前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(295)★『芥川龍之介の文学仲間で、大正文士の最後の生き残り作家・小島政二郎(100歳)の人生百歳訓ー 『足るを知って分に安んずる』★『いつまでもあると思うな親と金、ないと思うな運と借金』★『起きて半畳、寝て一畳、天下取っても、二合半』 

   

 

 

 百歳学入門(56)記事再録

 作家・小島政二郎100歳)の人生百歳訓 

 
 小島政二郎 (1894年1月31日―1994年3月24日)
 
小島は昭和2年(1927)に35歳で自殺した芥川龍之介の文学仲間であり、大正文士の最後の生き残り。
 
芥川の親友であった菊池寛がその死を惜しみ文学者の登竜門「芥川賞」を創設したが、小島はその選考委員を第一回から途中少し休んだこともあるが、25年間も続けた。
 
新人文学者の発掘に大きく貢献した作家であり、芥川のように短命、夭折の作家が多い中で、100歳までの長命を保ったという点では稀有の存在でもある。
 
若い時に純文学を志し、評論の立場でも純文学以外は認めていなかったが、自らの作品はしだいに大衆文学に代わっていった点を本人はながく悩んでいた。
 
その代表作は文壇側面史的な自伝小説『眼中の人』(1942)や、通俗小説では「新妻鏡」「人妻鏡」など。随筆『食いしん坊』「百叩き」などがある。
 
80歳を過ぎてから祖父から子供のころに聞かされた話、俗謡がしきりに思い出されると、随筆集『ぺけさらんぽん』【北洋社、1978年刊】の中で書いている。その祖父の言葉がこれ。
 
 「足るを知って分に安んずる」と「いつまでもあると思うな親と金」は人口に謄灸しているが、「ないと思うな運と借金」というのも浮世の至言、昔の人は実にうまいことを言うものである。親も金もなくしてみて、初めてその有り難さが分かる。運を逃し、思わぬ借金にホゾをかむのが常人の姿なのである。
           
『起きて半畳、寝て一畳、天下取っても、二合半』というのも江戸時代の武士が酔うと、よく歌っていた俗謡で、狭い家で結構、秀吉、家康のように天下をとって、ぜいたく、美食を極めても人間の酒量は若いうちでもせいぜい1,2升、50、60歳と歳をとると、飲めても2合半(450 cc)で酔いが回るという意味だ。            

人間ほどほどに満足したほうが幸せの道につながるという、世間の知恵を現した俗謡である。
 
●小島は百歳の長寿を保ち、晩年まで意欲的に作品を発表し続けたが、1983年に自宅で大腿部を骨折。本人の性格が苦痛を伴うリハビリに耐えられず、また夫人の性格から自宅での介護は難しいだろうと、
小島本人の意思によって、亡くなるまで最初に入院した病院で生活を送ることとなった。入院生活中、
90歳をいくつか超えた頃から徐々に意識が混濁し始めたこともあり、それからは執筆からは遠ざかった。<Wikipedia>            

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%B3%B6%E6%94%BF%E4%BA%8C%E9%83%8E

 
 

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『 2025年は日露戦争120年、日ソ戦争80年とウクライナ戦争の比較研究②』★『日露戦争でサハリン攻撃を主張した長岡外史・児玉源太郎のインテリジェンス②』★『山県有朋や元老たちの判断停止・リダーシップの欠如』

●山県有朋や元老たちの判断停止・リダーシップの欠如    日露戦争当時 …

no image
速報(227)『資本主義はなぜ人々を失望させているか=サマーズ氏』『31年ぶり貿易赤字、「円高恐怖大合唱』

速報(227)『日本のメルトダウン』   ●『資本主義はなぜ人々を失望 …

no image
百歳学入門(88)農業経済 学者・近藤康男(106歳)ー70才の人生の節目を越えて、以後40冊以上の超人的な研究力

  <百歳学入門(88)>   旺盛な研究力を支え …

no image
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』< 世界、日本メルトダウン(1043)>『朝鮮半島クライシス』ーここまで、事態を悪化させた中国の「トリプルスタンダード」★『「北朝鮮危機」はあざとい猿芝居だ! 日米朝「形だけ」の演出 軍事のプロなら一目でわかる』●『北朝鮮・金正恩体制が制裁にビクともしない理由』

 ★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 世界、日本メルトダウン(1043 …

no image
速報(232)『ピント外れだったソニー、ストリンガーの7年間』●『「日本の倒産」に賭けるヘッジファンドーとの戦い』

速報(232)『日本のメルトダウン』   『ピント外れだったソニー、ス …

no image
<日本最大の奇人は誰だ!>西郷隆盛が大バカ者と紹介した弟・従道は清濁あわせ呑む破天荒な大奇人

                          &nbs …

日本リーダーパワー史(651) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(44)日清戦争を外国はどう見ていたのか、『本多静六 (ドイツ留学)、ラクーザお玉(イタリア在住)の証言ー留学生たちは、世界に沙たる大日本帝国の、吹けばとぶような軽さを、じかに肌で感じた。

日本リーダーパワー史(651) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(44)   …

『Z世代のための日本近現代興亡史講座』★『米週刊誌「タイム」の表紙を飾った最初の日本人は東郷平八郎』★『日清戦争の英国商船撃沈事件「高陞号事件」で世界デビューした東郷平八郎』

2009/06/27 「日本リーダーパワー史②」記事再録  「タイム」 …

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(226)/日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳(上)」『 松山で下級武士の子として生まれるが、一家離散に』★『海軍軍人になり、日本海海戦で活躍』★『「此一戦」の執筆を空前のベストセラーとなる』★『 日米戦争仮想記「次の一戦」で、匿名がバレて左遷』★『第一次大戦中の欧米へ視察旅行へ、』★『再び大戦終了後の欧州視察へ、思想的大転換、軍備撤廃主義へ』

 日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳② &nb …

no image
 世界、日本の最先端技術『見える化』チャンネル ★5『中国溶接・切断ロボット業界の最新動向』- 『 溶接・切断の国際的な専門展示会として、アジア最大規模の 「北京エッセン溶接・切断フェア」(6/14―17)の最新レポート』●『安川電機を筆頭に、ファナック、川崎重工業、不二越、 自社製の溶接機と各種溶接ロボットを 組み合わせたソリューションを提供するダイヘン、 パナソニックの全6社が出展。

 世界、日本の最先端技術『見える化』チャンネル ★5『中国溶接・切断ロボット業界 …