前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『2014世界各国/サプライズ、面白ニュース⑦』「オランダ」「フランス」「ロシア」3国―なぞなぞミステリー⑦

   

 2014世界各国/サプライズ、面白ニュース⑦』

 

ヨーロッパ3国の―なぞなぞミステリーとは・・❼  

 

◎『オランダでは、なぜ水車より風車が活躍しているのか』

●「フランス革命が「「メートル法」を作り近代科学

を成立させた

◎「ロシアーとウオッカのおもしろ革命話」

 

                          前坂俊之(ジャーナリスト)

 

オランダでは、なぜ水車より風車が活躍しているの?

 

オランダの名物は水車と風車といわれる。オランダは昔はネーデルラント(Nederland:低地)といわれていたように、国土の4分の1が海抜ゼロm以下である。

 

「オランダの歴史は水との戦いの歴史である」といわれるように、この不利な立地条件を知恵と技術力で克服し、海に臨む低湿地帯には高い防波堤を築き、川にも堤防を作って、元々北海からの風の強い地域なので風車を徹底利用して水を汲みだして干拓、開墾して陸地や農業地を増やしていったのだ。

 

13世紀のオランダで風車による干拓事業が始まり「灌漑用」だけでなく、「製粉用」や「脱穀用」の風車などが次々に開発された。風車は低地で生活するオランダ人の必需品となり、北海による洪水を防ぐために、堤防、水路、干拓地などを築き、国土を拡大、整備し、広げてきたことから「風車はオランダ建国の父だ」ともいわれている。

 

自然をうまくコントロールしながら、国をつくりとライフスタイルを築いた。それでも、現在、オランダ人約60%は干拓したゼロm以下のところで暮らしている。

こうした基本条件から、オランダ人の思想の根本には、個人の自由を認めながら、「飾り窓の女」の売春合法化、マリファナなどドラッグの自由、安楽死を認めるなど個人、社会のコントロール(感情の制御、抑制の意)と自由がほどよく保たれて、地球環境保護とクリーンエネルギー意識は他国の何倍も強烈である。市街地では自動車の使用などはきびしく制限され、自転車王国でもある。

 

 

 

フランスーフランス革命が「「メートル法」を作り近代科学を成立させた

 

 

フランス革命(178999)は「自由」「平等」「博愛」などの近代社会の重要な概念キーワードを生み出したが、「メートル法」を作り出したことでも特筆される。これによって世界共通の単位ができて、近代科学を成立させた。 

近代科学以前は、科学者たちは計量に不便を感じていた。世界が船、鉄道の発展でグローバル化し、世界規模のビジネスが拡大して単位・基準が各国でバラバラ、不統一だったのが障害となった。そのため、十八世紀の科学者たちは、世界中で利用できる度量法はないかと考えた。

フランス革命ではアンシャン・レジーム(旧制度)のすべての規範に対して見直しが行われ、パリ科学アカデミーは度量衡の統一を検討した。まず長さから始め、標準単位として「メートル(meter)」(「測る」を意味するラテン語)を使うことにした。この度量システム全体を「メートル法」と呼んだ。

地球の円周のきっかり4000万分の1を1メートルにしようとして1798年、白金製のメートル原器が作製、3角測量法などで計測して完成した。メートルを基準にして質量も1立方デシメートルの水の質量を1キロ、面積はアール(100平方メートル)、体積はリットル(1立方デシメートル)などと定めた。

1875年(明治8)にメートル法の導入に各国が努力するメートル条約が締結された。

日本では1891年(明治24)に度量衡法(尺貫法と併用)で、導入されたが、ヨーロッパに比べて米国では政府が積極的でなく、メートル法はほとんど普及しなかった。

 

 

ロシアーとウオッカの革命おもしろ話 

 

 今のロシアの基になった国家は、9~12世紀のキエフ大公国(正式な国号はルーシ(古東スラブ語)で、これが「ロシア」の名前となったという。そのキエフ大公のウラジーミル1世(9781015)はどの宗教を国教にするか各宗教のデータを集めて検討した。

 当時は、国家をまとめていくために、宗教が欠かせなかった。イスラム教とギリシャ正教が候補となり、地理的に近いイスラム教を選ぼうとした。

 しかし、イスラム教は豚肉はダメ、メッカへの日々の礼拝、禁酒など厳重な戒律があることがわかった。

 ロシアは最も寒い国。厳冬期を乗り越えるためには度の強い酒は欠かせない。酒を禁じると、反乱が起こりかねない。そこで、大公は「禁酒だけはなんとかならないか」とイスラム教の指導者と交渉したが、キッパリと拒絶された。そのため、アルコールに寛容なキリスト教を選ぶことになったのである。

 もし、この時、キエフ大公がイスラム教を選んでいたら、その後の世界は大きく変わっていたことだろう。

こうして、ウオッカをガブ飲みする世界一の酒好きのロシアが誕生したわけだが、ウオツカはロシアの国民酒を超えて世界中で愛好され旧共産圏からの最大のヒット商品ともいわれる。当然、ウオツカの消費量は本場ロシアがトップと思いきや、実はアメリカなのである。

「酒を飲んで反乱を起こさないように」と ロシア皇帝・ニコライ二世(18681918は、アルコール度数を制限したり、ロシア革命後の共産党政府は、ウオツカを禁止した。人民に対する圧政と戦乱のなか、ロシア国民は世界中に亡命し、ウオツカは世界中に広まったというわけだ。

 

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『日中台・Z世代のための日中近代史100年講座⑥』★『日本恋愛史の華』★『貴族と平民との階級』★『金の力に引かれつつ石炭王(58歳)と再婚した「筑紫の女王」(37歳)』★『悩みの末に離縁状を突きつけ、新しく得た愛人・宮崎滔天の息子・宮崎籠介(32歳)と再婚へ』

  <1921年(大正10)10月22日「東京朝日」> 柳原白蓮 &n …

『「トランプ関税国難来る!ー『石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ⑤』★『トランプ・ウルトラマジック?・トランプサーカス?は成功するのか、失敗に終わるのか!?」

●ブルームバーグ、CNN,ロイター(4月10日付)などの報道によると、 トランプ …

no image
速報(294)◎『日米政府による原発推進と核兵器政策は最初から表裏一体のものー 田中利幸バンクーバー講演録』

速報(294)『日本のメルトダウン』   ◎『日米政府による原発推進と …

no image
高杉晋吾レポート⑰ルポ ダム難民①超集中豪雨の時代のダム災害①森林保水、河川整備、住民の力が洪水防止力

高杉晋吾レポート⑰ ルポ ダム難民① 超集中豪雨の時代のダム災害① 森林保水、河 …

no image
知的巨人の百歳学(146)ー記事再録 <日本超高齢社会>の歴史とは⑤…<徳川歴代将軍の年齢、実力調べ・・・・・>

  2010/01/27   百歳学入門 …

no image
 日本リーダーパワー史(786)「国難日本史の復習問題」 「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、リスク管理 、インテリジェンス③』★『日本史の決定的瞬間』★『京都「無隣庵」での伊藤、山県、桂、小村の4巨頭に児玉、杉山の6者秘密会談で『日露戦争も辞せず』と決定した』●『小村外相のロシアの巨熊を生け捕る方法とは・・』

 日本リーダーパワー史(786) 「国難日本史の復習問題」 「日清、日露戦争に勝 …

no image
日本リーダーパワー史(214)『英タイムズ』が報道した「坂の上の雲」の真実①『ネルソン提督を超えた東郷の偉大な勝利』

日本リーダーパワー史(214) <『英タイムズ』が報道した「坂の上の雲」①> & …

no image
片野勧の衝撃レポート(48)太平洋戦争とフクシマ(23『なぜ悲劇は繰り返されるのかー 沖縄戦と原発(上) 

片野勧の衝撃レポート(48)  太平洋戦争とフクシマ(23)     『なぜ悲劇 …

no image
『野口恒の原発事故ウオッチ』①ー独立した「原子力規制委員会」と「広域放射能汚染モニタリングシステム」の設置を

『野口恒の原発事故ウオッチ①』   米国のような独立した「原子力規制委 …

『大谷翔平<3打走投>流の「YAKYUDOU」(野球道)とは何か』★『ベースボールと野球道の違い』★『大谷のルーツは宮本武蔵の二天一流兵法(「五輪書」を書いた霊巌洞の動画あり)』★『「打撃の神様」の巨人・川上哲治の「ボールが止まって見える」(心技体一致)』

激動の2024年を振り返って、私を一番「ハッピーな気持ちと元気にしてくれた」のは …