記事再録/知的巨人たちの百歳学(139)-百歳学入門(92)「国難突破力NO1―勝海舟(75)の健康・長寿・修行・鍛錬10ヵ条」から学ぶ』★『⑨昔の武士は、身体を鍛えたが学問はその割にはしなかった。今の人のように、小理屈(こりくつ)を言うものは居なかった。一旦、国家に緩急の場合は決然と行動した。 ⑩学問に凝り固まっている今の人は、声ばかりは無暗に大きくて、胆玉(きもったま)の小さい。まさかの場合に役に立つものは殆んど稀だ。』
2014/06/21 / 百歳学入門(92)
「国難突破力NO1―勝海舟(75)の健康・長寿・修行・鍛錬10ヵ条」
①人間、長寿の法などというものはない。
②余裕、綽綽(しゃくしゃく)として、物事に執着せず、拘泥せず、円転・豁達(かったつ)の妙境に入りさえすれば、運動も食物もあったものではないのさ。
③人間は、身体が壮健でなくてはいけない。
④精神の勇ましさ、根気の強さは、天下の仕事をする上になくてはならないものだ。
⑤身体が弱ければ、この精神と根気とを有することが出来ない。
⑥五十になると、もうじきに隠居だ何だとか言って、世の中を逃げる考へなど起すな。
⑦島国の日本人は、その日暮らしで、五年、十年の先きはまるで考えていない。
⑧昔の武士は、弓馬槍剣などの武芸を修業して鍛えたので、年は取っても身体が衰へず、精神も根気も盛んだった。
⑨昔の武士は、身体を鍛えたが学問はその割にはしなかった。今の人のように、小理屈(こりくつ)を言うものは居なかった。一旦、国家に緩急の場合は決然と行動した。
⑩学問に凝り固まっている今の人は、声ばかりは無暗に大きくて、胆玉(きもったま)の小さい。まさかの場合に役に立つものは殆んど稀だ。
前坂俊之(ジャーナリスト)
「海舟先生氷川清話」(吉本襄 撰著 大文館書店 1933)より
勝海舟
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E6%B5%B7%E8%88%9F
人間長寿の法
人間、長寿の法というものはない。俗物には、飲食を摂して、適度の運動を務めなさいと言へば、それでよいが、しかし大人物にはさうはいかない。
見なさい、おれなどは何程寒くっても、こんな薄っぺらな着物を着て、こんなせんべいのような蒲団の上に座って居るばかりで、別段運動といふことをするわけででないが、それでも気血はちゃんと規則正しく循環して、若い者も及ばないほど達者ではないか。
さあこれがいわゆる思慮の転換法といふもので、すなはち養生の第一義である。つまり綽綽(しゃくしゃく)たる余裕を存して、物事に執着せず拘泥せず、円転豁達(かったつ)の妙境に入りさへすれば、運動も食物もあったものではないのさ。
勇猛の精神と根気を持続せよ
なにしろ人間は、身体が壮健でなくてはいけない。精神の勇ましいのと、根気の強いのとは、天下の仕事をする上にどうしてなくてはならないものだ。
そして身体が弱ければ、この精神とこの根気とを有することが出来ない。
つまりこの二つのものは大丈夫の身体でなければ宿らないのだ。
ところが日本人は、五十になると、もうじきに隠居だ何だとか言って、世の中を逃げ去る考へを起すが、どうもあれでは仕方がないではないか。
しかし島国の人間は、どこも同じことで、とにかくその日のことよりほかは、目が付かなくつて、五年十年の先きはまるで黒暗(くらやみ)同様だ。
それも畢寛、局量が狭くって、思量に余裕がないからのことだよ。もしこの余裕といふものさへあったなら、たとへ五十になっても、六十になっても、まだなかなか血気の若武者であるから、この面白い世の中を逃げるなどというやうな、途方もない考へなどは決して出ないものだ。
それであるから、昔の武士は、身体を鍛へることには、よほど骨を折ったものだよ。弓馬槍剣、さては柔術などといって、いろいろ
の武芸を修業して鍛へたものだから、そこでおれのやうに年は取っ
ても身体が衰へず、精神も根気もなかなか、今の人たちの及ぶところでないのだ。
もっとも昔の武士は、こんなに身体を鍛へることには、ずいぶん骨を折ったが、しかし学問はその割にはしなかったよ。それだから、今の人のように、小理屈(を言ふものは居なかったけれども、その代り、一旦、国家に緩急(かんきゅう)がある時は、命を君の御馬前に捧げることなどは平生ちゃんと承知して居たよ。
いはゆる、君辱(はずかしめ)らるれば、臣死すといふ教へが、深く頭の中に染み込んで居たから、いざといふ場合になると、雪のやうなる双肌を押しぬいで、腹一文字に掻き切ることを何とも思わなかったのだ。
しかるに、学問に凝り塊まってい居る今の人は、声ばかりは無暗に大きくて、胆玉(きもったま)の小さきことは実に、豆のごとしで、空威張りには威張るけれども、まさかの場合に役に立つものは殆んど稀だ。みんな縮み込んでしまう先生ばかりだよ。
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(294)3.11福島原発事故から1年半-メディアの報道は『過去の戦争報道の教訓』を生かしてるか(1)
日本リーダーパワー史(294) –3.11福島原発事故 …
-
-
日本リーダーパワー史(303)原発事故1年半「原発を一切捨てる覚悟があるか」⑩百年先を見た石橋湛山の大評論を読む①
日本リーダーパワー史(303) 福島原発事故1年半―「原発を一切捨 …
-
-
日本メルダウン脱出法(671)「安倍訪米は成功だったー歴史問題では明確な“ジェスチャー”が必要」●「世界最大の機関投資家が支えるー日本の株式市場に未来はあるか?」など9本
日本メルダウン脱出法(671) 安倍訪米は成功だったーー歴史問題で …
-
-
「トランプ関税と戦う方法」ー「石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ⑧』★『日本の運命を変えた金子堅太郎の英語スピーチ②』★『ハーバード大学クラブで講演、満員の大盛況』★『時間延長して講演、拍手喝采を浴びた』★『「日露戦争は正義のための戦いで日本が滅びても構わぬ」』★『「武士道とは何か」ールーズベルトが知りたい』
1902年(明治37)年四月二十八日、これは私が八年間アメリカにいて、うち最後の …
-
-
片野勧の衝撃レポート(47)太平洋戦争とフクシマ⑳『なぜ悲劇は繰り返されるのかー 福島県退職女性教職員の人々(上)
片野勧の衝撃レポート(47)太平洋戦争とフクシマ⑳ & …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(127)『日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳』①
終戦70年・日本敗戦史(127) <世田谷市民大学2015> 戦後70年 7月 …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(134)満州事変報道で、軍の圧力に屈し軍縮論を180度転換した「朝日」,強硬論を突っ走った『毎日』,敢然と「東洋経済新報」で批判し続けた石橋湛山
終戦70年・日本敗戦史(134) <世田谷市民大学2015> 戦後70年 7月 …
-
-
日中北朝鮮150年戦争史(16)日清戦争の発端の1つ甲午農民戦争(東学党の乱)はなぜ起こったのか。『閔族一派専横の時代』の内政の腐敗、紊乱、貪官汚吏の収賄,苛斂誅求に対する百姓一揆だった。
日中北朝鮮150年戦争史(16) 日清戦争の発端ー日本最強の陸 …
-
-
日本リーダーパワー史(651) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(44)日清戦争を外国はどう見ていたのか、『本多静六 (ドイツ留学)、ラクーザお玉(イタリア在住)の証言ー留学生たちは、世界に沙たる大日本帝国の、吹けばとぶような軽さを、じかに肌で感じた。
日本リーダーパワー史(651) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(44) …
