前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『2014世界各国/サプライズ、面白ニュース③』「アメリカはヒスパニック系、黒人系の時代へ」「シェールガス革命でエネルギー輸出国へ」

   

2014世界各国/サプライズ、面白ニュース③』

 

アメリカの―2大最新ミステリーとは?

◎「アメリカはヒスパニック系、黒人系の時代になりつつある

★「米国はシェールガス革命でエネルギ輸出国へ」

 

前坂 俊之(ジャーナリスト)

 

◎アメリカはヒスパニック系、黒人系の時代になりつつある

 

「人種のるつぼ」、「移民超大国」といわれアメリカはもともとはアメリカ先住民族の土地である。1492年にコロンブスによって発見され、ヨーロッパ人がわたってきた時は約100万人先住民(インディアン)が住んでいた。以後、500年間にイギリス、フランスを先頭にヨーロッパ列強の植民地合戦の場所となり、移民、難民の大量流入が続いた。

2010年の国勢調査のアメリカ合衆国(50州)の人口統計データによると、総人口は308,745,538人。人種別人口構成では

  白人223,553,265人(72.4%

  ヒスパニック・ラテン系: 50,477,594人(16.3%

  アフリカ系38,929,319人(12.6%

  ネイティブ・アメリカン2,932,248人(0.9% 

これを出身国・民族別でみると2000年の国勢調査人口では①ドイツ系4300万、②アイルランド系3052万③アフリカ系黒人2490万④イギリス系2019万⑤アメリカ人系1813万⑥メキシコ系⑦イタリア人⑧ポーランド人⑨フランス人などの順。

 

ヒスパニック(スペイン語を話すカトリック系)人口は2000年からの10年間に43%増加(非ヒスパニック人口の増加率は49%)、米国人口に占める割合は125%から163%に上昇した。ヒスパニックの人口増加率が高いのは、出生率の高さと入国者数の多さにある。

 

1976年から2008年にかけてヒスパニックの有権者登録者は46倍(米国人全体では16倍)に増加、1160万人でヒスパニックの政治的影響力が一挙に増大、ワシントンの政治に影響を及ぼし始めている。

ヒスパニック系の住民は他の米国人よりも年齢がはるかに若くて、民族的な連携を強化して、全米レベルのヒスパニック・ロビーが形成し、政治的パワーを増進させた。ヒスパニック系は2060年には全人口の3割に達し、最大勢力になるとみられている。

もともと白人中心の国家だったアメリカは100年単位でアフリカ系黒人が増え、現在は英語を解さないヒスパニック系の時代になりつつある。

 

 

★米国はシェールガス革命でエネルギ輸出国へ

「シェールガス革命」によって「アメリカの一国覇権」がより強まりそうな勢いである。2020年頃には天然ガス生産量の50%がシェールガスになるとみられ、エネルギー消費国の米国は2017年度にはサウジアラビアから世界第1位の産油国の座を奪い、「世界最大のガス輸入国から一転、ガス輸出国になる」(国際エネルギー機関(IEA)の『世界エネルギー展望2012年版』より)と予測されている。

この結果、天然ガス価格は下落し、低迷していた米国製造業は息を吹き返し、日本でもエネルギー商社やシームレス鋼管、パイプライン敷設などの部材の製造、液化天然ガス(LNG)造船、プラント建設会社などの業界は大きなメリットを受けるといわれる。

もともとシェールガスは地下2千mほどの地中に埋蔵されている頁岩(けつがん)の堆積岩層から採取される天然ガス。頁岩は固くてスキマがほとんどなく、資源回収には高度な採掘技術が必要で、従来型の天然ガスに比べて採掘、開発コストがかかり、これまで“眠れる資源”となっていた。

2000年代に入り米国で大量に水を噴射して頁岩を砕く水圧破砕の技術開発に成功し、シェールガスの生産量が急増し、石油、天然ガスに代わる安いエネルギーとなった。今や米国がシェールガス生産を独占している。

石油の可採年数はあと54年、在来型の天然ガスは60年に対して、シェールガスは100年以上とも見られている。そのシェールガスの世界埋蔵量(単位は兆立方メートル)は①中国36,1 ②アメリカ244 ③アルゼンチン219 ④メキシコ193などで、日本はほぼゼロという。

このため、「シェールガス革命」は21世紀のエネルギー革命、産業革命になるるとアメリカ経済界はフィーバーしている。

これに対して、専門家の間では

  埋蔵量はこれほど多くなく、すぐ資源が枯渇する

  石炭や石油よりも温室効果が高い

  大量の水と破砕の化学薬剤の使用で地下水の汚染などの環境破壊、地盤沈下、地震を誘発する

―などの危険性や疑問も指摘されており、論争の的になっている。

 

 

 - 現代史研究 , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(198)ー『日本敗戦史』㊱『来年は太平洋戦争敗戦から75年目―『日本近代最大の知識人・徳富蘇峰(「百敗院泡沫頑蘇居士」)の語る『なぜ日本は敗れたのか・その原因』②―現在直面している『第二の敗戦』も同じパターン』

    2014/12/03 /『ガラパゴス国家・ …

no image
日本メルトダウン(946)『ランド研がリアルに予測、米中戦争はこうして起きる、発端は尖閣紛争?日本の動きが決着を左右する(古森義久)』●『“歴史に名を残す”ために尖閣を狙う習近平 「中華民族の偉大な復興」のための3つの課題とは』●『ナチスに酷似する中国、宥和では悲劇再現も フィリピンの知恵に学び毅然とした対応を』●『パキスタンも陥落、次々に潜水艦を輸出する中国 国家戦略に基づいて兵器を輸出、片や日本は?』

  日本メルトダウン(946) ランド研がリアルに予測、米中戦争はこうして起きる …

no image
 日本リーダーパワー史(797)ー「日清、日露戦争に勝利』 した明治人のリーダーパワー、リスク管理 、インテリジェンス』⑭『 未曾有の国難来る。ロシアの韓国侵攻に対して第一回御前会議が開かれた』●『巻末に連載9回-13回までの掲載リンクあり』

 日本リーダーパワー史(797)ー 「日清、日露戦争に勝利』 した明治人のリーダ …

no image
日本リーダーパワー史(175)『辛亥革命百年の真実』『孫文を助けた大アジア主義者・犬養毅らの熱血支援』

日本リーダーパワー史(175) 『辛亥革命百年の真実』 『孫文を助けた大アジア主 …

no image
日本メルトダウン脱出法(774)「パリ同時テロは文明の衝突を浮き彫りにしたのかーー多文化主義はナイーブな願望ではなく、現代世界の現実」●「日本メディア触れず!憲法学者の小林教授が記者会見で安倍政権を支配している「日本会議」について言及!エコノミスト紙や仏誌もその存在を指摘!」

  日本メルトダウン脱出法(774) ISISには経済を破壊する力はないーーイス …

『Z世代のための日本の超天才人物伝⑧』『エ・コールド・パリ』でパリ画壇の寵児となった『世界のフジタ』藤田嗣治』★『1949年、二度と故国に帰らぬつもりでフランスへ旅立った。空港での記者会見で、「絵かきは絵に誠実であること、絵だけ描いていてほしい」「仲間喧嘩をしないでもらいたい。日本画壇も早く大人になってもらいたい。」

2010/01/01     2025/08/02 …

no image
渡辺幸重レポート(1)ビデオー避難生活するいわき市中央台南小学校でも追悼式(4月11日)

    渡辺幸重レポート(1)   避難生活するい …

『昭和戦後の戦略的宰相の系譜講座』★中曽根康弘元首相の戦略とリーダーシップ』★『「戦後総決算」を唱え、国内的には明治以来の歴代内閣でいづれも実現できなかった行財政改革「JR,NTT,JTの民営化」を敢然と実行』★『「ロン・ヤス」の親密な日米関係だけでなく、韓国を電撃訪問し、日韓関係を一挙に改革し、胡耀邦氏と肝胆合い照らす仲となり、日中関係も最高の良好な関係を築いた、有言即実行型の戦後最高の首相だった』

    2019/12/14 &nbsp …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(2)『金玉均暗殺事件が日清戦争の発火点の1つ』清国、朝鮮共謀で金玉均を上海に誘い出して暗殺、金の遺体 を清国軍艦で送り届けて、遺体をバラバラにして晒した。これに憤激した日本政府と対立がエスカレートした②

   日中北朝鮮150年戦争史(2) 『金玉均暗殺事件が日清戦争の発火 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(324)★『日露300年戦争史』(7回連載)-『鎖国・平和一国主義の徳川時代の日露関係 /日露交渉の発端から侵略へ』★『こうしてロシアは千島列島と樺太を侵攻した』★『露寇(ろこう)事件とは何か』★『露寇事件」はロシアの大植民地主義者のレザノフの対米、対日植民地化戦略の一環として生まれた』

  日露300年戦争(1)-『徳川時代の日露関係 /日露交渉の発端の真 …