前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」ー「日英同盟の影響」⑪1902(明治35)年3月8日『『露紙ノーヴォエ・ヴレ一ミャ』★『英国は南アフリカでのボーア戦争に敗れて、露仏独から中国での利権を守るために日本と同盟を結んだ』● 『日英同盟(英日条約)に対抗して仏露同盟が生まれた』

      2016/12/01

★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」-

「日英同盟の影響」⑪

 1902(明治35)年3月8日『露紙ノーヴォエ・ヴレ一ミャ』

「日英同盟(英日条約)と仏露同盟」』

★『英国は南アフリカでのボーア戦争に敗れて、露仏独から

中国での利権を守るために日本と同盟を結んだ』

● 『日英同盟(英日条約)に対抗して仏露同盟が生まれた』

1902321

『ノーヴォエ・ヴレ一ミャ』『英日条約と仏露同盟』

 

英日条約の締結の日から早くも1か月半以上が過ぎた。この間に多くのことが明らかになり.はっきりした形をとるようになったので,現在ではこの新しい政治的な連合は,そのため目的と意味に関してこれ以上どのような疑いも起こさせることはありえない。

 

 イギリスに,かつての「光輝ある孤立」政策を放棄させることになった原因は容易に説明できる。

国家がこのような政策に従うことができるのは自国の力を十分に信頼できる間だけだ。プール人との戦争(ボーア戦争)がイギリスからこの自信を奪ってしまったのだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A2%E6%88%A6%E4%BA%89

http://www.asyura2.com/08/reki01/msg/289.html

 2年半の間すべての陸軍を本国から何千マイルも離れたところに置き,この道楽のために,年に約75000万ルーブルを費やし, 費やし,しかも事態が最終的によい方に変わるのはいつになるかについてはいまだにどのような見通しも持てずにいる-

 

世界で最も強力で,最も富んだ国であっても、他の列強諸国の目にも自国民の目にもはっきり見えるほどその威信を低下させることなく,このような状況に耐えるなどということはできない。

イギリスは,自国の内部には,自らのぐらついた立場を支える手段を見いだせなかった。逆に,アイルランドの不満、インドの北西国境に関する物騒なうわさなどはイギリス人の抑圧された気分を増大させるだけだった。

どこか他の場所に支柱を探す必要があった。こうしてイギリスはその政治のあらゆる伝統を振り捨て.同じように孤立していて,同じように動揺しており・政治の世界で占めている地位の確かさに同じように自信のない国の1つ(日本)と協定を-より正確に言えば同盟を一一結ぶことを決意したのだ。

 

Wiki日英同盟

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E8%8B%B1%E5%90%8C%E7%9B%9F

 

 イギリス自体の内部でも,アジアでもこの2国間の新しか同盟のニュース虹まさに,イギリス政符が明らかに与えることをと望んでいた影響を与えた。イギリス人は驚喜した。

外務大臣ランズダウン侯爵の名はたちまち並外れて有名になった。それまでの不安なあいまいさに代わってある種の確信が表れた。

アジアではこの同盟はさらに大きな効果を引き起こした。極東でも,それほど遠くない東でもいささか皮肉な扱いを受け始めていた当のイギリスが、突然,重みを持つようになった。

 

アジア大陸の多くの地点で政治的状況はロシアとイギリスの相互的な競争のおかげで以前から均衡が保たれてきた。

後者の弱体化は事態の本質的な変化をもたらしかねなかった。英日同盟はこのような弱体化についての風説を払拭し,当然のことながらすでに憶病になり始めていた人々に勢いを得る可能性を与えた。

 

 しかしこれらはすべて2つの強い島国の間の同盟の,いわゆる心理的な側面だ。実際には,この同盟は現存する政治状況になんら新しいものを付け加えるわけでもない。英日条約は,まさにロシアの政策の根底にある原理が確固たるものであることを立証した。

 

極東において現状を維持することは,すでに1900年に必須条件としてわが国によって宣言されている。

 しかしながら,この現状は,中国には触れていないものの、太平洋海域における勢力配置をいささか変えてしまった英日条約自体によって,いささか乱されている。このために,仏露同盟の国々もまた破られた均衡を復活させるという目的を持って乗り出さざるを得なくなった。

 

 今日、公にされたロシアとフランスの両同盟政府の声明は,まさに,均衡の回復に向けた1歩である。この声明は,英日条約と同様,なんら新しいことを宣言しているわけではないが,だからといって,この声明がその真剣で確固たる論調で予期した通りの影響を与えることを疑い得ない。

 

 同盟政府によって踏み出された1歩は仏露同盟が強固でゆるぎないものであることを新たに宣言したものだ。

 

ロシアとフランスの極東での行動における完全な連帯は1901323日付の公報の中ですでに明らかにされているが,今この連帯が,両同盟国の行動における一体性をますます強く証明するような新しい形で,改めて確認されている。

 両同盟政府は,英日条約の根底に置かれた原理を支持することが,同時にロシアとフランス自身の極東における利益を保証することにもなると表明しながら,なんらかの非常事態に際しては,あらかじめなんらかの約束で自らを拘束することなく,自分たちの利益を守るために不可欠であると認められ得るような手段をとるだろうと言明している。

 

これは.自由行動の政策であり,もちろん極東におけるわが国の立場と利益に最も合致す、るものだ。おそらく英日同盟はこのような性格を持ったものとは言えないだろう。

 - 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本メルトダウン脱出法(671)「アメリカンドリームを打ち砕く債務の遺物」◎「永久に終わらない腐敗撲滅キャンペーン貧困は毛沢東の遺産、腐敗は鄧小平の遺産」など8本

 日本メルトダウン脱出法(671) 「輝きを失うグーグル、フェイスブック、ツイッ …

『Z世代のための日中韓外交史講座』⑰』★『憲政の神様・尾崎咢堂の語る「対中国・韓国論』★『尾崎行雄の「支那(中国)滅亡論(下)」(1901年(明治34)11月「中央公論」掲載)『清国に政治的能力なし。なぜ税関の役人はすべて外国人なのか、日本人なのか?中国人はいない不思議の国?』

 2013/07/12   日本リーダーパワー史( …

『Z世代のための日本の超天才人物伝⑨』★「藤田嗣治とパリの女たち」★「最初の結婚は美術教師・鴇田登美子、2度目は「モンパルナスの大姉御」のフェルナンド・バレー、3度目は「ユキ」と名づけた美しく繊細な21歳のリュシー・バドゥ』★『夜は『エ・コールド・パリ』の仲間たちと乱ちきパーティーで「フーフー(お調子者)」といわれたほど奇行乱行をしながら、昼間は毎日14時間以上もキャンバスと格闘していた』

2008年3月15日 「藤田嗣治とパリの女たち」記事再録再編集 前坂 俊之(評論 …

[『オンライン講座/平櫛田中(107歳)、鈴木大拙(96歳)の教え」★「六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百から、百から」 平櫛田中』★『人間は過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。老人は過去から、未来に生きるスイッチに切り換えなさい」(鈴木大拙)』

      2017/11/28&nbs …

no image
日本メルトダウン(945)★『中国と同じ「ガラパゴス国家統制・不自由資本主義体制の強化へ、日本沈没先延ばし愚策!』●『4社に1社、公的マネーが筆頭株主 東証1部―市場機能低下も』●『株式市場は「隷属への道」を歩む 小平龍四郎』●『マイナス金利「量・質とも緩和余地ある」黒田日銀総裁』●『事なかれ主義の「無責任の体系」が日本を滅ぼすー法を超える「過剰なコンセンサス」のリスク(池田信夫)』

  日本メルトダウン(945)  ➀中国と同じ『日本ガラパゴス国家統制、 管理不 …

no image
記事再録/『中国/内モンゴルのゴビ沙漠の不毛の砂漠を300万本のポプラの木を植えてと緑の農地によみがえらせた奇跡の男・遠山正瑛(97歳)★『中国で、生前銅像が建てられたのは毛沢東と遠山の2人だけで、その台座には「90歳の高齢ながらたゆまず努力し、志を変えなかった」』

    2009/05/06 &nbsp …

no image
『各国新聞からみた日中韓150年対立史③』●131年前の日韓第一次戦争(壬午の変)の 『東京日日新聞』の報道内容③

  『各国新聞からみた東アジア日中韓150年対立史③』 &n …

no image
速報(369)『日本のメルトダウン』総選挙の公示>『山本太郎、石原伸晃氏の東京8区から出馬」『竹中平蔵(上)「リーダーに必要な3資質」

速報(369)『日本のメルトダウン』         <12月4日総選 …

『MF・ワールド・カメラ・ウオッチ(12)』 「フィレンチェ散歩(4/19-4/28)「ウフィッツィ美術館」、「「パラティーナ美術館」 を見て回る

  2015/06/12 『世界美術館めぐり』転載、再編集 …

no image
オンライン講座/新型コロナパンデミックの行方(2020/10/19 ) 』-『新型コロナと世界の沈没―コロナ共存社会は数十年続く可能がある⓷』(8月15日)★『「米中大国の興亡」の歴史、覇権国の行方は?』★『時代は、時代に後れる者を罰する』★『『3ヵ月をきった米大統領選挙の行方は?』

    2020/10/19 &nbsp …

PREV
 『百歳学入門』(167)いよいよやって来る「90代現役」時代--映画『手紙は憶えている』 が映す時代の趨勢(古森義久)』●『王貞治の師・86歳荒川博氏「週1~2回ステーキ、野菜は嫌い」』●『長寿県と短命県でこんなに違う!食事と生活習慣【男性編】』★『超高齢化社会が到来、ますます「稼ぐ力」が必要だ 高まるリスクと人生のリスクヘッジ』★『日本の「食事バランスガイド」に海外が熱視線「長寿の秘訣はコレだ」』●『100歳以上の人が300人も暮らすイタリアの町 長寿の秘訣は食事だった?』
NEXT
 日本メルトダウン( 988)-トランプ次期米大統領の波紋 『スティグリッツ氏警告「トランプは危険人物」―「米国経済がトラブルに陥るリスクは高い」』●『トランプ政権の威力をあなどってはいけないー「よいトランプ、悪いトランプ」を考える』●『トランプの経済政策で懸念される円安と金利上昇』★『トランプ、強硬保守とソフト路線の「バランス戦略」は成功するのか』★『トランプ氏が英国独立党党首ファラージを駐米大使に指名?──漂流する米英「特別関係」』●『トランプ氏の首席戦略官、早くも解任求める政治広告―スティーブ・バノン氏、2018年中間選挙向けTV広告の標的に』