前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

世界/日本リーダーパワー史(895)-『全世界に向け通商戦争を宣戦布告」したトランプ大統領の大罪』★『米国の覇権転落・経済敗戦を決定的にしたく第3次世界貿易戦争>の自爆攻撃をする暴君の忖度!』

      2018/03/24

世界/日本リーダーパワー史(895)

以下は3月10日までに書いた原稿です。

「全世界に向けた通商戦争を宣戦布告」した

トランプの経済無知蒙昧!

前坂俊之(ジャーナリスト)

「トランプ氏は米国に輸入される鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す大統領令に3月8日サインした。

カナダ、メキシコ、オーストラリア以外の全ての国に適用されるもの。

鉄鋼・アルミの米国メーカーを支援する狙いだが、逆に、世界から反発を招いて、輸入製品の高騰により米国メーカー、消費者には大きなマイナスとなる。ライバルである中国よりも、カナダのような米同盟国に損害を与える自縄自縛ものですよ」

「確かに、中国の対米貿易黒字は過去最高の二千七百五十八億ドルに達しており、この不均衡に激怒してトランプは中国に宣戦布告をしたわけですが、中国政府は余裕しゃくしゃくですね。

トランプのいつものハッタリ発言と見ており、実行できないとタカをくっている。報復のカードをたくさん持っているから強い。

例えば、米航空機製造大手のボーイング社の代わりに、ヨーロッパのエアバス社(フランス)から買うこともできるし、現にマカロン仏大統領は中国を訪問して、エアバス184機の売り込みに成功寸前です。

また、中国が大量に輸入している米国産大豆をストップして、ブラジルやアルゼンチンから購入すると報復宣言すれば、米国大豆生産者は真っ青になるでしょう。

アップル、インテルなど、米国を代表するハイテク企業も同じく中国の報復に戦々恐々です。

半導体のライバルの日本、台湾、韓国など世界中のメーカーが中国市場を虎視眈々と狙っているからです。

トランプの経済、外交音痴の暴走を止められない茶坊主の政権、共和党にこそ『米国の悲劇』『米国の覇権喪失』の責任があると思う」

トランプの運命を決するのは11月6日の中間選挙

「結局、トランプの最大の関心は北朝鮮問題よりも中間選挙の行方です。CNNの世論調査(2月26日)によると、トランプ米大統領の支持率が35%と、昨年12月の最低値と並んだ。

共和党での支持率も昨年9月の就任後最低の81%を下回り80%となっている。歴代大統領のうち、就任2年目に入ったこの時点の支持率が50%を切ったのは、レーガン、カーター両元大統領の47%、オバマ前大統領の49%のみで、トランプ氏の35%は最低ですね。

『第二次大戦後で最も不人気な大統領』というレッテルをトランプは大変気にしている。

共和党の地盤のアラバマ州上院補選敗北(昨年十二月)に続き、ペンシルベニアでは絶対負けてはならないと「鉄鋼への輸入関税25%」を出したのです。

しかも過去7回の大統領のうち、一般投票数では共和党候補が民主党候補に6回も負けているという事実も、トランプにとっては頭の痛い問題です」

「メディアは2020年大統領選挙でトランプ大統領の対立候補にはだれがなるのか予測しているが、民主党内は中道派超ベテランのジョン・バイデン前副大統領(74)がクローズアップされている。

CNNの世論調査(18年1月)では、バイデン対トランプの決戦となった場合は有権者の支持率が57%対40%、サンダース対トランプでも55%対42%で、トランプの敗北と出た。こうした状況で民主党のバイデン前副大統領が20年の次期大統領選で、立候補の可能性が出ているとAP通信が報じた。

トランプは1期の大統領で終わるのか、気が気でないので、北朝鮮問題で何とか支持率を挽回したいと必死なのです。トランプの口撃、独断発言、ツイッターは今後よりエスカレートするのを日本も警戒しなければならない。」

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
☆☆世界一の授業を見にいく―●『ジャック・アタリの講演会(80分)をYoutubeで勉強しよう』

☆☆世界一の授業を見にいく。 『ジャック・アタリの講演会(80分)をYoutub …

no image
日本リーダーパワー史(172)『高橋是清の国難突破力①』『日露外債募集戦争』―奇跡的に成功したインテリジェンス(1)

 日本リーダーパワー史(172)   『高橋是清の国難突破力①』 &n …

no image
速報(236)『苦悩のNEC、「第2の創業」か「最後のともしび」か-日経』『いよいよ本格化する中国富裕層の資本逃避』

速報(236)『日本のメルトダウン』 ★『苦悩のNEC、「第2の創業」か「最後の …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(248)/『1894年(明治26)単騎シベリア横断をした福島安正大佐のインテリジェンス』「シベリアには英仏独のスパイが50年前から活動、日露戦争では英、仏、独のいずれかを味方とし援助を受けるべし』

 2016/02/26日本リーダーパワー史(674)/『戦略思考の欠落 …

no image
日本リーダーパワー史(528)安倍首相は国難突破(ナローパス)に成功するか、 失敗するか瀬戸際にある。

    日本リーダーパワー史(528) &nbsp …

日本リーダーパワー史(687)『北朝鮮行動学のルーツ②』ー150年前の「第一回米朝戦争」ともいうべき 1866(慶応2)年9月、米商船「ジェネラル・シャーマン号」の焼き討ち事件(20人惨殺)の顛末を見ていく。<事大主義と小中華思想、中華思想=エスノセントリズム (自民族中心主義)のギャップ、対立が原因>

日本リーダーパワー史(687) 『北朝鮮行動学のルーツ(下)』ー150年前の「第 …

no image
日本リーダーパワー史(951)-「ジャパンサッカー『新旧交代の大変身』★『パスは未来(前)へ出せ、過去(後)でも、現在(横)でもなく・』(ベンゲル監督)★『老兵死なず、ただ消え去るのみ、未来のために』(マッカーサー元帥)

日本リーダーパワー史(951) ジャパンサッカー大変身―「「パスは未来(前)へ出 …

『Z世代のための日本政治・大正史講座』★『尾崎咢堂の語る明治・大正の首相のリーダーシップ・外交失敗史⑤>』★『加藤高明(外相、首相)―事務官上りが役に立たぬ例』★『志の高い政治理念集団としての政党』が日本にはない。派閥グループ集団のみ、これが国が崩壊していく原因』

    2012/03/17 &nbsp …

『リーダーシップの日本近現代史』(157)再録/『日本一『見事な引き際・伊庭貞剛の晩晴学②『「事業の進歩発達を最も害するものは、青年の過失ではなく、老人の跋扈である。老人は少壮者の邪魔をしないことが一番必要である」』

    2010/10/25 &nbsp …

no image
日本メルトダウン脱出法(706)「胡錦濤・前国家主席の最側近の弟、米で亡命手続き 機密資料2700点持ち出しか?」「東郷和彦氏が説く歴史認識問題を克服するための「道徳観」『韓国の恨を理解せよ』

  日本メルトダウン脱出法(706) 胡錦濤・前国家主席の最側近の弟、米で亡命手 …