前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本メルトダウン(1009)ー『中国空母隊の初太平洋進出と札幌空港での中国人騒動について』●『日清戦争の原因の1つになった長崎水兵事件にそのルーツが見える』

      2016/12/28

日本メルトダウン(1009)

 

防衛省によると、中国の空母「遼寧」が25日朝、沖縄県の宮古島沖を太平洋に向けて通過した。「ミサイル駆逐艦」「フリゲート艦など8隻の艦隊で、中国の空母が太平洋に進出したのは初めて。中国海軍が第1列島線(九州-沖縄-台湾-フィリピン)から伊豆諸島―

グアムに至る「第2列島線」まで展開することによって制海権を誇示するあきらかに、トランプ米大統領へのけん制的なデモンストレーションである。

この空母『遼寧』はいわくつきの空母なのである。2014年には蒸気爆発事故を起こすなど事故続発のおんぼろ空母で、突貫工事で改装したためこの間に15人の工事関係者が死亡、遼寧の艦載機隊パイロットの着艦墜落事故などで数人が犠牲になっているので、危険空母、中国海軍、空軍の技術力不足が指摘されている。

改造工事で15人が犠牲の「危険空母」遼寧が西太平洋へ出動、目的は「米国威嚇」?

https://zuuonline.com/archives/133713

この事件の翌日(26日)のニュースで札幌・新千歳空港国際線旅客ターミナルビルで、大雪の影響で搭乗便が欠航となったことに抗議する中国人観光客約100人

の騒ぎとけんかがありが、警察官30人が出動しておさめた事件も起こった。

雪で欠航に中国人抗議 新千歳空港で搭乗口ゲート越え警官出動

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161226/k10010820661000.html

以上の2つの事件を見て、今から120年前の日清戦争(1894年、明治27年)の原因となった長崎水兵事件を思い出した。

日本リーダーパワー史(132)空前絶後の名将・川上操六(21)長崎水平事件の発端は何か

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/3258.html

 

この事件は当時、東洋一の海軍力を誇り、ドイツ製の最新鋭の巨大戦艦「鎮遠」、「済遠」、「威遠」を率いて「海軍小国」日本へのデモンストレーションのため、明治19年8月10日に長崎港に寄港した。

ここで清国水兵が『丸山遊郭』に遊びに行き、飲んで暴れる事件をおこし、警察に検挙された。これに抗議して翌日、大挙して数百人の将官、水兵が警察におしよせ、警察官、多数の長崎の市民も巻き込んでの大ゲンカ、大乱闘、殺傷騒動に発展した。両方に多数死傷者を出した事件である。

この長崎水平事件が日清戦争の1つの原因ともなった、日中間のパーセプションギャップ(認識のずれ、思い違い)、コミュニケーションギャップである。

今、日中間の軍事的な対立、紛争がエスカレートしており、一方では大挙して中国人観光客が押し寄せており、「爆買い」など経済的なメリットだけでなく、札幌のケースのように、中国人と日本人のパーセプションギャップ、コミュニケーションギャップが「両国間の対立」に火をつける事件が一層多くなるとみられる。

日中間の歴史的事件にみる相互対立、不信のルーツとその原因をもっと研究する必要がある。

 

トランプ氏、中国空母に鉄槌! 米国への挑発に猛反発必至 海上民兵の尖閣上陸もあり得る

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/161227/wor16122721400009-n1.html

 

爆買い・中国人の飛行機での非常識行動に「10の警告」「通路で子供に大便させるな」http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/160211/wor16021110110015-n1.html

 

 - 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
(昭和史事件発掘> 『愛のコリーダ』阿部定事件(昭和11年)とは一体何だったのか

『愛のコリーダ』阿部定事件とは一体何だったのか                前 …

『Z世代への遺言』★『大阪地検特捜部の証拠改ざん事件参考・再録『冤罪でなぜ警察・検事・判事は処罰されないのか』

2010/10/07  再録『冤罪でなぜ警察・検事・判事は処罰されない …

『大谷翔平「三刀流(投打走)」のベーブ・ルース挑戦物語④』★『2019/04/01「メジャーを制したイチロー引退、天才とは学習の産物である。大谷もその後を追っかけている』★『イチローは「考える人」であり、「自分の努力をボールを打つ感覚で的確に表現できた詩人、肉体を極限まで鍛え上げて野球場でパフォーマンスした創造者でもある』

  大谷選手は英語を話すべきか、米スポーツ界で激論勃発 https:/ …

百歳生涯現役入門(177)ー『晩年の達人の渋沢栄一(91歳)②』は70歳で、自ら創立した59の会社と17の団体役員から身を退き、76歳で完全に実業界から引退』★『86歳以後、彼の公共的な肩書、社会的貢献事業は50近くあった』●『会社の用はわがものと思え。会社の金は人のものと思え』★『楽隠居的な考えをせず、死ぬまで活動をやめない覚悟をもつ』

2017年8月6日/百歳生涯現役入門(177) 渋沢栄一1840年(天保11)3 …

『オンライン/2022年はどうなるのか講座➂』★CO2とEV世界戦の2022年』★『COP26では石炭火力発電は、当初の「段階的な廃止」から「段階的な削減」と表現を後退させた』★『●EV市場の将来を予測する週刊「エコノミスト」(2021年9月7日付)の「EV世界戦特集号」』

  CO2とEV(電気自動車)大競争の2022年になる   前坂俊之( …

「Z世代はチャットGPT大学をめざせ!」★『2023年はチャットGPT戦国時代②』★『生成型AI時代へ』★『AI大規模言語モデルのトップ①「オ-プンAI」②グーグル「スイッチフォーマ」➂中国「悟道2.0」のパラメータ数は1兆6千億~7千億だが、日本『ハイパークローバ』はわずか820億しかない。何と60分の1で、この決定的な差がデジタル最貧国日本の没落の原因である」

  「チャットGPT」と日本の没落   昨年11月、グーグル …

no image
日本リーダーパワー史(444)「国際ジャーナリスト・前田康博氏の「習近平・李克強体制誕生10ヵ月の中国深層動向」を聞く(動画50分)

 日本リーダーパワー史(444)   ◎「国際ジャーナリスト …

no image
「日本犯罪図鑑―犯罪とはなにか」前坂俊之著、東京法経学院出版1985年 – 第1章 国家と司法による殺人 

       「日本 …

「世界・日本リーダーパワー史(1701)『米国一のフェイクニュース戦争と韓国の内乱騒動(下)(25/01/15まで)』★『ロサンゼルス山火事と陰謀論』★『『韓国・恨みの政治は長くは続かない』★『韓国政治は「報復の歴史?』

ロサンゼルス山火事と陰謀論 (B)「ところで、マスク氏は今や共和党の大スポンサー …

no image
日本メルダウン脱出法(660)「中国の習近平氏「独裁」阻む3つの壁」「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」など8本

    日本メルダウン脱出法(660) 「中国の習近平氏「独裁」阻む3つの壁」 …