前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(129)/記事再録★『日野原重明先生(105歳)』★『92歳の時の毎日の生活ぶりだが、そのエネルギーと分刻みの緻密なスケジュールと仕事ぶりはまさに超人的!

   

 

   百歳学入門(188)記事再録

日野原重明(1911-2017、105歳)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%87%8E%E5%8E%9F%E9%87%8D%E6%98%8E

日野原先生は医学一筋に、九十二歳まで走り続けてきた。ところが、八十八歳のとき、米国のバスカーリア教授作の『葉っぱのフレディ』の日本語訳のミュージカルの脚本を書き、その演出や出演も行い、素人の作曲を楽しむことが可能になり、人生のフィナーレになって新しい世界が開けた。

生涯現役で105歳という長寿を達成し、医学界へ貢献、終末医療の普及に尽力し、その傍ら膨大な論文、エッセイ、100冊以上の生き方、人生論、長寿、健康本を執筆し、前人未踏の業績を上げた巨人である。

以下は、92歳の時の毎日の生活ぶりだが、そのエネルギーと分刻みの緻密なスケジュールと仕事ぶりはとても人間わざとは思えないほどのすさまじさである。

➀ 起床は朝五~七時の間、病院に八時には出勤し、日中は仕事、平均して夜八時ごろ帰宅して夕食をとる。

②、朝食はジュースに植物油二五グラムをまぜて飲み、コーヒー牛乳一杯、牛乳-合を飲む。時間は十分以内。昼食は牛乳一合とクッキー二枚。

③ 夕食は十分なサラダとドレッシング、ごはんは半杯。脂肪のない肉か魚をとり、豆腐をよく食べる。食後にはたくさんの果物。糖質を少なく、タンパク質は十分にとる。植物性脂肪は日本人の平均の二倍以上。総カロリーは一三〇〇キロカロリーに制限している。

④ 運動量は1日二千~三千歩にとどまるので、摂取カロリーは基礎代謝量に近い。運動時間がないので、なるべく階段を使い、ときには二段飛び。エスカレーターは使わず、一〇キログラムのカバンか袋を両手にさげて歩く。

⑤ 仕事、執筆、講演のための資料集めに通勤の車中で、二つの新聞、帰宅後は他の三つの新聞に眼を通し、資料として整理する。

⑥ 手紙を十~二十通読み、返信の必要なものは翌日には返信する。毎日、洋書また洋雑誌を数冊、日本で出版された本や雑誌十冊くらいに眼を通し、必要なページは項目別のファイルに入れておく。

⑦午後十一時半ごろから執筆を二~三時間、急ぐ原稿があれば翌朝まで、少なくとも週一回は徹夜で、四百字づめ原稿用紙二十~二十五枚を書き下ろす。

⑧飛行機、新幹線の車中でも、ひっきりなしに原稿を書くか、校正をするか、テープに吹き込む。

➈寿命とは与えられた自分の時間のこと。その時間をどう使うか、手もちの時間をどう便うかということによって決定される。私ははじめに毎日何時間眠るかを決めて、ほかの時間を上手に分割して使う。自分のために使う時間と、他人、社会のためにボランティアに用いる時間を決めておく。

⑩〔睡眠時間のとり方〕大人になってからは、六時間睡眠をとればよいと思う。眠りの浅い人はもう少し長くてもしかたがない。熟睡できないと気になる人は睡眠薬を専門医の処方により、安心して続ければよい。

⑪〔食事の時間〕―家庭生活と仕事のある人は仕事の都合で決めざるをえない。老人になると、日に3回食、2回食にするかは、各自が考えればいずれでもよい。食事の時間は、少なくとも一日1回は家族とゆっくり話をしながら食事をとる習慣を身につける。

 

⑫私がたくさん執筆できるのは、車のなかでも駅の待合時間でも、いつでもどこでも書けるからである。ポータブルの台(板の裏には枕のようなマットがついているので揺れる車中でも固定される)で書きものをしている。

参考文献 日野原重明著「100歳になるための100の方法―未来への勇気ある挑戦」(文芸春秋社、2004年刊)

 - 人物研究, 健康長寿, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『Z世代のための「原爆裁判」の歴史研究講座」★『「原爆裁判―アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子」(山我浩著、毎日ワンズ)の書評』★『オッペンハイマーは原爆被災者に涙の謝罪、孫は核廃絶の連帯を訴えた』

「原爆裁判」は必読の歴史的ドキュメントです。 今年4月から始まったNHK朝の連続 …

no image
『オンライン講座/日本陸軍・失敗研究』★『大東亜戦争敗因を 陸軍軍人で最高の『良心の将軍』今村均(大将)が証言する②』★『陸海軍の対立、分裂」★「作戦可能の限度を超える」★ 「精神主義の偏重」★「慈悲心の欠如」★ 「日清日露戦争と日中戦争の違い」★「戦陣訓の反省」

 2016/05/25  日本リーダーパワー史(7 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(113)従軍慰安婦問題、いぜん続く日本・韓国の対立を憂える(6/27)

   池田龍夫のマスコミ時評(113)   &nb …

no image
日本メルトダウン( 974)『トランプショックの行方!?日本人は、「トランプ大統領」を甘くみている過去の「トンデモ発言」には信念がある』◎『トランプ当選で日米安保が直面する重い課題、異色の新大統領が進める外交政策に募る不安』●『  中国とロシアは、なぜ「トランプ支持」なのかー日本と米国の関係は非常にデリケートになる』●『日本人が知らない「トランプ支持者」の正体、米国人が「実業家大統領」に希望を託した理由』●『なぜドナルド・トランプは勝利し大統領になれたのかという「5つの理由」と「今後やるべき5つのこと」』●『中国・人民日報「歴史的な意義ある成果」 米・ニューヨーク・タイムズ 「反動への危機感強める習体制」』●『韓国で核保有論再燃 「自分たちで国守らねば」』●『自滅するフランス大統領:奈落の底へ  (英エコノミスト誌)』

   日本メルトダウン( 974) トランプショックの行方!?   日 …

『 2025年は日露戦争120年、日ソ戦争80年とウクライナ戦争の比較研究③』★『児玉源太郎・満洲軍総参謀長とその懐刀の長岡外史参謀次長のインテリジェンス③』★『満州軍総司令部と大本営間の電報では遅いと九時間半もかかった。』

2010/05/14  日本リーダーパワー史(45)記事再編集 前坂俊 …

no image
『バガボンド』(放浪者、世捨て人)ー永井荷風の散歩人生と野垂れ死考 ② 『行動的なフランス知識人とまったくだめな日本のインテリ』

  『バガボンド』(放浪者、漂泊者、さすらい人)ー永井荷風の散歩人生と …

no image
 ★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 世界、日本メルトダウン(1045)>『トランプ大統領、FBI長官クビに!CNN「米国史に残る権力乱用」』★『大統領失格を自ら宣言する権力乱用であり、トランプは弾劾されて、辞任に追い込まれる可能性がより大きくなった。』

   ★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 世界、日本メルトダウン(10 …

日本リーダーパワー史(559)世界が尊敬した日本人ー明治維新を点火した草莽の革命家・吉田松陰

  日本リーダーパワー史(559)     世界が尊敬した日本人 明治維新を点火 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(140 )再録/日米の歴史パーセプションギャップ・誤解の原因は②・・ダンスは野蛮・国会は魚市場のセリと同じ日米の歴史パーセプションギャップ・誤解の原因は②・・ダンスは野蛮・国会は魚市場のセリと同じ

    2010/06/10 &nbsp …

no image
『オンライン鈴木大拙講話』★「東西思想の「架け橋」となった鈴木大拙(95歳)―『『長寿の口癖は「わしは死神と競走で仕事をする」★『死を恐れるのは仕事を持たないからだ。ライフワークに没頭し続ければ死など考えるヒマがない。死が追ってくるより先へ先へと仕事を続ければよいのじゃ』』★『禅は「不立文字」(文字では伝えることができない)心的現象』★『「切腹、自刃、自殺、特攻精神は、単なる感傷性の行動に過ぎない。もつと合理的に物事を考へなければならぬ」

  前坂俊之×「鈴木大拙」の検索結果 28 件 http://www. …