前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

百歳学入門⑰ <日本超高齢社会>の過去とは⑦…<日本の総理大臣ランキングは・・賢相、悪相、凡相、愚相、病相たち・・>

   

百歳学入門⑰
 <日本超高齢社会>の過去とは⑦…
<日本の総理大臣ランキング、賢相、悪相、凡相、愚相、病相・・>
 前坂 俊之
                (静岡県立大学名誉教授)
 
<Q>じゃ、政治家の品定めと行きましょう。日本の総理大臣は鳩山首相で、歴代93人おります。その在任期間は平均でも2年間弱、この20年ほどでみると小泉首相以外は安部、福田、麻生首相はいずれも1年前後で目まぐるしく交代して政治の混乱、低迷が続いていますよね。
 
「国力の低下、国際社会での日本の地位の低下は国際競争力ランキングの大幅ダウンに比例しています。かっての経済は一流、政治は二流といわれましたが、いまや経済も3流以下、政治は5流に転落して、先進国では落第生になりました。その第一の政治家のリーダーシップを採点しましょう。

日本の歴代宰相の名宰相、凡宰、愚宰、奇人宰相・・、もともと「和を持って尊ぶ」気風、年功序列、派閥談合の中では、リーダーシップのある指導者は選ばれない仕組みが出来上がっている、凡宰、愚宰のオンパレードですよ。問題先送り、解決能力なし、難しい問題、とくに国際的な問題、外交の解決能力をもった政治家がいない、育たな日本の風土、国民性そのものがのが「日本の悲劇」なのですね。

当然、国家としての指導力、決断力が一番必要とされる戦争では必然的に失敗しやすい。太平洋戦争のように自滅の戦争に特攻隊よろしく突入する。」
 
「戦争はあくまで外交の延長戦なのですが、日本は戦争の1つの手段としてしか外交をみなしてこなかった。今再び、「グローバリズムと言う名の世界経済戦争に突入して、この20年間敗北に次ぐ敗北で、いうおいうお国家倒産、第2の敗戦が目の前に迫っている状態ですね。
大敗北が迫っている国難なのに、国会では鳩山首相は母親から何十億円の子供手当をもらい、小沢は父親から何億円の子供手当をもらうあきれ果てた2世3世の甘えの構造議員(リーダーシップのかけらもない)連中が「小田原評定」を国会中継で危機意識もなくやっているのですから、太平洋戦争末期の軍閥無能政治と全く同じ構造ですね。

本当に、国の将来を思うと暗たんたる気持ちになってきます。問題山積みですが多数決の中でリーダシップのある指導者は欠如、国力の低下、国際社会での日本の地位は低下はもはや止めようがない水準に転落中ですね。」

 
じゃ、気を取り直して政治家の年令比較と行きましょう。
 
総理就任時の年齢の若い順は
    伊藤博文 44歳
    近衞文麿 45歳、
    黒田清隆 47歳
    山縣有朋 51歳
    安倍普三 52歳
    桂 太郎 53歳
    田中角榮 54歳、
    細川護煕 55歳
    西園寺公望 56歳
    東條英機 57歳
    海部俊樹 58歳
    片山 哲 59歳
 
 
これを見ると、なんといっても初代の首相の伊藤博文44歳が一番若い。2番目は近衛文麿の45歳、この時は期待されて登場した近衛の第一次内閣のときで、日中戦争の勃発の時期に登場して、大政翼賛会、国家総動員法などで、太平洋戦争への道を開くことになり、最大の失政を行った。経験不足であり、指導力の欠如です。三番目に若いのは酒乱で、妻を切り殺したといわれる黒田清隆(第2代首相)が47歳です。
陸軍を創設し、藩閥政治の親玉・山県有朋が51歳、それについで登場するのが安倍晋三で52歳です。かれはリーダーシップという点では、経験不足で荷が重過ぎて、結局若気の至りで総理の重いイスに押しつぶされた感じですね。日露戦争を指揮した桂太郎は53歳で就任、田中角栄は54歳、細川護 55歳といったところです。
 
あとは、60歳過ぎで年功序列的に、派閥順送りで総理大臣になっていたケースがおおいですよね。
 
 
逆に、就任年齢の高い総理大臣を見ていきましょう。
 
   鈴木貫太郎       77歳
   犬養 毅        76歳
   大隈重信(2度目)   76歳
   清浦奎吾       73歳9ヵ月
   齋藤 實      73歳5ヵ月
   幣原喜重郎    73歳1ヵ月
   石橋湛山      72歳
   宮澤喜一      72歳
   福田赳夫     71歳
   福田康夫     71歳
    
 
では歴代首相の長生きした順では①東久邇稔彦102歳②鈴木善幸93歳③清浦零語92歳④西園寺公望⑤91歳福田赳夫、片山哲の90歳⑦吉田茂、松方正義89歳⑨石橋湛山88歳⑩宮沢喜一87歳だが、政界引退ごも、西園は最後まで元老として、首相の任命権をもって活躍したが、戦後では吉田茂が大磯でリモートコントロールした。それ以外の首相は引退しかつ、そのごの政治的な影響力は残さなかった。今や昭和の元老的な存在になりつつある中曽根康弘は87歳で迫っているよね。
 
問題はこの 在職日数ですよね。
 
通算在職日数
① 桂太郎      2886日、
② 佐藤栄作    2798日、
③ 伊藤博文     2720日、
④ 吉田茂     2616日、
⑤ 小泉純一郎   1980日
     中曽根康弘   1806日
     池田 勇人   1,575日
     西園寺 公望  1,400日
     岸 信介     1,241日
     山県 有朋   1,210日
     原 敬      1,133日
 
 
 
政治家の長寿者は次の通りである。
 
102歳 東久邇宮稔彦王
93歳 鈴木善幸
92歳 清浦奎吾
91歳 西園寺公望
90歳 岸信介
90歳 福田赳夫
89歳 松方正義
89歳 吉田茂
89歳 
★中曽根康弘
88歳 片山哲
88歳 石橋湛山
87歳 宮沢喜一
84歳 岡田啓介
84歳 平沼騏一郎
83歳 山縣有朋
83歳 大隈重信
83歳 若槻礼次郎
82歳 
★村山富市
81歳 山本権兵衛
81歳 三木武夫
80歳 鈴木貫太郎

こうしてみるとやっぱ政治家って長生きなのかね

 
 
Q>・・・政治家のリーダーシップは国力を発展させ、国民の幸福を増進することです。その点で名宰相をあげていただきますか。こちらで独断と偏見で採点しましょうよ
 
順番に言えば、明治国家を建設、日露戦争の勝利を勝ち取った伊藤博文、桂太郎、加藤友三郎も評価したいね、かれは首相としては短命だったので陽炎内閣といわれて業績を残していませんが、ワシントン軍縮条約で海軍を抑えきった亮力はたいしたもの。
 
原敬も暗殺されたので、そうでなければ大正デモクラシーはもっと違ったものにもっと高めたことでしょうね。彼の暗殺の原因は言葉の勘違いなんですね。犯人・中岡良一は鉄道の踏切手ですが、上司との政治談議の中で「お前は腹を切れ」と叱られたのを「原〔敬〕をきれ」と指示〔殺人教唆罪〕されたと勘違いして、東京駅で日本刀の小刀で体当たりして刺し殺したのです。この勘違い殺人で中岡は無期懲役で、13年で出ているんですね。「歴史の面白さ裏話です。
それから、浜口雄幸もテロで死にますが、かれはピストルで右翼に撃たれ、腹部の傷が治らず、そのなかでも長期の病床を赦さず、責任感が強いので、国会答弁できない体、立っておれない状態なのになのに顔面蒼白で、2時間も演説させたのですから、命を縮めたんですね。今の、無責任な2,3世議員と政治への志、責任感が違います。また、テロにいつ狙われるかわからないという危機意識はいまの政治家の比ではないですね。
続いては鈴木貫太郎ですね。かれなくしては終戦があそこまで見事に全兵をおくことはできなかったでしょうね。
ソレと戦後は吉田茂、かれが現在の政治体制の基礎をつくったのです。石橋も忘れられない、名宰相ですし、いかだ、佐藤は吉田政治の完成者。中曽根、細川はもう少しやらせたかったが、何といっても線が細い。小泉は戦後保守政治の欠陥に世論を味方につけテレビポリティックスによって買い買う下方向制覇評価したいですね。
 
藩閥政治、元老政治、官僚政治、老害政治から脱却できていませんね。
 
 

 - 健康長寿 , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本メルトダウン(1010)ー1月9日付日経朝刊『どうする2025年のその先―現実を直視せぬこの国』(芹川洋一論説主幹)「2025年、日本では3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という人類史上かつて経験したことのない超超高齢社会を迎える。

 日本メルトダウン(1010)   今からちょうど20年前の日経新聞の1997年 …

no image
知的巨人の百歳学(144)/『天才老人・本多静六(85歳)ー「70,80歳になっても元気で創造する秘訣―『人間は老衰するから働けなくなるのではなく、働かないから老衰する』★『② 「忙しさ」が自分を若返らせる、忙しいことほど体の薬はない』

  記事再録/ 2012/05/12/ &nbsp …

no image
記事再録/知的巨人たちの百歳学(142)●長谷川如是閑(93歳)の悠々自適とはー「他からわずらわされない悠々自適の暮しが健康法」 ●「老人になって子供に帰ったのではなく、20歳前後から 同じ気持をもちつづけてきていて、それに帰っただけの話」

  2015/08/26/知的巨人たちの百歳学(114) 長谷川如是閑 …

『 Z世代にためのス-ローライフの研究』★『元祖ス-ローライフの達人・仙人画家の熊谷守一(97歳)のゆっくり、ゆっくり、ゆっくり』★『小学校の時、先生はいつも「偉くなれ、偉くなれ」というので、「みんなが、偉くなったら、偉い人ばかりで困るのではないか」と内心思った』

仙人、超俗の画家として生前も人気の高かった熊谷は没後,評価はますますうなぎのぼり …

no image
「長寿の秘けつはセンティナリアン(百歳人)に聞け」・ 前坂俊之県立大教授が出版「百歳人」の名言

                                  <静岡新聞  …

no image
記事再録/知的巨人たちの百歳学(141)-民俗学者・渋沢秀雄(90 歳)の「健康長寿10訓」『一怒一老、一笑一若』『少肉多菜 少塩多酢 少糖多果 少食多齟 少衣多浴 少車多歩 少煩多眠 少念多笑 少言多行 少欲多施』です。

知的巨人たちの往生術から学ぶ③ 前坂 俊之     朝日の[ …

no image
百歳学入門(156)生死一如、生きることは毎日死に向かって行進中。 「生き急ぎ、死に急ぎ、エンディングス トーリー」を考える。『 健康寿命が真実を示す~日本は寝たきり年数ワースト1位!?』●『どうなる? 日本の「死」と葬儀』

百歳学入門(156) 生死一如、生きることは毎日死に向かって行進中。 「生き急ぎ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(86)記事再録/ ★『日本で最も偉かった財界人は一体誰か?③>』 ★ 『単に金もうけだけしか考えない人間が多すぎる、そんな拝金亡者が 世界中で地球の有限な資源を食い尽し、地球環境は瀕死の状態だ。 三井、三菱、住友その他の実業家より偉大な財界人・ 社会貢献の偉大な父・大原孫三郎から学ぶ③ 』

    2012/07/15 / 日本リ …

no image
生涯現役・百歳実践入門–『鎌倉で天然生活』大漁!豊漁?―カヌーフィッシングで百歳めざす

生涯現役・百歳実践入門   『鎌倉で天然生活』大漁!豊漁?―カヌーフィ …

no image
知的巨人の百歳学(146)ー『憲政の神様・尾崎行雄(95歳)の『私の長寿と健康について』>『 生来の虚弱体質が長寿の原因である』

『憲政の神様・尾崎行雄(95歳)の『私の長寿と健康』> ① 生来の虚弱 …