史のねじれを研究する』①
前坂 俊之(ジャーナリスト) ヨーロッパでは、多く …
-
-
日本メルトダウン脱出法(564)「長期政権へ進む安倍首相、「安保より経済」の成果」●「ヤバい日本株」で儲けるための3原則」
日本メルトダウン脱出法(564) ●『 …
-
-
日本リーダーパワー史⑬ 100年前、地球環境破壊と戦った公害反対の先駆者・田中正造
日本リーダーパワー史⑬ 100年前、地球環境破壊と戦った公害反対の先駆者・田中正 …
-
-
『オンライン講座/日本戦争報道論③』<イラク戦争報道を回顧する>―『戦争報道を検証する』戦争報道命題5か条『戦争は謀略、ウソの発表、プロパガンダによって引き起こされる』★『戦争の最初の犠牲者は真実(メディア)である。メディアは戦争 を美化し、戦争美談が捏造される。』
2003年 12月5日記事再録 <イラク戦争から1年> 前坂 俊之( …
-
-
日本リーダーパワー史(821)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㊱『日本史決定的瞬間の児玉源太郎、山本権兵衛の決断力⑧』★『軍事参議院を新設、先輩、老将軍を一掃し、戦時体制を築く』★『日露開戦4ヵ月前に連合艦隊司令長官に、当時の常備艦隊司令長官の日高壮之丞ではなく、クビ寸前の舞鶴司令長官の東郷平八郎を抜擢した大英断!』
日本リーダーパワー史(821)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」 …
-
-
片野勧の衝撃レポート(35)太平洋戦争とフクシマ⑧悲劇はなぜ繰り返されるのかー原発難民<中>「白河以北一山三文」⑧
片野勧の衝撃レポート(35) 太平洋戦争と …
-
-
『純愛の日本史』<結婚とは死にまでいたる恋愛の完成である>女性学を切り開いた稀有の高群逸枝夫妻の純愛物語』★『強固な男尊女卑社会の封建国・日本』
2009/04/09   …
-
-
百歳学入門(110)世界が尊敬した日本人ー数百億円を投じ仏教を世界に布教した沼田恵範(97歳)
百歳学入門(110) 世界が尊敬した日本人 数百億円を投じ仏教を世界に布教した沼 …
