終戦70年・日本敗戦史(113)◎『太平洋戦争と新聞報道を考える』(日本はなぜ無謀な戦争をしたのか、どこに問題があったのか>
2015/08/03
終戦70年・日本敗戦史(113)
<世田谷市民大学2015> 戦後70年 7月24日 前坂俊之
◎『太平洋戦争と新聞報道を考える』
<日本はなぜ無謀な戦争をしたのか、どこに問題が
あったのか>
- 「太平洋戦争はなぜ起きたのか」-500年の世界史の振り返らないと全体像は見えてこない。世界史の16,17世紀は大航海時代, 18~20世紀前半までは帝国主義時代の約500年間に西欧列強は地球規模で植民地獲得の戦争に次ぐ戦争を続けてきた。19世紀半には大英帝国とロシア帝国の2大「戦争国家」が、極東の最後の地・中国、日本、朝鮮に侵攻してきた
- この間、日本はどうだったのか。戦国時代の天下統一(朝鮮出兵(文禄・慶長の役、1592ー98)は除き)から、徳川幕府成立(1603)、徳川鎖国時代(1639-1854)の約250年間)までの約500年間は国内内乱もなく一国平和主義国として存在してきた。(パワポ①→⑥)
- 米国ペリー艦隊の来航(1853)が「鎖国で眠りから日本」を起こした。明治維新を実現し明治政府は、対外脅威にいかに対応するか「国家戦略」(「富国強兵」「殖産振興」)を立案実行した。同じく、清国(中国)、朝鮮(韓国)もこの侵略にたいしてどう対応したかが、3国の運命を分けた。(パワポ⑦→⑧)
- 明治維新直後、朝鮮、清国と国交交渉に入るが難航する。原因は清国の「中華思想」「華夷序列秩序」朝鮮の「小中華」『事大主義』対「日本思想」の各「自民族中心主義」(エスノセントイムズ)の対立である。⑨⑩⑪ 朝鮮の反日⑭、中華思想⑮⑯⑰、 ⑩福沢諭吉の脱亜論⑫⑬ 日清戦争の勝利真実⑲
- 日露戦争はなぜ起きたか。日本勝利⑳、<経過の㉑㉒㉓は未整理日露戦争の勝利が日英米関係の転換点となる、日米戦争の遠因に㉔
- 日本における新聞発達の歴史と変遷(パワポ㉕㉖㉗㉘㉙)大正時代の朝日新聞弾圧事件・白虹事件がエポックとなる(以後、公正中立報道へ)㉘、
- 大正15年間における日中関係の衝突と変遷(パワポ㉚、㉛)
- 昭和の動乱始まる―中国統一(北伐)の満州波及を恐れた関東軍が張作霖爆殺事件を起こした(昭和3年)(㉜㉝)日本を滅ぼすキーワードとなった『満蒙はわが国の生命線』㉞
★3時休憩の3時15分後半講義開始――映画「真空地帯」(1952年、野間宏原作)の「陸軍内務班のリンチ教育実態」◎映画『2等兵物語』の内務班、「サイパン島の激戦、バンザイクリーフの集団自殺」など20分の上映
- 15年戦争のスタートとなる関東軍の満州事変の謀略-その経過(㉟、㊱)
- 陸軍対新聞の戦いー満州事変で大正デモクラシーを先導していた朝日新聞の軍縮論、満蒙放棄論の社論は陸軍と右翼黒龍会の攻撃、恫喝によって180度転換する。(㊲,㊳)、新聞への圧力、検閲、発売禁止件数は激増する(㊳)
- 一方、毎日新聞の「満州権益論」支持と国際連盟脱退で強硬論を展開(㊵㊶)
- 5・15事件(犬養毅の暗殺、議会政治は終焉を迎え、以後、軍人政治、軍国ファシズムの坂道を転がる)
- 「日本最大のクーデター」2・26事件でトドメを刺された新聞―広津和郎の証言㊺伊藤正徳の反省㊻軍国主義時代の新聞
- 日中戦争で再開=「暴戻支那膺懲」の泥沼に落ちる㊾。新聞は戦争熱をあおった(51)徳富蘇峰は「世界戦史上、最も愚劣な戦争」と批判(53)<日本は東亜民族を指導する資格、能力がなかった>(54)(55)<日本人の本質的欠陥は異民族を理解できないこと(今も同じ=異文化コミュニケーションの失敗、無理解)>「教養の欠乏である」(55)形式的、独善的な官学教育の失敗(57)
- 太平洋戦争開始―誰もが望まない敗ける戦争に無謀にもなぜ入ったか、無責任体制―海軍の無責任(58)『集団国家自殺」の賛美(59)
- 戦陣訓」<生きて虜囚の辱(はずかしめ)を受けず>降伏・捕虜の禁止(61)とセットの日本軍の戦時国際法違反(ジュネーブ条約)の捕虜殺害、(62)「国民義勇戦闘隊」(63)
- 世界の戦争史上、最も悲惨な愚かな戦争=『大東亜戦争での戦死230万人の内、その約6割、約140万人が「餓死」という自滅戦争であった。(64)
- <まとめ.>基本的な人権意識の欠落。科学的合理性主義の欠如、レーダー、暗号、兵器技術などの科学力の差、天皇総無責任体制、下剋上、マッカーサーの「日本人12歳説」、オリエンタリズムの「旧弊保守主義」
㉑<現在の対応策>水野広徳「此の一戦の最後の言葉=「国大といえど も、戦いを好む時は必ず滅び、天下安しといえども戦いを忘れる時は必ず危うし」
午後4時半に終了。最後10分は質問--午後4時45分に終了。
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(654) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(47) 「川上操六のインテリジェンスー 日清戦争後、野党の河野盤州領袖を説得して、 陸軍6個師団増強に協力させた驚異の説得力」
日本リーダーパワー史(654) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(47) …
-
-
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(213)記事再録/『 日本海軍トップリーダー・山本五十六の指導力と人格について、井上成美が語る』★『昭和18年9月25日発行の「水交社記事」(故山本元帥追悼号)より井上成美中将の「山本元帥の思い出』を再録』
2010/06/28 日本リーダーパワー史(58)記事再録 …
-
-
片野勧の衝撃レポート(28) 太平洋戦争とフクシマ① 悲劇はなぜ繰り返されるか「ヒロシマからフクシマへ」❶
片野勧の衝撃レポート(28) 太平洋戦争と …
-
-
『明治裏面史』 ★ 『日清、日露戦争に勝利した明治人のリーダーパワー,リスク管理 ,インテリジェンス㊸★『日露戦争開戦の『御前会議」の夜、伊藤博文は 腹心の金子堅太郎(農商相)を呼び、すぐ渡米し、 ルーズベルト大統領を味方につける工作を命じた。』★『ルーズベルト米大統領をいかに説得したかー 金子堅太郎の世界最強のインテジェンス(intelligence )』
日露戦争開戦の『御前会議」の夜、伊藤博文は 腹心の金子堅太郎(農商相)を呼び、す …
-
-
『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座㉚」★『明治開国以来、わずか40年で日清、日露戦争で勝利したのは西郷従道の抜擢した山本権兵衛だった②』★『日清戦争前は世界の海軍力ランキング12位だった日本海軍は、勝利後は第4位に躍進した』
日本海軍の最強コンビー西郷従道大臣、山本権兵衛軍務局長 西郷が再 …
-
-
★『オンライン講座・吉田茂の国難突破力③』★『吉田茂と憲法誕生秘話ー『東西冷戦の産物 として生まれた現行憲法』★『GHQ(連合軍総司令部)がわずか1週間で憲法草案をつくった』★『なぜ、マッカーサーは憲法制定を急いだか』★
★『スターリンは北海道を真っ二つにして、ソ連に北半分を分割統治を米国に強く迫まり …
-
-
イラク戦争研究ー『グローバルメディアとしてのアラブ衛星放送の影響―アルジャジーラを中心にー』
グローバルメディアとしてのアラブ衛星放送の影響―アルジャジーラを中心にー …
-
-
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 米国、日本メルトダウン(1051)>『無知の虚人』トランプの暴走運転で「大統領機(エアーフォースワン)」は墜落急降下過程に入った。』●『コラム:ロシア疑惑、トランプ氏の弁護に4つの「落とし穴」』★『トランプのロシアゲート コミー証言で瀬戸際』★『駐米中国大使とも密通していたクシュナー氏』●『共和党内は「トランプ後」に向けてそわそわ』●『日本はAIIBに参加すべきではない–中国の巨大化に手を貸すな』
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 米国、日本メルトダウン(1051 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(84)記事再録/ ★『世界史の中の日露戦争カウントダウン㊳/『開戦2週間前の『英ノース・チャイナ・ヘラルド』の報道『日本が決意しているのは,中国と朝鮮との 独立と保全の維持なのだ。この点で,日本は英米の支持を 受けている』★『外交面で,日本はロシアを完全に負かしてきた。合衆国の40年にわたるロシアへの友情は.全く消えうせてしまった』
2017/01/21日本戦争外交史の研究』/ …
-
-
戦うジャーナリスト列伝・菊竹六鼓(淳)『日本ジャーナリズムの光、リベラリストであり、ヒューマニストであった稀有の記者』★『明治末期から一貫した公娼廃止論、試験全廃論など、今から見ても非常に進歩的、先駆的な言論の数々』
日本ジャーナリズムの光、リベラリストであり、ヒューマニストであった …