「Z世代のための日本リーダーパワー史(1233)』★『三苫薫選手と岸田首相を比較する-プロとアマ、実力と人気稼業』★『憲政、議会政治の神様・尾崎行雄は「売家と唐様で描く三代目」を唱え、「三代目が日本をつぶす」と警告していた。今やその「日本沈没」の極限に』
2023/02/20
日本リーダーパワー史(1233)
三苫選手と岸田首相を比較する-プロとアマ、実力と人気稼業
プレミアリーグ、ブライトンの日本代表MF三苫薫選手(25)の活躍が大きな話題となっている。私も連日、Youtubeで彼の活躍、シュートを何十回も見て元気をもらっている。1月29日のリバプール戦では、1―1の後半ロスタイムにフリーキック(FX)を右側ぺナルティーエリア内の三苫は足で軽く受けると2度フェイント(相手を惑わす動作)をかけて芸術的な逆転ゴールを決めた。「三苫の魔法のようなスーパーゴール」「三笘は天才」といったコメントで大絶賛された。
続く2月4日の対ボーンマス戦で、またしても後半の87分の土壇場で今度はヘッドで叩き込み、1-0で勝利した。これで直近の6試合で4ゴールを挙げた。「もう言葉が出ない」「常に最も創造力を発揮する選手」と評価はうなぎのぼり。
三苫の「ドリブル突破力」はサッカーのデータ分析を手がける『Opta』によると、今シーズンの欧州5大リーグで、三苫(8回)より多く相手のペナルティーエリア内へ切り込んでテイクオン(対人プレー成功)を決めたのは、あのメッシ(9回)だけだ。プレミアリーグで三苫は「最高のドリブラーの1人になった」と伝えている。
三笘薫は「サッカー選手を目指し「ドリブルを研究をするめ」に筑波大学体育学部に進学した。卒業論文も『ドリブル突破法』を書いた。
三笘はアクションカメラ『GoPro』を頭につけ、ボールを持って相手に向かい、ドリブルの視野を映像で考察。相手の選手の動き、目,その視線、身体の反応、フェイントのかけ方、相手がどう対応するかを「見える化」「数値化」して研究、それを試合で実践した。
https://number.bunshun.jp/articles/-/845385
その結果、三笘はボールが来るぎりぎりまで目の前の相手とスペースを視野に入れドリブルを開始しても下を向かない。フェイントを入れ、相手の重心をずらして体を動かすことができれば、勝つことを体得した」
さらに、脚力アップ、スピードアップに取り組みアテネ五輪で110mハードルの代表選手・谷川聡准教授から指導を受けた。
「ドリブル突破力」「スピード」「土壇場決定力」の三拍子を鍛え相手を1人抜くだけではなく、2人目、3人目をかわす「サッカー忍術」を創造したといえる。
三苫の「プロフェッショナルリズム」(世界を見据えたプロ精神)はMLBの大谷翔平選手の「3投打走流」、イチローの「安打製造機」テクニックと共通するスポーツ技術の発明であり、日本、世界の創造的未来を開くことだろう。
一方、三苫らZ世代のプロフェッショナルの活躍とは裏腹の日本政治家、経済人の劣化が止まらない。政治スキャンダルの連鎖で、岸田政権、自民党政治は末期的症状を呈している。
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政治家業の蔓延ぶり
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荒井勝喜・首相秘書官が2月3日夜の記者会見で、同性婚について「見るのも嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などと発言した。岸田首相は4日朝、「持続可能で多様性を認め合う社会を目指している政権の方針とは全く相いれない」と更迭の意向を示した。
昨年末から「虚偽的発言」「人権感覚欠如」「女性差別発言」などの政治スキャンダルで閣僚4人、政務官1人が相次いで辞任に追い込まれた。岸田内閣の支持率は過去最低の25%まで落ち込んだ。さらに、週刊新潮(2月2日号)では「親バカ、子バカ!岸田総理があの長男秘書官が外遊でで観光三昧」の特集記事を掲載した。
岸田首相(65)の首相秘書官の長男・翔太郎氏(32)が公用車でパリやロンドンを観光していたことや、土産物を購入していた」と報道。岸田首相はこれを公務の一環として『首相が目的の一つで土産を全閣僚に買った」と説明して大問題となった。『国家公務員の「総理大臣秘書官」が資料集めの写真を撮影し、「首相の土産を買う」など前代未聞でないのか」と元文科省事務次官の前川喜平氏は批判する。
政治家の本来の仕事とはなにか。政治家(ステイッマン)は高い志を持ち、国家や国民の将来を考えて行動する人のこと。逆に「政治屋(政治稼業)、ポリティシャン」とは「自分の選挙や当選することを目的に、国民利益よりも収入の自益、地盤益、党益、派閥益を優先する、人のことである。
岸田家3代にわたって続く政治家一家である。「プロフェッショナル政治家であるのか」,
政治屋であるのかが問われているといえるだろう。
日本の首相「7割が世襲」の異常。政治を“家業”にして特権を独占する世襲議員の闇=神樹兵輔
https://www.mag2.com/p/money/1207696
によると、
日本の国会議員(710名)の3人に1人が世襲議員。衆院の自民党に限れば4割が世襲(米国は5%)。1989年から2021年までには19人の総理大臣が誕生したが、世襲の首相は13人、世襲率は約70%という世界でも異常な「封建的政治社会制度」が続いている。
なぜ世襲議員が多いかー、「一族の利権」確保が強く当選すれば、「高額報酬」「政治権力」「高待遇」がすべて手に入る「超特権階級」だから、といわれる。
給与に相当する「歳費」「報酬」その他「優遇政策で年間で約5,000万円超の収入が入る。ちなみに米国の上下両院議員の議員個人に入る年間報酬額は、17万4千ドル(1ドル130円換算で2525万円)でその2倍に相当する。
、そのため、「一族の利権」確保と継続が目的の緊張感を欠いた政治屋家業(ポリティシャン)が跋扈して、真に能力のある政治家が育たない政治風土になっている。日本はこの30年で、かって国際競争力は1,2位から2022年には34位まで転落した。国際政治経済で日本の衰退と混迷は一層深まるばかりである。日本の政治家の失敗といえるだろう。
三笘選手は2021年8月に川崎フロンターレからブライトンへ移籍金250万ポンド(約4億円)で移籍。2022年7月にブライトンへ復帰すると、今季は得意のドリブルを駆使して大活躍してブライトンの三笘の売却価格を3100万ポンド(約50億2000万円)に跳ね上がった。プロの選手は結果を残せば契約金は一挙に何十倍にも跳ね上がるのだ。
ところが、日本の政治家はどうか。この30年、経済失政、財政失政、デジタル失敗を延々と続けても、結果責任を問われない。選挙で落選しなければいつまでも政治家を続けられ、当選回数によっては大臣のポストが回ってくる。実力ではなく人気、プロではなく、アマチュアの家業の世界である。
議会政治の神様・尾崎行雄は「売家と唐様で描く三代目」(先代が苦労して遺産を残しても、2代目そのうえで楽に暮らし、三代目が家(国家)をつぶす)と警告したが、今やその「日本沈没」の極限に達している。
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