前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

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名リーダーの名言・金言・格言・苦言・千言集⑧『成功は失敗の回数に比例する』(本田宗一郎)●『苦労はすなわち努力』(鈴木三郎助)

   

<名リーダーの名言・金言・格言・苦言
・千言集⑧>       前坂 俊之選
 
 
 
 
 
 人生や仕事の結果はその人の考え方×熱意×能力である
 
  稲盛 和夫(京セラ会長)
 
 この公式は平均的な能力しかない人間が何かなしうる方法はないか、問うて出た回答で
す。能力とは多分に先天的なものです。しかし、熱意は自分の意志で決められます。
 能力と熱意は人によって全く異なりますが、自分の能力を鼻にかけ、努力しない人より
も自分には能力がないと思って、誰れよりも情熱を燃やして努力した人の方がはるかにす
ばらしい結果を残すことができます。
 
 これにその人の考え方が加わります。考え方とは人間としての生きる姿勢であり、例え
ば世をスネたり、恨んだり、まともな生き方を否定すればマイナスになり、逆にプラスに
考えて、努力すれば、結果は驚くほど変わってきます。人生哲学を持つか、持たないかで
人生は大きく変わってきます。
 
 
 
    国際人に必要なのはトンボの眼
 
  吉田 忠雄(YKKグループ総帥)       
 
 YKKには、世界三十七カ国に三十七工場がある(昭和六十年現在)。YKKという同
じ社名であっても、各国の国情によって工場や事務所の運営は違ってくる。
 そうした、いろいろ違った国や社会、経済の動きを見極めるには、全体を前から横から
後ろから、上からと、あらゆる角度からみることが必要です。さらに、同じ位置からでは
なく、遠くから近くから、つまり単一の目ではなく、“トンボの目”で複眼の世界でみつ
めることこそ国際人の資格です。
 一つのものを一面からみれば、一つの働きしかありません。しかし、一つのものにはあ
らゆる面があります。一つの面に価値がなければ、他の面に新しい価値があるのです。
 
 
成功は失敗の回数に比例する
 
  本田 宗一郎(ホンダ創業者)
 
 ホンダが成長した原因はここにある。本田はこう書いている。
 「人生は『見たり』『聞いたり』『試したり』の三つの知恵でまとまっているが、その
中で一番大切なのは『試したり』であると思う。ところが、世の中の技術屋は見たり、聞
いたりが多くて『試したり』がほとんどない。僕は見たり、聞いたりするが、それ以上に
試すこともやっている。その代わり失敗も多い。失敗の数に比例して成功しているともい
える。みんな失敗を嫌うもんだから、成功のチャンスもすくない」。
 
 何度もチャレンジして挫折や失敗を繰り返すごとに、成功の芽を発見していく。失敗と
成功は紙一重であり、失敗を恐れてチャレンジしなければ、成功は永遠に手に入らない。
実践と行動に裏打ちされた本田らしい言葉だ。
 
 

商売の成功の秘訣は二・×・二=五、六である。これを
江崎の二にんが五という
 
  江崎 利一(グリコ創始者)
 
 商売というからには、誰も一生懸命である。いわば二×二=四である。これでは大きな
成功をおさめられない。努力に努力を重ね、常識を破って大成功をおさめるには二×二=
四ではなく、五、六にしなければならない。
 
 二×二=五、六にするために、グリコはオマケをつけた。昭和二年頃から、はじめは美
術印刷のカードを入れていたが、本格的なオマケサービスとして豆オモチャを入れた。単
に景品であったオマケを商品の性格の中にとけ込ませたのが成功の秘訣であった。
 
 「一粒三〇〇メートル」のグリコの有名な標語は、江崎のすぐれた観察力とアイデアだ
った。子供たちがいつもかけっこをしている。ゴールインする時、両手をあげてさっそう
としている。「これだ!」と子供向きの商標に取り入れた。さらに念を入れ、ゾウ、花、
ペンギン、ハトなどの絵とランニングをまぜ、子供たちに一番いいのを選んでもらった。
 
 
 
  
  “水五訓”の自然体でのぞめ
 
  石橋 信夫(大和ハウス創業者)            
 
 石橋は“吉野桜”で知られる奈良県吉野郡川上村の生まれ。林業で育った石橋は「自然
に逆らうな。逆らう者は天罰を被る」を身に染みて知っており、これを人生と経営の指針
としてきた。
 
 “自然体”というと大変難しいことのように聞こえるが、努力はするが背伸びしない。
闘志は燃やすが力まない、水が器に合わせて形を変えるように自在に動く。つまり“水五
訓”こそ自然体なのである。
 一 自ら活動して、他を動かしむるはれ
 二 常に己の進路を求めて止まざるは水
 三 障害に遭いて激しく勢力を倍加するは水なり
 四 自ら潔くして、他の汚濁を洗い、清濁合わせ入るる量あるは水なり
 五 洋々として大洋を充たし発して蒸気となり、雪と変じ、霰と化し凝しては玲瓏たる
   鏡となり、しかもその性を失わざるは水なり
 
 
 
 
不況を勝ち抜く企業は、日頃の摂生のよい企業である
 
  嶋田 卓彌(蛇の目ミシン工業社長)
 ある生物学の雑誌で読んだことがあるが、北米で最近の異常寒波のために、たくさんの
野鳥が死んだことがある。それを統計的に調べた学者の話では「先に死ぬのは栄養蓄積の
少ない、体重の軽い低脂肪の鳥」ということであった。
 
 石油ショックや円高、今回のバブル不況と、いずれの企業も等しく影響を受けている。
つまり、この内部蓄積の如何、平素から不況のあとには、不況が襲ってくるという見通し
のもとに、健全な経営をして、栄養を蓄積していた企業だけが生き残る―というのが長い
歴史をみての事実としみじみ思う。
 
 不況を生き抜くのは日頃の摂生であり、病気にならないのも、日頃の養生や摂生であり
、何でもないことのようであるが、これが大きな差になるのである。摂生をよくするため
にこそ、経営者が必要なのであり、“経営力”が要求されているのである。
 
 
 
 
石の上にも五年で事業の基礎を作れ
 
  安藤 百福(日清食品創業者)           
 
 安藤が日清チキンラーメンの製造を始めたのは一九五八年(昭和三十三)、四十八歳の
ときである。世間並みからいうと、“遅すぎる出発”であった。
 
 しかも、その二年前の昭和三十一年に安藤は大阪で信用組合理事長をしていたが倒産し
、背任事件で有罪判決を受け破産した。ゼロからの、いやマイナスからの出発であった。
 彼は自宅裏庭に粗末な小屋を作り、全く畑違いのインスタントラーメンの製造に取り組
み、一日三、四時間の睡眠しかとらず没頭した。
 
 ついに完成したチキンラーメンは爆発的に売れ、「インスタント時代」を生み出す成功
をおさめた。五年後の昭和三十八年には、東京と大阪両証券取引所に上場して、一流企業
へ仲間入りした。
 「石の上にも三年という言葉がある。私の場合は五年だった。事業では三年は少し短す
ぎる。一、二年で自分の仕事に、見切りをつけるとすれば、いつになっても大成しない。
三年やって自己満足すれば、進歩はストップする」
 
 
 
健康が根本
 
  大屋 晋三(帝人社長)
 
 私の四十数年のサラリーマン生活によって得た体験によると、極めて平凡に聞こえるか
もしれないが、まず何よりも「健康が根本である」
 若い時代にはとかく血気に走って、暴飲暴食や夜ふかしをして、快とする。娯楽設備が
普及し、到るところに享楽施設があるのでこの危険が一層大きい。
 私のこれまでの長い経験によると、同僚や先輩でも、若い間に体力にまかせて、暴飲し
て夜ふかしたり、精力を濫費した人たちは、五十位まではまあよいが、それから先に急に
衰えてしまうのが多い。
 若い間はともすると、摂生することを卑屈だとか、意気地がないように思う向きもある
ようだが、これは間違っている。
 長い目で見れば、摂生―健康を保持することは最も重要である。
 
 
 苦労はすなわち努力
 
  鈴木 三郎助(味の素会長) 
  
 「若いときの苦労は買ってでもせよ」といわれるが、苦労を避けたり、恐れたりしては
誰も一人前にはなれない。
 苦労とはすなわち努力するということで、苦労をしない人間は取りも直さず努力しない
人間ということになる。私はこの五十年間、人間、どこまでも苦労しなければならぬとい
うタテマエで働き抜いてきた。
 多くの苦労や努力を重ねたかの違いで、成功、不成功の道が分かれる。人並みの人間が
人並みの働きで終わっておれば、人並み以上にはなれない。
 人並み以上といっても、人よりもほんの少しの多くの努力、苦労で結果は大きく違って
くる。われわれ平凡人はこれでやっていくしかない。
 要するに、苦労をいとわず、苦労に勇敢に突き進んで行くことは何より一番の学校であ
る。“苦労学校”の出身者には、どんなことにも決してヘコタレるということがない。
 
 
  怒るな、恐れるな、あせるな
 
  大田垣 士郎(関西電力社長)
 
 大田垣は関西電力社長として、“黒四ダム”の世紀の難工事に取り組んだ関西財界の傑
物だが、関電の前に昭和二十一年から二十六年まで、京阪電鉄社長を務めた。
 この時、社会も敗戦の混乱が尾を引き、組合運動が最も激しい時代であった。
 ヤジと怒号が飛びかう団体交渉の場で、大田垣はあくまで筋を通した。組合側は何とか
彼を怒らせて、失言を引き出そうとヤジり、ののしり、アノ手コノ手で攻撃を仕掛けてき
た。
 これに乗ると負けである。大田垣はじっと耐えた。「すべてを聞き流し、自分を見失な
わず、いつも冷静でいるよう」に心掛けた。
 「怒るな、恐れるな、あせるな」を徹底して実践したのである。
 この間に、大田垣は家族的に一大不幸に見舞われた。一ヵ月の間に、長女、長男の二人
を相次いで病気で亡くしたのだ。「地位も名誉もどんな物資も何の役にも立たなかった」
「子供に代わって、力の限り働こう」と大田垣は誓った。

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