百歳学入門(237)ー近藤康男(106)の「七十歳は一生の節目」「活到老 学到老」(年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)』★『簡単な健康法を続ける。簡単で効果のあるものでなくては続けられない。大切な点は継続すること。』
2018/07/21
百歳学入門(237)
「七十歳は一生の節目」「活到老 学到老」(年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)
近藤康男(106) 1899・1・1~2005・11・25
農業経済学者。東京帝国大学農学部助教授、一九四三 (昭和十八) 年、思想弾圧で大学を追放される。戦後、東大に復職。定年退官後は武蔵大学教授、農文協図書館理事長などを歴任。
農村に分け入り、農業生産者の立場から農業経済学を専門とした近藤は、実証的研究を持続した学者であった。戦前、早くも著書『農業経済論』において、マルクス経済学の視点から農業問題を芸科学として確立。東京帝大教授を薯で退官後は武蔵大学に移り、特任教授を退職したのが七十六歳だった。
武蔵大在任中の六十九歳のとき、胃のポリープ摘出手術を受け、このころから視力や聴力、体力の衰、妄目覚しだす。だが、ここから徹底した健康管理を維持し、旺盛な研究活動を続けて、七十歳以降にも四十冊を超える編著書を著した。
「申すまでもなく、七十歳は人の一生の大き節目であります」と近藤は語る。
しかし、老いは容赦なく襲いかかり、右目は白内障、左目は眼底出血となり、七十七歳を境に視力は概端に落ちた。エレベーターの数字が読めず、山人でエレベーターることができなくなり、電車の切符を買うのにも苦労した。
当時の心境を、「体調が悪くなると消極的になります」と述べていたが、それでも自分の研究をおろそかにすることはなかった。視力の衰えに対しては、拡大読書器を使い、午前中一時間ほど、午後は二時間半ほどの読書を日課とし続けた。
自宅から自身が関係する農文協図書館など、慣れ親しんだ場所へは杖なし、付き添いなしで、バスや電車を乗り継いで通い続けた。
当時の写真が残されているが、カバンをたすきがけにかけ、ネクタイをきちんと締めたスーツ姿だった。もちろん、外出を続けたのは、執筆のためだった。
一九九七(平成九)年、白寿を迎えた折の色紙には、次のように揮豪した。「活到老 学到老し (年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)
簡単な健康法を続ける。健康のためにはラジオ体操などいろいろあるが、簡単で効果のあるものでなくては続けられない。大切な点は継続すること。
研究を維持するため健康が何より重要だと考えた近藤が、晩年、常に心がけていた一つが睡眠時間の確保であった。
規則正しい生活を送るため、夜九時には就漉し、朝は七時に起床して体調の維持に努めた。だが、年齢を重ねるにつれ、夜中に眼が覚め眠れなくなることが多くなった。
そんなときに欠かさず有ったのは、中国で覚えたという十分間の全身指圧だった。わずか十分間だが、この指圧で再び眠りに入ることができた。しかも、朝、行えば快便効果もあり、「私の睡眠術兼健康法」にしていたという。
この健康法を知ったのは、中国との関わりからだった。
1957(昭和三十二)年、当時、気鋭の農業経済学者であった近藤は農業経済学会会長として、第二四日の訪中をする。以来、中国から友好の印として贈られていた雑誌『北京週報』の中で、腰痛予防法の記事を偶然、見つけた。さっそく、試してみると、「実に効果があった」。とりわけ実感したのが、胃のポリープ手術前だった。
その後、毎晩、全身を十分間、指圧することを欠かさなかった。
農業生産者の立場から実証的研究を旨とし、また自宅の庭を畑として自給自足に近い生活を送ってきただけに、実質的に役立つものが何であるかを重要視した。
しかも、指圧には道具も器械も必要としない。金もかからない。自分の指先だけででき、持続することこそが何よりの効果だと見抜いていた。全身指圧がいたく気に入り、周囲に持続の重要性を説いて、自ら実行し続けた近藤は百六歳の天寿をまっとうした。
関連記事
-
-
速報(168)『日本のメルトダウン』ー●『中国の現状と明暗―どう対応するのか』ー丹羽中国大使が警告など5本
速報(168)『日本のメルトダウン』 ●『中国の現状と明暗―どう対 …
-
-
『オンライン講座/独学/独創力/創造力の研究➅』★『エジソンの発明術を学ぶ』② 』★『発明発見・仕事成功10ヵ条」★『 生涯の発明特許数1000以上。死の前日まで勉強、研究、努力 を続けた』★『人生は短い。やりたいと時に徹底してやる。休むことは錆びることだ』
2014/07/16 &nbs …
-
-
「5年ぶりリバイバル公開」/「鎌倉海遊び、あの懐かしき夏の日/鎌倉カヤック釣りバカ日記(6/4)『キスなし、カワハギ爆釣,青い、静かな海で最高に ハッピーな瞬間だよ』
鎌倉カヤック釣りバカ日記(6/4)『キスなし、カワハギ爆釣,青い、静かな海で最高 …
-
-
11月15日●尼崎武庫公民館市民大学での講演レジメ『日米戦争の敗北を予言した反軍大佐・水野広徳』(前坂俊之)
2012年11月15日 尼崎武庫公民館市民大学 前坂 俊之 …
-
-
日本リーダーパワー史(970)ー『政治家の信念とその責任のとり方』★『<男子の本懐>と叫んだ浜口雄幸首相は「財政再建、デフレ政策を推進して命が助かった者はいない。自分は死を覚悟してやるので、一緒に死んでくれないか」と井上準之助蔵相を説得した』
日本リーダーパワー史(970) 政治家の信念とその責任のとり方 統 …
-
-
片野勧の衝撃レポート『太平洋戦争<戦災>と<3・11震災⑦『なぜ、日本人は同じ過ちを繰り返すのか』郡山空襲と原発<下>
片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災⑦ 『な …
-
-
『オンライン講座』★『最強の英語交渉力を持った日本人とは一体誰か!』◎『日本最強の外交官・金子堅太郎①>『日露戦争開戦と同時に伊藤博文の命令で米国に派遣され、ハーバード大の同窓生のルーズベルト大統領をいかに説得したかー その驚異のディベート・テクニック』
「金子堅太郎」の検索結果 75件 http://www.maesa …
-
-
日中,朝鮮,ロシア150年戦争史(52)『副島種臣・初代外相の目からウロコの外交論④』●『日本で公法(国際法)をはじめて読んだのは自分』★『世界は『争奪の世界』、兵力なければ独立は維持できぬ』★『書生の空理空論(平和)を排す』★『政治家の任務は国益を追求。空論とは全く別なり』★『水掛論となりて始めて戦となる、戦となりて始めて日本の国基立つ 』
日中朝鮮,ロシア150年戦争史(52) 副島種臣外務卿 …
-
-
『オンラインスポーツ講座/ボストンレッドソックスを優勝させた上原浩治投手の<土壇場完勝力>10か条『どんどん行く、結果がどうであれ、1日ごとに気持ちを リセット、真っ向勝負する<瞬殺パワー>」
日本リーダーパワー史(428)上原浩治投手の<土壇場完勝力>「どんどん行く、結果 …
-
-
★超速ビデオ『9/29鎌倉釣りバカ・カヤック日記』『カツオ大漁!太陽の海を漕ぐ快楽!魚と泳げば最高!』
★超速ビデオ『9/29鎌倉釣りバカ・カヤック日記』 『カツオ大漁! …
- PREV
- 百歳学入門(236)『百歳挑戦・鎌倉バカ仙人のカヤック釣り日記』(9/15) 人気動画再録「60,70はなたれ小僧、生涯現役、カヤック人生」★『定年なし、年齢差別なし、老人観の全く違う米国では65~74歳はベビーオールド(赤ちゃん老人)、75~84歳まではリトルオールド(小さい老人)、84~94歳はヤングオールド(若い年寄り)、95歳以上がリアルオールド(真の高齢者)』
- NEXT
- 日本リーダーパワー史(923)<世界サッカー戦国史(11)> -『W杯はフランスが優勝,日本大健闘!、新監督に森保氏…五輪代表監督と兼任』★『グローバルジャパン、「グローバルジャパニーズ」に脱皮できなければ、日本の強い、明るい未来はない』