大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を読み解くために③死刑・冤罪・誤判事件の続発ー30年変わらない日本の体質①
調べてみますと、警察から検察庁、予審判事、公判とも、全部事件の筋が一貫しているんです。どこからマッチを持ち出して、どんな風に火をつけて、そのあとどうやって逃げて、そのあとどうしたって、もうまったく一字一句違わない。そこで、調べが全部終わって、論告があって、弁論があって、そうして最終陳述になった。そこで、裁判長が「最後に何か言うことがありますか・」って聞いたら、そのおばあさんが、ニコッと笑ってーまたこの笑いは残念なことながら記録にはでないのよね ー もう本当になんというか無邪気というか、なんのこだわりもない子供みたいな笑いをしてね、
ところが、その最初の調書をとったのが、逮捕されてからとても長く経ってからです。その間何をやっとったか、ということですよ。いまなんか考えられないでしょう。旧刑訴法っていうのはそういケもんだったんです。何日かけようが制限ないんですね。勝手にやれたんだから。だんだん聞いていくと、本人が「私はやってない」っていくら言っても、刑事が「お前がやった」というんだね。それで毎日否認をくりかえしてもさっぱり聞き入れてくれないんで、ある日突然、しょうがないから「私が火をつけました」、とこういったというんです。そしたら何とかなるかと思って。そしたら「そうだろう、お前がつけたんだろう」と。そして「どうやってつけたんだ」と聞いたんだそうです。
本当はつけてないから答えようがなくてまた「本当はつけてません」と言う。そうすると、「お前何言ってんだ。自分でつけたって言ったじゃないかっ」とまたおどかされる。そんなことがくり返されているうちに、マッチがどこにあった、どういうぐあいに火をつけた、それからどんなふうに逃げた、と事件の筋書が全部できあがってしまって、長い期間それをくり返されているうちに、いつの間にかおばあさんの方で、本当に自分がやったような気になってきたっていうんです。
(つづく)
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