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*

『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉑「 日本か朝鮮を狙うのは有害無益なことを論ず」(申報)

      2017/07/04

 

 

 


『中国紙『申報』からみた『
日中韓150年戦争史

日中韓のパーセプションギャップの研究

 

 


日中150年戦争のルーツは中国が冊封体制によって属国としていた

『琉球王朝』(日中両方に朝貢していた)を明治維新
後に一方的に「琉球処分」して、日本が沖縄県に編入したことが

対立の発火点なのである。

これが「壬午事変」(明治15年)「甲申事変」

(明治17年)とエスカレートして、「日清戦争」(明治27年)へと爆発する。

 

この三国関係の外円には西欧列強の英国、フランス、ロシア,アメリカ、ドイツ

が加わって中国、日本、朝鮮をターゲットに19世紀の帝国主義的領土、

経済利権の分捕り合戦、戦争が繰り広げられた。

 

 

ロシアは不凍港を求めて、朝鮮に南下政策を強行しており、巨文島を狙った。これに

英国は待ったをかけて、いち早く占領し、ロシアの南下を阻止した。

結局、ロシアの朝鮮支配に危機感をもった日本が最終的に防衛戦争として

『日露戦争』に踏み切ったというのが正解である。

巨文島をめぐる軍事紛争を見ていると、130年たった現在の北朝鮮をめぐる危機、

外交駆け引きとの類似性に驚く。

 

 

東アジアのバルカン半島がまさしく朝鮮半島なのである。

 

 

 

 朝鮮で起きた反乱(甲申事変)は,

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E7%94%B3%E6%94%BF%E5%A4%89

 

巨文島事件

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A8%E6%96%87%E5%B3%B6

 

 金玉均

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%8E%89%E5%9D%87

 

1885(明治18)年1223光緒11年乙酉1118日「申報」

 

 

日本か朝鮮を狙うのは有害無益なことを論ず

 

先日官界に,日本の軍艦が朝鮮と開戦したという伝聞があったので,本紙はすぐ報道した。しかしその後、数日間全く追加情報がないので,あるいは伝聞が間違っていたかもしれず.あるいはそもそも原因はあったのだろうが,日本の軍艦と朝鮮軍との間で,庶民がたまたま小競合いをした程度のもめ事だったのが針小棒大に伝わったのかもしれない。

 

しかしますます開戦のうわさを耳にするため.本紙は再び載録した。先日朝鮮からの郵便が「大院君の帰国後,その側近の者が殺された。また朝鮮国王は百官で大院君に人見する者があると,人を通わしてその様子をうかがわせており,全く寝食に安んぜざる状態だという。このことから見て目下日本の軍艦は朝鮮に開戦したのだろう云々」と書いていて,この情報を本紙で見たとしている。

 

 

最近になって欧字新聞は「中国の軍艦が朝鮮に出動した」と言っているが,こう言われるにはわけがありそうだ。思うに日本の朝鮮に対する行動には,実際疑わしいものがある。

 

それは最近の行動を疑うのでなく.過去の行動を疑うのだ。先に逆賊の洪英極と金玉均は反乱を謀り,そのために日本人と共謀していたが.日本人はもとより認めない。

 

しかし逆賊、金は逃亡して日本におり,人々はこれを天下第一の悪人と思っている。逆賊金は日本にいるのに,日本人は捕らえて朝鮮に送還することを肯せず,朝鮮国王はしばしば使いを使わすわして索(もと)めたが,日本が引渡しを認めないのはなぜなのか。

 

謀反人を庇護していては.後世日本はなんと言われようか。日本人の中にどうして道理をわきまえた者がいないはずはない。それなのに甘んじて天下後世の唾棄、罵倒を受けてまで,意地を張って逆賊金を捕らえ送還しない。

 

思うに日本人は,その陰謀をたくましくしようと思い,そのためにかの逆賊どもと共謀して決起したのだ。幸いにして陰謀が成功すれば,日本人はこれらの逆臣どもを功臣とみなし.爵賞によって称揚したことだろう。ところが不幸にしてついに成功せず,逆賊衡洪は殺されてしまった。

 

 

日本人は一内応者を失っただけでも,暗に残念にたえないと思っている。だから逆賊金に日本において保護を与えることにより,日本人が先に共謀した誼に報いてやらないわけはない。

 

日本人はこれほど逆臣をかばっているのだから,ずっと朝鮮を狙っていることは,おおよそ見当がつこう。

 

これでは第三者が疑念を抱くはずだ。しかしながら日本人が朝鮮を侵略することは,日本にとって損得どちらだろうか。私の拙い考えでは,うまくいくかは別にして.たとえ内応者が死なず中国の援軍が至らず.日本人が一気に王宮を囲み,国王を脅して無理やり盟約を結び,かつ国王に中国と絶縁する意を示させ,ついに朝鮮の首都に拠り,朝鮮の国家を奪い,朝鮮の土地人民を全部日本に編入し,朝鮮の政治をすべて日本にゆだね,極端なことを言えば琉球に対処したように朝鮮に対処し.朝鮮の土地を一律に日本の郡県にすれば,日本人はのびのびと喜び,満足するだろうか。

 

しかしこうなれば.あにはからんや日本の災いはきわまり,1日として枕を高くして眠ることできなくなるのだ。

 

なぜならば朝鮮の地はただ日本とだけ近いわけではなく,実はロシアとも連なっているからだ。ロシア人は黒海入口方面に進出できず,大国ながらついにその望みをかなえることができなかった。したがって必ずなんとかしてどこかに出口を作ろうとするその意図は明白だ。そしてロシアが進出しようとすれば,必ず朝鮮を通らなければならない。したがってロシア人が朝鮮を虎視耽々と狙っていることは,知恵者でなくてもわかることだ。

 

さてロシアがすでに朝鮮を虎視眈々と狙っているのに,遅々としてあえて手を出さないのは,思うにただ中国が日本とともにそののどもと喉元を押さえているためだけだ。朝鮮がもとより中国の属国であることは,ロシア人も承知している。また近ごろ日本が朝鮮と通商し,かつ新たに中国と条約を結んだこともロシア人は承知している。もし中日両国が共同して朝鮮を保護すれば,イギリス人がトルコを助けることで紅海の入口を押さえたのと似て,ロシア人はなにもできないだろう。

 

中国は断じて,朝鮮の地を自分のものにしようと思っていない。日本は朝鮮と近いけれども.その地を得ても日本のために著しい利益にはならず.ただ名目を得て聞えがよいだけだ。ロシア人は朝鮮の地を甚だ欲しがっている。

 

もし朝鮮がロシア人の手に帰すれば.ロシアはそこに門戸を開き,容易に四大州を縦横無尽に暴れ回るだろう。

そうなれば将来ただ中国の害になるだけでなく,日本もまたその被害を受けることとなろう。またただ中日両国の害になるだけでなく,直ちにヨーロッパ各国の害となるだろう。

 

そしてその最も被害を受けるのが.イギリスだ。だから先に英露両国がアフガニスタンで対立したとき,イギリス人は機先を制して朝鮮の巨文島を占領し,ロシア人の要害を押さえたのだ。

 

以上のように朝鮮の地が,断じて日本一国の独占できる場所でないことは明らかだろう。現在はなお中国の属国であるために,各国はその意をほしいままにしないだけだ。もし日本が朝鮮を領有したなら,ロシア人は決して安穏と傍観してはいない。

 

イギリス人は,ロシアが朝鮮を占拠して地勢上有利となることを防ぐために,また必ず先んじて備えをなすだろう。思うにイギリス人にとっては,ロシアと朝鮮を争うより,日本と争うほうが容易だろう。

 

また中国も属国を失うことを座視せず,勢いに乗じて奪還しようとするだろう。日本が朝鮮を得られなければ,なお中国と共同して朝鮮を保護することはできる。だがひとたび朝鮮を得れば.朝鮮に代わって各国の侵略を受けることになろう。

 

そのときになって後悔してももう遅いのだ。かつイギリスもまたアフガニスタンの紛争においてもロシアの機先を制したように,いきおい必ず中国と同盟しようとするだろう。

 

ロシア人はイギリス人がいち早く行動を起こし成果を収めることを恐れているので,速やかにこれに対処するだろう。

ロシアにとって朝鮮はもとより便利な門戸だが,日本もまた門戸として不便なわけではないのだ。もしそうなれば日本はただ朝鮮の土地を領有できないだけでなく,先祖代々の境界を失うことになるだろう。

 

計略の損得を組合して考えるに,まことに有害無益なことだ。また中国との新条約を固くし深く団結して,各々富国強兵を図り.非分の思いを起こさない

ようにするのと,どちらがまさっているだろうか。

 

日本人の力は.朝鮮をだますだけなら余裕があるだろうが,それでは勝って

も弱いものいじめの笑いを残すだろう。もしその力で露英両国に対抗しようとすれば.それはただカマキリが車に立ち向かうような,身のほどを知らぬ無謀な抵抗だ。

 

 

さて日本と中国は共にアジアにあるのだから,その心情はヨーロッパ各国と比べ親密だ。朝鮮はアジアの貧弱国であり,まさに哀れみいたわってやらねばならないのに.なにかというと侵略しようとするとは.これほどよからぬ謀略はない。日本人の見識の高い者は,ぜひとも直ちに変計することを考えるべきだろう。

 

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