前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(120)●「米議会「辺野古移設」を巡る沖縄知事選を厳しく分析」(10・6)

      2015/01/01

  

   池田龍夫のマスコミ時評(120

 

●「米議会「辺野古移設」を巡る沖縄知事選を厳しく分析」(106

 

 

池田龍夫(ジャーナリスト)

 

 

 

沖縄県知事選挙(1116日)まであと40日。現職の仲井真弘多氏(75)と那覇市長の翁長雄志氏(63)、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)らが立候補を表明し、選挙戦の行方は混沌としている。

特に仲井真氏を推す自民党も党本部と県議会との調整に苦慮しており、辺野古移設反対を掲げている翁長氏の動向が注目される。

 

「県内移設は断念しかみちはない」

 

米国議会は、このような状況を察知してか、厳しい現状分析をまとめた報告書を提出した。琉球新報104日付社説で「米議会報告書、県内移設断念しか道はない」との見出しを掲げて詳報していた。米側の分析に頷ける点があるので、その概略を紹介する。

              

「米議会調査局が公表した報告書では、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画に関する沖縄県内の状況について『仲井真知事の決断(埋め立て承認)にもかかわらず、ほとんどの県民が政治、環境、生活の質など複合的な理由から新基地に反対している』と分析した。

 

8月末の県内世論調査では辺野古移設に向けた海底ボーリング調査について8022%が移設作業は中止すべきだと回答。普天間問題の解決策を県外・国外移設や無条件閉鎖・撤去を求める意見の合計が797%に達した。もはや辺野古移設が現実的でないことを日米両政府は直視すべきだ。

 

安倍政権と県民との対立を懸念


 さらに報告書はこう記した。『安倍政権は仲井真知事の承認を得るために重大な時間と金を投じてきたが、重大な遅れなく、また県民との対立をこれ以上深刻化させることなく基地建設を進めるため、さらなる政治的資源を投じ続けなくてはならないだろう』。

 

米側が政府と県民との対立が深刻化していることに強い懸念を示していることが分かる。知事が政府の意向に沿うよう埋め立てを承認するまで『時間と金を投じてきた』」ように、基地建設を進めるためには県民に対しても政治的資源を投じるよう指南している。

 

しかしこの部分の指摘には同意できない。県民の頬を札束でたたけば基地建設を受け入れると思っているのならば間違いだ。米政府内で普天間交渉にも長年携わった知日派重鎮の日米外交筋は、11月の県知事選で移設反対派が勝利した場合、日米政府が移設作業を強行し沖縄と『全面対決』になれば『ディザスター(大惨事)になる』と警告している。

 

県民を懐柔して辺野古移設を継続することは不可能だと認識すべきだ。議会報告書の指摘する県民との対立の深刻化を回避する道は一つしかない。県内移設を断念することだ」――。

米報告書にあるように、県民の意向を正確に把握し、日米両政府は県外・国外移設に向けた作業にかじを切るべきだと考える。

 

 

 - IT・マスコミ論 , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(970)ー『政治家の信念とその責任のとり方』★『<男子の本懐>と叫んだ浜口雄幸首相は「財政再建、デフレ政策を推進して命が助かった者はいない。自分は死を覚悟してやるので、一緒に死んでくれないか」と井上準之助蔵相を説得した』

日本リーダーパワー史(970) 政治家の信念とその責任のとり方   統 …

no image
世界/日本リーダーパワー史(958)『ファーウェイ幹部逮捕で本格化、米国の対中防諜戦米国と諜報活動協定を結ぶ国が増加中』★『 AIの軍事利用で世界最先端を進み始めた中国』★『狙われる東京五輪とサイバーセキュリティー』

世界/日本リーダーパワー史(958) 『狙われる東京五輪とサイバーセキュリティー …

『大創業者の100歳長寿経営学』/グリコの創業者 江崎利一(97歳)『 「私の座右銘は、事業奉仕即幸福!。事業を道楽化し、死ぬまで働き続け、学び続け、息が切れたら事業の墓場に眠る」』

    2012/03/12  /百歳学 …

『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座㊱」『120年前の日露戦争勝利の立役者は明石元二郎と金子堅太郎』★『金子は米国ハーバード大学出身で、同窓生のルーズヴェルト米大統領を日本の味方につけた<金子工作>』★『「明石元二郎大佐による「帝政ロシア破壊工作の<明石工作>の謎を解く』

  『金子工作』『明石工作』と日露インテリジェンス戦争の内幕 &nbs …

no image
『オンライン/『英タイムズ紙による海洋国家日本の900年の歴史講座』★『蒙古襲来(1274年)から日露戦争(1904)までの海の道』★『今こそ、第3の鎖国を解き、アジア太平洋海洋国家へ飛躍しようー』

   2019/11/13  『リーダー …

no image
『地球環境大異変の時代③』ー「ホットハウス・アース」(温室と化した地球)★『 日本だけではなく世界中で、災害は忘れたころではなく、毎年、毎月、毎日やってくる時代に』突入!?』

  『災害は忘れたころではなく、毎年やってくる時代に』         …

no image
日本のメルトダウン(530)「沈没中のガラパゴス・日本=2030年、生き残れるのか』(5年前の現状分析、今はもっと早まるか?)

    日本のメルトダウン(530)   …

『和製ジェームス・ディーンと言われた「赤木圭一郎」の激突死(1961/02/21)』★『不死鳥の“トニー”は嘘だった』★『鎌倉英勝寺に眠る』

  赤木圭一郎が1961年(昭和36)2月14日昼休み、ゴーカートを運 …

「オンライン・日本史決定的瞬間講座⑫」★『電力の鬼」松永安左エ門(95歳)の<長寿逆転・不屈突破力>が『世界第2の経済大国』の基礎を作った』★『人は信念とともに若く、疑惑とともに老ゆる』★『葬儀、法要は一切不要」との遺書』★『生きているうち鬼といわれても、死んで仏となり返さん』

  ★「松永の先見性が見事に当たり、神武景気、家電ブームへ「高度経済成 …

東京国立博物館で開催の「運慶」展(9/26ー11/26)は入場者が60万人を突破する大人気』★『運慶仏像を間近に見ることが出来る鎌倉杉本寺を紹介する』★『その裂ぱくの大迫力にエネルギーをもらう』

  上野の東京国立博物館で開かれていた「運慶」展(9/26日から11/ …