前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『池田知隆の原発事故ウオッチ⑦』ー『最悪のシナリオから考えるー汚染水の処理策はどこに』

   

池田知隆の原発事故ウオッチ⑦』
 
『最悪のシナリオから考える汚染水の処理策はどこに』
 
池田知隆(ジャーナリスト)
 
 
          4/28()毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」から
(
小出裕章・京都大学原子炉実験所助教の話です。
ラジオを聞き起こしたものが友人から送られてきました)


まず、原発ニュース、事故対策の拠点で作業員の浴びた放射線を東電が毎回記録せず、後から推定していたことが分かりました。ここで作業員が寝泊りしていて、災害対策本部で線量計をつけておらず、正確な記録ではなく、これくらいと推定しているのです。水素爆発後、0.1ミリシーベルト/時間を越えています。年間1ミリを超える被曝をした人もいて、東電の管理は杜撰です。
 
 
 厚労省は、5年間で100ミリシーベルトを超えないなら、他の原発で働いてもよいとしています。福島では年間250ミリのことになり、範囲を超える人が出ているのです(むちゃくちゃだ)。原発作業員は7万人いる(7万人しかいない)ので、作業員がいなくなり他の原発での作業に支障が出るのです(だったら、私は他の原発を止めたらいいと思うのですが…)。
 
 
 1号機の温度、圧力は下がっています。圧力容器に入れる水を6トン→10トンにして、14トンにはしていません。格納容器が大気圧以下になると回りの空気が入り水素爆発の可能性もあり、まだきわどいです。
 
 
 汚染水処理で、アレバ社が対策を立てています。「共沈法」になります。
 
 
 アメリカ南部で竜巻が発生し、原子炉の電源喪失も起こっています(アラバマ)、原子炉が緊急停止(福島第1と同じタイプ)で、ディーゼルにより生き延びました。
 
 
 そして、小出先生のお話、1号機の水棺、原子炉の水の量を2.5倍にせずに温度、圧力が下がったのですが、どこかで漏れている、放射性物質が漏れる、水を入れたら圧力が上がるのに下がるとは漏れていて、破損が広がるのです。圧力容器の圧力が下がるのはいいこと(炉心を冷やさないといけないので、1号機は温度がなかなか下がらなかったのに、やっと下がった)なのです、これは本来の目的になっています。
 
 
 高濃度汚染水の広がりを防ぐため、地下に壁(セメントを入れて地下40mまでの壁を作る、酒の枡のようなものを作る)のですが、それで防げるかは、小出先生、専門知識がなく分からないが、難しいだろうとのことでした。
 
 
 福島第1の地下に大きなプールを作り水をためる(地下46m)、ばかげた説明で、そんなもので水が止まるわけはない、地震で地面も割れている、無理のある構想だということで、巨大タンカーで対処すべき、40mの壁にどんな工事になるのか、ということで、1秒でも早く実現できる策がいるので、これは実現性の低いものなのです。追い込まれた中ではダメなのです。
 
 
 福島県郡山市の土の除去、取っても最終処分地がなく行き詰っている、福島原発周囲は無人地帯にしないといけない、そこに汚染物の「墓場」にしないといけないとのことでした。そうしないとダメ、産廃処分ではダメなのです。放射能管理の出来るところが要るのです。放射能汚染された瓦礫の処理場所は、こういう方法しかない(放射能は人間の手で消せないので、あきらめて管理できるところに集めるしかないのです)のです。地下のプールの話、汚染水の処理に本当に困っている、原子炉を冷やすために汚染水は増える、それを何とかしないといけない、1秒を争っていい方策を決めないといけないのです。
 
 
 水漏れ、どこに行っているかは、タービン建屋、トレンチ、地下、敷地にしみ込んでいるのです。トレンチに滝のように流れ、水の漏れない構造ではない+地震で割れてアウト、なのです。
 
 
 これから台風のシーズンで、アメリカの原発が嵐で停止、リスナーより、事故原発に台風が直撃したらどうなるかとの質問に、小出先生、分からない、アメリカでは送電線に支障が出た、非常用電源も信用できないのです。これから、さらに深刻な方向になりうるのです+余震が何ヶ月も続くので、深刻なトラブルになるのです。
 
 
 作業員被曝、年間50ミリではなく、5年間100ミリに関しては、1年間に100ミリ浴びてもいいことになる、50ミリの規定があると他の原発に支障が出るので、被曝規定緩和は、作業員が追い詰められている、そんなことを国が一方的に決めていいのか、という見解が小出先生よりありました。年間50ミリも意味がなくなり、こんなものを変えてはいけないのです。
 
 
キュリュウムが原発敷地内から出ましたが、プルトニウムがあり、ウランが核分裂させて、ウランに中性子を加えてプルトニウムになり、さらにアメリシウム、そしてキュリュウムになるのです。ウランがプルトニウムになり、そうなると、アメリシウム、キュリュウムも当たり前に出るのです。キュリュウムはとてつもなく悪影響(プルトニウムより毒性大、ただ量が少ないので危険度は大きくならないものの)であり、ウランの燃料ペレットが融けているわけで、キュリュウムがさらに大きく出る危険性もあるのです。冷却失敗、もっと損傷したらもっとたくさんキュリュウムが出て、大変なことになります。事態収拾は困難で、作業環境を改善しないといけない、汚染水処理で、夢のような話を聞かされて驚いたとのことでした。
 
 
瓢漫亭通信(池田知隆ブログ)
                 http://ikeda102.blog40.fc2.com/

 - 現代史研究 , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

日本リーダーパワー史(556) 「日露インテリジェンス戦争の主役」福島安正中佐⑥単騎シベリア横断、日露情報戦争の日本のモルトケ」とポーランドは絶賛

 日本リーダーパワー史(556)  「日露インテリジェンス戦争の主役」福島安正中 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史]』(31)記事再録/帝国ホテル・犬丸徹三が関東大震災で示した決断と行動力に見習え』★『いかに対処すべきかーいまのわれわれに大変役立つ『犬丸徹三のリーダーシップから学ぶ』』

        2011/04 …

★5日本リーダーパワー史(778)『アジア近現代史復習問題』 小村寿太郎のインテリジェンス②ー『なぜ、日清戦争は起きたのか』●『朝鮮は日本の生命線、今ならまだ北からのロシアの侵略が朝鮮半島に伸びておらず、イギリスの南からの魔手もまだだ、問題は清国でその屋台骨は腐朽しており、将来のアジア人のアジア繁栄のためには、日清が堅く提携せねばならぬが、清国がこんなに脆弱では困る。速やかに目覚めさせる必要がある』

★5日本リーダーパワー史(778)ー 『アジア近現代史復習問題』 小村寿太郎のイ …

『リーダーシップの日本近現代史』(165)記事再録/『安倍総理大臣の在任期間は11/20日で通算2887日で憲政史上最長となったが、『ガラパゴスジャパン(日本システムの後進性)』の改革は未だ手つかずだ』★『150年かわらぬ日本の弱力内閣制度の矛盾』を警告した日本議会政治の父・尾崎咢堂のリーダーシップとは何かを読む』                      

  2012/03/16  日本リーダー …

no image
近著・申元東 著, 前坂俊之 監修『ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント』徳間書店 (8月27日刊行)

    近著『ソニー、パナソニックが束になってもかなわないサ …

no image
日本リーダーパワー史(851)-『安倍首相の「国難突破解散」は吉と出るか、凶と出るか『政界の一寸先は闇』★『安倍解散は「策士、策に溺れる」ことになる不吉な予感がする。』★『宰相、政治家にとって、一番大切なことは『信なくば立たず』である。』●『外国メディアは安倍解散を酷評、WSJ【社説】安倍氏の総選挙、メイ首相の二の舞いか』

 日本リーダーパワー史(851)  衆議院は9月28日召集の第194臨時国会の冒 …

no image
速報(283) 日本再生条件は「大アジア主義(孫文)+大東亜共存共栄圏」を目指せーアジアに出稼ぎに行き、住みつこう」

速報(283)『日本のメルトダウン』     ●日本再生の条 …

no image
日本メルトダウン脱出法(818)「視点:日本は「協調組合主義」と決別を=フェルプス氏」●「大企業に今なお根を張るー「学歴病おじさん社員」の量産システム」●「中国金融当局の無理解が世界の市場を混乱させる」●「中国がひた隠しにするPM2.5による死者の数 ー台湾の事例から推算されたその数は年間100万人」

    日本メルトダウン脱出法(818)   視点:日本は「協調組合主 …

no image
速報(206)2012年、日本の新年の状況は・・放射能阻止50年長期戦争で、全面敗北中、太平洋戦争敗戦とのデジャヴュ

速報(206)『日本のメルトダウン』   2012年、日本の新年の状況 …

no image
人気記事再録/日本天才奇人伝②「国会開設、議会主義の理論を紹介した日本最初の民主主義者・中江兆民―②<その眼中には、国家のほかは何ものも影じない。兆民は伊藤博文、大隈重信ら元老連をコテンパンに罵倒す>

                    前坂 俊之(ジャーナリスト) …