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速報(128)『日本のメルトダウン』<徹底座談会・フクシマの教訓③>『事故原因、原子力村、事故処理システム、低線量被爆』(下)

   

 
速報(128)『日本のメルトダウン』
 
<徹底座談会・フクシマの教訓③>
 
『事故の原因、原子力村、事故処理のシステム、低線量被爆、エネルギーデモクラシ―、フクシマの教訓を徹底討論』(下)
 
<この座談会「原発体制の臨界」は季刊誌『日本主義』主催で7月2日行われた>

座談会出席者(敬称略・アイウエオ順)

 勝原光治郎(市民エネルギー研究所・原子力工学専攻)
 後藤政志(元東芝・原子炉格納容器設計者)
 古川路明(名大名誉教授・原子力資料室理事、放射線科学専門)
 前坂俊之(元毎日新聞記者、前静岡県立大学国際関係学部教授・戦後社会史)
 渡辺幸重(前畿央大学教育学部教授、フリージャーナリスト)

司会・前坂俊之 
(雑誌発売は8月24日)
 
 
 
勝原 それから地表の汚染を測るのに、政府機関はキログラムあたりのベクレルで出していますね。普通は平方m当たりいくらといって、ひとつのところを深く掘ったかどうか、それは分かりませんけれども、一応掘り方の基準というものがありますから、そう無茶はしてはないと思うのだけれども、とんでもないデータを出しました。
 
古川 1日に平方m当たり何ベクレルとか、空気1立方m中に何ベクレルと
いう観測を続けなければいけないのだけれど、今は非常に少なくなっていると思いますよ。1時間あたり何マイクロシーベルトという発表はよく出てくるんだけれども、二次元や三次元の放射性物質の濃度は出てないですね。
 
勝原 放射能測定でよく言われるのは、屋根の上に置いた測定器で測っているという話。核実験を想定した測り方で相変わらずやっている(笑)とか、そういう参考にならないデータではなくて、国は、住民の生活安全のためにこうした測り方をすべきだという指針を出して、自治体・ボランティア・大学などと協力して測定実施体制をつくらなければならないと思うのです。国のやる仕事は、後手後手に回っています。
 
古川 私がお手伝いしている原子力資料情報室は、新宿区にあるのです。そんなわけで、お前のところのデータは怪しいなと怒られたりして(笑)。なぜかと言うと、新宿区の測定器の場所がビルの上で随分高いのです。つまり地面に落ちてきたものとはずいぶん異なるデータになる。
 
前坂11mでしょう。
 
本誌 石原知事がそんな高いところでなぜ測ってるんだと、怒ったという話ですね。いずれにしても測定器がすごく不足しているようですね。自治体が測りたくても、どこかから借りてきて何とかと、言っているような段階ですから。
 
渡辺 この間福島へ行きましたが、福島の駅前は0・4マイクロシーベルト/hぐらいなんですが、近くの側溝の上に線量計を置いたら、アラームが鳴ったんです。2・5以上なんです。
 
また、飯館村役場の周りは4程度なんですけれども、別のところに行ったら10で、雨どいの下が35なんですよ。100のところもあるって聞いたんです。スポット、スポットでぜんぜん違う。ですからみんな、いろんな場所で測らないと
不安になってくるんです。
 
低線量被曝と「安全」の概念
 
渡辺 
最近、医学的に積算被曝童が250ミリシーベルト以上だと危険だが、100未満なら大丈夫ですよといったしきい (聞) 値論による説明がよくなされていますが、チェルノブイリでは、そのレベルの被曝でかなり影響が出ているという話も聞いています。結局、医学というのは後追いの学問である、個別の患者を診て、それに対するどう治療するかという学問なのかなあ、と感じています。福島の知り合いの医者に聞いたら、「低線且里長期被曝のデータは世界中どこにもない、これからわれわれがやるんだ」 と言っているんです。しかし多くの放射線医学者が、「100以下は分からない」 というべきところを大丈夫だと言っている。
 私はある会合でそうした代表的な学者が話をしているのを聞きましたが、「現在は非常時であります。要するにリスクコミュニケーションが重要です。
だからわれわれがパニックに陥る恐れがあるところへ行って『大丈夫ですよ』と言ったんです」 という弁明をしているのです。
 
勝原 そのことによって無用な被曝を国民にさせているのです。無用な被曝をさせないというのは大事な仕事で、医学者の義務だと思います。
 
 人間は不安と感じたらそのリスクを回避しようとします。不安を感じなければリスクを受けてしまいます。不安とパニックは違います。
 パニックが起こる状況は、危険な状態が迫ってきた、しかし脱出口はだんだん狭まりつつある、という時間的な危機状態、そういうところで起こるのです。脱出できないことがはっきりすると、パニックにならないのです。
無気力、平静になるだけです。ですからパニックになる状況というのは非常に
限られている。そういう状況、条件を見極めて、政府がきちんとした情報管理をすることが必要な場合もありますけれども、現在は、大半がその必要がないというところで、無用な被曝ばかりさせているというふうに思いますね。
 
渡辺 政府の避難指示もそうですね。一番ひどいときに避難させられないで、何で今ごろ避難させるのか、という批判がある。
 ICRPでは「非常時は嬰、ヘリシーベルトから100、復旧期は1から29平時は1。基本的には限りなく0に近づけなければいけない」 という基準が定められています。しかし日本の放射線医学者の多くは、「ICRPの(被曝指数の)決め方自体政治的であり、科学的根拠があるわけではない」という批判をしています。しかし今は、政府や行政はリーダーシップをとって、「国民・住民の安全を守るためにはこうする」という方針をしっかりきめて、徹底することが一番大事だと思うのです。
 
勝原 今の状況は、政府の方針、基準が徹底していなくて、専門家自身が「国民に教えてやる」ということで、危険なものを安全と言っちゃうというところが問題だと思うのです。危険なところは危険だ、ということをはっきりと言う人が、危険と言われるものについて、「まあこれくらいはいいんじゃないの」、ということを言えば国民は納得するわけですよ。だけど、そもそも今まで「原発の事故は起きない、安全だ安全だ」と言われ続けてきて事故が起きた。それでもまだ彼らは「安全」と言うわけですね。「これからも原発をやっ
ていかなければいけない」と。これでは国民は信用しないのです。やはり危険なものは危険とはっきり言うことが大事です。そこの信頼関係がない。風評被害は、庶民の自衛行動です。正に風評被害を起こしているのは、そういう専門家たちだと思います。責任があると思います。
 
渡辺 飯館村でも福島原発の爆発のあと直ぐにガイガー計器の針が振り切れたという話もあるのです。また専門家が行って調べたデータも、全部役場にも出し、公表しているんです。だからもっと早くデータはあった。なんでそれに基づいて迅速・的確な避難の判断が出されなかったのか。
 
後藤 いわゆる安全の問題、被曝のこと、福島原発事故自体もそうですが、「安全」かどうかというのは、ひとつの「考え方」によって決められているのですね。今、大部分の問題が、安全か危険のどちらかの範鳴かと言われたら、何かよく分からないグレーゾーンと言いますか、不確定な表現になっている。放射線の場合は、特に顕著に現れていますね。
 
 その中で、ではどういうふうに考えたらいいかというと、「安全」については、今行われているやり方と逆の証明が必要なのです。安全というのは、全部のファクトを確認しないと安全とはならないのです。先ほど勝原さんが言われたように、あるポイントで測ってといっても全部測れているわけではないということを考えると、安全の証明は非常に難しいことなのです。危険の証明は簡単なのです。一点ポッと見つかったら危険だと分かる。
 
 では現在のグレーゾーンの中で「安全」をどう担保するか。被曝の被害を最小にするということは大変難しいことですけれども、あらゆる可能性を全部チェックしながら安全を確認して一歩進む、という考え方を徹底しない限り、必ず被害が出てくるというふうに思います。
 
 これは事故もそうなのです。事故が起こる要因を研究しても、調査すべきファクトがいっぱいで分からない。「まあいいんじゃないか」 とチェックを妥協したときに事故が起こる。となると、事故が起こらないようにするには、あらゆる角度から可能性をチェックしてから次のステップに行く、あるいは例えば事故が起こってもガードできるというシステムが確実にできていることを確認した上でみんな合意するという、最低限それをやらないと安全という議論にならない。
 
 現在は、そういうプロセスを全く抜きに「安心」だけを吹聴しているという傾向です。今回、私はものすごくそれを感じました。そういう意味で、今日の社会ではいろいろな不確定な要因の中でわれわれはどう生きていくかということが問われている。絶対安全・確実、ということは言えないにせよ、自分自身一介の技術者として、われわれのいろんな科学的な知識、専門知識、データ、判断、持っているものを全部出しあって、その上でそれを見て、みんながではどうするか自分たちで決めると、これを徹底すべきだというのが私の考えです。
 
前坂 その上ではやり情報の全面的な公開を全ての分野でやる必要がありますし、政府の責任で、「こういう理由によって安全・安心なんだ」 という数値を全面的に出す必要がありますよね。その辺りがなくて、漠然と安心・安全ばかりを一方的に言われても、汚染肉のような事態が次々に発生している中では、国民は一向に安心できませんよね。
 
「安全な良い原発」というものはない
 
前坂 もう一点お伺いしたいのは、日本では反原発、脱原発のうねりが充満していますが、各国の原子力政策は、フクシマをひとつのきっかけにして別
の方向に向かっていますよね。お隣の中国・韓国の場合、今後数年間に何十機か原発を新設するという方向でいます。日本だけが脱原発でやっていっても、中国で何かあった場合は、直ちに影響が及ぶわけです。
 
その点で、日本の原子力に関する安全技術やハイテク技術面も中国、インド、ベトナムなどに持っていくことはより必要ではないかと思うのですが、その辺りはどうでしょうか?
 
後藤 私は原子力については一点だけ、安全な原発が可能かどうかということを考えていまして、私自身、現段階では、やはり原発を進めるのは無理だ、不可能だという結論に達しています。なぜかと言いますと、普通の技術と違いまして、通常にコントロールできない。ひとつコントロールに失敗すると、ほとんど無限大にエネルギーが上がってくる。
しかもそれが大童の放射線を伴う。そういうことを人間が制御できるのだろうかということです。
 私の専門からいくと、「閉じ込めればいい」となるわけですけれども、しかし閉じ込める技術がないのです。船だってあるときに沈むし、スペースシャトルの大きなタンクだって、漏れちゃった。格納容器も漏れちゃったんです。
こうしたタンクは、しっかりつくったもの、すごく原始的なものなんです。ですけど、大きな技術の場合、そのつくり込みすらできない、それが現実だというのが私の認識で、先ほど安全か安全でないか、確実かどうかと問われたときに、申し訳ないけど確実ではないと答えたわけです。
 
 今の、中国や韓国はこれからも原子力発電をやっていくとなると、日本だけが脱原発を選択しても状況は難しいという話ですけれども、ヨーロッパを見ますと、ドイツやイタリアなどが脱原発といっている中で、フランスは孤立していると思うのです。つまりチェルノブイリを体験して、今度はまた福島を体験したところで、先進諸国の人びと中に脱原発の志向が広がっていくのじゃないか。
 
 日本としては、原子力発電については、将来的には難しいという根拠をきちんと出して、では現在の安全基準は何がいけないかということを出していく、ということが必要なのではないかと思います。
 
勝原 原発のような重厚長大技術で自然を征しようという考え方でやっても、所詮人間の力は及ばないということに、みんな気づいてきたんじゃないかなと思います。だから日本は安全な良い原発をつくって海外に移転させれ
ばいいといった議論は、違うだろうと、そういう問題ではないと私は思います。むしろ原発ではないエネルギー、もっとソフトな技術によってエネルギーを賄うとか、そういう方向を追求すべきではないかと思います。
 
前坂 しかし、アメリカ、フランスは推進している立場ですし、それから報道によりますと、やはりインド、中国などで、原発がたくさんできた場合には、日本以上の大事故が起こる心配があるのではないか、やはり軍事的な背景もありますから。
 
勝原 ドイツ、イタリアはそこでひとつ踏み切ったところだと思いますね。これから日本はどうするか。大量に被曝を受けて、国土を汚して、それでこのあとどうするのか、まだ原発をやるのか。
 新しい国づくりをどうするかということは、世界に対する日本のメッセージになると思います。やはり原発によらない社会をつくる、人びとがコミュニケーションをよくした社会をつくっていく、そういう提案を日本はできるはずです。
 
後藤 今回の事故が、チェルノブイリまでいかなかったという議論がありますよね。実際にそうだとしましても、私はよくまあ、このレベルで止まったと思っているのです。なぜかというと、炉心溶融が3基で起きているのにこの
規模で済んでいるのは、非常にラッキーだ。もっと大規模な爆発が起きて原子炉自体が爆発するなどということになったらもっととんでもない事態になるだろうということです。
 
 今回、福島周辺の人たちは大変な思いをしているのだけれど、それが全国的に拡大したらどういうことになるか。関西のほうで、琵琶湖が汚染されたらどうだとか、京都、奈良はどうなるとか今議論になっているらしいですけれども、かつて、太平洋戦争のときにアメリカは京都への爆撃を避けたと言われています。
 
今、日本はそれを平気でやろうとしている、ということだと思うのです。そういう目に見える形で、被害がありうるということを突きつけられていくと、国民の意識は変わってくるだろうと思うのです。
 
 勝原さんがちょっとおっしゃっていた、原発と国土の広さ関係も考慮する必要がある。カリフォルニアと日本は面積が同じくらいです。あそこに原発を50何基建てるということになったら、アメリカ人は許容するでしょうか?
 
 明らかに日本とアメリカでは、原発事故のリスクが何桁も違うのです。国がなくなるか、州がなくなるかのレベルの違いです。それをどう見るのかということ。そういうことをドイツの人たちなどは考えたというふうに私は認識しています。
 
 現在、事故が収束に向かっているように言われているけど、実はどんどん汚染が広がっている事実が片方にありながら、まだ原発を運転していくということがそのまま議論の前提になっているのがものすごく不思議なのです。
 
勝原 私は、今回の事故を教訓として、国は既存の原発に対して廃炉までは最低限、シビアアクシデントを法規制の対象にしていなかったことを改めるべきだと思います。
 シビアアクシデントの対策が打てるようになっていないと原発は設置してはいけないとか、全電源喪失に対する安全審査をしなければいけないとか、また、避難計画にしても、今までの8㎞から10㎞という指針を全く変えていかなければいけないとか、原子力損害賠償法を改正し、損害賠償額を無限責任にするとか、 - そうした法改正も含めて、大きく審査基準を変えなければいけないと思います。
 
 そういう状況にあるのに、海江田さんはなんで昔の安全審査基準を通ったから、安全だと言えるのかということなのです。これから指針をつくり、安全審査をやり直さなければいけないのに。それができていない状況の中で、玄海原発は安全ですとよく言えるものだと憤慨しました。
 
後藤 原子力安全委員会の委員長が安全じゃないと言っているんです。2~3年かけて審査しないといけないと。私は指針の内容が問題だと思うのですけれども、それすら無視している。
 
前坂 ですから政治主導ではなくて、経産省、安全・保安院の言うことがそのまま流通しているだけですよね。
 
 古川 5月の話ですけれど、ある会で、私がお世話になった先生の弟子たち弟子たちの集まりー私が一番年下ぐらいで年寄りばかりの集まりですが~があったとき、あるかなりのやり手の会社社長が、「福島は悪かったけれども、女川は何でもなかった。福島を特例にして、IAEAなんか出てきても何もできやしない。自分がやってるところで何だけど」というのです。それで私はさすがに頭にきて余分なことをまた言っちゃったんですけれども(笑)。やはり企業社会にはそういう雰囲気があるんじゃないですか。特に福島を悪い例にして、あとは安全対策を取ったから大丈夫だという、ちょっと甘い、浅薄な論理なんですよ。せいぜい、福島的な事故に対する対策はとったというだけですが、本当はそれもとれていない。
 
渡辺 柏崎刈羽原発の関係者は同じ型の福島第2は大丈夫だったと言っています。
 
後藤 今回、たまたまシビアアクシデントを研究していた仲間と会ってお酒を飲みました。事故後初めてです。現役もいまして、彼らのほうから言ってきたのです。彼らはかつてはどちらかというと推進派だったのですが、最近話していたら、「さすがにまずい。シビアアクシデントを起こした以上はもぅ駄目だ」ということを言っているのです。
やはり今まで肯定派だった人たちも、もうそういう方向に流れつつある。もちろん、今おっしゃったように、やはりかたくなに推進を唱える人もいる。そういう人たちには「今回は悪かったと、もうそれだけにしたい」という思いがものすごく強い。
 
やはり浜岡原発は危ない
 
前坂 こうした中で、核ゴミ処理の問題がどんどん先延ばしにされています。結局それが一番肝心な問題ですね。とにかく捨てる場所がないわけですから。
 
古川 そうですね。核燃料はとにかく形を全然留めなくなって、しかもその中に怖いものが入っているのですが、手が出せない。どんな状況になっているかも本当は分からないわけですよね。
 
渡辺 原子炉建屋の下に穴を掘ってコンクリートで埋めるということは考えてないのですか。
 
古川 それはできるでしょうけれどもね。結局あの場所は一種の「原子炉の墓場」になってしまうわけですよ。
 
後藤 あそこを「墓場」にする(石棺化)しかないんじゃないでしょうか。
 
渡辺 昨日(7月1日)の浜岡の裁判も、解体が終了したらそこでまた新たな被曝が起きるので、石棺化しましょぅという提訴内容です。燃料は安全にしてどこかに運ぶということで。
 
後藤 とにかく、現状は放射能を閉じこめる格納容器みたいなものがない状態ですね。その状態というのは本当にどうしようもない。環境に対してガードするものがないわけですから。そのことの認識がものすごく重要だと思うのです。
 
 渡辺 廃炉の技術が完成されていないとよく言うんですけれども、例えば武
蔵工業大学(現在の東京都市大学)の研究炉はもうないというのです。ちゃんと廃炉はできたのですかね。
 
古川  あそこは、どうしているかな。燃料を取り出すのは割合簡単なのですぁの炉は。ただそのあとどうしたか?
 
後藤  解体してない。燃料だけ取り出してお終いだそうです。
渡辺  廃炉技術はまだ完成していないと思っていいですか。
後藤 ということよりも、ずっと置いておくわけです。ほっぼらかして置いておいて、あえて触らないんです。
勝原  お金にならないものは、金をかけない、ということですかね。
古川  あれは熱出力で言えば100万kwで、商用炉とは桁が違いますからね。1万倍以上違う。
 渡辺  放射線防護学にもお金が出ないと言われてますものね。
 古川 立教大学の炉が横須賀にあって、武蔵工大と同じ型です。また武蔵工大の近くにある日立系の、東京原子力でしたか、そこも似たようなものを持っていたのです。どうも解体して更地にしたなんて話を聞いたことがないね。
 
渡辺  政府のだったか、電力関係会社の本だったかに、寿命が来た原子炉はちゃんと解体して、汚染レベルによって、これはもう二回建材に使うとか、保管するとか全部書いてあるんです。
 
 
後藤  解体のマニュアルができているというか、そういう考え方でやりますよと。東海原発もあれでやったんです。
 
勝原  中には、極低レベルのものは、管理しないで一般の廃材にして廃棄しちゃうというふうな考え方があるんです。しかし、例えば赤ちゃんがスプーンでご飯を食べる、そのスプーンの中放射能が入っていたらどうだとか、
 この椅子のスチールのところに放射能があったらどうだとか、そういう生活者の感覚から見ると、そういうふうになっちゃうとたまらんという反対が結構あるものだから、実施はされていないです。
 
古川 (炉心に入っている)鉄には、マンガン54というのと、不純物からできるコバルト60が大体残る。コバルト60の半減期は5年でしよう。マンガン54は、300日かな。マンガンは300日待てば結構減るわけです。あと鉄55が2・7年。だからやはり炉心に入っている鉄は駄目ですね。
 
渡辺  ずっとついて回りますね。友人から原発のコストを計算しろと言われているんだけれども、いったいどこまでコストに入れたらいいのか……。
勝原  事故コストを計上するためにも今度の損害の額は、絶対に手抜きはやめて漏れなくすべきですよ。
 
古川  福島第1みたいなことが浜岡で起きたら、周辺への影響はもっと大変 ですね。浜松や静岡までそう遠くないし。東海道新幹線が通っているし、東名も通ってるし……。
 
渡辺 浜岡原発は2号、3号よりも5号機のほうが危ないという話があるでしょう。地盤が弱いということで。それと、これは聞いた話だけれども、2号機、3号機までは中部電力が高い見積もりを出しても、お金をパンパン出した、と。ところが4号機、5号機になるとすごく渋くなって、叩きに叩いてくる。これでは業者は手を抜かざるを得ないとなった、というんですけどね。
 
後藤 まあ、だんだんそういう傾向になっていますね。原発の初期のころは、湯水のごとく予算が使えた。上限がないのです。トラブル対応や、メンテナンスは全部ただでやる。最初からどんぶり勘定になっていて、トータルでお金が入ってくる。契約がそうなっている。
 
全員 へぇーつ
後藤 ところが特に一番問題になったのは、日立が納めたプラントが、タービンの設計ミスということで訴訟になったことがあるんです。初めてメーカlを電力会社が訴えた。それで、損失額を全部メーカーに払えと言ってきた。それまで蜜月だったのが、それからは東芝・三菱も一緒で、契約するときに渋くなった、相当厳しくなったと言われています。ちょっと古い時代の話ですが。
 
渡辺 手を抜かれたら困りますよね、原発は(笑)。
 
 
 

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