前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(192)記事再録/『一億総活躍社会』『超高齢/少子化日本』のキーマンー「育児学の神様」と呼ばれた小児科医 内藤寿七郎(101)「信頼をこめて頼めば、2歳児でも約束を守る。子どもをだます必要などありません」

   

 

  2015/11/15知的巨人たちの百歳学(141)記事再録

101歳 小児科医 内藤寿七郎 (1906年10月23日~2007年12月12日)

「育児学の神様」と呼ばれた内藤は、若い親向けに書いた育児の本で子どもを信頼することの大切さを説き続けた。

診察では床にひざをつき、子どもと同じ目の高さで子どもの目をじっと見ながら笑顔でやさしく語りかけ、聴診器を頬で暖めて使う。その誠意に満ちた診察が親たちに絶大な信頼を生んだ。

軍医の家に7人兄弟の末っ子で生まれた。生後まもなく感染症にかかり医者に見離されるが、漢方医の診察を受け一命を取り留めた。少年時代にもスペイン風邪や腸チフスにかかった。こうした体験が医者への感謝と尊敬の念を育て、小児科医を目指す動機となった。

東京帝大医学部を卒業し、東大小児科学教室に勤務。恩賜財団愛育会が開設した愛育病院の小児科医長に就任。病院では病児の診療に当たるとともに、母親たちの育児の悩みに丁寧に耳を傾け、的確に助言して安心を与える。

内藤は1949年に愛育病院から日赤中央病院に移り、56年に愛育病院に戻るが、患者もその度に一緒に移って、さながら民族の大移動のようだったという。「育児の神様」といわれたが本人は気にいらなかった。

「神様なんかじゃない。一生懸命診てきただけだよ」と。

 

1986年5月、英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日した際、育児について内藤の話を聞きたいと、東京で会った。

チャールズが「子どもを怒ってもいいんですか」と聞くと、内藤は「怒ってもいいけど、頭だけは絶対叩いたらいかん。

パンツを下ろしてからお尻を叩きなさい」とアドバイスして話題となった。

1992年に日本人初の「シュバイツァー博愛賞」を受賞した。

96歳の時に出版した『子どもの「花」が育つとき』(小学館)には子どもたちの幸せな成長を願うやさしさにあふれている。子どもの自我を大切にして認め、自制心引き出して育てなさいと、助言している。

Wiki内藤寿七郎https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E8%97%A4%E5%AF%BF%E4%B8%83%E9%83%8E

 

相手の目を見て(内藤寿七郎 愛育病院名誉院長)

http://ameblo.jp/tenthijin/entry-11176204131.html

 

内藤寿七郎先生を偲ぶ

http://www.blog.crn.or.jp/report/01/010.html

内藤壽七郎先生

 

http://www.petitspoissons.com/ped/Int-3J.html

 - 人物研究, 健康長寿, 戦争報道

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
片野勧の衝撃レポート太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災⑮ 3/10 東京大空襲から 3/11東日本大震災へ<下>

 片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災⑮ 『なぜ …

no image
I will introduce the Kamakura guidance over KAMAKURA History Road,to foreign touristsー「名越の切通し」「まんだら堂」

湘南海山ぶらぶら日記ー名越の切通し、まんだら堂が「鎌倉古道ウオーキング」 (KA …

no image
<まとめ>『日清戦争,日露戦争』の戦略を立案した参謀総長・川上操六の<最強のインテリジェンス>こそ明治躍進のカギ②

 <まとめ>川上操六について②   『日清戦争』『日露戦争』 …

no image
『オンライン/鎌倉ウインドサーフィン動画』★『鎌倉材木座の青春の輝き』(2020/11/22)★『太陽がいっぱいの青い海にカラフルでキラキラ輝くウインドサーフィンの美しいチョウチョの舞が見えた。

鎌倉材木座の青春の輝き(2020/11/22am11)-太陽がいっぱいの青い海( …

「オンライン外交力講座」日本リーダーパワー史(396)『中国が恫喝・侵略と言い張る台湾出兵外交を絶賛した「ニューヨーク・タイムズ」 (1874(明治7年)12月6日付)」★「日中韓150年対立・戦争史をしっかり踏まえて外交力を再構築せよ⑤  

  2013/07/20    …

no image
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑫『英ノース・チャイナ・ヘラルド』/『日露開戦半年前ーロシアは戦う用意ができていること,そして,満州ですでに得ている地位から1インチたりとも退かないことだ。』★『「戦争になるのか,ならないのか,すべては日本にかかっている。日本は朝鮮において守らなければならない大きな利益を持っている』●『ロシアは,木材伐採権を口実に,満州と朝鮮との国境をなす鴨緑江の両岸を要求し,河口の朝鮮側にある竜岩浦の湾を要塞化しているが,朝鮮に対する侵略であり,日本に対する脅威だ。』

 『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑫   1903(明治36) …

no image
日本リーダーパワー史(63)『インテリジェンスの父・川上操六』⑨の「日本最強のリーダーシップ」とは・・・・①

日本リーダーパワー史(63)   名将・川上操六⑨の『最強・究極のリー …

『オンライン/日本リーダーパワー講座』/野球の神様・川上哲治の『V9常勝の秘訣』とはー ①「窮して変じ、変じて通ず」 ②「スランプはしめたと思え」 ③「むだ打ちをなくせ」 ④「ダメのダメ、さらにダメを押せ」

    2011/05/20/ 日本リー …

no image
名リーダーの名言・金言・格言・苦言・千言集⑪『不利は有利に通ず』(岡田卓也)『いいことも、悪いことも忘れて没入せよ』(川上哲治)

<名リーダーの名言・金言・格言・苦言 ・千言集⑪       前坂 俊之選 &n …

no image
<まとめ>頭山満について-『玄洋社』(頭山満)を研究することなくして、明治・大正裏面史を解くことはできないよ

 <まとめ>頭山満について  『明治維新から昭和敗戦史』 ま …