百歳学入門(69)「真珠王・御木本幸吉(96歳)の長寿、人生訓」エジソンは人工真珠の発明を世界一と高く評価した。
2016/05/26
前坂俊之(ジャーナリスト)
<人生訓>
① わしは天才でも、超人でもない、世界の大海師だよ。
② 世界の女性の首を真珠で巻いてみせる
③ 「ホラを吹くが嘘はつかぬ」「ホラを吹いて吹き当てよ」が口ぐせ。
90歳からの座右の銘は「智・運・命」
<健康法>70歳のころの生活。
① 40年間を通じて毎朝5時に起床。水浴を欠かさず。夜は8時に就寝、その前10分間、床の中にて上腹部より下腹部に向って、さすり下ろすこと数十回。
② 六十歳までは、主食はムギ飯3杯、サツマイモ1杯。61歳よりはムギ飯1杯に減じた。副食は、朝は味噌汁1杯、タマゴ1個。昼は野菜物。夜は魚、トリ、梅干1個。
③ 酒、タバコは飲まず。ウドン、センベイ、イワシの素干す、味噌汁好き。
④ 盛夏でも腹巻を離さず腹を冷やさない。逆に冬はシャツを着ずに薄着主義。
⑤ 夜の宴会を好まず。いかなる場合にも午後10時で終わる。
⑥ 寝室は2階、高台を選び、通風の良き場所を好む。
① 風呂は一番風呂を使用し、一年に数回健康診断を受ける。
幸吉が水風呂をやめて、ぬるま湯にしたのは、欧米の旅行から帰った七十一歳の頃からであるが、その頃から健康にいちだんと留意するようになり、新しい健康法として、朝の六時と夕方の六時と、一日に二回入浴するので、その際に足で湯を掻き混ぜる運動を百回、時間にして約十分、都合二十分の体操を欠かさなかった。
幸吉は、若い頃は、相当暴食したが、年と共に少食になっていった。
たとえば九十歳頃の朝食は、
米は茶碗に半分、サツマイモをに鰹節をかけて煮たもの。味噌汁に真珠貝の身を切って入れることもある。
昼は、小さなパン三つ。夜は、米茶碗に半分、サツマイモ2切れ、菜っばや小魚。
細かい魚は活籠に生けてあるからいつも新しいのが食べられる。
幸吉は、朝食よりも夕食をすくなめにしているのは、胃腸と共に休み、胃腸と共に寝るためだといっている。
そのために「朝は3分目、昼は2分目、夜は「旨い物は2箸残す」といっている。
ただし、悪いクセがあった。アラレが無類に好きだった。見ているとタバコ好きがひっきりなしにタバコを吸うように、アラレをカンに入れて持ち歩き、所構わず、人前でも平気でポリポリと食べるのである。アラレはもち米をついてノシもちをつくり、それからつくった。
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