前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

オリエント学の泰斗・静岡県立大学国際関係学部・立田洋司名誉教授の最終講義(1/31)を聴いたー『自然と人間文化の接点ーとくにキリスト世界とPasteralについて』

      2018/02/02

 

静岡県立大学国際関係学部名誉教授・立田洋司先生の教育生活40周年を記念して「比較文化論」の最終講義が1月31日、同大2013教室でおこなわれた。

同教室には在校生、卒業生、ゼミ生、鬼頭宏学長ら教員、同僚、一般市民ら200人以上が詰めかけ、会場は満員で、出席者の多くはノートに筆記しながら熱心に聴講していた。

立田教授はオリエント学/東西文化交流史/比較美術史の研究者で、1972年3月、東京芸術大学大学院美術研究科(芸術学・西洋美術史専攻)修了、専門分野は比較美術史、オリェント学、造形芸術論、東西文化交流史など。

1977年4月、静岡女子大学助教授に就任。1991年4月から2012年3月まで静岡県立大学教授、以後、静岡県立大学国際関係学部特任教授(~2017年3月) 静岡県立大学名誉教授/ムセイオン静岡学内実行委員を務めた。

主な著書には

『古代アナトリアの遺産』近藤出版社、(1977)、

『埋もれた秘境カッパドキアー幻の大地下都市-』講談社(1977)『トルコの旅一栄枯八千年・沈黙の軌跡』六興出版(1981)『唐草文様世界を駆けめぐる意匠』(講談社選書メチエ、 1997)『カッパドキアーはるかなる光だ-』雄山閣出版、(1998)などがある。

最終講義はキリスト教、仏教、ユダヤ教などの古代からの宗教の歴史と誕生その教義、イエスの誕生、仏典、聖書の内容の共通性にふれながら、

東西文化の伝播、交流史、絵画、彫刻への影響をわかりやすく『ビジュアル』的にパワポでみせながら、整理された講義録からテンポよく解説された。

内容は

・醍醐味の意味、「不便こそ醍醐味である」

・自然世界を把握する方法論として「円」を考え「方形」を想定した。

・「四苦八苦」の仏教的思想は、西欧には全くない概念

・「深淵な」とは、釈迦が説法する音声の「八種」のこと。

・「八福田」の意味、仏教的な人生観、自然観の芽ばえがみえる

・6世紀末に聖徳太子はこの仏教思想から四天王寺、悲田院、尊田院などを作った先見性。

・マタイの福音書『悔い改めよ、天国が近づいた』がキリスト教の根本理念の1つ。 ・キリスト教の「八福八瑞」「真福八瑞」(八福)=the Beatitudes,と仏教の「八福田」との共通性

・聖パウロの思想『義』=justiceの重要性 ・「まことに」はギリシャ語の「アーメン」の訳で重大な事項に言及する時に使うイエスの独特の表現

・イエスの厳しさを和らげる『聖母マリア』の存在の重要性―などについてスピーディに―に講義した。

 

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論, 最先端技術『見える化』動画

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本風狂人伝(25) 日本一のガンコ、カミナリオヤジ・内田百閒 のユーモア

日本風狂人伝(25) 日本一のガンコ、カミナリオヤジ・内田百閒 のユーモアじゃ …

『Z世代への<日本史難問クイズ?>『リンカーン米大統領が奴隷の解放宣言をしたのは1862年(文久2年)ですが、日本で中国人奴隷(苦力)を解放したのは一体誰でしょうか⑲』★『西郷隆盛(参議・実質総理大臣)です。横浜港に入港した『マリア・ルース号事件』(清国人苦力=奴隷230人をペルーに運ぶ途中)で人権尊重の観点から外務卿・副島種臣に命じて停船を指示・船長を告発させ、裁判後に清国に送り替えした』★『「国の本来の政治は軍備の不備を恐れず、一国の運命をかけても、正論を以てこれを貫くべし」』

2019/07/27  日本リーダーパワー史(858)/記事再録 &n …

no image
終戦70年・日本敗戦史(104)再録<ネット時代の社説論説『本質に迫るための検証報道ーメディアは速報性のワナにはまるな①」

  終戦70年・日本敗戦史(104) 再録 <ネット時代の社説論説『本 …

『25年1月26日午前7時、逗子なぎさ橋珈琲テラスより4日間姿を表わさなかった<ビューティフル富士山>をうっとり拝顔し撮影した。」
no image
クイズ『坂の上の雲』ー天才参謀・秋山真之のスゴサはこれー山梨勝之進大将の証言じゃ

クイズ『坂の上の雲』   天才参謀・秋山真之のことなどー山梨勝之進大将 …

『Z世代のための日中韓外交史講座⑦』★『「ロシア紙」からみた「日中韓150年戦争史」(66)『(日清戦争開戦2ヵ月後―「新たな世界的強国の誕生」『ノーヴォエ・ヴレーミャ』1894(明治27)年10月4日』★『モルトケに弟子入りした川上操六参謀本部次長のインテリジェンスの勝利』

1894(明治27)年10月4日 『(日清戦争開戦2ヵ月後―「新たな世界的強国の …

『Z世代のための日本の革命家No.1は誰か?講座①』『植民地中国の惨状を見て、奇兵隊を作って立ち上がった高杉晋作①』★『上海租界地には柵があり『犬と中国人は入るべからず」の看板があった』★『大砲を搭載した蒸気軍艦を藩に無断で7万両で購入し幕府軍を倒すことに成功した』

『外国の借款、軍事的援助を受けることは国を滅ぼし、植民地となる』 1862年(文 …

『Z世代への昭和史・国難突破力講座㉓』★『日本一の戦略的経営者・出光佐三(95歳)の独創力・長寿逆転突破力スゴイよ②』★『眼が悪かった佐三は大学時代にも、読書はしなかった。「その代わり、おれは思索するんだ」「本はよく買ってきては積読(つんどく)、放っ読(ほっとく)」だよと大笑い』

2021//12/25『オンライン/ベンチャービジネス講座』再録・再編修 出光佐 …

no image
「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など 外国紙は「日韓併合への道』をどう報道したか ⑧ 「英タイムズ」(1907(明治40)年7月22日付> 『朝鮮の危機ーー日本の政策』

「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など 外国紙が報道した「日韓併合への道』 …

no image
ストリーミングビジネス市場はどこまで拡大するか

ストリーミングビジネス市場はどこまで拡大するか 静岡県立大学国際関係学部教授 前 …