池田龍夫のマスコミ時評(88)◎『菅元首相が、安倍現首相を名誉毀損で訴え- 海水注入の是非をめぐって(7・19)』など
◎『菅元首相が、安倍現首相を名誉毀損で訴え–
海水注入の是非をめぐって(7・19)』
●『ツイッター、フェイスブックへの安易な
依存は危険 (7/17』
ジャーナリスト 池田龍夫
『菅元首相が、安倍現首相を名誉毀損で訴え
海水注入の是非をめぐって(7・19)』
安倍晋三首相が野党時代のメールマガジン(2011年5月20日付)に、「菅直人首相(当時)の海水注入指示はでっち上げ」と記載したことについて、菅元首相は7月16日、ネット選挙が始まった今もなお、掲載し続けていることに激怒。「海水注入の中断を指示した事実は存在しない」と、記述の削減と謝罪、約1000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
その背景を掘り起こすべきだ
菅氏側によると、安倍氏側に記事の訂正と謝罪を求めていたが、全く応じないため止む無く提訴に踏み切ったという。「元首相が、現首相を訴える」とは前代未聞の一大事だ。各紙の報道は目立たず、事の真相に迫る背景説明が欠けていた。
事故当時の3月11日から数日間の記録が散逸しているため事実関係の再検証は難しいとは思うが、改めて関係者の証言を求める作業は必要だったのではないか。
東電本社と官邸のパイプが詰まっていた
国会事故調査委員会の報告書には、東電と政府の情報の乱れが随所に指摘されている。官邸に対策本部を立ち上げたが、現場への勧告・命令系統がバラバラだったという。報告書によると、東京の東電本部が主な指令を出していたようで、官邸とのパイプが詰まっていたと指摘していた。
もしそうだとすれば、「安倍メール」の具体的根拠は何かを明示してほしい。インターネットの一部には、「自民党の原発推進派が仕掛けた陰謀説」まで飛び交っているほどで、現状を放置しておけば、ネット社会の中傷・非難合戦を加速する恐れを感じる。
ネットでの〝つぶやき〟の恐ろしさ
いずれを是とするかの判断は、2年以上経った今ではムリかもしれないが、ネットでの〝つぶやき〟には、もっと監視の目を光らせないと、とんでもない社会になりかねない。
2回にわたって「あまちゃん国家・日本」を告発してきた理由はそこにある。日本の情報が外国に盗みとられるようでは、この国の将来は危うい。
ツイッター、フェイスブックへの安易な依存は危険(7/17)
ツイッターやフェイスブック利用が増えている。野放図な発信を心配していたところ、毎日新聞7月15日付朝刊3面コラム(「風知草」)の指摘に共感した。
「あまちゃん国家」との見出しも秀逸。「ツイッターもフェイスブックも、米国の企業が提供するサービスである。携帯端末を活用した安倍晋三首相のこまめな書き込みがしばしば話題になるが、セキュリティーは大丈夫か」との問題提起だ。今、安倍首相と日本維新の会共同代表・橋下徹氏の〝つぶやき〟が、最も盛んだそうだ。
ある技術者は「米国のコンピュ―ターシステムの中に入って書き込んだり、情報を取ったりするということの意味合いを、ほとんどの日本人が理解していない。プライバシーや情報の価値に対する自覚がない日本は、国家のタガが外れている」と懸念していた。
オバマ米大統領の携帯端末には、発信地を隠し、外部からのアクセスを制限するなど特別仕様の暗号化が施されているという。安倍首相がそんな防御システムを構築しているとは思えない。日本の甘過ぎるネット依存は、危険きわまりない。
(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。
関連記事
-
-
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』⑯ 『日本の最も長い日(1945年 8月15日)をめぐる死闘―終戦和平か、徹底抗戦か①』
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』⑯ 『日本の最も長い日―日本 …
-
-
速報(395)『日本のメルトダウン』『米機関などへのサイバー攻撃、中国人民解放軍が』2月 19日 安倍首相への公開書簡-』
速報(395)『日本のメルトダウン』 ●『米機関などへのサイバー攻 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(251)/東武鉄道創業者/根津嘉一郎(79)ー「借金が恐ろしいのではない。利子が恐ろしい」「克己心」(己に克つこと)こそが健康長生法」★『長生する大欲のためには、日常生活での小欲を制しなけれならぬ』
2015/08/20 知的巨人 …
-
-
『新型コロナパンデミック講座』★『歴史の教訓に学ばぬ日本病』★『水野広徳海軍大佐が30年前に警告した東京大空襲と東京五輪開催の「スーパースプレッダー」(感染爆発)発生の歴史的類似性』
明治を代表する軍事評論家となった水野広徳海軍大 …
-
-
『Z世代のための日韓国交正常化60年(2025)前史の研究講座④」★『井上が書いた「華兵凶暴」の記事に支那側(李鴻章)か猛反発、井上の暗殺指令を出し、『漢城旬報』の販売差し止めを命じたので井上は辞任1884年(明治17)5月に帰国した』
「華兵凶暴」の記事が支那側から激しい抗議があり、辞職、帰国のやむな …
-
-
知的巨人の百歳学(113)ー徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリストの健康長寿、創作、ウオーキング!』
徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリス …
-
-
日本リーダーパワー史(630) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(23) 『川上操六参謀次長と日清貿易研究所を設立した荒尾精 「五百年に一人しか出ない男」(頭山満評)ー表の顔は「漢口楽尊堂店長」、実は参謀本部の海外駐在諜報武官。
日本リーダーパワー史(630) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(23) …
-
-
<新刊> 「写真で読む「坂の上の雲」の時代」 (世界文化社)で「日清戦争はなぜおこったか」を執筆
<新刊刊行> 「写真で読む「坂の上の雲」の時代」 …
-
-
日本リーダーパワー史(342) 水野広徳の『日本海海戦論⑤ 勝利は物的、人的な優秀さのみではなく、天運が大きい」
日本リーダーパワー史(342) ● 政治家、企業家、リーダ …
