『リーダーシップの世界日本近現代史』(294)★『 地球温暖化で、トランプ対グレタの世紀の一戦』★『たった1人で敢然と戦う17歳のグレタさんの勇敢な姿に地球環境防衛軍を率いて戦うジャンヌダルクの姿がダブって見えた』★『21世紀のデジタルITネイティブ」との世紀の一戦』★『2020年がその地球温暖化の分岐点になる』
地球温暖化で、トランプ対クレタの戦い』
前坂 俊之(ジャーナリスト)
米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は1月23日、地球滅亡までの時間を表す「終末時計」の針を進め、残り時間を「100秒」とした。この終末時計は第2次世界大戦後の1947年に設置されて以来、残り時間は最短となりました。
同社長は「世界が破滅に近づいている危機を示すために時間を秒に変えた。人類は最大の緊急事態に直面している」と述べ、その理由として①核戦争、核軍拡競争の激化②気候変動(地球温暖化)の脅威➂「破壊的技術」(人工知能(AI)や遺伝子編集など)などを上げている.
この発表と同じころ、世界経済フォーラム(WEF)第50回年次総会(ダボス会議)がスイスで開催された。この終末時計を進めた張本人の1人のトランプ大統領が演説し、米国第一主義の経済成果を強調してして自画自賛を展開、「IT技術で革新できれば、数百万から数億人が幸福で健康的な生活を保障することができる。悲観的な予言者(グレタ・トゥンベリさん)を拒絶するべきだ」と述べたのです。
これに対して17歳の環境活動家のグレタさんは「私たちの家(地球)は今も燃えている。気候変動という事実は議論の余地ありません。みなさんは、『子どもは心配するな』、『大人にまかせろ。失望させない』という。そんな空虚な言葉と約束では気候変動で何もしないのと同じだ。化石燃料の経済をすぐにも終わらせねばならない』と各国のリーダーたちを真正面から批判した。
ムニューシン米財務長官はこの論戦に加わり「彼女はチーフエコノミストなのか。大学に行って経済学を学んでからすればよい・・・」と皮肉ると、「われわれの活動に学位は必要ない。私たちは常に批判されている。それをいちいち気にしていたら、何もできないわ。」と軽く一蹴したのには驚いたね。その度胸、信念には驚嘆した。
世界を牛耳るトランプ強圧政権に対して、たった1人で敢然と戦うグレタさんの勇敢な姿に私は瞠目した。まるで、地球環境防衛軍を率いて戦うジャンヌダルクの姿と一瞬、ダブって見えた。「20世紀のアナログ老世代」対「21世紀のデジタルITネイティブ」との世紀の一戦ではないかと思いますよ(笑)
20世紀のアナログ老世代」対「21世紀のデジタルITネイティブ」との世紀の一戦
そんな時に、アメリカの中から強力な援軍が彗星のごとく現れたのには驚きました。時の勢いですね。18歳の環境活動家の女性シンガー・ソングライター、ビリー・アイリッシュさん。彼女は背中に大きな翼を生やした白鳥のスタイルで登場し、空から落下して地上で石油の池に墜落して油まみれになる。
何とか立ち上がり、どす黒いオイルにまみれの翼を炎に焼かれながら、かすれ声で歌う衝撃のミュージックビデオ(MV)「All the good girls go to hell(良い子にしていても、皆、地獄行き)」が1月26日の第62回グラミー賞授賞式で「年間最優秀アルバム賞」など主要4部門に輝いた。4部門受賞はグラミー賞では初めての快挙。
この歌詞の続きは「カリフォルニアの丘が燃えている」「水位が上がって天国が見えなくなったら、悪魔と手を組みたくなるかも知れない」など地球温暖化を告発するMV。SNSやインターネットを通じて拡散したこの曲は100カ国以上、160万人にものぼる若者たちの共感を呼び、グレタさんらの援軍に駆けつけて大きく拡がっているのです。
-
2020年がその地球温暖化の分岐点になる。
-
確かに、地球はあちこちで燃え続けている。オーストラリアの山火事でこの半年間で日本の面積の半分が消失、30人近くが死亡。オーストラリア固有種のワラビー、コアラ、オオコウモリなど希少など希少動物など12億匹以上が犠牲になったといわれる。(世界自然保護基金(WWF)調べ)。
昨年、オーストラリアの年間平均気温は過去最高で、逆に平均降水量は過去最少となり、雨不足による乾燥が森林火災の原因とみられている。また、ブラジル・アマゾン川流域の熱帯雨林でも昨年1月から8月にかけて、4万5千件もの火災が起きている。
世界気象機関(WMO)によると、「現在進行中の世界的な気温上昇で北極、シベリアやオーストラリアなでは森林火災が発生し、ハバナや日本では、壊滅的な台風やサイクロンの被害が発生している」と指摘している」
また、世界の気象学者は「これからの10年が人類の未来を決める。2020年がその地球温暖化の分岐点になる」と口をそろえる。地球温暖化をストップするために、2015年になってやっと気候変動抑制に関する主要な国際的枠組みである「パリ協定」が成立、「産業革命前からの気温上昇を1.5°Cにとどめるには、2030年までに二酸化炭素排出量を、2010年比で45%削減する」との内容で195カ国が署名、合意した。
しかし、各国のCO2排出削減の目標と実行は足並みがそろわず難航し、昨年9月には、世界第2位のCO2排出国であるア米国のトランプ大統領がパリ協定の離脱を表明し、同年12月のマドリード開催のCOP25でも、各国の代表が合意はできなかった。その間、2017年に国連はこのままの排出量が増え続ければ2100年までに気温は3.2°C上昇すると報告している。』英国気象庁や気象学者の多くは「気温が3℃上昇すればオーストラリアなどの大規模森林火災は日常茶飯事となる。CO2排出量が2020年に減少に転じなければ、手遅れになる、今が最後のチャンスなのです」と警告する。
関連記事
-
-
『Z世代のための百歳学入門』★『物集高量は(元朝日記者、大学者、106歳)は極貧暮らしで生涯現役、106歳の天寿を果たした極楽人生の秘訣③』★『物集高量の回想録②、大隈重信の思い出話』★『大隈さんはいつも「わが輩は125歳まで生きるんであ~る。人間は、死ぬるまで活動しなければならないんであ~る、と話していたよ』
2021/05/28   …
-
-
世界/日本リーダーパワー史(898)『米朝会談は5月に迫る!』★『5月の日米首脳会談でトランプが日本を切り捨てる可能性』●『 中朝“血の同盟”にトランプ氏激怒 軍事オプションに障害…「核・ミサイル開発」時間稼ぎ許す恐れも』★『コラム:北朝鮮の金正恩氏、「変心」は本物の可能性』
世界/日本リーダーパワー史(898)『米朝会談は5月に迫る!』 5月の日米首脳会 …
-
-
「日韓衝突の背景、歴史が一番よくわかる教科書」②記事再録『ベルツの『日本・中国・韓国」と五百年の三国志①<日露戦争はなぜ起こったのか>
クイズ『坂の上の雲』ーベルツの『日本・中国・韓国』五百年の三国志①<日露戦争はな …
-
-
Z世代のための日本戦争史講座』★『東京裁判で検事側証人に立った陸軍の反逆児・田中隆吉の証言①』★『1941年12月8日、真珠湾攻撃前後の陸軍内、東条内閣の動向を克明に証言している』
2015/05/17 …
-
-
世界が尊敬した日本人ー『エ・コールド・パリ』・パリ画壇の寵児となった『世界のフジタ』藤田嗣治
世界が尊敬した日本人 前坂 俊之静岡県立大学名誉教授 明治以降の日 …
-
-
日本新聞史<満州事変から太平洋戦争までの戦時期の日本の新聞>
1 =戦争と新聞を検証する= 1995年2月15日 前坂 俊之 静岡県立大学国際 …
-
-
戦後80年・現在の自民党の生みの親・政界の最長老ともいうべき古島一雄の敗戦の弁を聞く』★『大東亜戦争敗戦の原因である軍閥・官僚統制国家を改革できなかった政治の責任を反省する』(昭和20年10月8日の手紙)
2011/07/23 日本リーダーパワー史( …
-
-
速報(237)『冷温停止のウソを信じて、恐ろしい放射能の危険に目をつぶって座して死を待つのか』2,4号機の反乱
速報(237)『日本のメルトダウン』 ★『冷温停止のウソを信じて、 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(744)「大村智さんノーベル賞受賞、背景にある日本人の心 成果や実績を求めるのではない、ファクトへの飽くなき追究」●「朝鮮半島の南北統一に日本は大いに首を突っ込め 「韓国にも日本にもメリットがある」と米国の専門家」
日本メルトダウン脱出法(744) 大村智さんノーベル賞受賞、背景にある日本人の …
-
-
日本リーダーパワー史(610)日本国難史にみる『戦略思考の欠落』⑤『1888年(明治21)、優勝劣敗の世界に立って、日本は独立を 遂げることが出来るか」末広鉄腸の『インテリジェンス』①
日本リーダーパワー史(610) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』⑤ 『1888 …
