<笑いはお腹のジョギングだ②仙厓はジョークの達人>
2009,05、11 前坂 俊之(愚魚)
ジョーク日本史・禅語は落語・笑いはお腹のジョギング②
仙厓はジョークの達人②
仙厓和尚が、ある壇家の新築祝いに招かれた時のこと。祝宴の席上、その家の主人から、「和尚さん、新築祝いに何か一枚書いていただけませんか」
と揮毫(きごう・毛筆で何か言葉や文章を書くこと)を頼んだ。よしよしと快諾した仙崖は、きっそく筆を取ってサラサラと書いた。
ぐるりつと家を取り巻く貧乏神
主人はこれを見ると、
「何です、この句は。縁起でもない」
とむっとした顔をした。和尚はニコニコしながら、
「まあ、怒るな。今すぐ、下の句を書いてやろう」
と、その下に1行を書きそえた。
七福神は外へ出られず
とたんに、主人は相好を崩した。
5・・・・
ある人がやってきて「何かおめでたいことばをかいてくれ」と仙厓に所望した。
早速、
祖死父死子死孫死
の8文字を描いて与えた。これを見た本人は驚いて、
「和尚、いくらなんでもこんな縁起の悪い文句はかけられません」
と文句をいうと、仙厓は・・・・
「そんなことはあるまい。爺さんがまず死んで、父親が死に、子が死に
そのあとで孫が死ぬのが世の中の順当じゃ。こんなおめでたいことはない。
これが逆になればそれこそたいへんじゃよ」
これを聞いて大いに安心して、この墨蹟を家宝として大事に保存した。
6・・・・・
ある者が仙厓にいった。
「詩を作る時には太鼓の音はドーン(漢字)などと書きます。
和尚はたいへん絵がお上手ですが、いくら上手でも太鼓の音は
描けますまいな」
すると仙厓は何くわぬ顔で、
「なに、たやすいこと。見ていなされ」
というやいなや、スラスラと筆を走らせて、一人の侍が長い槍を空に
向けて突き上げているところを描いた。何やらキツネにつままれた思いで
見ていた男は、
「これは何です。太鼓の音ではありませんよ」
というと、和尚は、
「天突(テンツク)く、天突(テンツク)くじや」
とカッカ大笑した。男もつられて大笑した。
7・・・・
瓢逸な和尚の画は大変な人気で、日ごろ、挿竜ぜめにあっていた仙厓は
うらめしや わが隠れ家は雪隠(せつちん)か
来る人々に紙おいてゆく
8・・・
仙
厓和尚に「老人六歌仙」という、老いを戒める言葉がある。○しわがよる、ほくろは出来る,腰まがる、頭は禿げる、髪白くなる
○手は震う、足はよろめく、歯はぬける、耳は聞こえず、目はうとくなる
○身に添うは頭巾、襟巻、杖、眼鏡、タンポ、温石、手便、孫の手
○くどくなる、気短になる、愚痴になる、出しゃばりたがる、世話やきたがる
○開きたがる、死にともながる、淋しがる、心がひがむ、慾ふかくなる
○又しても同じ話に孫ほめる、達者自慢に人はいやがる
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