前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

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「エンゼルス・大谷選手の100年ぶりの快挙」★『「才能だけでは十分ではない。挑戦する勇気が人々の心を変える」』★『ニューヨークタイムズ特集「日本ハムで入団交渉を担当したスカウトが、ミケランジェロやアインシュタインのように何でもできる天才と評価していた』★『連載「エンゼルス・大谷選手の大活躍ー<巨人の星>から<メジャーの星>になれるか」①『A・ロドリゲス氏は「これは世界的な物語だ」と絶賛』』

   

「エンゼルス・大谷選手の100年ぶりの快挙」

 

新型コロナ禍で世界中の人々が悲哀,陰鬱ムードに落ち込んでいる中で、米大リーグで「二投流」で大活躍している大谷翔平選手(26)がベーブ・ルース以来の100年ぶりの快挙を成し遂げ、前人未到の大谷の挑戦に日本中がわいている。彼をみていると「才能だけでは十分ではない。勇気が人々の心を変える」という言葉を思い出す

。新型コロナの第四波と東京五輪開催の混乱で意気消沈する日本で、大谷の100年ぶりの勇気あるチャレンジがわれわれに感動と元気と希望のエールを送り続けている。

1921年6月13日、当時本塁打17本を放ちメジャートップにたっていたヤンキースのベーブ・ルースが先発投手として登板、2本の本塁打を放って勝ち星をあげた。7本塁打でリーグトップに立つていた「2刀流」の大谷選手(2番打者)の登場は100年ぶりとして全米の注目を一身に浴びた。

私も4月26日朝のエンゼルス対レンジャーズの試合をテレビにかじりついてワクワクドキドキしながらみた。大谷投手は1回表にいきなり4点を先取されたが、2回からは一転して見事に立ち直り、5イニングを投げて3安打4失点、9奪三振と抑えきった。打っては3打数2安打、2打点、3得点を稼ぎ、相手守備陣のスキを突いたバントヒットまで見せる「投打走守」の四頭流の万能ぶりを発揮し、異次元の「マジック・ミラクル・ワンマンショー」を披露した。

2009年11月、ヤンキースの松井選手が本塁打を連発する大活躍でワールドシリーズを制してMVPに輝いた試合を思い出した。まさに、大リーグ史、日本野球史を塗り替える決定的試合を見ることができて、私は感動で胸が震えた。

エビデンス(証拠・根拠・結果)重視で、辛口でなる全米メディアはトップニュースで大谷の大活躍を報道し、いずれも賛辞を呈していた。「アメリカの有識者たちもエキサイトさせる大谷の活躍ぶりは、まさに規格外というしかない」。「試合開始15分で全部やってのけた」「大谷は、野球における最高のアスリートだ」「今夜の彼を見て楽しめなかったら、野球を見て楽しむことはできない」(マドン監督のコメント)

「全米沸かせた“三刀流”投げて、打って、そして守った。大谷が文字通り“三刀流”の輝きを放った。」「何でも自分一人でやってしまう」 などなど軒並み、大谷選手の異次元的な活躍をベタホメしている。いずれも数字的な裏付け、データをきちんと掲載、記事の信頼性を担保しているのに感心した。

メジャーリーグでは「野球のデータ革命」が進んでいる。AI、ビッグデータ、テクノロジー、データサイエンス、バイオメカニクスを用いて数値化、可視化して投打の戦術、選手育成、体力強化、経営強化にも活用している。

一方、日本の野球は100年前の甲子園高校野球、投げすぎ、猛練習のスポコン主義やスポーツ紙の大谷への1点集中の集団的過熱取材(メディア・スクラム)からどこまで脱皮できたのかが気になる。

3度のMVPに輝いた同僚のトラウト選手(3番打者)は大谷の活躍の背景について日米野球文化の違いを指摘する。

「大谷を取材する日本メディアの取材陣やフアンの多さは桁外れで、今まで見たこともない。そんなプレッシャーの中でも大谷は動じない。彼の精神力は特別だよ」と語る。

たしかに、大舞台に場なれしている面はあるが、大谷は二投流こそが「自分を一番生かせる」道と信じて挑戦してきた。花巻東高時代は、球速160キロ、56本塁打を放った。

日本ハム時代の2014年には二投流で11勝、10本塁打を達成した。エンゼルス時代の4年間は活躍と挫折の連続だった。18年10月のトミー・ジョン手術による長いリハビリに耐えてその『悔しさ』をバネにモチベーションを高めてきた。精神的にも肉体的にも1周り大きくなった。

今シーズンは本格的な復活を目指して、勇気をもって、前人未到の「二刀流」を持続してきたのが飛躍につながった。大谷自身は「「二刀流」で毎回試合に出場できることが楽しくてしかたない。一試合一試合積み重ねて努力していく」とオンラインの記者会見で決意を語っている。

エンゼルスを率いるマドン監督(67)は2016年のカブス監督時代に「ヤギの呪い」を解いてチームを108年振りのワールドシリーズ制覇へ導いた大リーグ有数の名監督である。

そのマドン監督は大谷の「二刀流」の才能を十分認めており、大谷の勇気あるチャレンジをバックアップしている。彼は「大谷は真面目な謙虚な性格で柔軟に新しいことにトライしている。それが今の成功につながっている。とにかくやってみて、よく2人でいろいろ会話して、正しい判断を続けていく」と述べている。

5月2日、大谷は1回に右肘に死球を受けて4回目の投手登板は大事をとって1日ずらし、6日(日本時間)となった。このレイズ戦では6回途中1安打無失点、6四球、7三振の快投。7日のレイズ戦では10号2ランを放ち好調を維持している。

ただし「好事魔多し」今後気になるのは何といってもケガであり、右手の豆である。手の豆は柔らかく何度か破れて登板できなくなった。ケガは選手につきもので、対戦投手は大谷封じのため執拗な内角攻めを仕掛けてくるだろうから、特に留意する必要がある。

さらに、日本メディアの大谷への集団的過熱取材(メディア・スクラム)が気になる。

かつて、日本メディアの集団的過熱取材によってイチローとマリナーズチームメイトとの間でギャップが生じたといわれる。好漢・大谷選手のためにもこの点を十分自戒したい。

 

●米紙「ニューヨーク・タイムズ」は5月14日、「大谷翔平が解き放たれた」と題した特集記事を掲載、大谷をベーブルースになぞらえて称賛した。そのなかで、「日本ハムで入団交渉を担当したスカウトが、ミケランジェロやアインシュタインのように何でもできる天才と評価していたことを紹介したいる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b5cea0a288d350b7a21041969a7a8e4b5e47220a

  • エンゼルス 6ー5 Rソックス(日本時間17日・ボストン)では

9回2死からトラウトが中前打、続く大谷が右翼ポール際へ逆転の12号2ランを放った。

地元紙は大谷翔平、トラウトとの“新2・3番コンビ”が「逆転勝利の原動力」となったと絶賛した。大谷の「投打守走」の4刀流の伝説はまだまだ始まったばかりだ。

 

 

 

連載「エンゼルス・大谷選手の大活躍ー<巨人の星>から<メジャーの星>になれるか」①『A・ロドリゲス氏は「これは世界的な物語だ」と絶賛』

https://www.maesaka-toshiyuki.com/person/29186.html

 

連載「エンゼルス・大谷選手の大活躍ー<巨人の星>から<メジャーの星>になれるか」② 『大谷メジャー初本塁打 本拠地で右中間へ3ラン』★『大谷翔平は「天才」米メディアも連日の大絶賛』★『全米が大谷フィーバー!「カネではない」純粋な野球愛に感動』

https://www.maesaka-toshiyuki.com/person/29196.html

 

 

 - 人物研究, 現代史研究

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