日本の「戦略思想不在の歴史⑴」(記事再録)-日本で最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ起きたか①
2017/11/23
日本で最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ起こったか
今から2年前2015年(平成27)、戦後70年の首相談話なるものをめぐって1年間大騒ぎした。安保法制の国会審議も大揺れだった。久しぶりに国会を大勢の反対デモ隊が取り囲んだ。「戦争法だ」「やれ憲法違反だ」「国民への説明が不十分だ」と与野党のいつもの茶番劇が繰り返された。
「大山鳴動して鼠一匹」である。
日本の永田町ド田舎政治はこの「72年間」この繰り返しである。
いまだに国会で「憲法改正」論議、東アジアの大変動・北朝鮮・中国問題の国論統一よりも「加計問題の論議を優先せよ」というマスコミのバカさ加減に愛想が尽きる。
今回の安保法制(2015年当時)のターゲットは①中国の国際ルール無視の膨張、軍事大国化、軍事衝突のリスク②北朝鮮の暴発、崩壊への対応であることはいうまでもない。
世界の衆人環視の中で「その防衛機密手の内を十分に国民に説明する責任がある」とマスコミ、野党は執拗に追及した。
世界の国で本来機密性の高い安保戦略を全面公開しなさいと国会の場で延々論議している国があるか。
戦後70年、『集団自衛権』をめぐるかくも長き不毛なイデオロギー的神学論争にふけっている場合でないほど日本をとりまく国際環境は緊張・激変し、日本は衰退中である。
その危機意識がないのには驚くというよりも、いつもこの調子で日本は転んでいったのである。そして大騒ぎ、から騒ぎのあとはいつものごとく、大山鳴動ネズミ1匹で、宴は終わった。
日本の「ジャーナリズム」は子犬同様に、絶えず動くもの目をうばわれて、おっ駆け回しほえ続ける「ペットジャーナリズム」である。国民の多くが大昔の徳川綱吉時代の「生類憐みの令」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E9%A1%9E%E6%86%90%E3%82%8C%E3%81%BF%E3%81%AE%E4%BB%A4
「お犬様」よろしくペットを人間以上にかわいがり、美食を与えて「ペット病院は増えても子供は増えず、産婦人科は減少」<日本老人・子供残酷物語>「生活保護世帯の激増」の倒錯時代が狂い返えされている。
この時代病理は新聞・テレビの「ペットジャーナリズム」通底しており、一見虚を吠えれば万犬これに従う。「歴史認知症」1過性、付和雷同性の多動性症候群であり、ジャーナリズムはその国の民族性の同調しステムとすれば、熱しやすく冷めやすい国民性とも連動している。
日本人には哲学がないともいわれる。哲学とはなにか。戦略思考である。戦略思考とは何か、自己客観視、長期的な判断力、他者からの複眼・多視点からの思考力である。マッカーサーは第2次世界大戦の敵国となった
「ドイツ人は大人だが、日本人は12歳の子供」といった。大人と子供を分けるものは戦略思考の有無である。
大人ドイツと子供日本の落差はメルケル外交とアベ外交(その前の自民、民主の迷走,迷妄外交)の違いである。
今回の安保論議、戦争と平和論争を聞いていて、どうしようもない日本人の戦略思考の欠落、コミュニケーションの上欲の欠如、他者への視線、外国への情報音痴、複眼思考の欠如、そこからくる外交力、国際交渉力の不足以上の欠落を痛感した。
『戦略思想』と「戦争」は切っても切れない因果関係がある。
戦略思想がなければ戦争には勝てないし、戦略の不在、出たとこ勝負は敗北につながる。
また戦争と外交とは対立概念ではない。表裏一体である。
戦略思想の具体化が、外交であり対外交渉である。この国際交渉に失敗すると、対外戦争へと発展する、戦争は外交の1手段でもある。
戦略思想の軍事的実現が戦争であり、外交なくしていきなり戦争が始まるのではない。日本の対外戦争はほとんどがこの『戦略思考の欠落』(外交失敗)からおきている。
日本の最初の対外戦争の「元寇の役」からみてみよう。
「元寇の役」はユーラシア大陸を席巻しモンゴル帝国の圧倒的な戦力、軍勢により日本側は敗北寸前だったのが、2回とも台風が吹いてモンゴル軍の艦船はことごとく沈没、破壊され、日本は侵略からかくも守られた戦争と伝えられている。
このため台風を『神風』と呼びあがめて、日本を神国化し、北条時宗を護国の英雄として賛美した。以後、国難、対外戦争にはいつも『神国』を守り『神風』を期待する風潮が起きてくる。
元寇の役から約700年後に起きた太平洋戦争開戦(1941年12月8日)をみても、この「神国病」『神風病』が再現されている。開戦日をスクープした東京日日新聞(毎日新聞)は12月8日朝刊の紙面で、「北条時宗にならえ」との記事を大々的にとりに掲げている。
第一面では横見出しに「東亜撹乱、英米の敵性極まる」と大きく謳い、縦には「断乎駆逐の一途のみ」「隠忍度あり一億憤激将に頂点」。社会面では「断じて起つ・一億の時宗」「銃後は火の玉、見よこの備へ」「元寇かくや荒ぶ神風」で国民の決意を呼びかけ「今こそ一億国民の起つべき秋は来た。 我に〝時宗″の決意あり、我に〝正宗″の銘刀がある。(中略)弘安年間、元冠を退けた〝時宗″に国民一人々々がなって銃後も前線もガッチリ肚を極める時期は正に来たのだ」
といった調子である。
「北条時宗の精神を見習え」と国民の戦意を最高度に高揚した。
ただし、この「元寇の役」は太平洋戦争のように、いきなり日本海軍が真珠湾攻撃して開戦した戦争ではない。モンゴル軍はいきなり攻めてきたのではないく、計6回も日本使者を送り、外交、貿易を迫ってきた。
時は鎌倉時代、源頼朝が幕府を鎌倉に開いたが、それも三代で終わり北条氏に実権が移りその後、約五十年が経過したときである。征夷大将軍の名前の通り鎌倉幕府の権限は治安の維持、国土防衛の任務であり、対外関係の処理は京都朝廷の権限に属していたので幕府は蒙古の国書を朝廷に伝奏したのであった。
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(399)ビデオ歴史政治座談会<安倍自民党政治へ提言>安倍外交は武田信玄の軍略を学べ
日本リーダーパワー史(399) …
-
-
速報(419)●『ボランティアの力を懸念する中国政府』●『株高予兆する金急落、「鬼に金棒」の好環境=武者陵司氏』
速報(419)日本のメルトダウン速報 ●『ボランティアの力を懸念す …
-
-
『Z世代にための日本文学者列伝(動画あり)』★『 直木三十五は「芸術は短く、貧乏は長し」と詠んで『直木賞』に名を残した。』★『借金の天才の「借金取り撃退法はダンマリ作戦」』★『流行作家となり、湯水のごとく原稿料を散財した、 無駄な出費が大好き』
2016/11/09 「 お笑い日本文学史」記事再録/再編集 直木三十五(なおき …
-
-
『地球環境大異変の時代④』/『日本災害列島から地球全体に例外なく気象大変動が毎年襲ってくる「世界大災害時代」へ』★『 「ハリケーン・フローレンス」米ノースカロライナ州に上陸』
『地球環境大異変の時代へ④』 先週、日本は国家的危機(カントリーリ …
-
-
速報(376)『日本のメルトダウン』●『安倍政権の成長戦略はどうすれば失敗しないか』 中国人が寄せる「期待」と「現実」』
速報(376)『日本のメルトダウン』 ●『安倍政権の成長戦略はどう …
-
-
長寿学入門(221)『96歳、平和でなければ走れない。人々に感謝し、走り歩くことが万病の薬となる』★『走る高齢者たちーオールドランナーズヒストリー』(福田玲三著、梨の木舎2020年6月刊)を読んで』★『『佐藤一斎(86歳)『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち 壮にして為(な)すこと有り。 壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず。 老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず』★『作家・宇野千代(98歳)『生きて行く私』長寿10訓ー何歳になってもヨーイドン。ヨーイドン教の教祖なのよ』
『人々に感謝し、歩くことは万病の薬となる』 『走る高齢者たちーオールドランナーズ …
-
-
知的巨人の百歳学(138)-『六十,七十/ボーっと生きてんじゃねーよ(炸裂!)」九十、百歳・天才老人の勉強法を見習えよじゃ、大喝!』-儒学者・佐藤一斎(86歳)の『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち 壮にして為(な)すこと有り。 壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず。 老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず』
2018/04/11 …
-
-
記事再録/知的巨人たちの百歳学(142)ー「最後の元老・西園寺公望(90歳)-フランス留学10年の歴代宰相では最高のコスモポリタン、晩年長寿の達人の健康十訓」★『 まあ生きてはいるがね、涙が出る、はなが出る、いくじがなくなって、 これも自然でしかだがない』』
百歳学入門(80) ▼「最後の元老・西園寺公 …
-
-
『Z世代への昭和史・国難突破力講⑱』★『アジア・太平洋戦争下」での唯一の新聞言論抵抗事件・毎日新聞の竹ヤリ事件の真相」★『極度の近視で徴兵検査で兵役免除になっていた37歳の新名丈夫記者は懲罰召集され、丸亀連隊へ』★『内務班の実態』
名記者が自ら語る『竹槍事件』(「沈黙の提督、井上成美 真実を語る」 …
-
-
★5日本リーダーパワー史(780)―『明治以降、日中韓(北朝鮮)の150年にわたる対立、紛争、戦争のルーツは『朝鮮を属国化した中国」対「朝鮮を独立国と待遇した日本(当時の西欧各国)」とのパーセプション、コミュニケーションギャップの衝突である』★『 明治9年の森有礼と李鴻章の『朝鮮属国論』の外交交渉の見事なすれ違いにルーツがある』
★5日本リーダーパワー史(780) 明治以降、日中韓(北朝鮮)の150年にわた …
