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『オンライン講座/ 初の現代訳『落花流水』一挙掲載 ―ヨーロッパを股にかけた大謀略 「明石工作」の全容を記した極秘文書 小説より面白いスパイ報告書。

   

『日露インテリジェンス戦争を制した天才参謀・明石元二郎大佐』(前坂俊之著、新人物往来社)

テーマ:最強の外交力

 
『日露インテリジェンス戦争を制した天才参謀・
明石元二郎大佐』(前坂俊之著、新人物往来社、1600円)   

 

初の現代訳『落花流水』一挙掲載 ―ヨーロッパを股にかけた大謀略

「明石工作」の全容を記した極秘文書 小説より面白いスパイ報告書。 

 

まえがき

二〇一〇年のNHKの大河ドラマ「龍馬伝」や、スペシャルドラマ「坂の上の雲」はい
ずれも高視聴率で、国民の間に明治維新と日露戦争への関心が高まっています。坂本龍馬らが切り拓いた大政奉還から明治維新、文明開化へと続く路線の上に近代日本は築かれ、「坂の上の雲」をめざして日露戦争に勝利し、アジアでトップを切って先進国の仲間入りを果たしました。

いま、アジア、BRICS(ブリックス)などの新興国の躍進が伝えられているが、百年前に日本はすでに先進国の一角にかけのぼったのです。現在の国際連合の前身である国際連盟は大正九年(元二〇)に誕生したが、当初から常任理事国(日本、イギリス、フランス、イタリア)で加盟し、新渡戸稲造が事務局次長に就任し、中核的な役割を果たしていました。

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こうした明治の大躍進は、坂本龍馬らの維新の志士たちと明治政府をになった指導者、軍人、知識人、国民が一体となって努力した結果であり、日露戦争では、出征軍将兵の旺盛な士気と戦闘能力の高さと同時に、伊藤博文、山県有朋らのトップリーダー、陸軍では

 

 

 

大山巌、児玉源太郎、川上操六、福島安正、明石元二郎ら、海軍では山本権兵衛、東郷平八郎、秋山真之 
らのインテリジェンス(英智、智慧、情報分析力、諜報も含む)のたまものです。
本書は、その日露戦争インテリジェンスの一つ「明石工作」(極秘文書『落花流水』を
全文現代訳に直して、第五章で「明石工作を読み解く」として、「明石謀略工作」の
全容を紹介したものです。    

これは

 

 

 

当時の金で百万円(当時の国家予算は二億三千万円) 
という、けたはずれの資金を陸軍が出した、世界のスパイ史上にも例のない諜報・謀略だが、明石本人がその詳細な報告書を残している点でも、きわめて珍しい。    

百二十八枚にのぼる長文の報告書『落花流水』は、旧漢字、旧カナ、文語体で書かれており、今では大変難解で読みづらい内容です。ちなみに、冒頭の部分(歴史)はこう書いています。

「世界二比類ナキ版図ヲ有スル露西亜帝国ハ復夕世界二比類ナキ奇態ナル歴史ヲ有ス、今ヲ距ル一千四五百年前二於テ欧州ヲ揉踊セル旬奴ノ遺棄ハ、芽人種トシテ現欧露ノ北半部ニ殖民シ、「トルコマン」芽ノ混血族ハ今ノ南部欧露ニ蕃殖シ、其東南部即チ「ドン」地
方ハ希膿人種族、「ハルチック」、沿岸ノ北部ハ芽、南部ハ「レットン」族ニシテ、「スラ
ヴ」人種ハ今ノ欧露ノ版図内ニ於テハ僅ニ「ノヴゴロッド」ヲ北部トシ、「オデッサ」及
「ウスチエル」南岸ニ渉ル狭長ノ一域ニ過キス、之ニ反シ今ノ露国ノ版図外ナル「モラヴヤ」「セルビヤ」「ブルガリヤ」「チエク」等ノ地方ニハ其人種蕃殖シ居タリ…‥」

この調子で全文が書かれており、内容もよく理解できない部分が多い。そこで本書では、次のように原文をいかしながら、平易な現代文に書きあらためました。

「世界に比類のない領土を有する

 

 

 

ロシア帝国は、また世界に類をみない奇妙な歴史を持つ 
今をさる千四百年から千五百年前にかけ、ヨーロッパを揉欄したフィン族の子孫たちは、フィンランド人種として現在の欧露(ロシア領土のうち、ヨーロッパに含まれる、ウラル山脈から西の部分)の北部に移住し、トルコマン(トルコの少数民族)とフィンランド人の混血族は、現在の南部欧露に移住した。その東南部であるドン地方はギリシャ人、バルチック沿岸の北部はフィンランド人、その南部はレットン族が住み着いた。
現在の欧露の領土内でスラブ人種が定住していたのは、ノヴゴロド北部のほか、オデッサおよびウスチエル南岸までの、狭くて長い地域にすぎなかった。その一方で、ロシアの領土外であるモラビア、セルビア、ブルガリア、チェコなどの地方には多くのスラブ人が暮らしていた。……」    

この現代訳『落花流水』で明石元二郎のインテリジェンスに直接触れることができます。
「明石工作」に関しては、これまで多くの本が出されているが、いずれもこの『落花流
水』をタネ本にして、ドキュメントや小説に仕立て上げて、真偽とり交ぜて明石像を膨らませています。本書を読むことで、

 

 

 

最高機密の日露戦争インテリジェンスの真相 
を垣間見ることができます。    

本書の構成を説明するとー

「明石工作を読み解く」のに必要なグローバル・コンテクスト(国際情勢)を理解するた
めに、まず「第1章 ヨーロッパ列強の世界侵略でアジアは餌食に」で、世界史五百年の中で明治維新と日本開国は起きたこと、そして、西欧列強の餌食となったインド、東南アジア、中国についで魔手は日本へ、ひたひたと押し寄せてきた状況をみてみる。
「第二章 ロシアの大膨張と南下政策」は、これまた五百年にわたってユーラシア大陸の北方全土を拡大、侵略したロシアの南下政策が原因で、日露戦争が起こった経緯を明らか
にしています。
「第三章 西欧列強の中国、朝鮮争奪合戦」は、西欧列強の脅威の下で飲み込まれる寸前の日中韓の三国志です。
こうした

 

 

 

、国家存亡の危機に日本はどう対応したのか 
、明治のトップリーダーの国家戦略、インテリジェンスは「第四章 日本参謀本部の父・川上操六のインテリジェンス」でふれています。
ちょうど今年、平成二十三年(2011)は、孫文が中国清朝を倒した辛亥革命(1911)から百年、満州事変(1931)から80年、太平洋戦争の真珠湾攻撃(1941)から七十年という節目の年にあたります。
百年前とは国際情勢は一八〇度かわり、中国はいまや日本を追い抜いて世界第二位の経済大国になり、超大国に驀進中です。日本は、バブル崩壊後、長い経済不況から脱出できず、少子高齢化、人口減少、巨額財政赤字をかかえ外交問題でも次々に失点を重ねて国力衰退が目立っています。
一方、これまた経済失政で圧倒的な国力にもいまや陰りの見える超大国アメリカ。世界をリードする
日米中の「大国の興亡」の明暗 
は今後、どうなっていくのか予断を許しません。    

この百年の歴史をふりかえると、日本は日露戦争の奇跡的な勝利で大発展して一大財産を築いたが、その息子の世代がアジア、太平洋戦争で明治の遺産をすべて食いつぶしてしまった。敗戦、昭和二十年(一九四五)八月に再び裸一貫から立ち上がって奇跡の経済復興をとげ経済大国にかけのぼったが、今度はその孫たちが、約千兆円にも達する最悪の財政赤字を膨らませて、再び国家倒産の赤ランプが点滅している状況です。

 

 

 

「歴史は繰り返すのか」 
、徳川幕府崩壊(明治維新)、太平洋戦争敗戦に続く第三の国家危機が近づきつつある。
この国難をいかに突破するか。そのためには、国家戦略が不可欠なのはいうまでもない。いまこそ明治のリーダーが示した
危機突破の気骨と慧智とインテリジェンス 
に学ぶことが必要です。    

目 次
まえがき
第1章 ヨーロッパ列強の世界侵略でアジアは餌食に
ヨーロッパ的世界観のなかのアジア
スペインとポルトガルの世界支配
植民地大帝国イギリス
ヨーロッパ列強に蚕食されるアジア・アフリカ
ロシア・北欧各国も植民地帝国主義は同じ

第2章 ロシアの大膨張と南下政策
ロシアの南進本能
ロシアの飽くなき膨張の軌跡
列強に狙われた〝老帝国″清国
日本の朝鮮進出
壬午事変と甲申事変

第3章 西欧列強の中国・朝鮮争奪会戦
迫りくるロシアの脅威
極東の覇権へ暴走するロシア
日清戦争の勃発と三国干渉
ロシア、満州に居座る
日本を支持した国際メディア
日露開戦前夜の動き

第4章 陸軍参謀本部の父・川上操六のインテリジェンス
モルトケ戦略で陸軍を大改革
川上操六が抜擢した俊英たち
インテリジェンス部門の拡大と充実
受け継がれた川上イズム

第5章

 

 

 

明石工作全文『落花流水』(現代訳)を読み解く 
    

明石謀略戦の概略と背景
日露戦争の勝敗を決定づけた男
ロシア革命グループへの工作

『落花流水』(明石元二郎大将遺稿)
第一節 ロジアの歴史
第二節 ロシアの土地および農制、州部会「ゼムストヴォ」
第三節 虚無主義、無政府主義、社会主義の起因、学説、活動
第四節 ロシア国内の不平党(反政府党)の類別
第五節 今日まで継続する諸運動に関係ある主なもの次の通り
第七節 結論
第八節 鶏鳴狗盗記―間諜(スパイ)および諜報勤務
第九節 奇談一束

第6章 『明石工作』と日露インテリジェンス
「暗号戦争」では敗北続き
協力者シリヤクス
明石とレーニンの接点
智慧が戦争をコントロールする
諜報は外国の新聞からも

第7章 日露戦争最大の勝因は日英軍事インテリジェンス
日英軍事協商の背景
日英軍事協商と諜報の全面協力体制
巡洋艦「日進」「春日」の回航
「ドッガーバンク事件」を起こしたバルチック艦隊
児玉源太郎のインテリジェンス戦争
素早かった海軍の取り組み

第8章『明石工作』の現代への教訓
日露戦争にみる戦争終結のタイミング
インテリジェンスなき太平洋戦争
徳富蘇峰と尾崎行雄の敗戦分析
「日本沈没」-明治のトップリーダーに学ぶこと

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論

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