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速報(64)『日本のメルトダウン』(小出裕章情報3本)『格納容器の底抜け』『テルル132の意味』『放射性物質の無毒化できない』

   

速報(64)『日本のメルトダウン』
(小出裕章情報2本)『格納容器の底は抜けている
『テルル132の検出の意味』『放射性物質の無毒化はできない』

2011
年6月7日
番組案内
2011年6月 7日【火】

たねまきファミリー中野寛成国家公安委員長に政局を。
たねまきファミリーの中野寛成国家公安委員長に混迷する政局についてナマ直撃です。
首相退陣表明のウラ側、大連立の行方、ポスト菅は・・・閣僚ならではのインサイダー情報をたっぷりと。京大・小出先生の原発事故解説も。

録音
【福島原発】6/7/火★メルトスルー(原子炉貫通) 政府が公式に認める

要約
・(汚染水の処理が大問題で、溢れてしまう危機的なラインが迫っている。いま浄化の装置を作っていて15日頃に完成するという。期待していいか?)期待したいが、東電の対策はこれまで期待通りにはなっていない。
 
・(浄化の処理がうまくいけば放射能が現在の1000分の1から1万分の1まで薄まるという。でも元の濃度が高い。薄まったものはどれくらい危険か?)元の濃度が猛烈であり1万分の1になっても放出はできない。福島原発の域内の汚染水の濃度はものすごいものから低いものまである。低いものなら万分の1になれば流していいかもしれないが、問題はものすごい濃度の方だ。
・(何分の1なら流せる?)10万〜100万分の1なら流してもいいかも。
 
・(そのくらい薄くできるシステムはあるか?)ない。元が猛烈な高濃度である場合、放射能を捕まえるほど装置がダメになり性能が出なくなる。今回はゼロライトとかバーミクライトを使うのだと思うが、すぐに性能が劣化して使えなくなるだろう。
 
・(一度ゼオライトを使うとずっと使えない?)ゼオライトは、あるレベルまでセシウムを捕まえると、そこでいっぱいとなり使用不可となる。どんどん取り替えないといけない。使用済みゼオライトは被曝するため近づけなくなる。難しい。
 
・(コンクリのブロックを周囲に築く作業は手付かず。汚染水を留めるためにやるべきと思うが?)コンクリの壁を作るべきと言ったのは、炉心がメルトダウンして地下に潜っていれば、もう冷却は出来ないため、汚染水を溢れさせるよりは壁を作った方がいいという意味だ。だが、汚染水が溢れている状況では工事は難しい。
 
・(溢れる前に浄化装置が間に合うかどうかに注目が集まっているが、すでに見えないところで汚染水は地下や海に流れている?)それは確実。コンクリが割れており、地下に出ていき、海にも出ている。タービン建屋、トレンチ、立坑から汲み出さないといけない。浄化装置が15日に間に合うかという問題ではない。
 
・(IAEAへの報告文書では、メルトダウンではなくメルトスルー=原子炉貫通していたと言うようだが。どうか?)もともと東電の公表データを信用して炉心の半分は形が残っていると皆さんに伝えてきたが、炉心は全部溶けていたと5月12日に認めた。そうであるならば原子炉圧力容器が溶けることも高い確率でおこる。圧力容器が溶けるなら燃料がその下に落ちる。それがメルトスルーだ。
・(圧力容器の底にあるとされていた燃料が格納容器の中に堆積している可能性があるとしているが、これでいいか?)技術的には判断は難しい。格納容器の中にどれだけ水が残っているかということが、底が抜けているかどうかに関係する。2800度でないと溶けないような燃料部分が下に溶け落ちているのだとすれば、水があっても格納容器には穴があくと思う。おそらく格納容器の底に堆積という状態ではないだろう。
 
・(政府はそうとは認めていないが、この判断次第で対処は変わる。遅れにつながりかねない?)格納容器内に燃料があるのであれば循環式冷却回路の可能性はある。底が抜けていれば冷却回路は成り立たない。
そうなると、後は壁を作って地下水の汚染を防ぐだけ。
 
・(堆積している燃料の温度は推測できるか?)推測できない。計測器が死んでいて情報が正確に得られず、水がどこまであるのか不明。東電は格納容器の放射線量を根拠にして損傷率70%とか55%と言っていたが、後になり全部が溶けていたといった。信頼できるデータがない状態だ。ただ、原子炉建屋の下に大量の水がたまっているということを考えれば、格納容器の底は抜けていると思う。

 

2011年6月6日

番組案内
2011年6月 6日【月】
大連立への動きが活発に…
菅総理大臣が退陣の意向を固めたことを受けて、与野党内では大連立に向けた動きが活発になっています。今夜の番組では、MBS東京報道の松井記者に、いまの永田町の動きなどを伝えてもらいます。
また、京大原子炉実験所の小出裕章さんに、福島原発事故の問題について解説してもらいます。

録音
【福島原発】6/6/月★総放出量37万テラベクレル⇒77万テラベクレルに修正

要約
・(福島原発の事故で出た放射性物質の量について、保安院が解析し、従来とは違う数字が出てきた。従来の37万テラベクレルに対し、77万テラベクレルとなった。どういう意味か?)もともと安全委員会は66万テラベクレルとしていたし、評価のやり方でいくらでも変わる。私はもっと多かったと思っているし、海へ流れた分は分からないまま。今回の保安院の数字は海への分を加算したものだが、それも過小評価だ。
 
・(37万テラベクレルを元にして事故評価をレベル7としたが、それが今回2倍。さらにもっと多くなる?)チェルノブイリに近付いている。チェルノブイリの事故は収束しているが福島は進行中であり、チェルノブイリに近づいて超えるかもしれないと最初から私は伝えてきた。
・(海洋汚染の放射線量は不明。いま政府は海洋調査ポイントを公開しているか?)私は見ていないが、散発的には出てきている。測定ポイントを強化し海岸線沿いの海藻の汚染を調べればもっと分かると思うが、見たことはない。
 
・(テルル132が検出されていたことについて。テルル132はどういうものか?)ヨウ素132の親核種。ヨウ素132は寿命が短い。テルル132が出てくるとヨウ素132が生み出される。テルルを見ていればヨウ素のことが分かる。燃料棒の被覆管が破れない限りテルルは出ない。事故の初期に被覆管が損傷していた証拠。被覆管のジルコニウムが水と反応する温度が850〜900度。事故の初期の段階でその温度に達して被覆管が壊れていた。
・(保安院の西山審議官が「情報を整理して公表する発想がなかった」と言っているが?)保安院にとっては、それこそがやらないといけない一番の仕事だ。
 
・(テルル132の検出を事故直後に公表していれば、避難すべき人たちに対するコメントが変わった?)もちろん。テルルが出るということはヨウ素が出るということ。ヨウ素剤などの防護措置が早急になされなければいけなかった。
・(これを当時発表しなかった影響は大きいと考えるが?)呆れるしかない。
 
・(3月12日に枝野さんは会見で放射能については測定し万全を期しており、ヨウ素も用紙していると言った。ヨウ素剤を摂取しておかなければならなかった?)本当ならばそうだった。ヨウ素剤は飲むべきときに飲まないと意味がない。
・(3月12日午前8時半にテルルを検出し、同日午後6時に避難地域を半径20キロに拡大した。その間に措置ができたはず。明らかに分かっていたがそれを隠しながら政府は避難地域を拡大したと考えられるか?)私はそうだと思う。日本の今の政府は事故の規模を小さく見せようとしてきた。
 
・(プルトニウムが原発から1.7キロの地点で検出された。以前は文科省の調査で検出されたが、過去の核実験によるものとされた。今回の検出物は福島事故が原因だと言われているがどうか?)詳細は不明だが、プルトニウムが今回検出されたといっているのは私も知っている山本氏。彼が言うなら確かだ。
 
・(プルトニウム検出の意味は?)プルトニウムは燃料から外には出づらい放射性物質。それが環境に出てくるほど悪化しているということ。核燃料が相当損傷しているということだ。
 
・(プルトニウムの人体への影響は?)プルトニウムは人間が遭遇したなかで最も毒性の高い物質。100万分の1グラムを吸ったら癌で死ぬほど。
 
・(国は過去の核実験が原因と言っているが、それに対しては?)過去の大気圏内核実験は犯罪的であり大量のプルトニウムを60年代にばらまいた。それ自体とてつもないことで、地球のほとんどが汚染されている。その上に今回の福島の事故で周辺がプルトニウムで更に汚染された。残念なことだ。
 


2011年6月6日
2011年6月6日(月)、毎日放送(MBS)テレビの番組『ちちんぷいぷい』に、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)がVTR出演されました。助教と助教授の違いについて出演者が誤った説明をしているのはいかにも残念です。
録画
録画を公開していただきありがとうございます。
放射性廃棄物:小出裕章「無毒化する力は人間にはありません」

小出先生の発言の要旨
・放射性物質を無毒化する力は人間にはない。トイレのないマンションと言われる通りの状態。
・広島の原爆が生み出した核分裂生成物の5万発分を、日本の原発では1年ごとに生み出している。その生成物の始末の方法を知らないまま今に至っている。
・これまで、財政が破綻した小さな自治体がいくつも核分裂生成物の埋め捨ての場所として狙われてきた。が、引き受け手はいないままの状態。放射能をゴミを押し付けるべきでない。埋めても安全だと言うのであれば、東京に埋めてほしい。

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