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国難リテラシー入門⑦『自滅国家日本の悲劇』ー迫りくる2波、3波(巨額財政赤字、TPP不参加では国家倒産へ)

   

国難リテラシー入門⑦『自滅国家日本の悲劇』を繰り返すな
迫りくる2波、3波(巨額財政赤字、TPP不参加では国家倒産へ)みんなで渡れば
怖くない態度では、自滅への道。

               
 前坂 俊之(ジャーナリスト)

 
3,11の国難突発について、私はその4日前にブログで『迫り来る国家破産と太平洋戦争開戦でのリーダーシップを検証する』 

http://maesaka-toshiyuki.com/detail/594

なる歴史既視感(レジャビュ)を警告した。不幸なことにこれが的中してしまった。
 
「①いまわれわれがリアルタイムに目にしている政治状況は国家が崩壊していく瞬間・過程である。
②なぜ、大東亜戦争がおこって、国が滅びていったのかと同じ道をーこれまた同じ責任のなすりあい、足の引っ張り合い、リーダーシップの欠如、不決断、問題先送りの政治的、外交的なミスを連発して、日本丸の国家運営を沈没させてしまった悲劇・喜劇が再現されている。
③菅民主政権も、鵜合の政治集団も官僚もメディアも、来るべき結果の重大性に目をつぶって自滅的な行動を繰り返している。<自滅国家日本を止められるか>」
 
 
そして、今日は3,11から2ヵ月目―政治のリーダーシップの崩壊で、復興への歩みよりも「自滅国家日本」への崩壊が一層進んでいる。事故の収束は全く見えていない。やっと中の一部の場所に作業員が入れる状態になったが、水素爆発の原因も特定できていない。

原発の放射能に汚染された敷地、建屋が閉じ込められていないので、風、強風、台風によって放射性物質は大気中にまき散らされており、燃料棒や原子炉を冷やすために放水して放射能汚染水がたまり続けている。東電が示した工程表は実現の見通しは全くないと断言してもよい。

一刻も早く、総理大臣直轄の国防を担う防衛省が入り、国家総動員の統合事故対策本部そ設置して、Ⅰ日も早い完全放射能阻止、原発石棺作戦を展開すべきであろう。大失敗した張本人の民間の一会社に事故処理をやらせ、日本の運命も、1億3000万人の生命を任せて、のほほんとしているこんなバカな国があろうか。まさしく「自滅国家日本」の悲劇である。

新聞、テレビメディアもこの事故の行方がどんなに恐ろしい結果になるかのー思考力、想像力が全く欠如している。相変わらずの地震、原発事故報道が大きなスペースを割き、「ガンバレ」「挙国一致」なる日本の国難の度ごとに出てくる思考停止のスローガンを声高に叫んでいる。これが、「赤信号みんなで渡ればこわくない」(挙国一致)の思考であり、歴史から何にも学んでいない。
 
こそこれ日本を興し、また亡ぼしたキーワード(日本人の集団主義)なのである。異論を一切排斥し、科学的、合理精神によって個人個人が独立して考えて行動するのではなく、国家、政府、会社の方針に従って空気を呼んで「赤信号」でも一緒に渡ってしまう。渡らない者は「村8分」にし、場合によっては抹殺する。
 
太平洋戦争の敗戦への道を振り返ると、『挙国一致』で、世界の批判に耳をかさず「日本がんばれ」「国難を突破するぞ」と突っ走って特攻隊や玉砕戦術、住民の集団自決などで自滅していったことを忘れてはならない。

今回の大災害(原発の事故爆発)を引き起こした原因は、政府の原発推進計画(それによる経済大国への道)、経産省保安院(カナダ、アメリカでは第3者の専門集団のチェックだが、日本では原子力の安全性をチェックできない官僚の素人集団)、その天下り企業としての東電の談合なれあい、東大工学部原子力学者の無能、新聞、テレビなどのマスコミの原発の危険性を追及しなかったー「政治、経済、官僚、マスコミ、国民」の総談合、癒着体制であり、挙国一致体制、複合原因である。「原発はみんなで推進すれば、地震も津波もこわくない」の結果、日本のメルトダウンとなってしまった。

 

今こそ復興と同時に、事故原因追及委員会をそ立ちあげて、原因を徹底して調査しなければ、対策も、今後の津波、地震の予防も出来ないのは自明である。
 
ところが、日本の『挙国一致』なる態度は、異論、反論を無視し、押しつぶし、失敗の原因も調査も、責任追及もしないと言う、世界の非常識なのである。中央集権、官僚制、ピラミッド型、遅れたガラパゴス国家といってよい。21世紀のインターネット,分散型、フラット、ボーダレスな国家ではないし、経済の成長ばかりを唱えながら、国家政治行政システムの脱皮ができていない。時代のスピードから取り残された衰退国家であり、そうなった原因の1つが結果責任を問わない隠蔽体質にある。

太平洋戦争の結果についても、国家レベルでの戦争調査委員会なるものはつくられなかったし、国民が主体となって責任追及、解明ができなかった。1990年以来の「失なわれた20年」の経済失敗、財政赤字の巨大化、経済敗戦についても国による調査委員会も結局つくられず、同じ国家的大失敗をくり返し続けて来たのである。

そして、その結果の無能な2世、3世の政治家集団、官僚無責任体制、メディアのお粗末、国民の無自覚とがあいまって今回の「日本のメルトダウン」を引き起こしたのである。そうしたミスをただす視点も、今回のメディアの報道には少ない。相変わらず、『復興』『がんばれ日本』「政治は大連立を目指せ」『挙国一致』の一点張りのスローガンだけが並ぶ。

ドイツでは今回の事故で原発政策の見直しを表明、政府、原発発電会社、住民、研究者の賛成、反対のトップが一堂に会してテレビで、
長時間にわたって公開番組を放送し、国民の議論を高めた。こうした当たり前の民主主義のプロセスが日本ではなぜ、行われないのか。
菅首相はこの厚い日本のベルリンの壁を打ち壊し、民主主義の原則である『情報公開」を徹底すべきであろう。

11日の新聞で同じように原発事故が大きく報道されていたが、今後のさらなる大敗戦につながる2つの赤信号が小さく載せていたので、後世の歴史批判にたえるためにここにあえて記録しておく。

●1つは『国の借金」924兆円に 1人当たり722万円』
産経2011.5.11 08:00)である。
『 財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」が平成22年度末時点で924兆3596億円となり、2年連続で過去最大を更新したと発表した。1年間で41兆4361億円増加し、借金を国民1人当たりに換算すると、722万円となる。財務省は23年度末の国の借金が1002兆円にのぼると見込むが、本格的な復興策を盛り込む2次補正以降は巨額の財源が必要となるだけに、国の借金が一段と増える可能性もある。』

●『日本の財政、「危険水準」に=S&P主任エコノミスト』(時事2011/05/10-15:22)

 【ニューヨーク時事】米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の主任エコノミスト、デービッド・ウィス氏は9日、時事通信とのインタビューに応じ、日本の財政状況について、財政赤字および政府債務残高の国内総生産(GDP)比率が既に高水準にある上、東日本大震災や原発事故の影響で支出が一段と膨らむ可能性があるため、「向こう2、3年で危険なレベルに達する」恐れがあるとの認識を示した。

 S&Pは震災前の今年1月に日本の財政悪化を懸念して国債の長期格付けを「AA」から「AAマイナス」(上から4番目)に引き下げた。4月末には長期格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更しており、日本が財政再建に着手しない場合には、さらなる格下げが続く可能性があることを示唆したものとみられる。」
以上の記事も小さな扱いは、これまで続く、マグネチュード23くらいの小さな地震のようなもので、またかといってメディアも読者も慣れっこになって、油断している。
しかし、これは『財政破綻』「日本国債の一段の格付け低下」『金利の上昇』『あっとい間の国家破綻』へつながる。。国も国民も原発事故、大地震の収拾におわれて、それどころでないといったところだろうが、これは地震と違っても確実にやって来ることである。想定外で済ますわけにはいかない。政治家はあらゆる国難に全方位的に目を向けて、備えなければbならないし、ことの大小、優先順位を間違えてはならない。。

悪いことは重なるとよく言われる。国難も日本の都合で待ってはくれない。これまでも政治、国民の無為無策、問題うや痛みの(増税・消費税)の先送りで積み重ねた巨大な借金の大津波が襲ってくることは秒読み段階に入ったのである。待ったなしのリーダーシップが求められるが、これまた残念ながら菅首相にその決死の覚悟と、気魄と決断力は見られない。

そこに11日には『TPP「6月結論」先送り経済財政運営 震災後の指針』

(2011年5月11日  読売新聞)がこれまた小さく出ていた。
『環太平洋経済連携協定(TPP)については「協定交渉参加の判断時期は総合的に検討する」として、6月までを予定していた結論とりまとめを先送りする方針を示した。ただ、この表現に対しては一部閣僚から異論が出ており、13日に目指していた閣議決定は来週以降に先送りされる見通しだ。原案は、〈1〉「震災復興」〈2〉財政・社会保障の持続性確保〈3〉新たな成長へ向けた国家戦略の再設計・再強化――の3本柱で日本再生を進める方針を示した』
 
『TPP参加判断を先送り 閣僚間でも意見対立』
朝日2011年5月11日1時32分)
「この日の閣僚懇談会では、TPPをめぐって閣僚の意見が対立。海江田万里経済産業相は「従来の方針を堅持するべきだ」と述べ、松本剛明外相も同調した。一方、鹿野道彦農林水産相は、被災地の復興を最優先に考えるべきだとの立場から、貿易自由化に慎重な対応を求めた」
このTPPの加入問題は、1932年(昭和7)の「国際連盟脱退」(国連で満州国建国を42対1で敗れ、日本は常任理事国だったのに国連を脱退し、世界の孤児となった)に歴史的に類似した危機である。世界的に貿易協定のブロック化が進む中で、貿易立国を掲げる日本がこれに参加しないとすれば、日本の競争力の低下によって、韓国、台湾、中国、米国との貿易競争に負けるのは決まっている。先進国の中で食糧自給率の最も低い日本は貿易黒字でもって、食料品を輸入している。その稼ぎ頭にハンディーを付けるTPP不参加は、日本の敗戦を決定的にすることは間違いないであろう。
震災、原発に気を取られていると、こちらの問題の方がより大きな影響を与えるであろう。

日本の政治家も農水省も経済人もマスコミも農業関係者もTPP不参加が今回の震災、原発処理でひん死の重傷をおった日本のさらに、足を引っ張って、沈没を早める結果になることを自覚すべきであろう。

菅首相は断固、TPP参加を決断すべきであろう。じり貧から、どか貧、大敗北の前に。まだ、財政、経済力の弱体化する前に、1年後はもっとひどいことになっていることは間違いない。それは太平洋戦争の開戦1,2,3年、4年で大敗北の経過をもう一度時系列的にふりかえればわかることである。全面敗北の前に決断、実行、撤退、一部前進あるのみである。不決断、一時撤退せずは全面敗北への道である。

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , , , , ,

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