前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『池田知隆の原発ウオッチ⑤』『最悪のシナリオから考えるー水棺・汚染土除去・燃料プール破損はあるのか?』

   

池田知隆の原発事故ウオッチ⑤』
 
『最悪のシナリオから考える水棺・汚染土除去・燃料プール破損
はあるのか』
 
池田知隆(ジャーナリスト)
 
 
4/26()毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」から
 (小出裕章・京都大学原子炉研究所助教の話です。
聞き起こしたものが友人から送られてきました)

 原発のニュース、東電は1号機の水の量を倍以上として、格納容器を水で満たす水棺の準備です。今6トン/時間で入れて、格納容器に水が出ている、建屋の水はロボットで調べるとのことです。この水を明日以降14トン/時間にして、余震に耐えられるかも見ます。保安院は、大量に水の入った時の耐震性を東電に確認させます。

 事故を受けて、郡山市が校庭の土の除去を始め(1時間3.8マイクロシーベルトの学校)、文科大臣はやる必要なしと言っています。表面の土の1~2cmを削り、これを埋め立て場に送ります。
事故を受けて計画避難区域の菅野村長は仕事を捨てて県外へ行けとはいえないといしています。

 女川原発の立ち入り検査で、1号機(震災で煙が出た)に検査が入り、宮城知事は再稼動を認めていませんが、廃炉はしない模様です。
そして小出先生のお話、土壌汚染の話で、子供を守るために、郡山市が(60km離れている)土の表面を除去するのは、文部科学省の基準の3.8マイクロシーベルト以上ではないが、保育所ではそれより低くても除去する方針なのですが、これは除去したほうがいい、過剰反応ではない、被曝は大人を含めて危険であり、被曝しないように除去したほうがいい、子供は感受性が高く、やるべきなのです。

文科省は放射線を地面から1mのところで測定、郡山市では1cmで測定、これは、地面の表面が汚れており、高くなるほど汚染されるので、1cmで計るのはいい方法とのことです。空間のガンマー線量で、大人の被曝は1mで計るのだが、子供のためには、低いところで地面そのものの汚染を計るべきなのです。

しかし、土を除去するのは、どうしようもない、一般のごみ処分場ではダメで、周辺は大変な汚染であり、住民は元へ戻れない(言いにくいが)だろう、無人にするしかない、汚染物はそういうところへ集めるしかないのです。ごみ処分場に放射能汚染物を入れたらダメ(消せない)なのです。

現在進行形であり、今やるのは早すぎる(また降ってくれる、もっと降ってくる)かも知れませんが、子供たちは今生きているのです。掃除機で吸い続けてもダメ、土そのものが汚れていて、ごみ、塵の感覚ではないのです。表面から何cmを入れ替えないといけないのです。きれいな土を入れないといけないのです。

上から何cm土を除去したらいいかは、事故から1ヶ月であり、表面から2cmが問題ということ、しかし、子供の遊び場は確保して欲しいのです。

水棺の話、昨日もやらない方がいいと小出先生言われたのですが、今までやれることはやるべきと言っていたのになぜかと、福島市からリスナーのメールがあり、水棺が失敗したらどうなるかの問い合わせは、格納容器がもっと破損する、格納容器は何千トンもの水を入れることを想定しておらず、そんな設計ではない、格納容器に損傷があるのは確実で、その傷が水で広がる可能性もあるとのことです。

水を入れる量を倍にするのは、水を入れたら漏れるが、1号機圧力容器内の炉心は期待通りに冷えていないので、水棺を東電は思いついたのであり、多くの水を入れてみようとのことです。

また、福島・いわき市のリスナーからのメールがあり、水棺で格納容器が倒れたり、崩れる可能性についての問い合わせがあり、しかし、損傷が拡大して水がもっと漏れる危険性があるというのです。

これが元で爆発する可能性についても問い合わせがありましたが、それはない(水素爆発対策で窒素を入れた)ものの、爆発対策なら、水棺はダメ、水素が濃縮しやすくなる、水素爆発を心配して窒素を入れるなら、水棺はやっていけないとのことです。小出先生、窒素を入れるのにも疑問があり、窒素を入れるなら、2,3号機も入れないといけないとのことです。こういう、東電の対応のチグハグについても指摘がありました。

4号機の汚染水、東電は3号機の水漏れと言っていますが、小出先生は、ひょっとしたら、使用済み燃料プールが壊れていてそこから水が漏れているのではと、その方がリスクが高いとのことなのです。4号機は運転しておらず、使用済み燃料プールに置いてあったものの、ここの具合により事故の状況が大きく変わる、使用済み燃料プール崩壊の可能性もあり、外から水を入れ続けないとダメ、燃料溶融の可能性ありなのです。また、海にこういう水が漏れていると思っておられます。

 福島県からの小出先生への質問も増えているとのことでした。確かに、こういう話は他のメディアではやっていません。私も、市民運動に関わり、こういうきわどい話は初めてです、明日もお知らせいたします。

 
 
瓢漫亭通信(池田知隆ブログ)
                 http://ikeda102.blog40.fc2.com/

 - 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(67)記事再録/ 日本の「戦略思想不在の歴史」⑵-日本で最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ起きたか②『「モンゴル帝国は計6回も日本に使者を送り、外交、貿易、 属国化を迫ってきた』『日本を攻めようにも風涛艱険で、 モンゴル軍が安全に進攻できるところではない』

 2017年11月14日 /日本の「戦略思想不在の歴史」⑵ …

『Z世代への遺言』★『歴代宰相で最強のリーダーシップは終戦(1945年)を決断実行した鈴木貫太郎(77)』★『山本勝之進の講話『 兵を興すは易く、兵を引くのは至難である』★『プロジェクトも興すのは易く、成功させるのは難い』

オンライン/75年目の終戦記念日/講座④』2020/08/15 記事再録再編集& …

「世界最先端技術<見える化>チャンネル」『TSMC関連最新動画ニュース』★『半導体受託生産の世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)はソニーグループの半導体製造小会社の横の熊本県菊池郡菊陽町に建設予定。熊本空港、熊本市、阿蘇山との地理的関係などを現地レポートする。

「世界最先端技術<見える化>チャンネル」   工場建設のための造成工事 …

『オンライン講座/真珠湾攻撃から80年④』★『 国難突破法の研究④』★『ハワイ・真珠湾攻撃は山本五十六連合艦隊司令長官の発案だった⓵」★『海軍黒潮会の生き残り記者・萩原伯水(日経新聞のOB・当時88歳)が『政治記者OB会』(平成6年度総会)での講演録『山本五十六と米内光政―海軍裏面史―三国同盟に反対したが、滔々たる戦争の渦中へ』

  2010/06/27  日本リーダー …

no image
速報(89)『日本のメルトダウン』 小出裕章情報2本『玄海原発の圧力容器の脆さ』『放射性物質を「無毒化」できない』

速報(89)『日本のメルトダウン』     ☆『玄 …

no image
世界/日本リーダーパワー史(954)ー米中間選挙(11/6)の結果、上下院議会の“ねじれ現象”はトランプの国内、対外政策にどう響くか、暴走は一層エスカレートするのか(上)

世界/日本リーダーパワー史(954) 米中間選挙後のトランプの暴走はブレーキがか …

no image
日本リーダーパワー史(438)日米中韓150年戦争史ー第1次米朝戦争を勝利と錯覚、誤認した大院君の朝鮮、韓国①

日本リーダーパワー史(438)   日米中韓150年戦争史をしっかり踏 …

no image
『知的巨人たちの百歳学(119) 江崎グリコ創業者・江崎利一(97歳) 「健康第一の法」「噛めば噛むほど、うまくなる」 『健康法に奇策はない』

     2019/06/16/知的巨人 …

「Z世代への遺言」「日本を救った奇跡の男ー鈴木貫太郎首相③』★『鈴木首相の「玄黙」「治大国若烹小鮮」「汐待ち」』★『鈴木首相と昭和天皇の「阿吽の呼吸」で、戦争に終止符を打った日本史上最大の決定的な瞬間です』

  昭和天皇の戦争責任について、 さて、天皇の戦争責任について未だに論 …

no image
世界、日本メルトダウン(1011)-「地球規模の破壊力示したトランプ─1人の人間が終末時計を進めたのは初めて」★『トランプ外交、親イスラエルが火種 エルサレムに大使館移転検討 中東諸国の反発必至』

 世界、日本メルトダウン(1011)- 「地球規模の破壊力示したトランプ──1人 …