前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(143)』「山手線新型車両トラブル続発、JR東は、顧客に犠牲を払わせて、自社と自工場の育成を図ったのか、との批判の声!⁇

      2015/12/07

 

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(143)』

 

JR東日本、最新技術に誤算:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ02HY9_S5A201C1TI1000/

<F国際ビジネスマンのコメント>

標題の件、山手線の新型車両のトラブルです。

車両の制作が総合車両製作所(旧東急車輌で今はJR東の直系子会社)、車載LANシステムとソフト開発が三菱電機、と聞いています。イーサネットを初めて採用するなど、初物が多いと聞いています。

初日の結果は、新製品であるにしても、予想外のトラブルが多過ぎる。満員の実車で被害者の数が多く、甚大な混乱を招いた。

小生、旧国鉄時代から技術陣の優秀さに魂消ており、旧電電公社の技術陣の優秀さと厳しさと共に、双璧で「日本の宝」と畏敬しておりました。

国内の関係業界と関係業者を束ね、JR王国、NTT王国が出来ていました。

あの鉄壁のJR東日本はこの20年で「高い技術完成度で世界一の輸送会社を目指すという矜持」をいつの間にか失っています?小生の周囲でも、JRブランドの毀損を嘆く声が急増しています。

昔は、お互いに一つのミスも許さない という強い申し合わせ、合言葉が施主と業者間にありました。

現在の様に、コンピュータ制御のウエイトが高まると、工房内だけでのチェックとダメ出しだけでは100%は難しいということでしょうが、安全、安心を最優先させる輸送手段としてはこのデタラメなトラブル事例は矢張り酷すぎます。

小生、第一報を耳にした時、PCの新製品出荷時の市場テスト、いわゆる β版のテストを思い出しました。顧客に売りつけてバグ出しをする、PC業界の悪習です。PCのバグと違い、走行車両のバグは安全に直結し致命傷になります。

航空業界ほどには、車両ごとのCPU制御が進展していない弱点がここにも出ている様に思います。

今回の車両とシステムの製作は、総合車両製作所の新津製造所と聞いています。そして情報システムは三菱電機です。

これを自社ではなく、川崎重工か日立製作所にやらせたらどうだったか?この両社は、体制、ハードとソフトの一体化開発、安全マインドの高さなど1日の長があり、仮にトラブってもこれ程の、始めからやり直す様な事態にはならなかったのではと思われます。施主目線、顧客目線で問題を予見する実力は相当なものです。

今回、JR東日本は、顧客に大きな犠牲を払わせて、自社と自工場の育成を図ったと云われても致し方ないのでは⁇

山手線新型車両E235系で相次いだトラブル、次世代システムのバグが原因http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/120100390/?rt=nocnt

2日以降も運行休止 “頭脳”司る新ソフトに不具合

http://www.sankei.com/affairs/news/151202/afr1512020004-n1.html

外国人が驚く!ニッポンの「鉄道作法」10選

日本の「常識」は海外からみると「ガラパゴス」

http://toyokeizai.net/articles/-/91367

 

首都圏の国際競争力と国内鉄道の役割 – 東京工業大学

http://www.enveng.titech.ac.jp/yai/syu.pdf

日本の「新幹線輸出」が決して楽観視できない3つの事情

http://hbol.jp/60821

技術展で垣間見えた「国内鉄道業界」の実態

鉄道輸出「オール日本」はかけ声だけか?

http://toyokeizai.net/articles/-/94676

日本と中国の高速鉄道輸出競争 世界各国で激戦

http://thutmose.blog.jp/archives/42968046.html

 - 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(139)再録/-日米の歴史、認識コミュニケーションギャップ・相互理解の難しさ①<ー1860年の日米通商条約から150年目―>『 初めて見るキッスに仰天!気味が悪い』『 アメリカ・こんな無礼な国はないぞ』『大統領選挙を理解できず、入札とおなじとみる』

   2010/06/09  の記事再録 …

no image
日本メルトダウン脱出法(602)「日本とアベノミクス:審判の時」(英エコノミスト誌)「アベノミクス反対論が瓦解した理由(英F・T紙)

 日本メルトダウンを脱出できるか(602)     …

no image
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変⑥』-服部宇之吉著『北京龍城日記』(大正15年)より②」★『著しく現世的で物質的/拝金主義の支那(中国)人民にとっては、来世的、禁欲的なキリスト教精神は全く理解できずパーセプションギャップ(認識ギャップ)が発生し、疑惑が増幅し戦争になった』

 明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変⑥』  西教(キリスト教)に対 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(329 )ー 『危機管理を忘れた国は崩壊するのが歴史法則』★『ペリー黒船来航の情報に対応できず、徳川幕府崩壊へ』★『阿蘭陀風説書でオランダ国王から黒船来航予告にまともに対応せず、 猜疑心と怯惰のために,あたら時間を無駄 にすごした」(勝海舟)』★

       2017/12/ …

no image
●<記事再録>巨大地震とリーダーシップ①3・11から5年目に熊本地震発生―危機突破の歴史リーダーシップに学ぶ①関東大震災と山本権兵衛、渋沢栄一

2011/04/06―日本リーダーパワー史(137) (再録)関東大震災での山本 …

no image
百歳学入門(193)―『発明王・エジソン(84歳)ーアメリカ史上最多の1913の特許をチームワークで達成したオルガナイザーの人生訓10か条』

百歳学入門(193) 発明王・エジソンーアメリカ史上最多の1913の特許をチーム …

no image
日本リーダーパワー史(952)ー『政府はこれまでの方針を大転換し、外国人労働者を受け入れの入管難民法案を提出、来年4月からは14業種で計約4万人を受け入れる方針』★『日米戦争の引き金になった「排日移民法」、大正時代に米国カルフォルニア州の日本人移民と現地の白人住民の間で生活、宗教、経済観念などで摩擦、対立がおこり「米国に同化できない民族だ」として1913年に「排日移民法」が成立した』

日本リーダーパワー史(952)   人口減少、深刻な人手不足対策として …

no image
『オンライン鈴木大拙講話』★「東西思想の「架け橋」となった鈴木大拙(95歳)―『★『禅は「不立文字」(文字では伝えることができない)心的現象』★『「切腹、自刃、自殺、特攻精神は、単なる感傷性の行動に過ぎない。もつと合理的に物事を考へなければならぬ」

★『死を恐れるのは仕事を持たないからだ。ライフワークに没頭し続ければ死など考える …

no image
『オンライン/日本興亡学講座』( 2009/06/06  の記事再録)★ 『西武王国と武田家(武田軍団)の滅亡』(創業は易く、守成は難し、2代目、3代目が潰していく)★『「売り家と唐様で書く三代目」(初代が苦心して財産を残しても、3代目にもなると没落してついに家を売りに出すようになる)』

 2009/06/06     前坂 俊 …

no image
日本メルトダウン脱出法(697)『コラム:日本の平和主義後退の「暗い影」『コラム:なぜ米国は中国軍を「訓練」するのか』

    日本メルトダウン脱出法(697)   コラム:日本の平和主義後 …