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速報(71)『日本のメルトダウン』「放射能の未知なるものが、日本に重くのし掛かる」<ニューヨーク・タイムズJune 6, 2011>

   

速報(71)『日本のメルトダウン』
重要レポート●『Radiation’s Unknowns Weigh on JapanBy MATTHEW L. WALD』(放射能の未知なるものが、日本に重くのし掛かる)<ニューヨーク・タイムズJune 6, 2011
            
                              前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
 
 
国際ビジネスマンF氏のコメントと訳
 
「NYTの、普段はワシントン支局駐在のM.L.WALD記者、環境とエネルギーに強い記者の様です、が纏めたものの全訳です。残念ながら、福島県は、原発事故放射線問題の、世界の実験場と化し、放射線防護の専門家は固唾を飲んで見守っています。
 
 要約しますと
 
 1) 日本は、福島原発の大事故の結果、福島県を中心に、これから長年月に亘り低レベル放射線量の対策で苦しみ続ける事になる。 そのレベルは自然放射線量の5倍から10倍になりそうである。
 
 2) 放射線の人体への影響を説明できる実証データは今も広島、長崎の核爆発の結果によるものが殆んどである。 原爆データは、瞬時で大量の線量による外部被曝の結果である。一方、福島は、長期で微量の線量を浴び続け、しかも呼吸と飲食による内部被曝を伴うものである。
 
 3) 低レベル放射線量の被曝の人体への影響について、現時点の専門家の見解は、 ・ 実害の定量化はできていないが、低線量といえども長期継続被曝は遺伝子に影響を与える。
 
従ってこれは回避しなければいけない。 ・ 人体への影響、特にガンの発症については、被曝線量の大小に拘らず、直線的に累積線量の多少に比例する、という説と、ある閾値以下の被曝線量であれば発症はない、とする説の二通りがある。いずれの説も実証的な裏付けがある訳ではない。
 
 4) 米国内の放射線専門家の間でも、今のところ、低線量被曝の人体への影響についての定説は無い、実証的なデータも無い、従って日本にアドバイス出来るものがない。 よって、日本は詳細なデータを常に世界に流し、世界中の専門家の衆知、アラームと対策を集めなければいけない。以上です
 
 
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   2011/6/6 NYT BY MATTHEW L. WALD " Radiation’s Unknowns Weigh on Japan "
 
" 放射能の未知なるものが、日本に重くのし掛かる " 日本の関係当局の役人は、福島第一原発の近くに居住する人達にとって、何が安全な放射線量に相当するのか、に関して悩み抜いている。これは、科学技術の現在迄の状況では、気が遠くなる様な難題である。
 
被爆の影響に関する研究は、原子爆弾によって急速に放射された大量の線量に基づいたものが殆んどである、一方、福島大災害からの放射線はこれから多年にわたって出される小さな線量という事に多分なりそうである。
 
 今迄の所、日本における論争は、子供達のリスクという事に集中している。震災後に出された政府のガイドラインは、福島県下幼小中高生に対し、それまで許容されていた放射線量の20倍迄被曝が許されるものであった。新しい許容レベルは、原子力プラントで働く成人の労働者に対する国際標準と同等である。 子供達の多勢の両親から抗議を受けた後、政府は、この許容レベルを引き下げることと、学校の校庭から汚染した表土を除去する費用を支払う事も約束した。( 20 ー>1mシーベルト / 年 )
 
 しかし、議論は子供達に限る事は無かった。当局は、お年寄りも含めて、数千人の住民に対し、自然の元々有る放射線を遥かに上回っているレベルに曝されたままになっているリスクを計量しなければならなくなった。
 
 一般的な仮説としては、人々が何十年間も小さい線量に曝される時、癌の発生率は時間の経過と共に上昇するだろう、と云われている。しかし、その予想は、原子爆弾が長崎や広島で落とされた 時、激しい短時間の線量に曝された人達のデータから推定されたもの で、何十年もの間小さい線量に曝された人達を観察した事実に基づいたものでは無い。
 
 ある研究者たちは主張する、全ての人類は一様に低レベルの自然放射能に曝されている、そしてそれがある閾値以下であれば、胎児は例外かもしれないが、有害では無いと。別の喧しい少数派は主張する、小さく漸増する線量に曝された人達の中では、高い癌の発生率を裏付ける統計学上の証拠があると。 いまだに、主流となる見方は、広島と長崎のデータからの推測がより賢明である、と云う事になっている。
 
 そこにまさしく、貴方達が知らないポイントが隠れている、直線が最も容易な仮説である、とR.R.Monsonは云う。かれは、疫学者で、米国科学院によって2006年に発行された、低レベル放射線被曝に関する影響力のある報告書を執筆した委員会の議長である。
 
彼の委員会は、その提案内容を、"閾値モデルでは無く、直線モデル "として知られる仮定に基づいてまとめている。この仮定の下、一定の線量が、ある母集団の中で、一定数の人々の致命的な癌の原因となるならば、その時には、その半分の線量は、半数の人達に致命的な癌を齎す事となるだろう。
 
同様に、その線量の百万分の一は一定数の百万分の一の人々に致命的な癌を齎すだろう、と。 Dr.Monsonの委員会は幅広く、原爆による高エネルギーガンマ線の突然の噴出に被曝した数千の日本の市民達、その健康記録から推定した。その後の65年以上に亘り、この人達の多くは、癌で死亡した、それは放射線が原因だったかもしれないし、そうでないかもしれない、そしてその他の人は老齢化に共通の原因で、亡くなった。
 
 癌が原因でのこの人達の死亡率は、放射線被曝の無い日本の住民の癌死亡率を上回っていた。しかし、このデータを福島第一で直面したリスクに適用する事には問題がある、と専門家はいう。
 
そして、原発プラントの近傍に居住する人々に対するリスクの過大評価や過小評価に繋がると。 最も明らかな差異は、1945年の原爆生存者の被曝は、ほとんど瞬時だったという事である。
 
一方、福島地域では、住民が自然の元々から有る放射線に通常曝されている量の5倍から10倍の汚染レベルに常時直面していることである。 その上、福島の周辺で住民が被曝する放射線の内のある量は、体内にある、これは、食物や水を汚染させた放射性物質に起因する。広島や長崎では、犠牲者の多くは短時間の外部被曝を経験しただけであった。
 
 Evan B. Douple 氏、放射線影響研究財団、即ち原爆生存者からの健康データを分析する日米合同の科学協会の研究責任者代理、は云う、時間の経過の中でユックリと放射される線量は、短時間で放射される同量の線量に比べるとダメージが少ない、と。
 
それは放射線生物学上、よく知られていることであると、彼は云う。一定の放射線量が引き起こしたダメージは、その放射線が長時間を掛け、或いは断片的であるならば、影響は少ない、と。理由は、肉体の修理メカニズムは、曝露の長い期間の中にあって機能すると。
 
 米国科学院の2006年レポートでは、一定量の放射線の影響は一度に全て線量が出る方が、長時間掛かるよりも1・5倍悪い結果になると推定した。しかし、時間を掛けて徐々に線量を変えていくことに関する信頼すべき詳細データが無い。
 
 あたかも、これは十分な説明になっていないと言わんばかりに、別の学派は、広島や長崎で被曝した人々への放射線の影響は、公式の統計が示すよりも深刻である、と示唆する。 この理論は、相対的に弱い個人達が、原爆によって、そして第二次世界大戦の末期にこれ等の都市で苦しめられた窮乏により、絶滅させられた、と云うものである。その時代の後迄生き残った人々は、評価はその人達に基いているが、全体の代表者では無い、何故なら彼等は平均より強かったからである。
 
従って、その後に続く何十年の中で数えられた死亡は、平均よりも強い人達の中で、発生している、と批評家は云う。 米国では、放射線被曝を意味する殆んどの政策には、原子力プラントの作業者の様な業務上低レベルの放射線を被曝した人々も含んでいる。もし米国が、この今も日本の当局者の前に立ちはだかっている決断に、同じ様に直面するならば、" 実際には、首尾一貫した政策は何も無い"、とRobert Alvarez, 原子力危機に悩むグループのコンサルタントとして働く、前エネルギー省の上級スタッフはいう。
 
Kuniko Tanioka氏、重大な技術災害の後、如何にして米国政府が自主的に調査を行っているか、についてリサーチする為、ワシントンにやって来た日本の国会議員、は言う。原子力事故の後で、一般大衆にアドバイスをするという事は、日米両国に難しい挑戦を提起している、と。
 
 Ms. Tanioka は提案する、日本が取るべき最善の道は、放射線被曝に関する全ての生データを国際社会に配布し、外部の解釈にも委ねるべきである、と。 ( 完 ) 

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