前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日露300年戦争(3)『露寇(ろこう)事件とは何か』―『普通の教科書では明治維新(1868年)の発端をペリーの黒船来航から書き起こしている。 しかし、ロシアの方がアメリカよりも100年も前から、日本に通商・開国を求めてやってきた』

      2017/11/16

 

『元寇の役』に継ぐ対外戦争『露寇事件とは何か」

 

普通の教科書では明治維新(1868年)の発端をペリーの黒船来航から書き起こしている。しかし、ロシアの方がアメリカよりも100年も前から、日本に通商・開国を求めてやってきた。1784年ロシアはカムチャッカ半島

 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%84%E3%82%AB%E5%8D%8A%E5%B3%B6
からアリューシャン列島https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E5%88%97%E5%B3%B6
 

沿いにアメリカ大陸のアラスカへ渡り先住民族を殺戮し、物資を略奪しながら、コディアック島に進出した。同島は現在のアメリカの島では、ハワイ島に次いで2番目に大きい島。コディアク島には先住民として、ユピック系のコニアガ族がおり、狩猟、漁業、採集の生活していた。

1784年(天明4にロシア人の毛皮商人グレゴリー・シェリホフhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%9B%E3%83%95

がここに居留地を建設し、1792年以降はロシアによる毛皮貿易の中心地になった。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%9B%E7%9A%AE%E8%B2%BF%E6%98%93

1799年寛政11年)、ロシアはロシア領アメリカとしてアラスカの領有を宣言した。同時にシカトに拠点を移し、統治を「露米会社」に移管した。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%B2%E7%B1%B3%E4%BC%9A%E7%A4%BE

 東インド会社のロシア版「露米会社とは何か」

「露米会社」は極東と北米で植民地経営と毛皮交易を目的としたロシア帝国の特許会社である。

同会社はロシア領アラスカ(北緯55度以北のアラスカ)、アリューシャン列島、千島列島の毛皮採取、鉱物採掘を20年にわたり独占的に認められた。同社には商人たちや宮廷・皇族の面々が出資しており、会社の利益の3分の1は皇帝のものとなった。

オランダ、イギリス、フランスなどの東インド会社https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E4%BC%9A%E7%A4%BE

に匹敵したロシアの植民地経営の国営会社であった。

一方では、ロシアのシベリア制圧後の「露米会社」の戦略は2方向にわかれた。アラスカ方向と、日本に向けてカムチャッカ、千島列島から樺太と南下戦略である。

当時の徳川幕府は松前藩が蝦夷(北海道、樺太、千島列島)などを管轄していたが、そこへロシア船の侵入、襲撃、略奪が繰り返され、文化露寇事件が起きた。これが幕末の動乱のきっかけになり、ロシアとの領土紛争、侵略となり、明治になって樺太の両国分割管理、満州、朝鮮をめぐる領有権の争いの日清戦争(明治27年)、日露戦争(同37)へと続いたのである。現在の日露の北方領土紛争もこの延長線上にある。


1800年代といえば徳川文化・文政時代に当たり「化政文化」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E6%94%BF%E6%96%87%E5%8C%96

という町人文化が花開き浮世絵、歌舞伎、川柳など現代に知られる江戸期の町人文化の全盛期である。

現在とよく似た一国平和主義にどっぷりつかり、享楽的な文化のぬるま湯につかった武士たちは戦いを忘れて対外危機意識はまるでない、ゆでガエルの状態だった。

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
速報(365)『日本のメルトダウン』『NAVERまとめー自民党の政権公約に含まれる3つの爆弾』『総選挙で尊敬を集める野田首相』

速報(365)『日本のメルトダウン』     ◎『NAVER …

『Z世代のための米大統領選挙連続講座④』★『クルーニーがバイデン大統領に撤退を要請、崖っぷちのバイデン』★『トランプの経済政策は米国経済をつぶす」「16人のノーベル経済学賞受賞者が表明」』

2024/07/12 世界、日本リーダーパワー史(935) クルーニーがバイデン …

「オンライン・日本史決定的瞬間講座⑦」★「日本史最大の国難・太平洋戦争に反対し拘留された吉田茂首相の<国難逆転突破力>②』★『吉田は逮捕され40日間拘留された』★『日本人の国民性の欠点ついて「重臣たちも内心戦争に反対しながら、はっきり主張せず、後になて弁解がましいことをいう』★『吉田はジョークの達人』★『「いまの代議士はポリティシャン(政治屋)で、ステーツマン(国士、本当の政治家)ではありませんよ」』

吉田は逮捕され40日間拘留された 1945年(昭和20)に入り日本の敗北は決定的 …

no image
片野勧の衝撃レポート(56)戦後70年-原発と国家<1941-45>封印された核の真実①幻に終わった「日の丸原爆」(上)

  片野勧の衝撃レポート(56) 戦後70年-原発と国家<1941~45> 封印 …

no image
「日韓衝突の背景、歴史が一番よくわかる教科書」➂ベルツの『日本・中国・韓国』五百年の三国志② <日清・日露戦争はなぜ起こったのか>

日本リーダーパワー史(306)ベルツの「日中韓500年史②」『朝鮮が日本に併合さ …

no image
日中韓外交の教科書―1894(明治27)年11月26日 英国「タイムズ」掲載 日清戦争4ヵ月後―『日本と朝鮮―日清戦争の真実』(上)

日中韓外交の教科書―英国タイムズ報道の「日清戦争4ヵ月後―『日本と朝鮮―日清戦争 …

no image
●「従軍慰安婦問題」「村山談話」「河野談話」などについて村山富一・元首相が記者会見(日本記者クラブで、90分)

  「従軍慰安婦問題」「村山談話」「河野談話」など について村山富一・ …

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(87)』『2015年初頭までに日本を巨大地震が襲う!?(村井名誉教授)ほか6本

  『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(87)』   『2015 …

『オープン講座/ウクライナ戦争と日露戦争①』★『ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」がウクライナ軍の対艦ミサイル「ネプチューン」によって撃沈された事件は「日露戦争以来の大衝撃」をプーチン政権に与えた』★『児玉源太郎が指揮した日露戦争勝利の秘訣は軍事力以上に外交力・インテリジェンス・無線通信技術力・デジタルIT技術にあった』

  ウクライナ戦争でロシア侵攻作戦の要であるロシア黒海艦隊の旗艦・ミサ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(248)/『1894年(明治26)単騎シベリア横断をした福島安正大佐のインテリジェンス』「シベリアには英仏独のスパイが50年前から活動、日露戦争では英、仏、独のいずれかを味方とし援助を受けるべし』

 2016/02/26日本リーダーパワー史(674)/『戦略思考の欠落 …