前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

百歳学入門⑲ <日本超高齢社会>百歳元気長寿者リスト②

   

 
                        百歳学入門⑲
 <日本超高齢社会>百歳元気長寿者リスト②
 
 前坂 俊之
                (静岡県立大学名誉教授)
 
 
四世竹本綱吉 103歳(1905年3月18日~2008年8月8日) 女流義太夫。三世竹本綱吉に入門、綱昇と名乗る。吉本興業主催の女浄瑠璃人気投票で第一位獲得し、8年間その座を守る。昭和13年四世綱吉を襲名。若手俳優のために浄瑠璃を指導するなど浄瑠璃界のために尽力する。最高齢の弾き語りミュージッシャンとしてギネスブックから認定証が送られた。
 
 
芦原義重 102歳(1901年3月4日 – 2003年7月12日) 実業家。関西電力元社長・会長。関電の中興の祖と呼ばれ関西の財界に影響力を持ち続けた。いち早く原子力発電を導入。経営全般の近代化・効率化に努める。財政制度審議委員・科学技術審議議員などの公職を歴任するとともに、関西経済同友会の代表理事や関西経済連合会会長なども務めた。
平塚運一 102歳(1895年11月17日~1997年11月18日) 版画家。石井柏亭に師事。第3回二科展で版画「出雲のそりこ舟」「雨」2点が入選、また第3回日本美術院展にも油絵「出雲風景」、水彩画「麓の小山」が入選した。戦後は「版画の技法と研究」「平塚運一名作版画集」など次々と刊行。 海外での個展多数。勲三等端宝章受章。
 
岡野喜太郎 101歳(1864年~1965年) スルガ銀行創設者。地方農村の窮乏を目の当たりにして貯蓄組合を発起、明治20貯蓄組合共同社を創設。明治28年根方銀行を創立して頭取。翌年駿東実業銀行、明治45年駿河銀行(現スルガ銀行)と改称。戦時下の一県一行主義の大蔵省の方針を拒否するなど、気骨ある銀行家として知られた。
 
曽宮一念 101歳(1893年~1994年) 画家。大下藤次郎に水彩画を学ぶ。光風会入選。仁科会樗牛賞受賞。静岡高校教師。仁科会会員。独立美術協会会員。戦後、国画会会員になるが緑内障のために退会。欧州旅行の後に失明する。晩年は静岡県富士宮市で過ごす。代表作に「裾野と愛鷹」「マルセイユのノートルダム」など。エッセイストで随筆に「海辺の溶岩」などがある。
 
柳生亮三 101歳(1905年10月26日~) 動物、微生物学者。広島大学名誉教授。日本原生動物学会名誉会員。専門分野はゾウリムシなど細かな体毛を持つ「繊毛虫」といわれる種類。これまで32種類の新種を発見、世界の学会に発表。百科事典に載っている繊毛虫のイラストには、今も柳生の繊細な絵が使われている。
 
野々村一男 101歳(19061115日~) 彫刻家。東京美術学校彫刻科に入学在学中に日展初入選。日展特選受賞。日展特選受賞。総理大臣賞受賞。「物とのはざま」で日本芸術院賞受賞。愛知県立芸術大学創立と共に同大学彫刻科教授となり同大学客員教授。代表作品に名古屋駅前の「青年像」などがある。
 
棚橋絢子 101歳(1839年~1939年) 教育者。失明の漢学者棚橋大作と結婚,愛知県で寺子屋や私塾などを開く。その後上京,貴族の娘の家庭教師や学習院等で教師として活躍。 58歳の時,名古屋市が高等女学校(現在の菊里高等学校)の創設を依頼し,初代「おなご校長」として評判となる。その後,東京高等女学校(現東京女子学園)の初代校長。
 
内藤寿七郎 101歳(19061023日~2007年12月12日) 医学博士。恩賜財団愛育会愛育病院名誉院長、日本小児科医会名誉会長。日本の小児科学、保健衛生学、育児学のパイオニア。日本人として初めてシュバイツアー博愛賞を受賞。著書に、「若い両親へ」「子どもの花が育つとき」ほか多数。「あたたかい心を育てる運動」提唱。内藤寿七郎国際育児賞がある。
 
松原泰道 101歳(1907年11月23日~2009年7月29日) 僧侶。臨在宗妙心寺派教学部長、同派東京龍源寺住職、「南無の会」会長などを歴任。全国青少年教化協議会理事。仏教伝道協会理事。1989年、第二十三回仏教伝道文化賞を受賞。また、2000年には禅文化賞を受賞。30年の間に著された130冊を越える著書はいずれもベストセラ-を記録。
 
 鈴木貞一 100歳(1888年12月16日~1989年7月15日) 陸軍中将。国務相兼企画院総裁。戦前はひたすら立身出世に邁進したエリート軍人官僚。終戦後にA級戦犯として終身禁固刑が下されたが仮釈放。その後は軍人仲間とは一切交流を絶ち、法華経と座禅に明け暮れる生活を送る。毎日の冷水摩擦、和食中心の質素な食事で長寿を全うした。
 
新見吉治 100歳(1874年10月9日~1974114 歴史学者。我が国で最初に歴史教授法を開講した。明治末年ドイツに留学しランプレヒトに師事。ドイツ文の「日本における武家政治の研究」で学位を取得。広島文理科大学教授、愛知工業大学教授。代表的著書に「下級武士の研究」「旗本」「壬申戸籍成立に関する研究」などがある。
 
小島政二郎 100歳(1894131日~1994324日) 作家。慶応大学在学中に作家たちの文章を分析した論文が森鴎外の目にとまる。「赤い鳥」「三田文学」の編集に携わる。「一枚看板」「家」で作家としての地位を確立した後、「海燕」「人妻椿」などの大衆小説で売れっ子となる。菊池寛、芥川龍之介などとも親交があった。
 
 土屋文明 100歳(1890年9月18日~1990年12月8日) 歌人。国文学者。幼少期から俳句に親しみ、東大在学中に芥川龍之介らと第三次「新思潮」の同人となる。教師生活とともに作歌活動を続け、アララギ派の指導的存在に。万葉集の研究でも知られ「万葉集私注」などの著作がある。日本芸術院会員。文化功労者。文化勲章を受章。
 
丹羽文雄 100歳(1904年11月22日~2005年4月20日) 小説家。早稲田大学卒業後に書いた作品が永井龍男によって評価される。戦後は東京・銀座などを舞台とした風俗小説で流行作家の仲間入りを果たす。代表作に蛇と鳩(野間文芸賞受賞作)一路(読売文学賞受賞作)など。文壇の大御所的存在で日本文芸家協会理事を務め、文化勲章を受章。
 
 長谷川周重 100歳(1907年8月8日~1998年1月3日) 元住友化学相談役。東大法学部を卒業し住友化学社長、会長、相談役に就任。在任中、大阪商工会議所会頭をめぐり住友金属の日向方斉との暗闘は清水一行により「小説 財界」として描かれた。経団連副会長、日経連理事を歴任。藍綬褒章、フェニックス賞、勲一等瑞宝章などを受賞。
 
保科善四郎 100歳(1891年3月8日~1991年12月25日) 軍人。政治家。元海軍中将。海軍省軍務局長兼運輸本部長 兼大本営戦力補給部長。戦後は自民党から出馬し衆議院議員。財団法人日本国防協会の設立に尽力し初代会長。主な著書に「大東亜戦争秘史失われた和平工作・保科善四郎回想記」など。勲一等旭日重光章受章。
 
弥永昌吉 100歳(190642日~ 200661日) 数学者。専門は整数論。東大理学部教授、学習院大学教授。学士院会員。後進の育成に定評があり、幾何や解析など自分の専門外の分野でも優れた弟子を数多く育てた。ベトナム平和運動や核廃棄廃絶運など平和運動にもかかわる。専門内外での政治的行動も活発だった。著書多数。

大宅昌 100歳(1906年10月19日~2007年5月24日) 評論家。ジャーナリスト大宅壮一の妻。大宅壮一文庫理事長。大宅壮一の蔵書をもとに設立された雑誌専門図書館「大宅壮一文庫」の理事長を1971年の発足以来務めていた。1981年に出版された「愉しく生きる老い」はベストセラーになった。三女は評論家の大宅映子。
 
牧野常蔵 100歳(1903年~2003年04月24日) 牧野フライス製作所創業者。1937年、一番立フライス盤の専門メーカー「牧野商店製作部」を創業。以来、NCフライス盤、CAD/CAMシステム、FMS等の製造・販売・輸出などを手がける国内有数の企業に育てた。
第一回型技術協会協会賞受賞。寄付により財団法人「工作機械技術振興財団」が設立。
 
望月百合子 100歳(1900年9月5日~2001年6月9日) 社会運動家。翻訳家。読売新聞婦人部記者を経てソルボンヌ大学に学ぶ。滞在中(アナトール・フランス「タイ-ス」)翻訳出版。帰国後アナキストとして評論翻訳、月刊「ディナミック」の発刊、女人芸術への参加など幅広く活躍。戦後も山梨県を中心に地域文化の発展にも活躍。
 
吉井淳二 100歳(1904年3月6日~2004年11月23日) 洋画家。少年の日より一貫して庶民の生活風景を題材に、質実かつ健康な感性を示す絵を描き続けた。代表作に「踏切風景」「帽子を被る女」「屋久の娘」「浜の女たち」「水汲」「市場にて」など。 日本芸術院賞受賞。日本芸術院会員。文化勲章受章。文化功労者。社団法人仁科会理事長。
 
吉行あぐり 100歳(1907710~) 美容師。作家の吉行エイスケと結婚。日本の美容師の草分け山野千枝子のもとで2年間修行、独立して山の手美容院を開店。戦後は吉行あぐり美容室を開店。90歳を過ぎても馴染みの客に限定して美容師として仕事を続けていたが2005年に閉店。長男・吉行淳之介は小説家。長女・吉行和子は女優。

 
豊沢豊雄 100歳(1907年6月22日~) 発明教室主宰。発明指導者。(社)発明学会前会長。門下生10余万人を数える。その間、日用品から電気製品まで大衆発明、提案等の指導にあたってきた。氏の指導によって小企業が大躍進した例は数百におよび、発明成功者は数知れない。1973年藍綬褒賞受賞。主な著書に「アイデアを買う2000社」「特許出願法」。
 
 多田小餘綾 100歳(1907年4月27日 ~2008年4月6日 ) 阿波踊りのよしこので有名な歌手。お鯉さんとして知られている。日本コロムビア大阪支社、ポリドールレコードに所属。2006年に「お鯉~唄声は時代を超えて~」のCDが発売され、2007年には徳島県民栄誉賞を受賞。自身が目標としていた「100歳での現役よしこの歌手」という前人未到の記録を達成する。

 

                                                                    http://maesaka-toshiyuki.com/detail?id=340
 
 

 - 健康長寿 , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『『ウクライナ戦争に見る ロシアの恫喝・陰謀外交、日露戦争の研究⑨』』「1903(明治36)年1月3日 付『英タイムズ』『満州とロシア鉄道』(下)『ロシアが軍事占領した満州の都市建設の全容』★『義和団の乱の報復のため阿什河は満州で最大の被害を被った町だ。』●『満州人は誇り高く,経済観念が乏しく,アへン中毒者が多く反キリスト教で.貧乏だ。』

    2016/12/21  『日本戦 …

『Z世代のための明治大発展の国家参謀・杉山茂丸の国難突破力講座⑬』★『杉山の「バカとアホウの壁」解説③」★『始皇帝の「バカ息子」の行動を学べというのではない。馬鹿阿房学の真の意味を理解せよ』

そこで、庵主(私)は諸君に勧めて辛棒や我慢や忍耐の好きになる方法の「馬鹿阿房学」 …

no image
終戦70年・日本敗戦史(112) 戦後70年を考えるー文明の衝突としての大東亜戦争―玉砕、餓死、自決、捕虜殺害の「人権思想」の対立②

                                     終戦7 …

『Z世代への昭和史・国難突破力講座㉕』★『日本一の戦略的経営者・出光佐三(95歳)の長寿逆転突破力はスゴイよ➄★ 『徳山製油所の建設で米国最大の銀行「バンク・オブ・アメリカ(BOA)」からの1千万ドルの融資に成功』★『出光の『人間尊重』経営は唯一のジャパンビジネスモデル』★『独創力は『目が見えないから考え抜いて生まれた』★『87歳で失明からよみがえった「奇跡の晩年長寿力!」』

2021/12/27  『オンライン/ベンチャービジネス講座 …

『オープン講座/ウクライナ戦争と日露戦争➂』★『ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」が撃沈された事件は「日露戦争以来の大衝撃」をプーチン政権に与えた』★『児玉源太郎のインテリジェンス・海底ケーブル戦争』★『マルコー二の無線電信発明(1895年)から2年後、逓信省は東京湾56キロの通信に成功、海軍艦艇の遠距離無線通信を完成』★『連合艦隊の32艦すべてに世界最新式の三六式無線電信機を配備した』★『日本海海戦で世界海戦史上最高のパーフェクト撃滅を達成した東郷平八郎司令長官』★『世界的な情報通信網と通信技術、インテリジェンスと英米日の三国同盟で日露戦争に勝利した』

  2011/11/30    …

no image
ホテルメトロポリタン鎌倉、開業へ急ピッチー2020/4月/24 日グランドオープン。鎌倉駅前に、市内では最大級のシティホテルがオープンする。宿泊施設の少ない鎌倉市内では、貴重な観光ホテルとなりそうだ。

 ホテルメトロポリタン鎌倉(2020年4月24日グランドオープン) h …

『湘南海山ぶらぶら日記『 ★『鎌倉カヤック釣りバカ動画日記『★『忍者カワハギとの決闘編ー爆釣はレッドソックス・上原クローザーの「瞬殺」法の秘伝を公開』(2013/11/03 )

    2013/11/03 &nbsp …

no image
100歳現役学入門―団塊世代は元気な百歳をめざそう<健康長寿の達人へ>

100歳現役学入門―団塊世代は元気な百歳をめざそう           …

no image
世界/日本リーダーパワー史(960)ー明治の日本陸軍に「スパイ学(インテリジェンス)を教えたのはヨーロッパ各国の首都で撹乱工作をした『ドイツ・ビスマルクのスパイ長官』ウイルヘルム・シュティーベル』

2015年12月9日 記事再録/日本リーダーパワー史(623) &nb …

no image
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争カウントダウン』㉛『開戦32日前の「英タイムズ」の報道―『日英同盟から英国は日本が抹殺されるのを座視しない』●『『極東の支配がロシアに奪われるなら、日英同盟から英国は 日本が抹殺されたり,永久に二流国の地位に下げられる のを座視しない』』

  『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争カウントダウン』㉛ …