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日本リーダーパワー史(218)<日本亡国病―百戦百敗の日本外交を予言した西郷隆盛<外務大臣には最高の人傑を当てよ>

      2015/01/01

日本リーダーパワー史(218)
 
<日本亡国病―その後も百戦百敗の日本外交を予言した西郷隆盛>
 
西郷隆盛の驚くべき卓見・見識―<外務大臣に
は国の最高の頭脳の百戦錬磨の人傑を当てよ>
 
 
 前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
明治の新聞報道から見た西郷隆盛
 
○『外務卿には真の豪傑を得べしが持論』
 
           
   1875(明治9)年5月17日  『近事評論』
 
 外国交際ノ事 豈ソノ易々ナランヤ、ソノ主務ノ責任二当ルモノ、固ヨリ其人ヲ得ザルベカラズ。西人ノ諺二云ク、頭髪霜ヲ戴カザレバ外交ノ重圧二充ツべカラズト、善哉言ヤ、蓋シ外国交際ノ事ハソノ主任ノ至、大至重ナルヲ以テ、老成沈実ナル人ニアラザレバ、任スべカラザルヲ謂ウナリ。試ニ看ヨ、米国ニ於テ外国ノ事務二担当スルモノバ、果シテ何等ノ人物ゾヤ。豈 国中第一等ノ俊才ニシテ、最モ事ニ錬磨シタル人傑ヲ選任スル国務卿ヲシテ管掌セシムルニアラズヤ。
 
普国ハ則、太政大臣親ラ外務ノ事ヲ管理スルニアラズヤ。ソノ他欧州各国概ネ此類ニアラザルハナシ。支那ノ如キ、中華ヲ以テ自ラ誇リ、夷秋ヲ以テ外国ヲ視、我国人 毎ニソノ頑固迂潤ヲ嘲笑スルト錐モ、最近屡々外交ノ苦難ヲ経歴スルヤ、大二外務ノ重ズべキヲ了知スルモノノ如シ。
 
一昨年、我大久保弁理大臣ノ、北京二於テ交換シタル条教書ニ、大臣十名之二連署スルヲ
以テ、ソノー端ヲ見ルニ足ルべキナリ。且、欧米各国トノ条約二於テ、ソノ海関ノ税権ヲ占有スル、我帝国二親スルコト数等ナルガ如キ、コレソノ外務ヲ慎重スルノ致ス所ニアラズヤ。
 
 内務ノ治安二於ケル、大蔵ノ理財二於ケル、司法ノ曲直二於ケル、海陸軍ノ防禦二於ケルガ如キ、ソノ責任タル重ハ則チ重ナリ、大ハ則チ大ナリ、然レドモ特リ外務ノ責任二至テハ、我輩ソノ重且大ナル各省ノ比エアラザル(ヲカ)見ルナリ。何トナレノミ、ソノ事務タル、列国ノ交際上二関渉スルヲ以テ、理事ノ際一夕ビ錯誤ヲ生ズル時ハ、一国人民ノ栄誉ト幸福ヲ挙ゲテコレヲ失墜シ、ソノ大ナルニ至テハ、一国ノ存亡モ外務主任一人ノ賢愚如何二係ワルモノ有レバナリ。コレ、ソノ責任ノ内事二止マルモノニ比シテ、重且大トスル所以ナリ。
 
我国外交ヲ軽忽に附スルノ弊殊二甚シク、古昔外人ヲ接スルハ微々タルー玄蕃寮アルノミ、降テ武門ノ世二至テハ全コレヲ度外二措ケリ。徳川氏ノ末世二及ビ、僅カニ外国奉行ノ設ケアリト雖モ、ソノ任ズル所ハ概ネ軽躁浮薄ノ徒ノミ、素ヨリ国権ノ何物タルヲ知ラズ、
 
何ゾ外交ノ重ズベキヲ解スルニ足ランヤ。ソノ措置因循姑息一日ノ安逸ヲ盗ミ、百載ノ愚書ヲ顧リミズ今日現ニソノ流毒二苦ムモノ蓋シ少シトセズ。
 
 我明治政府ハ綿々外交ノ重ズベキヲ知ルモノ有ルガ如シト雖モ、ソノ任ズル所ハ少壮敏捷ノ人二過ギズ。ソノ経歴錬磨ノ功二乏キ、事ヲ処スルニ当り或ハ細々軽為ノ議ヲ速キ、会々老実錬磨ヲ以テ自ラ任ズルモノアレド盲、怯儒二陥り、退縮二流レ、均ク国権ヲ振起スルヲ得ザルノ誹ナキヲ保ス可ラズ。コレ亦時勢ノ己ムヲ得ザル、コレヲ奈何トモスルナキノミ。只恐クハ後来少壮敏捷ノ人ヲ偏用スルノ弊、僅カニグードモーニンヲ解シテ、英国在留全権公使ヲ得、ボンジュール、モッシューニ通ジテ、仏国駐劉使臣ノ位地二登ルガ如キニ至ランコトヲ。
 
我輩会テコレヲ聞ク、西郷隆盛君、
我国当時ノ人才ヲ論ジ、外務卿ノ任ソノ人ニ乏シキヲ歎惜シテ曰く、若シソレ真ノ豪傑ヲ得テコノ任二当ランシメレバ、国家ノ事亦深ク憂ウルニ足ラザルナリト。
 
鳴呼コレ真二経世ノ大体二通ズルモノノ言ト謂ウベキカ、外国交際ノ事固ヨリ難トイエドモ、況ンヤ今日我国外国交際上ノ事、敷難日々二逼迫スルニ於テヲヤ。
 
 鳴呼我同胞ノ兄弟ヨ、眼ヲ開イテ我国外交ノ現況ヲ注視セヨ。裁判ノ権、海関ノ権ハ皆外国二奪掠セラレ、自国ノ物品税別ノ緊縦緩厳ハ我自ラコレヲ挙行スルヲ得ズ。
 
我兄弟ノ正邪曲直ハ、我レ自ラコレヲ判明スルヲ得ズ、国家自主ノ大権ハ果シテ安クニ在ルヤ。万国並行ノ対面ハ抑モ安クニ在ルヤ。吾輩人民、ココニ至テ憤慨痛憤セザラント欲スルモ得べカラザルナリ。
 
今ヤ、幸イ条約改正ノ期二際ス、国家自主ノ大権ヲ挽回シ、万国並行ノ体面ヲ快復スルノ大機ハコノ時ニアリ。優遊不断、一夕ピコノ天機ヲ誤ルトキハ、三千万ノ兄弟ヲ率イテ
奴隷ノ域二陥ラントス。コノ時二方リ外務主任ノ責、亦至重至大ノ秋ニアラズヤ。
 
 吾輩ハ記シテココニ至り、将二筆ヲ置カントスルニ方リ、忽チー奇報ノ机上二飛来
 ス′レモノアリ、把テ之ヲ閲スレノミ、曰ク、
 一貴顕、某外国ノ貴人某氏ト話説ノ際、 如何ナル論談ノ末ナルカ、某君ハ彼ヨリ言ウベカラザルノ汚辱ヲ被ムリシト云ウ。吾輩読ミ終テ憤懣胸二塞リ、復夕筆ヲ執ル能ワズ、
 
 
  
○ 『官を辞すといえども他意はない』
 
      1874(明治7)年1月13日 『東京日日』(現毎日新聞)
 
 海外新聞二英雄ニシテ忠臣ナル人 薩州ノ軍将西郷氏始メ参議ニテ陸軍ノ元帥タリンガ、辞職ノ後ソノ附従ノ者ヲ集メコレニ謂テ曰ク、善ク新政府二承順セヨ、軍務ハ真心二政府ヲ扶助セヨト、辞職スルト雖ドモ、ソノ心固ヨリ他意アルニ非ズ、且ツ附従者ノ別意ヲ挟マザルヲ願エリ、ソノ元帥ノ任ヲ辞スルニ当リ、ソノ既二知ラレタル勇力並二忠実ニヨリテ政府コレヲ許サザリンガ遂二一時ノ休暇ヲ与エタリ。
 
 
○ 『犬をお供に山野を排回』
 
          1876(明治9)年5月8日 東京曙
 
 先月二十五日刊行西海新聞、鹿児島の近況を載せし中に、西郷隆盛先生は相変らず御
壮健にて開拓等に意を注がれ、毎日山野に出時ありて市中を排回される由なるが、髪は
散乱したるままにて、帽子もかぶず且つしゅいろの鼻緒を附たる木履をはき飛色のゆうなる木綿羽織を着用し、二三匹の犬を御供に御連れなさると申すと。また御同人の近作は、
  白髪衰顔非所意。壮心横則愧無勲。
  百千窮鬼吾何畏。脱出人間虎豹群。
 
 
 
 
 
 
 
 

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