記事再録/巨人ベンチャー列伝ー石橋正二郎(86歳)(ブリジストン創業者)の名言、確言、凡語百選ー『遠きを謀る者は富み、近きを謀る者は貧なり』➀
2019/05/30
2016/07/13巨人ベンチャー列伝ー石橋正二郎(ブリジストン)の名言、確言、凡語百選ー『遠きを謀る者は富み、近きを謀る者は貧なり。』
① 世のため産業を興し、国を富ませ、働く多くの人を幸福にしつつ事業を大忙し、永久の繁栄をはかるは、わが社が創業当初より堅持してきた工業報国の精神である。
② 物心一如、すなわち精神と物質とは一体不可分のもので、精神は根幹で科学は枝葉である。したがって事業は精神力と科学力との結合により成り立つのである。
③ 事をなすに当っては、何事でも真理を探り、物事の奥底を深く考えることが大切である。思慮浅薄なればあやまりが多い。理想と現実とを統一して、各々其の生命にするためには、理想を経(たて)とし、現実を緯(よこ)としなければならない。
④ 経糸(たていと)ばかりの布は用をなさず、横に日々の現実を編みこんで初めて用をなすものだからである。
会社における真の協力は、責任遂行がタテとヨコとのよく調和された布の組織のごとく、同じ力の場合が一番強い理である。
⑤ 事をなすに、陰陽2面の努力がある。深く思い遠く計を立て、雄渾にかつ緻密に熟慮し、前人未踏の境地を開くがごとき構想をねるのは、陰の努力である。これに対し、大自信をもって雄大にこれを実行にあらわすのは陽の努力である。
⑥ それは深く根を培った木が陽春に勃然(ぼつぜん)と枝葉を成長せしめるごとく、真に陰的深計熟慮があって、初めて溌剌たる陽気を発現するのである。深思熟慮、いよいよ意を決し断行すれば、陽気の発するところ、金石また透るのである。
⑦ 陰に過ぐれは、人間に深みはあるが発動の陽気に欠け、反対に陽に偏すれば、活動の陽気は強くなるが人間は浅薄となる。偉人は必ずこの両両の作用がよく調和されている。
すなわち人間の修養の理想は、智仁勇の円満なる調和にある。先見明察の智あり、よく統御するの仁あり、果断決行の勇あり、中庸にして偏せざる才幹の人材がもっとも理想的人物である。
⑧ これを目標として修養に努め、一日一回、静思する者は1日1日進歩する。おのれを知ることと、反省することと、自制自律によりて人格を高むることが必要である。
⑨ 世の中に小智小才の人が多いが、大智大才の人は差である。人はすべからく大智大才を志さわはならぬ。
⑩ 遠きを謀る者は富み、近きを謀る者は貧なり。真理と虚偽の戦において、最後の勝利は其の上にある。誠心誠意は人を動かす。いかなる場合でも私心があってはならぬ。そして言行一致が大切である。
⑪ 枝葉末節に拘泥し、小さい感情や、小さい名利に走るものほど小人である。大いなる感情、大いなる名利を重んずるものほど大人物である。
⑫ 災いはロから、という。官業をつつしみ、自分の偉さをあらわそうとはせず、気どらなければかえって人に尊敬され、親しまれ、したがって自分も楽しみ多いが、いばり、虚勢をはる人は他からきらわれて、孤立し、人望を失うにいたる。
⑬ 座と剛、強と弱、悠揚と俊敏、大胆と細心、-冷静と熱烈と親切、幅と奥行ある複雑なる多面性を統一する修養こそ、偉くなる途である。
⑭ 積極進取は人類の本質である。勉強し、努力し、時勢に先んじ終始一貫すれば必ず大成する。
⑮ この如く、人道は中庸が一番大切である。安定と均衡を得んとする力の活動は、すなわち中庸を待んとするものである。
⑯ 中庸は五分五分がよいという理である。およそ其の理知的な考え方は、理論と実際とをほどよく統一したる一つの標準である。
⑰ 世の中は茨(いばら)の道である。これを切り拓いて行く力をもっていなければならないが、台風のとき、風に向って塵(ちり)を掃くような時勢逆行をなすは愚かである。
⑱ 競争は進歩の母である。切磋琢磨し、全体として向上を目的とする成績の競争は必要があるが、弱肉強食の競争は平和円満一致団結を乱すもので罪深し。
⑲同じ会社で仕事する同僚との兢争心から、妬み・感情をとがらし、会社を忘れて私党をつくり、暗闘をなすがごとき狭量を深く戒しむべし。人事をつくして天命を待つ。人の功を奪うは益なく、譲に益あり。小我を捨て大我に生きよ。情は人のためならず、大乗的信念で働け。
⑳ 学問した人は、説明や批判はうまいが苦労の体験が乏しく、したがって信念と実行力がともなわず、実際より遊離してせっかくの人材でありながら強く生きていない人がある。彼等は自ら反省し、進んで苦労努力して強い信念と実行力を養わねはならぬ。
関連記事
-
-
速報(143)<低線量被ばくまとめ>『低線量被ばくの人体影響:近藤誠・慶応大』『論文解題:調麻佐志・東工大准教授』ほか
速報(143)『日本のメルトダウン』 ★<低線量被ば …
-
-
『オンライン講座『世界の人になぜ日中韓/北朝鮮は150年前から戦争、対立の歴史を繰り返しているかがよくわかる連載⑴』ー(まとめ記事再録)『日中韓150年戦争史の連載70回中、第1回-20回までを再掲載します』
2017/11/03 日中韓異文化理解の歴史学(1)『中国紙「申報」』の論説から …
-
-
「トランプ関税と戦う方法論⑫」★『日露戦争でルーズベルト米大統領との友情外交でポーツマス講和条約を実現させた金子堅太郎の交渉術③』★『ル大統領のオイスターベイの草ぼうぼうの私邸に招かれた』★『米国大統領にトイレを案内してもらった初めての日本人!?』★『ル大統領は私邸での質素な生活ぶりをすべて見せた』
ルーベルト大統領の私邸に招かれた。オイスターベイの私宅は草ぼうぼう。 これは余事 …
-
-
速報(277)『世界危機”不安は喉元を過ぎて忘れられたのか」●『橋下徹氏とテレビ」「日本の家電はガラパゴスへの道』
速報(277)『日本のメルトダウン』 ◎『世界危機”不安 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(563)●「社説:アベノミクスの試練」(英FT紙)●「作家はアシェットではなくアマゾンを支持すべき」(英FT紙)
日本メルトダウン脱出法(56 …
-
-
速報(48)『日本のメルトダウン』<◎日本の原発・原発事故・作業員の最新情報まとめ』>
速報(48)『日本のメルトダウンを止める』 <◎日本の原発・原発事故・作業員の最 …
-
-
最高に面白い人物史➂人気記事再録★コスモポリタン「バロン・サツマ」(薩摩治郎八)の花の生涯(上)「空前絶後の完勝の日露戦争―山本権兵衛のリーダーパワーに学べ」―パリで最高にもてた日本人の話(伴野文三郎)
コスモポリタン「バロン・サツマ」(薩摩治郎八)の花の生涯(上) h …
-
-
<まとめ>『日本興亡学入門』2018年は明治維新から150年目ーリーマンショック前後の日本現状レポート(10回連載)
<まとめ>『日本興亡学入門』 5年後の2018年は明治維新から150 …
-
-
日本リーダーパワー史(439)日米中韓150年戦争史②『征韓論の深淵』大院君は日本の外交関係などへとも思ってなかった②
日本リーダーパワー史(439) 日米中韓150年戦争史をしっかり踏まえて …
