前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(418 )安倍首相は1日消費税率を8%に引き上げ経済対策と同時に、放射能汚染水防止に背水(排水)の陣を引け

      2015/01/01

日本リーダーパワー史(418

★川上操六陸軍参謀総長のインテリジェンスに学べ②

 

安倍首相は1日の消費税率を8%に引き上げと、消費増税に備えた5兆円規模の歳出増を伴う経済対策、設備投資減税措置と同時に足元で垂れ流し続く、放射能汚染水の防止、処置に全力を挙げる行動プランを発表し、背水の陣を引け。1940年( 紀元二千六百年)の東京オリンピック返上の大失敗を再び繰り返さないためにも・・是非やらねばならぬ。

 

●≪再録≫今からでも遅くない『放射能・汚染水阻止の総合

対策本部(首相直轄、汚染水阻止担当大臣、防衛省、各省、
民間、世界の研究者一体の総動員体制と特攻隊を結成せよ』

安倍政権は国家安全保障会議(日本版NSC)設置で、放射
能・汚染水阻止」を最重要課題として取り組め②

 

○『セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度

http://dot.asahi.com/wa/2013092500046.html

 

 

●<再録>2012/03/19 – 日本リーダーパワー史(244

 

 

<再録>明治日本の「諸葛孔明」というべき川上操六30

 

前坂俊之(ジャーナリスト)

 

 ★★―川上こそ「日本の諸葛孔明」、日本歴史上、最高の軍師、戦略家

 

川上操六が参謀本部次長(実質上の参謀本部トップ)となったのは、前後2回ある。2回目は明治22年から日清戦争を広島大本営で明治天皇の側で全軍指揮して勝利し、そのご31(日露戦争の6年前)までの10年間にわたっており、次なる日露戦争に備えて川上の才能はフル回転して、勝利の方程式をつくり燃え尽きて死亡する。川上こそ日本の諸葛孔明、日本戦史上、最高の軍師、戦略家といって間違いない。

 

川上は明治18年6月、ドイツより帰朝すると陸軍少将に進み、すぐ参謀本部次長になった。

明治維新によって開国した若き日本は国内戦争に明けくれ、西南戦争(明治10)という国内最大の内乱事件を何とか乗り越えたが、陸軍は対外戦争など想定外の体制であり、参謀本部など陸軍の片隅の存在だった。

 

明治11年末、ドイツ軍政を研究して帰国した桂太郎の献策により、陸軍卿山県有朋はじめて参謀本部を作り参謀機関の独立をはかった。

最初の参謀本部の組織は、管東・管西の二局制。陸軍省は軍事行政を担当、参謀本部は作戦計画をつかさどり、監軍本部は検閲、教育を分担し、鼎立した。

明冶十七年、大山陸軍卿一行、川上操六、桂太郎を次期リーダーに据えて、教その教育と戦略立案をさせるためにヨーロッパを1年間にわたり視察、研究してきた。

 

大山一行の帰朝後、ドイツより招へいしたメッケル少佐に諮問して、新兵制の調査に着手。川上が先輩であり、同僚である薩摩、長州の諸将官を超越して参謀次長についた。

同時に、軍政についたのは桂太郎である。この2人の間でその足らざるところを補い、軍制改革に貢献したのは川上の後輩で参謀本部第一局長・児玉源太郎大佐である。

 

明治19年3月、児玉大佐が臨時陸軍制度委員長のなると、桂、川上とも審査委員となり、問題は3人でともに協議した。これより、川上、児玉は参謀本部にあり、桂は陸軍次官として陸軍省を牛耳り、3人コンビで兵制と軍政の一体改革が急ピッチにおこなわれた。

 

その改革の主なものは

 

 陸軍省の官制を改革し行政機関の統一と事務の整理

 フランス式からドイツ式へ兵制の基礎を改革した

 監軍部を復活して、教育軍政の統一と改善を図った

 鎮台を廃止して、師団をもうけて、国軍の編制を変えた。

 参謀本部条例を改正して陸海軍両部の併置の制度を排して軍令機関を統一

 陸軍の経費機関を改正、徴兵令、給与令、その他で経費を削減した。

 ドイツの兵站制度にならい兵站条例を創設して兵站機関の運用を図った。

 

 

川上の第2次参謀次長時代

 

明治22年3月、陸軍参謀本部条例が改正されると、川上は近衛歩兵第二旅団長から、再び次長になり、陸軍中将に昇進した。時に川上は43歳。川上は満を持して、全知全能を傾けて、インテリジェンス戦略を練りに練って帝国陸軍の大発展の原動力となった。

日本の10倍以上の陸軍最強国・超大国ロシアの侵攻を打ち破るため、まさしく『日本のモルトケ、諸葛孔明』となって獅子奮迅の活躍を、一切秘匿して静かに潜行して、その参謀力を果たした。そのため、政治家のように国民に広く認知されることはなかった。

 川上はヨーロッパ視察、ドイツ陸軍参謀総長・モルトケに弟子入りしてその戦略を学んで自家薬籠中のものにした。

明治27年になって日清戦争が勃発すると、川上の采配よろしく日本軍は連戦連勝で清国を打ち破り、アジアにおける日本の躍進を世界に示した。それは偶然のたまものではなく、川上の用意周到な準備と、桂、川上、児玉の三本の矢、文殊の智恵、日本のトップリーダーたちのインテリジェンスの賜物であった。

 

●桂太郎(日露戦争当時の総理大臣、戦前最長の首相在任期間)は自叙伝

にこう書いている。

 

『陸軍内部の改良、各種の改革できたのは第一に私が登用された後、大山陸軍大臣の信任を受け、山県伯(有朋)の信用を得た事にある。あわせて川上、児玉両少佐と心と一にし、私をすてて公に奉じる決心により、この結果をおさめることができた。

また明治17年に川上少将と同室中でほとんど1年間のヨーロッパ視察で寝起きを共にした結果、相互に協力することがなければ困難であった。また児玉少将の鋭敏にして、我が主張に賛成し、中において自ら難局に当たりて事の整理をできる基礎を作ってくれなければ、また1の困難を感じたであろう。

これらの数種類の原因が融合して、この事を成し遂げることができたのは第一にはわが帝国陸軍の幸福の本となり、第二にはわが当初からの目的が、達成できたのである。将来のためにここに記述し置くことは、最も必要ことなりと信ず。」

この日本興隆の基礎を打った明治のトップリーダーのおかげで、今日があることを忘れてはならない。

                                  終わり

 - 人物研究 , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本最高の弁護士は誰だ!ー冤罪と人権擁護の戦いに生涯をかけた正義の弁護士・正木ひろしだよ

                                     &nb …

『外国人観光客へのおすすめスポット」★『後楽園(名園)・旭川(清流)・岡山城(鳥城)』の3拍子揃った『歴史文化景観スーペース』は世界の都市の美的景観に引けを取らない』

  後楽園、右上の白い輝く三角の光は岡山城のライトアップ、5月末に撮影 …

no image
日本メルトダウン( 974)『トランプショックの行方!?日本人は、「トランプ大統領」を甘くみている過去の「トンデモ発言」には信念がある』◎『トランプ当選で日米安保が直面する重い課題、異色の新大統領が進める外交政策に募る不安』●『  中国とロシアは、なぜ「トランプ支持」なのかー日本と米国の関係は非常にデリケートになる』●『日本人が知らない「トランプ支持者」の正体、米国人が「実業家大統領」に希望を託した理由』●『なぜドナルド・トランプは勝利し大統領になれたのかという「5つの理由」と「今後やるべき5つのこと」』●『中国・人民日報「歴史的な意義ある成果」 米・ニューヨーク・タイムズ 「反動への危機感強める習体制」』●『韓国で核保有論再燃 「自分たちで国守らねば」』●『自滅するフランス大統領:奈落の底へ  (英エコノミスト誌)』

   日本メルトダウン( 974) トランプショックの行方!?   日 …

no image
記事再録/「死に至る日本病」(ガラパゴス・ジャパンシステム)-2014W杯サッカーの完敗と日本の政治、経済、スポーツ、社会全般に蔓延――次から次に出てくる日本の惨状!?『⑤ストラジティー(戦略、戦術)なし。NATO(ノット・アクション、トーク・オンリー)何も決められない決断しない日本)』

  2014/07/04 /日本メルトダウンの脱出法(552) &nb …

no image
★『鎌倉カヤック釣りバカ人生30年/回想動画記』動画再録『百歳学入門』(230)『母なる海には毎回、大自然のドラマがあり、サプライズがあるよ!

2013/06/21の記事再録『百歳学入門』(230) 『鎌倉30年カヤック釣り …

no image
日露300年戦争(3)『露寇(ろこう)事件とは何か』―『普通の教科書では明治維新(1868年)の発端をペリーの黒船来航から書き起こしている。 しかし、ロシアの方がアメリカよりも100年も前から、日本に通商・開国を求めてやってきた』

  『元寇の役』に継ぐ対外戦争『露寇事件とは何か」   普通の教科書で …

no image
『オンライン/75年目の終戦記念日/講座➂』★『1945年(昭和20)8月、終戦直後の東久邇宮稔彦首相による「1億総ざんげ」発言』★『徳富蘇峰の語る『なぜ日本は敗れたのか➁』「リーダーシップ・長期戦略の欠如である』

  ★『1945年(昭和20)8月、終戦直後の東久邇宮稔彦首相による「 …

『オンライン講座/不都合な真実で混乱する世界』★『コロナ・ウクライナ戦争・プーチン・習近平・金正恩の大誤算』(5月15日までの情況)(上)

    前坂俊之(ジャーナリスト)   ロシアのウ …

百歳学入門(151)元祖ス-ローライフの達人「超俗の画家」熊谷守一(97歳)●『貧乏など平気の平左』で『昭和42年、文化勲章受章を断わった。「小さいときから勲章はきらいだったんですわ。よく軍人が勲章をぶらさげているのみて、変に思ったもんです」

百歳学入門(151)   元祖ス-ローライフの達人・「超俗の画家」の熊谷守一(9 …

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(220)/「2019年の世界と日本と地球はどうなったのか」(下)『気候非常事態と日本』★『「日本は安全、安心な国」とのイメージが強いが、「紛争や災害の脅威による都市リスクランキング」(2019年版)では東京がワースト1、大阪が6位』  

いまや「巨大災害多発時代」「気候非常事態」に突入した日本 前坂 俊之(ジャーナリ …