前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』ー「21世紀は2020年から始まる。コロナウイルス共生の「新日常」へ』★『2020年が21世紀の<ITスマホ5Gネット革命>の幕開けになる』(5月25日)

      2020/10/04

「21世紀は2020年から始まる」―コロナウイルス共生の「新日常」へ

          前坂 俊之(ジャーナリスト)

  新型コロナウイルスの発生から半年間が経過したが、パンデミック(世界的流行)の拡大ペースは第2フレーズに入った。5月21日現在の世界での新規感染者数は1日増加数で10万6千人と過去最多を更新。感染拡大の中心地はこれまでの欧米先進国から、ブラジルやロシア、インド、中南米、アフリカなどの医療体制不備な国へ飛び火、感染者が急増し、パンデミックの中心地は分散シフトしている。

欧米で1ヵ月以上も続いたきつい「都市封鎖」(ロックダウン)は5月中旬から、各国では感染状況と見極めながら状況に応じて、順次、経済活動再開に向けて動き出した。

そんな中で欧米各国から遅れて、しかも緩やかな日本式の緊急事態法でのやりかたでは「PCR検査数が少ないので、日本の感染者数は28万~70万人に増えて、パンデミックの終結は困難だ」(英BBC)、NYタイムズは「日本政府は驚くほど無能」(朝日5月7日付)、「安倍首相はリーダーシップに欠ける」(米ブルームバーグ)、日本メディアからもさんざん叩かれた。

ところが、いざフタを開けてみれば、日本は感染者、死者数はオーバーシュート(爆発的伸び)するどことか、各国と比較すると5月23日現在で、100分の1ほどの低い数字に押さえ込んでおり、WHOも一転「ジャパンミラクル(日本の奇跡)」と称賛、英ガーディアン(5月22日付)も「大惨事の一歩手前から成功物語へ、 日本成功のミステリー(ナゾ)!」と手のヒラを返している。

これを、コロナ撲滅オリンピックマラソン大会に例えれば、欧米式とちがう形でのスタートダッシが遅れたとはいえ米国、EU各国が大被害を出している中で第一コーナーをまがった時点では先頭のトップグループに入っていたといえる。だが、これは長いマラソンレースの序盤に過ぎず、第2次、3次の感染の防止に向けには絶対に気をめてはならないと思う。

では日本の感染者、死者はなぜ少なかったのだろうかー

府、専門家会議は当初から、検査数の増加よりもクラスターを潰して感染ルートを断ち切り、重篤者、死亡者を減らすのに重点をおき、増加カーブをゆるやかにして、時間をかせぎして医療崩壊をなるべく遅らせることを戦略としたこと。それに「三密主義」「ソーシャルディスタンス」に国民も一致協力したこと。日本の国民皆保険制度と日本人の衛生思想の高さ、清潔好きの生活スタイル、きれいな水、マスク、うがいの励行、家の中では靴を脱ぐスリッパ文化、あいさつのハグ、キスのない身体非接触文化、ジフテリア、インフルエンザへの国民の免疫性が高いことなども加わった結果ではないかとみられている

 

政府は5月25日に北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県で継続中の緊急事態宣言を、今月末の期限を待たず、「直近1週間の新規感染者数の累計が人口10万人あたり0・5人程度以下」(解除の目安)をクリアしたと判断して25日に解除した。

結局、WHOのテドロス事務局長は「戦いは長い道のりで、感染拡大を抑えながら生活ウイルスと共生するのが「新日常」になり、世界は元に戻らない」と宣言した。米国の著名投資家ウオーレン・バフェット氏も「世界は変わってしまった」と述べ、世界の交通運輸の途絶によりデルタ、アメリカンなど米主要航空会社の株式を全て売却した。米国最大のヘッジファンドの創業者レイ・ダリオ氏も「世界経済が立ち直るには3年から5年の期間が必要だ。その間は自給自足や創造性、適合性といった概念が大切になる」と述べている。時代はもう元には戻らない。

ポストコロナの世界は一体どうなるのか。

①   20世紀型の「三密主義」(集中、マスメディア)から「リモートワーク時代(分散、SNS、マイメディアへ」、巨大都市集中(東京、ニューヨーク、ロンドンなど)、大量生産、大量消費、大量化石燃料消費(CO2排出)などの地球環境破壊の工業社会の終焉である。
②  株主強欲資本主義から、公益資本主義へ、「SDGs(持続可能な開発目標)」の情報資本主義の幕開けとなる。
③  ロックダウン(都市封鎖)と経済活動をストップした途端、北京の重度の大気汚染は収まり、タイの海でジュゴンがよみがえってきたことが、今回の犯人が新型コロナではなく20世紀の欲望追求、資源浪費の現代文明の大転換を告げている。
 

また一番重要なことはこのコロナ戦争の敗北体験を世界中の人々が同時共有したこと、世界一のニューヨークが死の町と化して死者がバタバタ死んだ現場の惨状をスマホSNS,youtubeでリアルタイムにみたことだ。

地球の中の国々はリアル(貿易、交通、輸出、輸入)にもバーチャル(通信、金融)にも強固に結びついており、国民ではなく地球人として自覚が生まれてきた。100年以上前の第一次世界大戦のスペイン風邪との戦いはアナログの新聞、写真でごく一部しか報道されなかったのと比べると、そのデジタル情報量(見える化情報)は天文学的に激増して、誰でも簡単に入手できる。

世界はスマホ黄金時代に入っており、従来のマスメディア(新聞、テレビなど)に代わる個人の「マイメディア」(SNS、ツイッター、フェイスブック、youtube)を4,5G通信網で流すことができるパラダイムシフト(社会全体の価値観が革命的に変化すること)が起こった。スマホを持っておれば、感染者や医療従事者に応援メッセジを動画付きでおくる、zoomを使えば学校での遠隔授業や国際会議も開催できるネット環境がよりバーチャル(仮想空間)で誕生しており

「2020年が21世紀のITスマホ5Gネット革命の幕開けになる。

 - 人物研究, 健康長寿, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑰ 』★『日本最強の外交官・金子堅太郎のインテリジェンス』★『ルーズベルト米大統領をいかに説得したか] ★『大統領をホワイトハウスに尋ねると、「なぜ、もっと早く来なかったのか」と大歓迎された』★『アメリカの国民性はフェアな競争を求めて、弱者に声援を送るアンダードッグ気質(弱者への同情心)があり、それに訴えた』

    2011-12-19 『ルーズベルト米大統 …

no image
人気記事再録/世界が尊敬した日本人(54)地球温暖化、地球環境破壊と戦った世界の先駆者/田中正造―『ただ今日は、明治政府が安閑として、太平楽を唱えて、日本はいつまでも太平無事でいるような心持をしている。これが心得がちがうということだ』」

   2016/01/25世界が尊敬した日本人(54) 月刊 …

no image
現代史の発掘①-『記事再録/ 太平洋戦争と大本営発表の真相』

<2005年1月>  『兵は凶器なり』(45)    15年戦争と新聞 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ(54)』建築家・坂茂氏の講演に感激「名利名声、蓄財を超越した使命に 奉仕する」こと

  『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(54 …

no image
速報(22)『日本のメルトダウン』34日目ー◎福島原発1号機廃炉までに長引けば100年かかる●

速報(22)『日本のメルトダウン』34日目 ◎福島原発1号機廃炉までに長引けば1 …

no image
速報(404)◎『高齢者から奪い、若者に与える安倍首相は正しい』◎『中国の高速鉄道はなぜ不便なのか』

 速報(404)『日本のメルトダウン』   ◎『高齢者から奪 …

no image
速報「日本のメルトダウン」(520)東京都知事選に細川元首相が出馬(1/14)「原発の問題は国の存亡に関わる問題」

   速報「日本のメルトダウン」(520) &nb …

no image
日本メルトダウン脱出法(800)「視点:米景気悲観は無用、株高継続の根拠=武者陵司氏」●「京都市の大胆な実験」●「「民泊」拡大が暗示するのは、銀行のない未来」

     日本メルトダウン脱出法(800) 視点:米景気悲観は無用、株高継続の根 …

no image
●★5『 京都古寺巡礼のぶらり旅!』『秀吉ゆかりの「京都醍醐寺」全動画案内30分(9/3)』―わが 『古寺巡礼』で深く感動した古刹、庭園です②』 金堂、不動堂、祖師堂ななどゆっくり散歩

 『 京都古寺巡礼のぶらり旅!』 『秀吉ゆかりの「京都醍醐寺」全動画案内30分』 …

no image
日本メルトダウン脱出法(797)「インターネット」こそがナショナリズムと宗教対立をもたらしたのか」●「ドルが基軸通貨でなくなる未来へのシナリオ」●「昆虫を害虫としか見ない日本は「宝の持ち腐れ」 欧州で勢いづく昆虫食、本当は「昆虫先進国」の日本では?」

 日本メルトダウン脱出法(797)   「インターネット」こそがナショナリズムと …