国難リテラシー入門⑦『自滅国家日本の悲劇』ー迫りくる2波、3波(巨額財政赤字、TPP不参加では国家倒産へ)
怖くない態度では、自滅への道。
前坂 俊之(ジャーナリスト)
http://maesaka-toshiyuki.com/detail/594
③菅民主政権も、鵜合の政治集団も官僚もメディアも、来るべき結果の重大性に目をつぶって自滅的な行動を繰り返している。<自滅国家日本を止められるか>」
原発の放射能に汚染された敷地、建屋が閉じ込められていないので、風、強風、台風によって放射性物質は大気中にまき散らされており、燃料棒や原子炉を冷やすために放水して放射能汚染水がたまり続けている。東電が示した工程表は実現の見通しは全くないと断言してもよい。
一刻も早く、総理大臣直轄の国防を担う防衛省が入り、国家総動員の統合事故対策本部そ設置して、Ⅰ日も早い完全放射能阻止、原発石棺作戦を展開すべきであろう。大失敗した張本人の民間の一会社に事故処理をやらせ、日本の運命も、1億3000万人の生命を任せて、のほほんとしているこんなバカな国があろうか。まさしく「自滅国家日本」の悲劇である。
今回の大災害(原発の事故爆発)を引き起こした原因は、政府の原発推進計画(それによる経済大国への道)、経産省保安院(カナダ、アメリカでは第3者の専門集団のチェックだが、日本では原子力の安全性をチェックできない官僚の素人集団)、その天下り企業としての東電の談合なれあい、東大工学部原子力学者の無能、新聞、テレビなどのマスコミの原発の危険性を追及しなかったー「政治、経済、官僚、マスコミ、国民」の総談合、癒着体制であり、挙国一致体制、複合原因である。「原発はみんなで推進すれば、地震も津波もこわくない」の結果、日本のメルトダウンとなってしまった。
太平洋戦争の結果についても、国家レベルでの戦争調査委員会なるものはつくられなかったし、国民が主体となって責任追及、解明ができなかった。1990年以来の「失なわれた20年」の経済失敗、財政赤字の巨大化、経済敗戦についても国による調査委員会も結局つくられず、同じ国家的大失敗をくり返し続けて来たのである。
ドイツでは今回の事故で原発政策の見直しを表明、政府、原発発電会社、住民、研究者の賛成、反対のトップが一堂に会してテレビで、
長時間にわたって公開番組を放送し、国民の議論を高めた。こうした当たり前の民主主義のプロセスが日本ではなぜ、行われないのか。
菅首相はこの厚い日本のベルリンの壁を打ち壊し、民主主義の原則である『情報公開」を徹底すべきであろう。
11日の新聞で同じように原発事故が大きく報道されていたが、今後のさらなる大敗戦につながる2つの赤信号が小さく載せていたので、後世の歴史批判にたえるためにここにあえて記録しておく。
『 財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」が平成22年度末時点で924兆3596億円となり、2年連続で過去最大を更新したと発表した。1年間で41兆4361億円増加し、借金を国民1人当たりに換算すると、722万円となる。財務省は23年度末の国の借金が1002兆円にのぼると見込むが、本格的な復興策を盛り込む2次補正以降は巨額の財源が必要となるだけに、国の借金が一段と増える可能性もある。』
S&Pは震災前の今年1月に日本の財政悪化を懸念して国債の長期格付けを「AA」から「AAマイナス」(上から4番目)に引き下げた。4月末には長期格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更しており、日本が財政再建に着手しない場合には、さらなる格下げが続く可能性があることを示唆したものとみられる。」
『環太平洋経済連携協定(TPP)については「協定交渉参加の判断時期は総合的に検討する」として、6月までを予定していた結論とりまとめを先送りする方針を示した。ただ、この表現に対しては一部閣僚から異論が出ており、13日に目指していた閣議決定は来週以降に先送りされる見通しだ。原案は、〈1〉「震災復興」〈2〉財政・社会保障の持続性確保〈3〉新たな成長へ向けた国家戦略の再設計・再強化――の3本柱で日本再生を進める方針を示した』
震災、原発に気を取られていると、こちらの問題の方がより大きな影響を与えるであろう。
菅首相は断固、TPP参加を決断すべきであろう。じり貧から、どか貧、大敗北の前に。まだ、財政、経済力の弱体化する前に、1年後はもっとひどいことになっていることは間違いない。それは太平洋戦争の開戦1,2,3年、4年で大敗北の経過をもう一度時系列的にふりかえればわかることである。全面敗北の前に決断、実行、撤退、一部前進あるのみである。不決断、一時撤退せずは全面敗北への道である。
関連記事
-
-
「東京モーターショー2013」(11/23→12/1)が 開催,テーマは「世界にまだない未来を競え」③YAMAHA、ベンツ、三菱FUSO、BOSCH
★「東京モーターショー2013」(11/23&rarr …
-
-
日本リーダーパワー史(603)『安倍・歴史外交への教訓(9)「世界史の中での日韓パーセプションギャップ、エスノセントリズム④」大東亜戦争は秀吉流の「朝鮮征伐」の戦略の二の舞で、失敗に終わった。
日本リーダーパワー史(603) 『安倍・歴史外交への教訓(9) …
-
-
『オンライン講座・日本政治はなぜダメなのか、真の民主主義国家になれないのかの研究』★『議会政治の父・尾崎行雄が語る明治、大正、昭和史での敗戦の理由』★『① 政治の貧困、立憲政治の運用失敗 ② 日清・日露戦争に勝って、急に世界の1等国の仲間入り果たしたとおごり昂った。 ③ 日本人の心の底にある封建思想と奴隷根性」
2010/08/ …
-
-
日本リーダー/ソフトパワー史(658)『昭和の大宰相・吉田茂のジョーク集』①「歴代宰相の中で一番、ジョーク,毒舌,ウイットに 富んでいたのは吉田茂であった。
日本リーダーパワー史(658) 『昭和の大宰相・吉田茂のジョーク集』① 歴代宰相 …
-
-
『Z世代のための日本戦争学講座②』★『 歴史インテリジェンスからみた真珠湾攻撃と山本五十六②』★『山本五十六は三国同盟への反対をなぜ最後まで貫けなかったのかー今の政治家、トップリーダーへの遺言』
『Z世代のための日本戦争学講座①』★『今日(2024/12/08)は80年前の真 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(729)「中国発の世界的リセッションは起きるか?」(英FT紙)●「護憲派は自衛隊の災害救援活動には反対しないのかー「憲法違反」議論をよそに命がけで被災者救出
日本メルトダウン脱出法(729) 中国発の世界的リセッションは起きるか?ー減速感 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(886)『ドイツ提唱「ソブリンと銀行の共倒れ」防止策、ユーロ圏に亀裂』●『本当は人工知能が仕事を増やすという試算』●『天からの新札? ヘリコプターマネーは日本に恩恵をもたらすか(浜田宏一)』●『起業をして成功する人の7つの共通点』●『LINE元CEO森川亮氏が「成功」を捨て去れるわけ』
日本メルトダウン脱出法(886) ドイツ提唱「ソブリンと銀行 …
-
-
お笑い日本文学史動画編『 直木三十五の「芸術は短く、貧乏は長し」と詠んで『直木賞』に名を残した。』◎『借金の天才の「借金取の撃退法はダンマリ作戦」』◎『流行作家となり、湯水のごとく原稿料を散財した、 無駄な出費が大好き」』
お笑い日本文学史動画編 直木三十五-「芸術は短く、貧乏は長し」 と詠んで『直木賞 …
-
-
世界、日本メルトダウン(1033)ー『米中会談の内幕は・』★『中国が北朝鮮問題を解決すれば、米国との通商の取り決めは中国に良いものになる」とブラフ外交、ディール外交(取引外交』を展開』●『トランプ氏は「まず外交,不調なら軍事行動の2段階論」を安倍首相に説明した』
世界、日本メルトダウン(1033)ー 『まず外交,不調なら軍事行動 …
