前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本世界近現代史』(298)★『東京オリンピック開催はどうなる②』『 WHOは「パンデミックの可能性がある」とはじめて言及』★『27日のニューヨーク株式相場は、1190.95ドルと過去最大の暴落』★『新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する」との予測』

   

 「新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する」

  • 前坂 俊之(ジャーナリスト)

 ロイター通信(2月28日)よると、 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は27日の記者会見で「パンデミックの可能性がある」とはじめて言及し、「いかなる国も、自国での感染はないとの思い込みは文字通り致命的な誤りだ」と各国に一段と強い警告を発した。
その中で、イタリア、イランや韓国については、なお局地的な流行で、持続的な地域感染にはなっていないとした。
27現在のイランでは感染者が245人、死者が計26人に増えてエブテカール副大統領(女性・家族問題担当)が感染したことも明らかになった。イランでの死者数は中国以外では最多。イランは厳しい情報統制を実施しており、実際の感染者数はもっと多いとみられている。
また、今夏の東京五輪については『大会組織委員会と緊密に連携している』とし、開催の是非について直ちに決定されるとは思っていないと述べた。

米国内初となる「市中感染」患者が33人発生

すでに、新型コロナウイルスの蔓延は世界5大陸に拡散しているが、米国カリフォルニア州ではサンフランシスコ市やサンディエゴ郡などで感染防止策を強化して「非常事態宣言」を出していたが、27日、米国内初となる「市中感染」の可能性がある33人の陽性の感染者が確認された。同州内で8400人以上を経過観察の対象としている。

 

こうした緊急事態と世界経済の減速懸念が強まり、27日のニューヨーク株式相場は、1190.95ドルの大幅な下落となり、2万5766.64ドルの最終値となった。下げ幅は2018年2月の1175ドルを上回り、過去最大となった。終値が2万6,000ドルを下回るのは半年ぶりで、2月12日に記録した過去最高値からの下落率は10%を超えた。

投資家やアナリストの間では、新型コロナウイルス感染拡大がいつまで続くか、経済をどの程度混乱させるかの不透明感が強まっており、欧州や米国での新型コロナウイルスの感染がピークアウトした兆しが出てくるまで、市場の動揺、混乱は続く公算が大きいとみている。

一方、28日の東京株式市場では日経平均は700円以上の大幅続落となり2万1000円をわりこむ寸前で、新型ウイルスの感染拡大が世界経済に与えるダメージへの警戒感が広がっている。

「新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する」

 疫学の専門家として知られるハーバード大公衆衛生大学院のマーク・リプシッチ疫学教授が米高級誌「アトランティック」とのロングインタビューに応じ「新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染するだろう」と発表し世界に衝撃が走った。

https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1757247/

専門家が口にする新型コロナウイルスの特徴は①感染性が高いが、致死率はSARSなどとくらべて低い(約2%)といわれているが、同教授によると

  • ①感染しても全ての人が重症にはならない。

 ②多くは軽い症状で持病を持つ人や高齢者は除くものの、インフルエンザのように治療を受けなくても治る。

 ➂「死者数は遅行指数」で、いったん感染すれば「誰かが亡くなるまで平均3週間前後」

 ④「中国では自宅で死亡した人々が圧倒的多数かもしれない。しかし、何人死んだかは決して分からないだろう。

「中国・武漢で亜硫酸ガスが大量発生 1万4000人の遺体を焼却」という情報は本当か

https://mainichi.jp/articles/20200218/k00/00m/030/149000c

 

 ➄新型コロナウイスの感染はいずれは風邪やインフルエンザと同じような季節的な流行病になるとみている。

  • 新型肺炎ワクチン開発には1-2年はかかるという

 ⑥ 新型肺炎ワクチン開発は4月に初期安全性テスト段階の準備、晩夏には実際にテストが始まり、製品が安全性が確認できるためには12~18カ月がかかるという。

 

東京五輪開催まであと5ゕ月と迫ってきた。

国際オリンピック委員会(IOC)と安倍晋三首相は、7月24日に開幕予定の五輪は予定通り実施すると表明しているが、中止または延期となった場合の経済的・政治的影響について予測し始めている。

「観光客約200万人の訪日を想定した場合、五輪が中止されれば、2020年7-9月期の国内総生産(GDP)伸び率を約0.2ポイント押し下げる可能性がある、とシティグループ証券はみている」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-27/Q6BXLAT0AFB401

また、野村証券の美和卓氏は感染拡大で20年のGDP実質成長率はマイナス0,5%に落ち込むが、国内の影響が長引けばさらに1・0ポイント低下するという。(朝日2月28日朝刊2面)

 

                   つづく

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
池田龍夫のマスコミ時評(36)『核と人類は共存できない――ヒロシマ・ナガサキ・フクシマの悲劇』

      &nbs …

no image
速報(259)★『日本のメルトダウン』『小出裕章氏と原発推進派・澤田哲生氏の討論』『プルトニウム241初検出』

速報(259)『日本のメルトダウン』   ★『3月7日 小出 …

★『日本経済外交150年史で、最も独創的,戦闘的な国際経営者は一体誰でしょうか講座①(❓) <答え>『出光興産創業者・出光佐三(95歳)』ではないかと思う。そのインテリジェンス(叡智)、独創力、決断力、勝負力、国難逆転突破力で、「日本株式会社の父・渋沢栄一翁」は別格として、他には見当たらない』

  『戦略的経営者・出光佐三(95歳)の国難・長寿逆転突破力①     …

★『明治維新から154年目、日本で最も独創的,戦闘的,国際的な経営者とは一体誰でしょうか(❓) <答え>『出光興産創業者・出光佐三』でしょうね。 かれのインテリジェンス、国難逆転突破力、晩年長寿力 に及ぶ大経営者は他には見当たらない』★『「海賊とよばれた男」出光佐三は石油メジャーと1人で戦った』

    2016/08/20  日本リー …

SEMICON JAPAN2018(12/12)-『人機一体ロボット』のデモ、身長4m「巨大人型重機」が人と機械の新たな未来を開く

SEMICON JAPAN2018(12/12、東京ビッグサイト)-『人機一体ロ …

『 オンライン講座/自民党を作った吉田茂研究』<国難を突破した吉田茂の宰相力とは・『吉田茂は憲兵隊に逮捕されたが、戦争を防ぐために戦ったというのが本当の政治家。佐藤栄作とか池田勇人とかは政治上の主義主張で迫害を受けても投獄された政治家じゃない。』(羽仁五郎の評価)

 2011/09/22  日本リーダーパワー史(1 …

no image
 日中朝鮮,ロシア150年戦争史(50)ー副島種臣外務卿(外相)の証言②『明治の外交の争点はいつも朝鮮問題』 日清、日露戦争の原因は朝鮮をめぐる清国、 ロシア対日本の紛争である。北朝鮮問題のルーツ・・

 日中朝鮮,ロシア150年戦争史(50) 副島種臣外務卿(外相)の証言―② 『明 …

『Z世代への遺言講座』★『79年目の終戦日に当たって鈴木大拙師の一喝!』★「1945年8月15日『日本敗戦』の混乱をみて <言葉を言い換えて事実の本質を忘れて、無責任となる感情的な行動(センチメンタリズム)を脱せよ。感傷的でなく、合理的、論理的に考えよ」

    2018/12/15日本リーダーパワー史( …

no image
クイズ「坂の上の雲」(日露戦争の原因となった満州・韓国をめぐる外交衝突)

クイズ「坂の上の雲」(日露戦争の原因となった満州・韓国をめぐる外交衝突) &nb …

no image
日本リーダーパワー史(84)尾崎行雄の傑作人物評―『西郷隆盛はどこが偉かったのか』(下)

日本リーダーパワー史(84) 尾崎行雄の傑作人物評―『西郷隆盛はどこが偉かったの …